そりゃ本家本元ですもん ― 2009年09月29日 11時24分52秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/15/4580273
クーリエ・ジャポン2009年10月号、英エコノミスト、夢枕獏
の続き。
===
標題: そりゃ本家本元ですもん
---
時間差レスポンス
> つばめどんが、日本の「週刊エコノミスト」と混同しないでくれというのも、
>よくわかる。雑誌で「エコノミスト」といったら、イギリスの「The
>Economist」に決まっていて、間違っても、「週刊エコノミスト」ではないと。
ロンドンエコノミストなんて呼んでるのは、毎日新聞社だけ。恨みも
なにもないけど、中身もないんだもの:-P
学生のころ、フォーチュンを定期購読したっけ。フォーチュン500とか
原語で読んじゃう。ニューヨークタイムズウィークリーレビューなんて
のも読んでたっけ。お前、英語読めるのかよ。眺めてると、なんとなく
わかってくるんじゃい。しかし、書籍費は青天井予算でやってたなあ、
俺。
ああいうのは、全部隅から隅まで読もうとすると失敗するんで、特集
だけでも読んでみるとか、名物コラムみたいなもんだけでも読んでみる
とかするのが、吉かと。フィナンシャルタイムズならレックスコラム
だけ読むとか、ね。
時間も金もなくなって、洋雑誌どころか、日本の雑誌も読まないように
なりました。言い訳ばっかりですねえ。
--
つばめどん
===
標題: Re: そりゃ本家本元ですもん
---
なんでいまさらの時間差レスだったのかというと、
http://www.asahi-net.or.jp/~tm2k-sgwr/magazine.html
なんてページを作ってるものとしては、やっぱり一言
いわせてもらいたいってことなんですね。余計な事を。
ちなみに、ここに掲載しているレートは雑誌などに掲載
されているレートであって、購読者などにはさらに安い
値段を提示したり、いろいろあるようです。そこまでは
仕事の邪魔かもしれないので、書いてません。きりがな
いしね。
--
つばめどん
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/15/4580273
クーリエ・ジャポン2009年10月号、英エコノミスト、夢枕獏
の続き。
===
標題: そりゃ本家本元ですもん
---
時間差レスポンス
> つばめどんが、日本の「週刊エコノミスト」と混同しないでくれというのも、
>よくわかる。雑誌で「エコノミスト」といったら、イギリスの「The
>Economist」に決まっていて、間違っても、「週刊エコノミスト」ではないと。
ロンドンエコノミストなんて呼んでるのは、毎日新聞社だけ。恨みも
なにもないけど、中身もないんだもの:-P
学生のころ、フォーチュンを定期購読したっけ。フォーチュン500とか
原語で読んじゃう。ニューヨークタイムズウィークリーレビューなんて
のも読んでたっけ。お前、英語読めるのかよ。眺めてると、なんとなく
わかってくるんじゃい。しかし、書籍費は青天井予算でやってたなあ、
俺。
ああいうのは、全部隅から隅まで読もうとすると失敗するんで、特集
だけでも読んでみるとか、名物コラムみたいなもんだけでも読んでみる
とかするのが、吉かと。フィナンシャルタイムズならレックスコラム
だけ読むとか、ね。
時間も金もなくなって、洋雑誌どころか、日本の雑誌も読まないように
なりました。言い訳ばっかりですねえ。
--
つばめどん
===
標題: Re: そりゃ本家本元ですもん
---
なんでいまさらの時間差レスだったのかというと、
http://www.asahi-net.or.jp/~tm2k-sgwr/magazine.html
なんてページを作ってるものとしては、やっぱり一言
いわせてもらいたいってことなんですね。余計な事を。
ちなみに、ここに掲載しているレートは雑誌などに掲載
されているレートであって、購読者などにはさらに安い
値段を提示したり、いろいろあるようです。そこまでは
仕事の邪魔かもしれないので、書いてません。きりがな
いしね。
--
つばめどん
ラグビー、トップリーグ第4節 ― 2009年09月29日 11時25分57秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のkick/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
サントリーは、近鉄に快勝しましたが、東芝はトヨタに競り負け、2敗目。
三洋電機とサントリーがともに2敗する可能性はそんなにないと思うので、早
くも連覇に黄色信号か。
それと、失礼ながら開幕3連勝するとは思ってなかったクボタに土が付きま
した。
試合結果は、
http://www.top-league.jp/
をどうぞ。
http://www.top-league.jp/news/news6873.html
には、ダイジェストの動画がありますね。
いまどき、
OS Windows Vista / Windows XP Mac OSではご覧いただけません。
ブラウザ Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2 以上
というのは、BIGLOBEストリーム、大丈夫かと思いますが。^^;
その他、ラグビーのニュースは、
http://www.sanspo.com/rugby/rugby.htm
をどうぞ。
---
サントリーは、近鉄に快勝しましたが、東芝はトヨタに競り負け、2敗目。
三洋電機とサントリーがともに2敗する可能性はそんなにないと思うので、早
くも連覇に黄色信号か。
それと、失礼ながら開幕3連勝するとは思ってなかったクボタに土が付きま
した。
試合結果は、
http://www.top-league.jp/
をどうぞ。
http://www.top-league.jp/news/news6873.html
には、ダイジェストの動画がありますね。
いまどき、
OS Windows Vista / Windows XP Mac OSではご覧いただけません。
ブラウザ Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2 以上
というのは、BIGLOBEストリーム、大丈夫かと思いますが。^^;
その他、ラグビーのニュースは、
http://www.sanspo.com/rugby/rugby.htm
をどうぞ。
ブラック・スワンのせいか、べき乗則、複雑系、非線型関係の本が売れてます ― 2009年09月29日 11時27分09秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
連休や週末、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/18/4583880
日経サイエンス2009年10月号、アハラノフ、ブラック・スワン
で、ブラック・スワンの感想をちょっと書いたせいか、異様に、べき乗則、複
雑系、非線型関係の本が売れてました。誰かの大人買いなのかな。それにして
も、かなりあります。
