和算本あれこれ ― 2007年12月14日 10時34分49秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
早く書かなかったから(すみません)もう終わっているかもしれませんが、2
週間ほど前に新宿ジュンク堂に行ったとき、和算のコーナーがエスカレータの
前にできていました。
芭蕉の俳句連句、宗看・看寿の詰将棋、関孝和の和算を江戸文化の3大遺産
といったのはおれだが(笑)、これも江戸ブームの影響なのでしょう。
おれが、3大遺産といったかどうかは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/30/1152747
世界最長手数詰将棋
を参照。
コーナーをざっと見て、3歩歩いたから忘れたが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876394091/showshotcorne-22/
佐藤健一訳「『塵劫記』初版本―影印、現代文字、そして現代語訳」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876391203/showshotcorne-22/
佐藤健一著「江戸のミリオンセラー『塵劫記』の魅力―吉田光由の発想」
はあったと思う。
佐藤健一氏のものでは、おれは、この辺は読んだことはなく、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480687475/showshotcorne-22/
佐藤健一著「和算を楽しむ (新書)」
を読んだだけ。
和算の歴史やらいろいろ書いてありますが、おれが一番印象に残ったのは、
遊歴算家といって、あの交通の便の悪い江戸時代に、全国を行脚して和算を教
えて回って、普及に貢献した人たちがいたこと。しかもあなた、そういう人を
呼んで勉強したいという向上心を庶民がもっていたことに感心します。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090134/showshotcorne-22/
遠藤寛子著「算法少女 (ちくま学芸文庫)」
もありました。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/07/1238277
NHK教育、高校数学基礎
で書いている凛々しい少女とは、この算法少女のこと。
ジュブナイル(少年少女向け小説)ですが、「算法少女」は、江戸時代に実在
した算法の本。これの成立経緯を著者遠藤寛子があれこれ作家的想像を膨らま
せて書いた小説で、作中で算法に優れた主人公の少女がお父さんと「算法少女」
を書くんです。つまり、メタ小説的な構造になってるんです。
だいぶ前にメモしていた
http://www.zatsugaku.com/archives/2002/11/20021118.html
zatsugaku.comの和算の項目。
は、なくなってるなあ。メモの流れからすれば算法少女のことが書いてあった
と思うんだけど。
以下、メモに残っている本の列挙から。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090843/showshotcorne-22/
平山諦著「和算の歴史―その本質と発展(ちくま学芸文庫)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404026498/showshotcorne-22/
鳴海風著「円周率を計算した男」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404028822/showshotcorne-22/
鳴海風著「算聖伝―関孝和の生涯」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404034148/showshotcorne-22/
鳴海風著「ラランデの星」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093873712/showshotcorne-22/
鳴海風著「和算忠臣蔵」
http://www.bk1.co.jp/product/01581489/review/437731
鳴海風著「円周率を計算した男」
にある書評は、ポイントを押さえていてわかりやすいですね。
ちなみに、この本は、2006年度の日本数学会出版賞を受賞しています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/koho/pubprize2006.html
日本数学会広報委員会2006年度日本数学会賞出版賞
2007年度は
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/koho/pubprize2007.html
日本数学会広報委員会2007年度日本数学会賞出版賞
をどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105393014/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、
ワイルズが証明するまで」
が受賞していますね。
野崎昭弘さんも受賞していますね。おれらソフト屋にとっては、アルゴリズ
ムや論理学の先生ですね。
なんといっても、柳瀬尚紀さん、はやしはじめさんと共に、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901259/showshotcorne-22/
ダグラス・R. ホフスタッター著, 野崎昭弘, 柳瀬尚紀, はやしはじめ訳「ゲ
ーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」
の訳者です。
これについては、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/14/1260227
