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将棋、森下卓九段の深い話2008年09月15日 00時28分40秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 書く時間がないといいつつ、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/09/14/3762573
竜王戦、羽生4冠が渡辺竜王に挑戦
で書いた森下卓九段が話したことの中で、AI(人工知能)関係のことをまた調べ
ているので、特に印象深かったものだけは書いておきたい。
 深い話です。

 コンピュータ将棋の話が出ました。
 そしたら、森下九段、「コンピュータがうらやましい」というんです。
 えっ?と思ったら、森下さん、「だって、コンピュータには、心がないです
よね。自分は心がないコンピュータがうらやましい」と。

 竜王戦の挑戦者を決める戦いでも、羽生さんは、各組の戦いでは、1組の5
位という下位で、かろうじて決勝トーナメントに進んだんですが、そこから勝
ち上がって、最後は木村一基本八段との三番勝負に勝って挑戦者になりました。
 特に深浦康市王位と丸山忠久九段との戦いは逆転勝ち。中でも丸山九段との
戦いは、プロならもう間違えようのないところ、丸山勝ちで決まりのところで、
丸山さんが将棋のセオリーや棋士の本能からすればあり得ない悪手を指して、
大逆転負け。
 森下さんによれば、今年の森内名人との戦いでの歴史に残る大逆転になった
第3局もそうだけど、羽生に勝たせれば将棋界が盛り上がるから、八百長だろ
うといわれるんじゃないかと心配したほどだそうです。
 そうなんです。羽生マジックは、まさに、情報省がやらせてる八百長です。\(^O^)/
 嘘嘘。将棋ファンはご安心を。

 でね。秒読み(やってみるとわかるけど、秒読みで指すと、ほんとすごく疲
れる)の中で、将棋のセオリーや培った棋士の本能に従って、指して負けたの
なら、それは、実力。
 森下さん、運といわないし、運も実力のうちともいわないところがさすが。
それがそいつのプロ棋士としての実力だと。
 それなら、また顔を洗って出直して鍛えればいいだけの話だし、あきらめも
つく。気持ちの整理もできる。
 ところが、羽生さん相手のときに限らないんだけど、秒読みという極限状況
では、なぜか、意図せずに、将棋のセオリーや培った棋士の本能に逆らって指
してしまうことがあって、これはなんなんだと。指がなぜかそう動いちゃう。
 そういうことが、羽生さんの対局のときは多いから、羽生マジックと呼ばれ
ると。これには対処のしようがない。そんな負け方をしたときは、気持ちの整
理がつかないと。

 米長邦雄永世棋聖、いまの将棋連盟会長の座右の銘は、「相手は必ず間違え
る」だそうです。\(^O^)/
 相手が間違えやすい泥沼に誘うから、米長さんの棋風は、泥沼流と評される
のでしょう。
 森下さんによれば、昔、それを聞いたときには、そんなふざけた座右の銘が
あるのか。\(^O^)/
 座右の銘は、もっと荘厳な言葉が多いのに、「相手は必ず間違える」なんて、
なんじゃ、そりゃと思ったそうです。でも、プロとして経験を積んでも、やっ
ぱり、自分も間違えるし、どんな大名人でも、なぜか間違える。それが体験を
通じ、実感としてよくわかる。それで、米長さんの言葉はなるほどなあと思っ
たそうです。
 でも、もしもですよ、もしも、それが心の問題だとすれば、これはもう心を
なくすしか対処法がないんじゃないかと。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/09/14/3762573
竜王戦、羽生4冠が渡辺竜王に挑戦
で書いたように、天下無敵の羽生さんだって、大勝負のときは、手が震えて駒
がもてないような状態になる。あれは心があるからだと。
 コンピュータはそういうふうにならない。だから、自分は、心がないコンピ
ュータがうらやましいと思うことがあると。
 武道もスポーツも将棋も囲碁もそうだが、勝負事では、「平常心」「無心」
「無我の境地」といったことを、よくいう。
 心をなくせ、意識がないほど無我夢中で集中しろ。そうすれば、動揺せず、
緊張せずに力を存分に出し切れると。無心、無我とはよくいったもので、コン
ピュータは、常に無心、無我だから、あれは常に力を出し切っているというこ
とでしょう? だから、自分は常に無心、無我のコンピュータはうらやましい
と思うことがある。
 そういう話を森下九段はしてくました。