これだけ大人買いするとすれば、どこかの星のスパイでしょうね。\(^O^)/
ブラック・スワンの感想は、あとで書くとして、いっぱいあるので、ほとん
どリストだけ。
英語の本の場合、邦訳があるかどうか調べて、あれば掲載しました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777513971/showshotcorne-22/
Javaによる複雑系入門―「セル・オートマトン」「カオス」「フラクタル」…
理論を視覚化! (I・O BOOKS) (単行本)
赤間 世紀 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4768703704/showshotcorne-22/
Q&A:入門複雑系の科学―ゆらぎ・フラクタルで現象を測る (単行本)
木下 栄蔵 (著), 亀井 栄治 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781905927/showshotcorne-22/
カオス―カオス理論の基礎と応用 (Information & computing) (単行本)
合原 一幸 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274023893/showshotcorne-22/
カオスとフラクタル―Excelで体験 (単行本)
臼田 昭司 (著), 井上 祥史 (著), 葭谷 安正 (著), 東野 勝治 (著), 伊藤
敏 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4818819506/showshotcorne-22/
パレート・ファームズ―企業の興亡とつながりの科学 (単行本)
青山 秀明 (著), 家富 洋 (著), 池田 裕一 (著), 相馬 亘 (著), 藤原 義久
(著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320008952/showshotcorne-22/
ローレンツ カオスのエッセンス (単行本(ソフトカバー))
E.N. ローレンツ (著), E.N. Lorenz (原著), 杉山 勝 (翻訳), 杉山 智子
(翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320096398/showshotcorne-22/
経済物理学 (単行本)
青山 秀明 (著), 家富 洋 (著), 池田 裕一 (著), 相馬 亘 (著), 藤原 義久
(著)
安価でありながらも内容が充実している経済物理学の入門書は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/11/26/970676
データや統計の罠と監視社会
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/07/985911
ブラック・ショールズの公式
で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334032672/showshotcorne-22/
経済物理学の発見 (光文社新書) (新書)
高安 秀樹 (著)
ですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0465043577/showshotcorne-22/
The Misbehavior of Markets: A Fractal View of Financial Turbulence (ペ
ーパーバック)
Benoit Mandelbrot (著), Richard L. Hudson (著)
の邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492654178/showshotcorne-22/
禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン (単行本)
ベノワ・B・マンデルブロ (著), リチャード・L・ハドソン (著), 高安 秀樹
(翻訳), 雨宮 絵理 (翻訳), 高安 美佐子 (翻訳), 冨永 義治 (翻訳), 山崎
和子 (翻訳)
この本は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/10/3809788
マンデルブロ「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/12/3815144
Re: マンデルブロ「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/28/3851846
Re: マンデルブロ「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」その2
で紹介済み。
それと、高くて難しそうな英語の本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0521791634/showshotcorne-22/
Derivatives in Financial Markets with Stochastic Volatility (ハードカ
バー)
Jean-Pierre Fouque (著), George Papanicolaou (著), K. Ronnie Sircar
(著)
金融工学の本のようですが、アマゾンのデータが正しいなら、たった216ペ
ージで、現在、9,749円なので、かなり高いですよね。もっと、円高になって、
1ドル10円になればいいんだろうけど。^^;
そういえば、藤井裕久財務大臣の発言で為替が一気に円高、亀井静香郵政・
金融担当大臣の発言で金融株暴落状態。マーケットはほんと面白いわ。大損
こいてるけど。^^;
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0141034599/showshotcorne-22/
The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable (ペーパーバック)
Nassim Nicholas Taleb (著)
の邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001251/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008884/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
これは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/09/4354397
ブラック・スワン関係
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/05/4343404
ナシーム・ニコラス・タレブ著「ブラック・スワン」、まもなく出版!