円周率音楽、ゲーデル、エッシャー、バッハ、モーツァルト
で軽く紹介しています。
あとアルゴリズムや計算論関係では、エイホ、ホップクロフトやウルマンの
教科書の翻訳です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781902790/showshotcorne-22/
A.V.エイホ, J. D. ウルマン, J.E. ホップクロフト著、野崎昭弘訳「アルゴ
リズムの設計と解析 1」とかね。これ全2巻なんですが、もうずいぶん昔の本
なので、いま、買う価値はないでしょう。コレクターなら別ですが。その後、
いろいろなアルゴリズム本が出ていますから。アルゴリズム本はまとめていつ
か紹介しましょうか。いつになるかわからんけど。^^;
あ、オートマトン言語理論は、第2版の訳が2003年に出てますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781910262/showshotcorne-22/
J. ホップクロフト, J. ウルマン, R. モトワニ著, 野崎昭弘, 町田元, 高橋
正子, 山崎秀記訳「オートマトン言語理論 計算論〈1〉」
列挙の続き。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015305/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ペドー著「日本の幾何―何題解けますか?」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015801/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ソコロフスキー著「日本の数学―何題解けますか?〈上〉三
角形・円・楕円などの幾何問題」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015909/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ソコロフスキー著「日本の数学―何題解けますか?〈下〉三
角形・円・楕円などの幾何問題」
「日本の幾何―何題解けますか?」は、海外に和算を紹介するために、カナ
ダで英語版が出版されたそうです。その翻訳という逆輸入なんです。
「日本の幾何」は海外で大好評。江戸時代の日本に、こんな高度な数学があ
ったのか。それもまったく西洋とは違う表記などを使っている。しかし、水準
は当時の世界最高水準。海外の数学者はクリビツテンギョウ。\(^O^)/
幕末にイギリスがやってきて、こんな世界最高水準の地図を作っているとは、
日本人侮りがたしと驚嘆した話は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2005/05/14/4417
伊能忠敬、その感動とおれの第2の人生は\(^O^)/
で書きましたが、やってきたイギリス人は数学に明るい人いなかったのかな。
いれば、和算にだって驚嘆したと思うけどね。
和算に、いかに海外の数学関係者が驚いたかというエピソードの1つになる
と思いますが、「日本の数学―何題解けますか?」の序文を、プリンストンプ
リンストン高等学術研究所の著名物理学者フリーマン・ダイソンが書いていま
す。ここにある数学は、西洋人にとって地球外の知的生命体からの通信のよう
だけれど、非常に素晴らしく感動したというようなことを書いてあったはず。
あのとき、ちょろっと立ち読みしただけだから、正確な引用はできないけれど。
http://sidokan.hp.infoseek.co.jp/page477.html
http://homepage3.nifty.com/fwnn7163/books/books2007.html
にも、ダイソンと和算の関連が書いてありますね。
「日本の数学―何題解けますか?」も最初は英語で出す予定だったのが、当
時の日本でも和算に興味が出てきたというので、日本語で最初に出したそうで
す。いままた、江戸ブームで、本屋に和算コーナーができて、そこに置かれる
ようになったんでしょう。
はぱらぱらめくった記憶でいえば、和算の問題を現代の数学で解くとどうい
う風になるかという解説。テイラー展開とか出てました。
懐かしいなあ、テイラー展開、マクローリン展開。あ、ルンゲ・クッタ法っ
て何だっけ? 学生時代、数値計算の演習でやった記憶があるけど。FORTRAN
で書いて、それこそ、当時の九大工学部情報工学科にあった富士通のFACOMで
走らせたんじゃなかったかな。もう、忘れた。^^;
演習結果を提出しに行ったとき、荒木先生からいくつか質問されたんだよね。
「セックスは週何回?」
するか、そんな質問! たしか、誤差の扱いとか、解の収束がどうのこうの
とか、そういう類だったような気がする。
和算の問題は、日経サイエンスが公開してくれています。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9807/sangaku.html
トニー・ロスマン(テキサス大学)/深川英俊(春日井高校)「算額に見る江
戸時代の幾何学」
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9807/sangaku-Q.html
算額の問題に挑戦して見ませんか? 問題はこちらです
をどうぞ。
いま、日本数学会のサイト
http://www.soc.nii.ac.jp/msj6/
に行くと、関孝和三百年忌法要と関孝和三百年祭記念事業募金趣意書なんての
がありますね。
宝永5年10月24日西暦1708年12月5日)に亡くなってるんですね。それで来年
が没後300年だと。すごいなあ。死後、300年もこうやって称えられるというの
は。果たして今から300年後、おれは称えられているんだろうか。\(^O^)/
そもそも、人類、何人生き残ってるんだろうか。\(^O^)/
そうそう、「算法少女」っていい感じの言葉ですよね。
そうね。ちょっとミスマッチな漢字2文字の単語が少女の前にあるのがいい
んだろうね。
たとえば、ほかには?