 この話を聴いて、改めて思ったこと。
 AI(人工知能)の研究者は、コンピュータに心や意識がもたせられるのか知り
たい、あるいは、もたせたいと思って、悪戦苦闘してきているし、いまでも悪
戦苦闘しているわけです。
 ところが、一方では、心を捨てたい、心がないコンピュータがうらやましい
という森下九段のような人がいる。
 深い話だなあと。

 超一流のトッププロが戦っている勝負の世界の厳しさが伝わってきますが、
でもなあ。心があり、緊張があり、動揺があるから、名勝負も生まれ、感動も
生まれるんだから、気楽に観戦しているこっちとしては、対戦している人には、
心があったほうがいいと思いますね。
 ま、コンピュータ同士が戦う将棋の選手権でも、悲喜こもごもがありますが。

 ここまで書いてきて、思い出すのは、カーク船長が活躍する最初のスタート
レックの設定。日本だと「宇宙大作戦」でテレビ放映されたもの。
 バルカン人のスポックは感情がない。バルカンという文明は、感情を捨て論
理を徹底させたことで地球文明よりはるかに優れたものを早期に達成したとい
う設定。だからスポックは地球人の感情がわからない。でも時々、地球人の感
情っていいなと思ってることが、視聴者にわかる、そういう設定。
 もっと露骨なのが、ピカード艦長が活躍するネクスト・ジェネレーション、
日本だと「新スタートレック」の設定。
 データ少佐という登場人物がいる。彼はアンドロイドという設定。したがっ
て、感情がない。そして、人間の登場人物が感情的になるのにとまどう。でも、
スポック同様、感情をもってみたいと思っている。データの場合は、感情をも
ちたいというより、人間になりたいと思っている。そういう設定。
 以前から何度か書いているけど、人間性、ヒューマニティって何だとよく思
うね。これは、決して古びないテーマだし、こういう設定がドラマに深みを与
えているわけです。

 さらに、心とコンピュータの問題。
 もう15年くらい前ですか。名古屋で中華航空のエアバスが墜落した大事故が
ありましたよね。
 あのとき、エアバスの設計は、パニック時の人間は信頼できないからコンピ
ュータを信頼して自動操縦させようという設計。対照的にボーイングの設計は、
最後はコンピュータより人間を信頼する設計だというので、どこかで何か書い
た記憶がある。
 でも、jouwa/salonを探してもない。^^;
 どっちがいいんだというのは、哲学的な話と人命とに関わる難しい問題です
が、あのとき、おれは、最後は人間を信頼して、それでだめなら仕方ないんじ
ゃないかと思った記憶がある。それなら、もし墜落しても、遺族からコンピュ
ータに殺されたと思われるよりいいんじゃないかと。まあ、逃げです。^^;
 ほんとに完璧なら、心があるためにパニックになった人間よりコンピュータ
のほうが信頼できるはずだから、コンピュータ優先の設計もありだしね。一応、
エアバスはあのあと、手動に切り替えやすくして、最後は人間に任せられるよ
うに変更したそうですが。
 自分がそんな飛行機に乗っていたら、最後は機長に任せようと思うかな。
 やっぱ、ソフト屋のはしくれだから、コンピュータに任せようと思いそう。
 あ、でも、プログラムしたの、おれだった。\(^O^)/
 だったら絶対バグがあるので、やっぱり、機長に任せようになるのか。^^;