などで紹介。
前述のように、あとで感想を書きます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0141031484/showshotcorne-22/
Fooled by Randomness: The Hidden Role of Chance in Life and in the
Markets (ペーパーバック)
Nassim Nicholas Taleb (著)
は、タレブの前著。その邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001227/showshotcorne-22/
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
ですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150503583/showshotcorne-22/
歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学
(ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (文庫)
マーク・ブキャナン (著), Mark Buchanan (著), 水谷 淳 (翻訳)
ブキャナンのこの路線の本は、すでにあって、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152085282/showshotcorne-22/
歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか (単行本)
マーク ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901550/showshotcorne-22/
人は原子、世界は物理法則で動く―社会物理学で読み解く人間行動 (単行本)
マーク ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 阪本 芳久 (翻訳)
ブキャナンの複雑ネットワーク系の本は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/11/14/
Lispイベント、セマンティックウェブ、ソーシャル分析、グラフ理論、ネット
ワーク科学
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/06/10/1568958
新ネットワーク思考、ネットワーク科学、複雑ネットワーク
ですでに紹介しています。一緒に紹介したものと列挙すると、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794213859/showshotcorne-22/
マーク・ブキャナン著, 阪本芳久訳「複雑な世界、単純な法則 ネットワーク
科学の最前線」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140807431/showshotcorne-22/
アルバート・ラズロ・バラバシ著, 青木薫訳「新ネットワーク思考―世界のし
くみを読み解く」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575116/showshotcorne-22/
増田直紀, 今野紀雄著「「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解
く新しいアプローチ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0738204536/showshotcorne-22/
Nonlinear Dynamics And Chaos: With Applications To Physics, Biology,
Chemistry, And Engineering (Studies in nonlinearity) (ペーパーバック)
Steven H. Strogatz (著)
の邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152086262/showshotcorne-22/
SYNC (単行本)
スティーヴン・ストロガッツ (著), 蔵本由紀 (翻訳), 長尾力 (翻訳)
これは、ぼくも買いましたが、まだ積ん読です。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/07/29/4462499
Nonlinear Dynamics And Chaos, SYNC, 新しい自然学, 非線形科学の可能性
で紹介しています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087204081/showshotcorne-22/
蔵本由紀著「非線形科学 (集英社新書 408G)」
が売れていたのは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/12/07/2479808
蔵本由紀著「非線形科学 (集英社新書 408G)」
で紹介したせいだろうし(もう2年近く前!)、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4816340882/showshotcorne-22/
今野紀雄著「複雑系 (図解雑学)」
が売れていたのは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449895
非線形科学、失敗学
で、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061493280/showshotcorne-22/
吉永良正著「「複雑系」とは何か (講談社現代新書)」
と共に紹介したせいかな。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/04/07/4230631
図解雑学シリーズ
でも言及しています。
さて、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001251/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008884/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
の感想。
この本は、下巻から読んだ方がわかりやすいだろう。特に文学的な文芸作品
を読み慣れてない人たち、文学的素養や文学的読解力のない人には。