筋肉少女帯の「筋肉少女」。
おお。
漫画があった「競艇少女」。
おお、おお。
「非行少女」。
いや、それは、いい感じの言葉じゃないでしょ。
じゃ、「援交少女」。
もっと悪いじゃん!\(^O^)/
ま、ともかく、「算法少女」は、すぐにでも少年少女漫画のタイトルになり
そうな感じ。それで、おれ、これの男の子版の言葉ってないかなと3日3晩ぐ
っすり寝て考えた。
寝ずに考えろよ!
えんどうさんたちは、Schemeの処理系Gaucheの愛好者団体として「へそまが
り算法騎士団」を名乗ってるよね。たとえば、
http://www.oreilly.co.jp/editors/archives/000106.html
http://practical-scheme.net/wiliki/wiliki.cgi?GaucheNight
をどうぞ。
でも、算法騎士団だと、男の子じゃなくて大人の男、しかも少女が一人なの
に、男のほうが複数じゃ、よってたかっていぢめるイメージになるし、といっ
て単数の算法騎士じゃ、座りが悪いし。
だから、何を思いついたんだよ。
聞いて驚くなよ。すぐに、少年マガジンあたりで連載が始まるぞ。\(^O^)/
早く言えよ、もったいぶるなよ。
「算法番長」\(^O^)/
おお、すげえ。「算法番長」。うんうん、これならたしかにマンガの中でも
「算法少女」に対抗できるな。
でしょ、でしょ。すぐ、算法勝負。「算法少女」対「算法番長」。盛り上が
るぞ、これ。第1問は、「季節のサラダ、プロヴァンス風アーベル群添え」
訳わかんねえよ。なんで、料理の勝負になるんだよ。
えっ、漫画の勝負って、料理の勝負でしょ。
それは、大昔、漫画「包丁人味平」が大ヒットしてからの料理漫画の伝統だ
けど、漫画一般の勝負といったら料理だけじゃないでしょ。集合の包含関係が
おかしいぞ、お前。それに、何、アーベル群添えって?
いや、フレンチ(フランス料理)勝負にしたいと思ったから、プロヴァンス風
を付けて、数学の風味を足すのに、アーベル群を添えてみたんですけど。
あのさ、アーベルはフランスじゃなくて、ノルウェーの人よ。
えっ、そうなの? 群論の創始者ガロアがフランス人だから、群論関係の人、
全員フランス人だと思っていた。\(^O^)/
だめだ、こりゃ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/包丁人味平
http://ja.wikipedia.org/wiki/エヴァリスト・ガロア
http://ja.wikipedia.org/wiki/ニールス・アーベル
http://ja.wikipedia.org/wiki/群論
http://ja.wikipedia.org/wiki/アーベル群
あ、最後に大発見。
この記事のタイトルである「和算本」の音は、和菓子に使われる砂糖「和三
盆」と同じだ。\(^O^)/
---
早く書かなかったから(すみません)もう終わっているかもしれませんが、2
週間ほど前に新宿ジュンク堂に行ったとき、和算のコーナーがエスカレータの
前にできていました。
芭蕉の俳句連句、宗看・看寿の詰将棋、関孝和の和算を江戸文化の3大遺産
といったのはおれだが(笑)、これも江戸ブームの影響なのでしょう。
おれが、3大遺産といったかどうかは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/30/1152747
世界最長手数詰将棋
を参照。
コーナーをざっと見て、3歩歩いたから忘れたが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876394091/showshotcorne-22/
佐藤健一訳「『塵劫記』初版本―影印、現代文字、そして現代語訳」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876391203/showshotcorne-22/
佐藤健一著「江戸のミリオンセラー『塵劫記』の魅力―吉田光由の発想」
はあったと思う。
佐藤健一氏のものでは、おれは、この辺は読んだことはなく、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480687475/showshotcorne-22/
佐藤健一著「和算を楽しむ (新書)」
を読んだだけ。
和算の歴史やらいろいろ書いてありますが、おれが一番印象に残ったのは、
遊歴算家といって、あの交通の便の悪い江戸時代に、全国を行脚して和算を教
えて回って、普及に貢献した人たちがいたこと。しかもあなた、そういう人を
呼んで勉強したいという向上心を庶民がもっていたことに感心します。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090134/showshotcorne-22/
遠藤寛子著「算法少女 (ちくま学芸文庫)」
もありました。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/07/1238277
NHK教育、高校数学基礎
で書いている凛々しい少女とは、この算法少女のこと。
ジュブナイル(少年少女向け小説)ですが、「算法少女」は、江戸時代に実在
した算法の本。これの成立経緯を著者遠藤寛子があれこれ作家的想像を膨らま
せて書いた小説で、作中で算法に優れた主人公の少女がお父さんと「算法少女」
を書くんです。つまり、メタ小説的な構造になってるんです。
だいぶ前にメモしていた
http://www.zatsugaku.com/archives/2002/11/20021118.html
