将棋世界2010年3月号、コンピュータ将棋、機械学習の弱点 ― 2010年02月08日 09時02分18秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00354W56K/showshotcorne-22/
将棋世界 2010年 03月号 [雑誌] (雑誌)
は、読みどころ満載。
将棋関係、面白い話がいろいろあって、あれこれ紹介したいけど、時間がな
いから、今日は、コンピュータ将棋の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?
」のみ。
今月は、機械学習の弱点についての解説。
いま、コンピュータ将棋は、革命をもたらしたBONANZA(ボナンザ)の機械学
習、いわゆるボナンザメソッドが主流ですが、そのBONANZAが手も足も出ない
戦法が出ています。その名も「丸山スペシャル」。
これが、実に機械学習の弱点を突きまくった戦法で、人間ならアマチュアで
も、おれでも簡単にこの戦法を破れるんだけど、コンピュータは手も足も出な
い。
「丸山スペシャル」は、機械学習の本質的な問題を目に見える形で提起した
戦法です。
昔、弾さん(小飼弾)が、たしか、渡辺竜王の本の感想を書いていた。
脱線するが、あのレベルは、書評でもレビューでもない。第1次近似感想文。
これは、「勝間和代・小飼弾対談」批判を書くときに詳しく書こうと思ってい
たけれど、その批判文、まだ書いてないね。^^;
で、弾さん、結局、プロがたくさん指せば指すほど、コンピュータが学習し
て人間を打ち負かすようになるといったことを書いていた。
弾さん、機械学習を知らないんだよね。やったこともないだろうし。
そんなに機械学習が簡単で万能なら、いまごろ、人類をコンピュータ知性が
支配してますよ。人間が生まれてから20年かかって大人になるとしたら、コン
ピュータは機械学習で2年で大人になるでしょう。下手すると2ヵ月ね。^^;
それだと、人間はコンピュータやロボットの奴隷になるだけですね。でも、
そうなってないのは、なぜかってところが、人間ならではの知性とは何か、生
命とは何かという深い哲学的問題なんです。
勝間和代や野口悠紀雄のつまらぬハウツーが、知的生産術と持て囃されるレ
ベルの低い世界、おれがいうところのカモリーマンをターゲットにしたカモリ
ーマンビジネスの世界は、人間ならではの知性とはほとんど関係ない。あんな
のを知的生産術と呼ぶのは、詐欺同然。でも、引っかかるバカがいっぱいいて、
お金になるからね。
そんなカモリーマンも、人間ならではの部分、自分の強みに気づけば、ああい
うニセモノに引っかからないのに、不況で首切りやら精神的に追い詰められて
るからね。
話を戻すと、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/23/4385139
将棋ネタ、名人戦、瀬川四段、どうぶつしょうぎ、世界コンピュータ将棋選手権
で紹介した「漫遇将棋」は、機械学習の本質的弱点をなんとかしたいとやって
いるわけ。そこに書いたような問題があるわけ。
それをはっきり目に見える形にしたのが、「丸山スペシャル」。
駒の配置が異様ですよ。でも、解説を読むと、なるほど、これで攻めが鋭い
BONANZA(ボナンザ)も手も足も出ないのかと。
コンピュータは、前例を学ぶことはできても、まだ、定跡を覆す新手、新定
跡を編み出すことはできないんです。人間ができるような創発がないんです。
だから、前例が少ない局面では、アホな手を指すし、人間なら簡単に勝てる布
陣である「丸山スペシャル」のような布陣をされただけでも勝てないわけです。
これをみて、人間の名人にコンピュータが勝つのは、まだまだ先かなと思い
ました。
問題は、人間の名人が、こんなヘンテコな布陣をしてまで、コンピュータに
勝ちたいと思うかどうか。その対局を観るファンが、納得するかどうかですね。
将棋のプロは、美しい棋譜を芸術作品として後世に残す責務を背負って、日
々の将棋を指しているんですが、その美意識からすれば、「丸山スペシャル」
は、許せない布陣なんですよね。
とはいえ、対戦相手の棋風を研究して、弱点を突くのは正当なことなので、
異常な弱点を持つ棋風のコンピュータ将棋という棋士に対しては、変に美意識
を優先せず、最適な布陣で戦うというのも、棋理に適ったことともいえるしね。
ロボットもそうなんですが、いまのコンピュータ将棋は、実にわかりやすい
形で、人間とは何か、人間の知性とは何かという問題を提起してくれますね。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/12/16/4759175
将棋ネタ。コンピュータ将棋はすごいよ。深浦王位の奥様はもっとすごいけど。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/23/4385139
将棋ネタ、名人戦、瀬川四段、どうぶつしょうぎ、世界コンピュータ将棋選手権
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/01/07/4798091
遺伝アルゴリズムとニューラルネット
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/11/05/3879877
ゲームとスクリプト言語、数学・物理学、AI(人工知能)
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/02/05/4858779
遺伝アルゴリズムとニューラルネット関係
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/05/08/4291654
第19回世界コンピュータ将棋選手権、優勝はGPS将棋
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/06/1095343
渡辺竜王対Bonanza
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00354W56K/showshotcorne-22/
将棋世界 2010年 03月号 [雑誌] (雑誌)
は、読みどころ満載。
将棋関係、面白い話がいろいろあって、あれこれ紹介したいけど、時間がな
いから、今日は、コンピュータ将棋の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?