 映画「ターミネータ」「ターミネータ2」が怖いのは、ターミネータには心
がなく、自分がやられそうになっても、パニックにならずに、最後の最後まで、
冷静沈着に粛々と敵を殺すための最短手順を実行するからですよね。
 おれはああいうのに狙われたら、どうしようかと思うもの。
 森下九段みたいに、おれも心をなくさないと戦えないのかなと。
 そういえば、軍隊の新兵訓練は、心を捨てさせるところから入りますからね。
敵を殺すのには、心は邪魔ですから。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/09/04/3741480
ピンボールのリトルウイングの藤田さんと飲んだ\(^O^)/
で書いた100年後の言語(プログラミング言語)の話。
 おれ、もう、自然言語でやってるんじゃないかなどと思う。
 OSなどシステムの基本部分は、幼児から小学校、中学校で子供を教育するよ
うに育てる。
 そこまで育ったら、出荷して、それをアプリのプログラマが、大学で専門教
育で教えるふうに、応用分野毎にカスタマイズしていくんじゃないか。
 脳がどう情報処理をしているかがわかって、もう、心をもっていると思って
いいくらいに、マシン上にAI的なものが実装されているんじゃないかと。
 心をもっているから、人間のような柔軟な情報処理ができるけれど、逆に、
そこまで育ててやらないといけないんじゃないかと。
 漠然とそう思うようになったのは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/09/01/3727996
考える脳 考えるコンピューター
で紹介した
考える脳 考えるコンピューター (単行本)
ジェフ・ホーキンス (著), サンドラ・ブレイクスリー (著), 伊藤 文英 (翻訳)
を読んだからなんですけどね。画像認識でだいぶ成果が上がっているようだし、
100年あれば、行けるんじゃないかと。
 100年後の森下九段だったら、いまのコンピュータじゃなくて、100年前の心
をもたないコンピュータがうらやましいというんでしょうね、きっと。

 ってなことを思いながら、森下九段の話を聞いていました。
 さすが長くトッププロとして勝負の世界に身をおいてきただけあって、ほか
にも深い話がありましたが、おれには、この話が一番深かったです。

 最後にもう1つ。来週の日曜日、NHK杯の対戦は、森下九段と渡辺竜王です。
 この前、渡辺竜王が、森下さんが今度NHKの将棋番組をやるという話になっ
たとき、言いかけて、あ、まだ放送前だから言えませんといって、止めた話が
ありました。たぶん、今度の放送で、何かがあったんでしょう。
 森下さんは、以前、NHK杯で、序盤大きなうっかりがあったんです。相手は
誰だったか覚えてないけれど、森下さんが後手番で、解説は羽生さんでした。
 羽生さんが、「あれ? それ、えっ?」などと言って、「これは森下さんの
うっかりじゃないでしょうか」などということがあった。
 失礼ながら、そういうことが起きたんでしょうか。
 ご当人は、勝ち負けに直結する話なので大変なことですが、ファンとしては、
森下さんが、そういううっかりをやると、なんかほのぼのとして、癒され、な
ごんじゃって、やっぱ、森下さん、いいなあと思ったりするんです。
 今度のNHK杯の放送、要注目。

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http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/11/29/3981680
将棋ネタ
の続き。

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 もう当日になっちゃった。
 今日のNHKスペシャルは、将棋、羽生善治名人が人工知能(AI)を探る特集です。
http://www.nhk.or.jp/special/ai/

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 タイトルそのままです。
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 お前、どんだけ厚かましい

_ ホットコーナー - 2016年08月26日 11時53分32秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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 こんな本が出ているとは知らなかった。さっそく買ってみようと思う。

http://amzn.to/2inPi5j
アルファ碁はなぜ人間に勝てたのか (ベス

_ ホットコーナー - 2017年11月30日 11時11分32秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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 お買い上げありがとうございます。

■人工知能の核心
 NHKスペシャルでやったのを本にまとめたみたいですね。
https://www.amazon.co.j
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