なぜかというと、下巻は、経済学、中でも投資や金融工学の世界に焦点を絞
ってあるから。用語集も巻末にあるので、上巻で説明している言葉も、用語集
を読みながら読めば、下巻から読み始めても大丈夫でしょう。
金融工学は、クズ科学だと罵倒しています。偽物だと。そんなクズなものを
アメリカだけでも毎年何十万人にも、経済学部で教えてバカを大量生産してい
るなんて正気の沙汰じゃないという主張が明快でわかりやすいから。
この文脈の金融工学を勝間和代に置き換えると、おれの主張と同じだ。\(^O^)/
正規分布(ガウス分布)でやってると、いろんなリスクを過小評価してしまう
というのが、マンデルブロやタレブの立場なので、それが正しいとすると、リ
ーマンショック以降、100年に一度の金融危機という言葉が流布されているが、
そんなの嘘でしょうね。実際は、10年に一度くらいで起きるんじゃないか。
情報通信技術(ICT)の発達で、情報伝達が非常に速く安くできるようになっ
て、株や為替だけじゃなく、社会のいろんな面で、変動が大きくなってるもん
ね。
アメリカの路線は、バブルによる株価や不動産の釣り上げと、戦争という名
の公共事業がないとだめっぽいし。
さて、話を戻すと、下巻に比べ、上巻は、もっと広く人間や人生について書
いてあって、話題も哲学、心理学、脳科学とあちこち飛びながら、各種の比喩
(直喩、隠喩、換喩)もあり、衒学的でもあり、ときに韜晦的でもあり、婉曲的
な表現があり、要はビジネス書としては文学的なんです。
先に書いた「文学を読んだことがない人たち」の文学は、いわゆる文学作品
であって、ミステリー、歴史小説、ファンタジー、SFなどエンターテインメン
ト作品の類ではない。エンターテインメント作品はいくら読んでも、それだけ
では、文学的読解力は身に付かないんですよね。
エンターテインメント作品は、いってみれば、インスタント、レトルト食品
だから、料理しやすく食べやすくなってるけど、いろんな栄養が抜け落ちても
いる。ほんとの山や海は、荒々しく危険なのに、ディズニーランドのアトラク
ションを冒険だと思うようなものです。ディズニーランドのアトラクションで、
サバイバルできる能力が身に付くわけがないよね。
上記、アマゾンにあるブラック・スワンの素人評の中には、文章がわからん
とか、いかにも文学的文盲の連中が文句を言ってるものがありますね。こうい
う人たちは、手っ取り早く、簡単な法則、公式を求めているんでしょう。でも、
それじゃだめだってのが、ブラック・スワンの主張の1つなんだけどね。
ダイジェスト、まとめ、答だけを知ってどうするんだってことです。そこに
至る過程、プロセスを考えない、楽しめないなら、文学の価値はわからないし、
芸術一般の価値も知的生産の意味も人生の価値もわからないよ。投資にも失敗
するよということですね。
上記、アマゾンの連中は、「ゲーデル・エッシャー・バッハ」なんて、絶対、
楽しめないよね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901259/showshotcorne-22/
ダグラス・R. ホフスタッター著, 野崎昭弘, 柳瀬尚紀, はやしはじめ訳「ゲ
ーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」
ま、カモリーマンは、ずっとカモリーマンってことですわ。
参考:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/08/3018395
宮台・東対談『動物化するポストモダン』を読む
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/14/1260227
円周率音楽、ゲーデル、エッシャー、バッハ、モーツァルト
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/10/3045726
数学者の密室
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/11/18/3953075
ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
上記リンクの「ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ」を読んで
思い出したが、ソロスは哲学者カール・ポパーの信奉者として有名ですが、タ
レブもポパーの信奉者ですね。
金融工学に連なる人たち、マートンやショールズたちをこき下ろしてますが、
実践的懐疑論者であるタレブは、ブラック・ショールズの公式に相当するもの
を先に見つけていて、しかし、学会での論文発表より実践するほうを選び、フ
ァンドを運用して実際に高いパフォーマンスを出し続けたエド・ソープを絶賛
しています。もちろん、マンデルブロも絶賛しています。タレブはマンデルブ
ロと共同研究もやってるんですね。
エド・ソープの名前は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/18/4583891
ちくま学芸文庫、シャノンの「通信の数学的理論」
で出しましたね。
それから、おれ、以前、経済の動きは、量子力学的な感じがするなどと書い
て、でも、「経済物理学の発見」によれば、相転移で説明できるんじゃないか
と書いてあったなどと書いた記憶があって、検索したら、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/07/985911
ブラック・ショールズの公式
で書いてますね。もう3年近く前なのか。やだなあ。でも、こうやってこつこ
つ駄文でも書き連ねているとあとから検索できていいね。
でね。タレブの見解は、経済学者でも量子力学の不確定性原理を持ち出しす
人がいるが、量子論の不確定性は素直なもの。つまり、たくさん集めると不確
定要素がなくなる、要は、大数の法則が成り立つ世界なので、経済現象の説明
には不適当だろうなどと書いてあった記憶がある。
もう、記憶がないのか。
はい、薄れてる。^^;
「ブラック・スワン」には、
マーク・ブキャナン「歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか」
フィリップ・ポール「臨界点」
ポール・オームロッド「なぜほとんどが失敗に終わるか」
が、複雑系の研究を要約した一般向け読み物として、本文に出てきます(下巻
172ページ)。ちなみに、他の参考文献は、巻末にいっぱい出てます。
それで、この3冊が売られているか調べました。
ブキャナンのは、前述したけれど、もう一度書くと、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152085282/showshotcorne-22/
歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか (単行本)