zatsugaku.comの和算の項目。
は、なくなってるなあ。メモの流れからすれば算法少女のことが書いてあった
と思うんだけど。
以下、メモに残っている本の列挙から。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090843/showshotcorne-22/
平山諦著「和算の歴史―その本質と発展(ちくま学芸文庫)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404026498/showshotcorne-22/
鳴海風著「円周率を計算した男」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404028822/showshotcorne-22/
鳴海風著「算聖伝―関孝和の生涯」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404034148/showshotcorne-22/
鳴海風著「ラランデの星」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093873712/showshotcorne-22/
鳴海風著「和算忠臣蔵」
http://www.bk1.co.jp/product/01581489/review/437731
鳴海風著「円周率を計算した男」
にある書評は、ポイントを押さえていてわかりやすいですね。
ちなみに、この本は、2006年度の日本数学会出版賞を受賞しています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/koho/pubprize2006.html
日本数学会広報委員会2006年度日本数学会賞出版賞
2007年度は
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/koho/pubprize2007.html
日本数学会広報委員会2007年度日本数学会賞出版賞
をどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105393014/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、
ワイルズが証明するまで」
が受賞していますね。
野崎昭弘さんも受賞していますね。おれらソフト屋にとっては、アルゴリズ
ムや論理学の先生ですね。
なんといっても、柳瀬尚紀さん、はやしはじめさんと共に、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901259/showshotcorne-22/
ダグラス・R. ホフスタッター著, 野崎昭弘, 柳瀬尚紀, はやしはじめ訳「ゲ
ーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」
の訳者です。
これについては、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/14/1260227
円周率音楽、ゲーデル、エッシャー、バッハ、モーツァルト
で軽く紹介しています。
あとアルゴリズムや計算論関係では、エイホ、ホップクロフトやウルマンの
教科書の翻訳です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781902790/showshotcorne-22/
A.V.エイホ, J. D. ウルマン, J.E. ホップクロフト著、野崎昭弘訳「アルゴ
リズムの設計と解析 1」とかね。これ全2巻なんですが、もうずいぶん昔の本
なので、いま、買う価値はないでしょう。コレクターなら別ですが。その後、
いろいろなアルゴリズム本が出ていますから。アルゴリズム本はまとめていつ
か紹介しましょうか。いつになるかわからんけど。^^;
あ、オートマトン言語理論は、第2版の訳が2003年に出てますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781910262/showshotcorne-22/
J. ホップクロフト, J. ウルマン, R. モトワニ著, 野崎昭弘, 町田元, 高橋
正子, 山崎秀記訳「オートマトン言語理論 計算論〈1〉」
列挙の続き。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015305/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ペドー著「日本の幾何―何題解けますか?」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015801/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ソコロフスキー著「日本の数学―何題解けますか?〈上〉三
角形・円・楕円などの幾何問題」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015909/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ソコロフスキー著「日本の数学―何題解けますか?〈下〉三
角形・円・楕円などの幾何問題」
「日本の幾何―何題解けますか?」は、海外に和算を紹介するために、カナ
ダで英語版が出版されたそうです。その翻訳という逆輸入なんです。