」のみ。
今月は、機械学習の弱点についての解説。
いま、コンピュータ将棋は、革命をもたらしたBONANZA(ボナンザ)の機械学
習、いわゆるボナンザメソッドが主流ですが、そのBONANZAが手も足も出ない
戦法が出ています。その名も「丸山スペシャル」。
これが、実に機械学習の弱点を突きまくった戦法で、人間ならアマチュアで
も、おれでも簡単にこの戦法を破れるんだけど、コンピュータは手も足も出な
い。
「丸山スペシャル」は、機械学習の本質的な問題を目に見える形で提起した
戦法です。
昔、弾さん(小飼弾)が、たしか、渡辺竜王の本の感想を書いていた。
脱線するが、あのレベルは、書評でもレビューでもない。第1次近似感想文。
これは、「勝間和代・小飼弾対談」批判を書くときに詳しく書こうと思ってい
たけれど、その批判文、まだ書いてないね。^^;
で、弾さん、結局、プロがたくさん指せば指すほど、コンピュータが学習し
て人間を打ち負かすようになるといったことを書いていた。
弾さん、機械学習を知らないんだよね。やったこともないだろうし。
そんなに機械学習が簡単で万能なら、いまごろ、人類をコンピュータ知性が
支配してますよ。人間が生まれてから20年かかって大人になるとしたら、コン
ピュータは機械学習で2年で大人になるでしょう。下手すると2ヵ月ね。^^;
それだと、人間はコンピュータやロボットの奴隷になるだけですね。でも、
そうなってないのは、なぜかってところが、人間ならではの知性とは何か、生
命とは何かという深い哲学的問題なんです。
勝間和代や野口悠紀雄のつまらぬハウツーが、知的生産術と持て囃されるレ
ベルの低い世界、おれがいうところのカモリーマンをターゲットにしたカモリ
ーマンビジネスの世界は、人間ならではの知性とはほとんど関係ない。あんな
のを知的生産術と呼ぶのは、詐欺同然。でも、引っかかるバカがいっぱいいて、
お金になるからね。
そんなカモリーマンも、人間ならではの部分、自分の強みに気づけば、ああい
うニセモノに引っかからないのに、不況で首切りやら精神的に追い詰められて
るからね。
話を戻すと、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/23/4385139
将棋ネタ、名人戦、瀬川四段、どうぶつしょうぎ、世界コンピュータ将棋選手権
で紹介した「漫遇将棋」は、機械学習の本質的弱点をなんとかしたいとやって
いるわけ。そこに書いたような問題があるわけ。
それをはっきり目に見える形にしたのが、「丸山スペシャル」。
駒の配置が異様ですよ。でも、解説を読むと、なるほど、これで攻めが鋭い
BONANZA(ボナンザ)も手も足も出ないのかと。
コンピュータは、前例を学ぶことはできても、まだ、定跡を覆す新手、新定
跡を編み出すことはできないんです。人間ができるような創発がないんです。
だから、前例が少ない局面では、アホな手を指すし、人間なら簡単に勝てる布
陣である「丸山スペシャル」のような布陣をされただけでも勝てないわけです。
これをみて、人間の名人にコンピュータが勝つのは、まだまだ先かなと思い
ました。
問題は、人間の名人が、こんなヘンテコな布陣をしてまで、コンピュータに
勝ちたいと思うかどうか。その対局を観るファンが、納得するかどうかですね。
将棋のプロは、美しい棋譜を芸術作品として後世に残す責務を背負って、日
々の将棋を指しているんですが、その美意識からすれば、「丸山スペシャル」
は、許せない布陣なんですよね。
とはいえ、対戦相手の棋風を研究して、弱点を突くのは正当なことなので、
異常な弱点を持つ棋風のコンピュータ将棋という棋士に対しては、変に美意識
を優先せず、最適な布陣で戦うというのも、棋理に適ったことともいえるしね。
ロボットもそうなんですが、いまのコンピュータ将棋は、実にわかりやすい
形で、人間とは何か、人間の知性とは何かという問題を提起してくれますね。
関連:
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将棋ネタ。コンピュータ将棋はすごいよ。深浦王位の奥様はもっとすごいけど。
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将棋ネタ、名人戦、瀬川四段、どうぶつしょうぎ、世界コンピュータ将棋選手権
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遺伝アルゴリズムとニューラルネット
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ゲームとスクリプト言語、数学・物理学、AI(人工知能)
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遺伝アルゴリズムとニューラルネット関係
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渡辺竜王対Bonanza
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年02月09日 02時47分35秒
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/02/08/4864995
将棋世界2010年3月号、コンピ
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将棋世界2010年3月号、コンピ
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年04月07日 21時02分39秒
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ケーブルテレビの囲碁将棋チャンネル「週刊!将棋ステーション
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年09月20日 02時14分24秒
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だいぶ前にメールをもらっていたが、ほんとに直前ですみません。
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だいぶ前にメールをもらっていたが、ほんとに直前ですみません。
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年02月11日 21時11分48秒
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いろいろ、売れていてありがとうございます。
http://www.amazon.co.jp/e
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いろいろ、売れていてありがとうございます。
http://www.amazon.co.jp/e
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年04月12日 10時23分14秒
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将棋のことは、久保二冠が東日本大震災の混乱の中で、棋王と王将
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