マーク ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)
フィリップ・ポールの「臨界点」は見つからなかった。邦訳は、ないようで
す(あったら教えてください)。それで、原著は何かと探したら、どうやら、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0374530416/showshotcorne-22/
Critical Mass: How One Thing Leads to Another (ペーパーバック)
Philip Ball (著)
だと思います。
ポール・オームロッドの「なぜほとんどが失敗に終わるか」も見つからなか
った。これも邦訳は、ないようです(あったら教えてください)。原著はどうや
ら、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0470089199/showshotcorne-22/
Why Most Things Fail: Evolution, Extinction and Economics (ペーパーバ
ック)
Paul Ormerod (著)
のようです。
ただ、オームロッドの邦訳された本としては、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152083697/showshotcorne-22/
バタフライ・エコノミクス―複雑系で読み解く社会と経済の動き (単行本)
ポール オームロッド (著), Paul Ormerod (原著), 北沢 格 (翻訳), 塩沢 由
典
はありました。
Paul Ormerod氏のサイトにある本のリストは、
http://www.paulormerod.com/books.html
をどうぞ。
「ブラック・スワン」で、タレブさんは、この3人のアイデアや説明にかな
り納得するんですが、やはり、実践的懐疑論者らしく、これらのアイデアをそ
のまま実際に使おうとは思わない。そして、
「複雑系の理論から私たちが学ぶべきことは、現実を厳密にモデル化したもの
から科学的主張が出てきたら疑ってしかるべきだということだ」
だそうです。うまいこと、いいますよねえ。
長くなったので、これでおしまい。
なんでか知らんけど、ムペンバ効果という言葉がメモに残っていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ムペンバ効果
をどうぞ。
あ、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462108061/showshotcorne-22/
超臨界流体入門 (単行本)
化学工学会超臨界流体部会 (著, 編集)
が、売れていたからなのかな。
これ、名前からして興奮しますね。「流体」だけでも感じちゃうのに、「超
臨界」なんてついてると、それだけでいっちゃいますね。\(^O^)/
---
連休や週末、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/18/4583880
日経サイエンス2009年10月号、アハラノフ、ブラック・スワン
で、ブラック・スワンの感想をちょっと書いたせいか、異様に、べき乗則、複
雑系、非線型関係の本が売れてました。誰かの大人買いなのかな。それにして
も、かなりあります。
これだけ大人買いするとすれば、どこかの星のスパイでしょうね。\(^O^)/
ブラック・スワンの感想は、あとで書くとして、いっぱいあるので、ほとん
どリストだけ。
英語の本の場合、邦訳があるかどうか調べて、あれば掲載しました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777513971/showshotcorne-22/
Javaによる複雑系入門―「セル・オートマトン」「カオス」「フラクタル」…
理論を視覚化! (I・O BOOKS) (単行本)
赤間 世紀 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4768703704/showshotcorne-22/
Q&A:入門複雑系の科学―ゆらぎ・フラクタルで現象を測る (単行本)
木下 栄蔵 (著), 亀井 栄治 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781905927/showshotcorne-22/
カオス―カオス理論の基礎と応用 (Information & computing) (単行本)
合原 一幸 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274023893/showshotcorne-22/
カオスとフラクタル―Excelで体験 (単行本)
臼田 昭司 (著), 井上 祥史 (著), 葭谷 安正 (著), 東野 勝治 (著), 伊藤
敏 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4818819506/showshotcorne-22/
パレート・ファームズ―企業の興亡とつながりの科学 (単行本)
青山 秀明 (著), 家富 洋 (著), 池田 裕一 (著), 相馬 亘 (著), 藤原 義久
(著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320008952/showshotcorne-22/
ローレンツ カオスのエッセンス (単行本(ソフトカバー))
E.N. ローレンツ (著), E.N. Lorenz (原著), 杉山 勝 (翻訳), 杉山 智子
(翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320096398/showshotcorne-22/
経済物理学 (単行本)
青山 秀明 (著), 家富 洋 (著), 池田 裕一 (著), 相馬 亘 (著), 藤原 義久
(著)
安価でありながらも内容が充実している経済物理学の入門書は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/11/26/970676
データや統計の罠と監視社会
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/07/985911
ブラック・ショールズの公式
で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334032672/showshotcorne-22/
経済物理学の発見 (光文社新書) (新書)
高安 秀樹 (著)
ですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0465043577/showshotcorne-22/