「日本の幾何」は海外で大好評。江戸時代の日本に、こんな高度な数学があ
ったのか。それもまったく西洋とは違う表記などを使っている。しかし、水準
は当時の世界最高水準。海外の数学者はクリビツテンギョウ。\(^O^)/
幕末にイギリスがやってきて、こんな世界最高水準の地図を作っているとは、
日本人侮りがたしと驚嘆した話は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2005/05/14/4417
伊能忠敬、その感動とおれの第2の人生は\(^O^)/
で書きましたが、やってきたイギリス人は数学に明るい人いなかったのかな。
いれば、和算にだって驚嘆したと思うけどね。
和算に、いかに海外の数学関係者が驚いたかというエピソードの1つになる
と思いますが、「日本の数学―何題解けますか?」の序文を、プリンストンプ
リンストン高等学術研究所の著名物理学者フリーマン・ダイソンが書いていま
す。ここにある数学は、西洋人にとって地球外の知的生命体からの通信のよう
だけれど、非常に素晴らしく感動したというようなことを書いてあったはず。
あのとき、ちょろっと立ち読みしただけだから、正確な引用はできないけれど。
http://sidokan.hp.infoseek.co.jp/page477.html
http://homepage3.nifty.com/fwnn7163/books/books2007.html
にも、ダイソンと和算の関連が書いてありますね。
「日本の数学―何題解けますか?」も最初は英語で出す予定だったのが、当
時の日本でも和算に興味が出てきたというので、日本語で最初に出したそうで
す。いままた、江戸ブームで、本屋に和算コーナーができて、そこに置かれる
ようになったんでしょう。
はぱらぱらめくった記憶でいえば、和算の問題を現代の数学で解くとどうい
う風になるかという解説。テイラー展開とか出てました。
懐かしいなあ、テイラー展開、マクローリン展開。あ、ルンゲ・クッタ法っ
て何だっけ? 学生時代、数値計算の演習でやった記憶があるけど。FORTRAN
で書いて、それこそ、当時の九大工学部情報工学科にあった富士通のFACOMで
走らせたんじゃなかったかな。もう、忘れた。^^;
演習結果を提出しに行ったとき、荒木先生からいくつか質問されたんだよね。
「セックスは週何回?」
するか、そんな質問! たしか、誤差の扱いとか、解の収束がどうのこうの
とか、そういう類だったような気がする。
和算の問題は、日経サイエンスが公開してくれています。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9807/sangaku.html
トニー・ロスマン(テキサス大学)/深川英俊(春日井高校)「算額に見る江
戸時代の幾何学」
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9807/sangaku-Q.html
算額の問題に挑戦して見ませんか? 問題はこちらです
をどうぞ。
いま、日本数学会のサイト
http://www.soc.nii.ac.jp/msj6/
に行くと、関孝和三百年忌法要と関孝和三百年祭記念事業募金趣意書なんての
がありますね。
宝永5年10月24日西暦1708年12月5日)に亡くなってるんですね。それで来年
が没後300年だと。すごいなあ。死後、300年もこうやって称えられるというの
は。果たして今から300年後、おれは称えられているんだろうか。\(^O^)/
そもそも、人類、何人生き残ってるんだろうか。\(^O^)/
そうそう、「算法少女」っていい感じの言葉ですよね。
そうね。ちょっとミスマッチな漢字2文字の単語が少女の前にあるのがいい
んだろうね。
たとえば、ほかには?
筋肉少女帯の「筋肉少女」。
おお。
漫画があった「競艇少女」。
おお、おお。
「非行少女」。
いや、それは、いい感じの言葉じゃないでしょ。
じゃ、「援交少女」。
もっと悪いじゃん!\(^O^)/
ま、ともかく、「算法少女」は、すぐにでも少年少女漫画のタイトルになり
そうな感じ。それで、おれ、これの男の子版の言葉ってないかなと3日3晩ぐ
っすり寝て考えた。
寝ずに考えろよ!
えんどうさんたちは、Schemeの処理系Gaucheの愛好者団体として「へそまが
り算法騎士団」を名乗ってるよね。たとえば、
http://www.oreilly.co.jp/editors/archives/000106.html
http://practical-scheme.net/wiliki/wiliki.cgi?GaucheNight
をどうぞ。
でも、算法騎士団だと、男の子じゃなくて大人の男、しかも少女が一人なの
に、男のほうが複数じゃ、よってたかっていぢめるイメージになるし、といっ
て単数の算法騎士じゃ、座りが悪いし。
だから、何を思いついたんだよ。
聞いて驚くなよ。すぐに、少年マガジンあたりで連載が始まるぞ。\(^O^)/
早く言えよ、もったいぶるなよ。
「算法番長」\(^O^)/
おお、すげえ。「算法番長」。うんうん、これならたしかにマンガの中でも
「算法少女」に対抗できるな。
でしょ、でしょ。すぐ、算法勝負。「算法少女」対「算法番長」。盛り上が
るぞ、これ。第1問は、「季節のサラダ、プロヴァンス風アーベル群添え」
訳わかんねえよ。なんで、料理の勝負になるんだよ。
えっ、漫画の勝負って、料理の勝負でしょ。
それは、大昔、漫画「包丁人味平」が大ヒットしてからの料理漫画の伝統だ
けど、漫画一般の勝負といったら料理だけじゃないでしょ。集合の包含関係が
おかしいぞ、お前。それに、何、アーベル群添えって?