The Misbehavior of Markets: A Fractal View of Financial Turbulence (ペ
ーパーバック)
Benoit Mandelbrot (著), Richard L. Hudson (著)
の邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492654178/showshotcorne-22/
禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン (単行本)
ベノワ・B・マンデルブロ (著), リチャード・L・ハドソン (著), 高安 秀樹
(翻訳), 雨宮 絵理 (翻訳), 高安 美佐子 (翻訳), 冨永 義治 (翻訳), 山崎
和子 (翻訳)
この本は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/10/3809788
マンデルブロ「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/12/3815144
Re: マンデルブロ「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/28/3851846
Re: マンデルブロ「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」その2
で紹介済み。
それと、高くて難しそうな英語の本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0521791634/showshotcorne-22/
Derivatives in Financial Markets with Stochastic Volatility (ハードカ
バー)
Jean-Pierre Fouque (著), George Papanicolaou (著), K. Ronnie Sircar
(著)
金融工学の本のようですが、アマゾンのデータが正しいなら、たった216ペ
ージで、現在、9,749円なので、かなり高いですよね。もっと、円高になって、
1ドル10円になればいいんだろうけど。^^;
そういえば、藤井裕久財務大臣の発言で為替が一気に円高、亀井静香郵政・
金融担当大臣の発言で金融株暴落状態。マーケットはほんと面白いわ。大損
こいてるけど。^^;
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0141034599/showshotcorne-22/
The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable (ペーパーバック)
Nassim Nicholas Taleb (著)
の邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001251/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008884/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
これは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/09/4354397
ブラック・スワン関係
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/05/4343404
ナシーム・ニコラス・タレブ著「ブラック・スワン」、まもなく出版!
などで紹介。
前述のように、あとで感想を書きます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0141031484/showshotcorne-22/
Fooled by Randomness: The Hidden Role of Chance in Life and in the
Markets (ペーパーバック)
Nassim Nicholas Taleb (著)
は、タレブの前著。その邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001227/showshotcorne-22/
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
ですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150503583/showshotcorne-22/
歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学
(ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (文庫)
マーク・ブキャナン (著), Mark Buchanan (著), 水谷 淳 (翻訳)
ブキャナンのこの路線の本は、すでにあって、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152085282/showshotcorne-22/
歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか (単行本)
マーク ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901550/showshotcorne-22/
人は原子、世界は物理法則で動く―社会物理学で読み解く人間行動 (単行本)
マーク ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 阪本 芳久 (翻訳)
ブキャナンの複雑ネットワーク系の本は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/11/14/
Lispイベント、セマンティックウェブ、ソーシャル分析、グラフ理論、ネット
ワーク科学
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/06/10/1568958
新ネットワーク思考、ネットワーク科学、複雑ネットワーク
ですでに紹介しています。一緒に紹介したものと列挙すると、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794213859/showshotcorne-22/
マーク・ブキャナン著, 阪本芳久訳「複雑な世界、単純な法則 ネットワーク
科学の最前線」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140807431/showshotcorne-22/