いや、フレンチ(フランス料理)勝負にしたいと思ったから、プロヴァンス風
を付けて、数学の風味を足すのに、アーベル群を添えてみたんですけど。
あのさ、アーベルはフランスじゃなくて、ノルウェーの人よ。
えっ、そうなの? 群論の創始者ガロアがフランス人だから、群論関係の人、
全員フランス人だと思っていた。\(^O^)/
だめだ、こりゃ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/包丁人味平
http://ja.wikipedia.org/wiki/エヴァリスト・ガロア
http://ja.wikipedia.org/wiki/ニールス・アーベル
http://ja.wikipedia.org/wiki/群論
http://ja.wikipedia.org/wiki/アーベル群
あ、最後に大発見。
この記事のタイトルである「和算本」の音は、和菓子に使われる砂糖「和三
盆」と同じだ。\(^O^)/
コメント
_ anonymous ― 2007年12月14日 12時16分14秒
_ ひきかぜ ― 2007年12月14日 23時16分36秒
>筋肉少女隊の「筋肉少女」。
もう定番中の定番の間違いおめでとうございます。
しかしgoogleは賢いですね
ちゃんと もしかして: 筋肉少女帯 って出てきますね。
ちなみに少女帯で検索しても もしかして:少女隊 とは出ませんでした。
もう定番中の定番の間違いおめでとうございます。
しかしgoogleは賢いですね
ちゃんと もしかして: 筋肉少女帯 って出てきますね。
ちなみに少女帯で検索しても もしかして:少女隊 とは出ませんでした。
_ 中村(show) ― 2007年12月16日 22時49分34秒
お二方、ありがとうございます。
修正しました。
修正しました。
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年08月22日 06時17分03秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/08/07/3676785
へんな数式美術館
の続き。
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へんな数式美術館
の続き。
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年01月09日 10時10分36秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480091491/showshotcorne-22/
やさしい微積
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480091491/showshotcorne-22/
やさしい微積
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年08月24日 00時17分19秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/08/14/4510753
オイラー、無限級数、ゼータ関
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オイラー、無限級数、ゼータ関
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年09月05日 11時53分50秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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アマゾンで
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797671874/showshotcorne-22
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アマゾンで
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797671874/showshotcorne-22
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年02月27日 07時40分36秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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少女素数という漫画があるんですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obi
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少女素数という漫画があるんですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obi
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年07月31日 08時33分36秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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数学パズル本で、こんなのが出ている。
--- ここから ---
数学者で
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数学パズル本で、こんなのが出ている。
--- ここから ---
数学者で
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2012年01月17日 05時48分41秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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お買い上げありがとうございます。
江戸時代といまを重ね合わせ
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お買い上げありがとうございます。
江戸時代といまを重ね合わせ
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2012年04月27日 07時52分04秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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お買い上げありがとうございます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2012年08月16日 09時47分30秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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朝倉書店に数学史叢書というシリーズがありますね。
どの本もと
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朝倉書店に数学史叢書というシリーズがありますね。
どの本もと
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年04月14日 11時25分44秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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お買い上げありがとうございます。
少女と数学ものだ。
リス
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少女と数学ものだ。
リス
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2015年01月26日 11時12分21秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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ブルーバックスの新刊で、和算が出た!\(^O^)/
http://www.amazon.co.jp/e
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_ ホットコーナー - 2020年03月09日 02時27分55秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のブログサービス、アサブロ(https://asahi-net.jp/asablo/ )を使っています。
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お買い上げありがとうございます。
もう今年の受験は終わったのかな。来年に
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お買い上げありがとうございます。
もう今年の受験は終わったのかな。来年に
_ ホットコーナー - 2022年08月04日 11時51分10秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のブログサービス、アサブロ(https://asahi-net.jp/asablo/ )を使っています。
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連載15年、競技かるたマンガ、末次由紀「ちはやふる」、ついに完結。
https://www.o
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連載15年、競技かるたマンガ、末次由紀「ちはやふる」、ついに完結。
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筋肉少女隊 ×
筋肉少女帯 ○
・・・です。
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こんにちは。お初です。
いつも拝見して勉強させて頂いております。