アルバート・ラズロ・バラバシ著, 青木薫訳「新ネットワーク思考―世界のし
くみを読み解く」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575116/showshotcorne-22/
増田直紀, 今野紀雄著「「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解
く新しいアプローチ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0738204536/showshotcorne-22/
Nonlinear Dynamics And Chaos: With Applications To Physics, Biology,
Chemistry, And Engineering (Studies in nonlinearity) (ペーパーバック)
Steven H. Strogatz (著)
の邦訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152086262/showshotcorne-22/
SYNC (単行本)
スティーヴン・ストロガッツ (著), 蔵本由紀 (翻訳), 長尾力 (翻訳)
これは、ぼくも買いましたが、まだ積ん読です。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/07/29/4462499
Nonlinear Dynamics And Chaos, SYNC, 新しい自然学, 非線形科学の可能性
で紹介しています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087204081/showshotcorne-22/
蔵本由紀著「非線形科学 (集英社新書 408G)」
が売れていたのは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/12/07/2479808
蔵本由紀著「非線形科学 (集英社新書 408G)」
で紹介したせいだろうし(もう2年近く前!)、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4816340882/showshotcorne-22/
今野紀雄著「複雑系 (図解雑学)」
が売れていたのは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449895
非線形科学、失敗学
で、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061493280/showshotcorne-22/
吉永良正著「「複雑系」とは何か (講談社現代新書)」
と共に紹介したせいかな。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/04/07/4230631
図解雑学シリーズ
でも言及しています。
さて、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001251/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008884/showshotcorne-22/
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
の感想。
この本は、下巻から読んだ方がわかりやすいだろう。特に文学的な文芸作品
を読み慣れてない人たち、文学的素養や文学的読解力のない人には。
なぜかというと、下巻は、経済学、中でも投資や金融工学の世界に焦点を絞
ってあるから。用語集も巻末にあるので、上巻で説明している言葉も、用語集
を読みながら読めば、下巻から読み始めても大丈夫でしょう。
金融工学は、クズ科学だと罵倒しています。偽物だと。そんなクズなものを
アメリカだけでも毎年何十万人にも、経済学部で教えてバカを大量生産してい
るなんて正気の沙汰じゃないという主張が明快でわかりやすいから。
この文脈の金融工学を勝間和代に置き換えると、おれの主張と同じだ。\(^O^)/
正規分布(ガウス分布)でやってると、いろんなリスクを過小評価してしまう
というのが、マンデルブロやタレブの立場なので、それが正しいとすると、リ
ーマンショック以降、100年に一度の金融危機という言葉が流布されているが、
そんなの嘘でしょうね。実際は、10年に一度くらいで起きるんじゃないか。
情報通信技術(ICT)の発達で、情報伝達が非常に速く安くできるようになっ
て、株や為替だけじゃなく、社会のいろんな面で、変動が大きくなってるもん
ね。
アメリカの路線は、バブルによる株価や不動産の釣り上げと、戦争という名
の公共事業がないとだめっぽいし。
さて、話を戻すと、下巻に比べ、上巻は、もっと広く人間や人生について書
いてあって、話題も哲学、心理学、脳科学とあちこち飛びながら、各種の比喩
(直喩、隠喩、換喩)もあり、衒学的でもあり、ときに韜晦的でもあり、婉曲的
な表現があり、要はビジネス書としては文学的なんです。
先に書いた「文学を読んだことがない人たち」の文学は、いわゆる文学作品
であって、ミステリー、歴史小説、ファンタジー、SFなどエンターテインメン
ト作品の類ではない。エンターテインメント作品はいくら読んでも、それだけ
では、文学的読解力は身に付かないんですよね。
エンターテインメント作品は、いってみれば、インスタント、レトルト食品
だから、料理しやすく食べやすくなってるけど、いろんな栄養が抜け落ちても
いる。ほんとの山や海は、荒々しく危険なのに、ディズニーランドのアトラク
ションを冒険だと思うようなものです。ディズニーランドのアトラクションで、
サバイバルできる能力が身に付くわけがないよね。
上記、アマゾンにあるブラック・スワンの素人評の中には、文章がわからん
とか、いかにも文学的文盲の連中が文句を言ってるものがありますね。こうい
う人たちは、手っ取り早く、簡単な法則、公式を求めているんでしょう。でも、
それじゃだめだってのが、ブラック・スワンの主張の1つなんだけどね。
ダイジェスト、まとめ、答だけを知ってどうするんだってことです。そこに
至る過程、プロセスを考えない、楽しめないなら、文学の価値はわからないし、
芸術一般の価値も知的生産の意味も人生の価値もわからないよ。投資にも失敗
するよということですね。
上記、アマゾンの連中は、「ゲーデル・エッシャー・バッハ」なんて、絶対、
楽しめないよね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901259/showshotcorne-22/
ダグラス・R. ホフスタッター著, 野崎昭弘, 柳瀬尚紀, はやしはじめ訳「ゲ
ーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」
ま、カモリーマンは、ずっとカモリーマンってことですわ。
参考:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/08/3018395
宮台・東対談『動物化するポストモダン』を読む
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/14/1260227
円周率音楽、ゲーデル、エッシャー、バッハ、モーツァルト
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/10/3045726
数学者の密室
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/11/18/3953075
ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
上記リンクの「ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ」を読んで
思い出したが、ソロスは哲学者カール・ポパーの信奉者として有名ですが、タ
レブもポパーの信奉者ですね。
金融工学に連なる人たち、マートンやショールズたちをこき下ろしてますが、
実践的懐疑論者であるタレブは、ブラック・ショールズの公式に相当するもの
を先に見つけていて、しかし、学会での論文発表より実践するほうを選び、フ
ァンドを運用して実際に高いパフォーマンスを出し続けたエド・ソープを絶賛
しています。もちろん、マンデルブロも絶賛しています。タレブはマンデルブ
ロと共同研究もやってるんですね。
エド・ソープの名前は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/18/4583891
ちくま学芸文庫、シャノンの「通信の数学的理論」
で出しましたね。
それから、おれ、以前、経済の動きは、量子力学的な感じがするなどと書い
て、でも、「経済物理学の発見」によれば、相転移で説明できるんじゃないか
と書いてあったなどと書いた記憶があって、検索したら、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/07/985911
ブラック・ショールズの公式
で書いてますね。もう3年近く前なのか。やだなあ。でも、こうやってこつこ
つ駄文でも書き連ねているとあとから検索できていいね。
でね。タレブの見解は、経済学者でも量子力学の不確定性原理を持ち出しす
人がいるが、量子論の不確定性は素直なもの。つまり、たくさん集めると不確
定要素がなくなる、要は、大数の法則が成り立つ世界なので、経済現象の説明
には不適当だろうなどと書いてあった記憶がある。
もう、記憶がないのか。
はい、薄れてる。^^;
「ブラック・スワン」には、
マーク・ブキャナン「歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか」
フィリップ・ポール「臨界点」
ポール・オームロッド「なぜほとんどが失敗に終わるか」
が、複雑系の研究を要約した一般向け読み物として、本文に出てきます(下巻
172ページ)。ちなみに、他の参考文献は、巻末にいっぱい出てます。
それで、この3冊が売られているか調べました。
ブキャナンのは、前述したけれど、もう一度書くと、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152085282/showshotcorne-22/
歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか (単行本)
マーク ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)
フィリップ・ポールの「臨界点」は見つからなかった。邦訳は、ないようで
す(あったら教えてください)。それで、原著は何かと探したら、どうやら、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0374530416/showshotcorne-22/
Critical Mass: How One Thing Leads to Another (ペーパーバック)
Philip Ball (著)
だと思います。
ポール・オームロッドの「なぜほとんどが失敗に終わるか」も見つからなか
った。これも邦訳は、ないようです(あったら教えてください)。原著はどうや
ら、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0470089199/showshotcorne-22/
Why Most Things Fail: Evolution, Extinction and Economics (ペーパーバ
ック)
Paul Ormerod (著)
のようです。
ただ、オームロッドの邦訳された本としては、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152083697/showshotcorne-22/
バタフライ・エコノミクス―複雑系で読み解く社会と経済の動き (単行本)
ポール オームロッド (著), Paul Ormerod (原著), 北沢 格 (翻訳), 塩沢 由
典
はありました。
Paul Ormerod氏のサイトにある本のリストは、
http://www.paulormerod.com/books.html
をどうぞ。
「ブラック・スワン」で、タレブさんは、この3人のアイデアや説明にかな
り納得するんですが、やはり、実践的懐疑論者らしく、これらのアイデアをそ
のまま実際に使おうとは思わない。そして、
「複雑系の理論から私たちが学ぶべきことは、現実を厳密にモデル化したもの
から科学的主張が出てきたら疑ってしかるべきだということだ」
だそうです。うまいこと、いいますよねえ。
長くなったので、これでおしまい。
なんでか知らんけど、ムペンバ効果という言葉がメモに残っていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ムペンバ効果
をどうぞ。
あ、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462108061/showshotcorne-22/
超臨界流体入門 (単行本)
化学工学会超臨界流体部会 (著, 編集)
が、売れていたからなのかな。
これ、名前からして興奮しますね。「流体」だけでも感じちゃうのに、「超
臨界」なんてついてると、それだけでいっちゃいますね。\(^O^)/
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