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将棋ネタ、名人戦、瀬川四段、どうぶつしょうぎ、世界コンピュータ将棋選手権2009年06月23日 00時12分06秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 将棋名人戦第4局が終わったときには書こうと思っていたのに、ぐずぐずし
ていたら、第6局が終わって、3勝3敗で、もう最終局が始まります。
http://www.asahi.com/shougi/news/TKY200905200183.html
異例の展開 将棋名人戦七番勝負、前半戦を振り返って
にある、これは郷田ペースではないかというのは、そう感じるところがある。
3勝3敗のタイになったけれど、郷田九段の充実ぶりを感じるので、郷田さん
がタイトルを奪取しそうな気がする。果たしてどうなるか。

 タイトル戦は先手番が若干有利といわれてきた中、特に森内名人時代はその
傾向が強かったのに、今期は、第4局まではすべて後手番が勝つという異例の
展開。
 これも、昨年度、記録を取り始めて以来初めて、プロの公式戦で後手の勝率
が先手を上回ったことの反映なのか。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0026OBCQY/showshotcorne-22/
将棋世界2009年6月号
の座談会「新時代の風は吹いたか」によれば、後手の1176勝1164敗。
 面白いのは、初手7六歩に2手目3四歩は、後手の668勝612敗で、後手勝率
0.521なのに、初手7六歩に2手目8四歩は、後手の207勝267敗で、後手勝率
0.436と、かなり低いこと。
 その中で、後手番で敢えて2手目に8四歩と指す渡辺竜王は、やっぱりすご
いということですね。もっとも当人はすごい苦しんでいるそうですが。

 いささか古い話だけど、瀬川晶司四段がフリークラスからC級2組へ昇級し
ました。
http://www.shogi.or.jp/topics/news/200905/post_188.html
瀬川晶司四段、フリークラスからC級2組へ昇級
 昇級を決めた一局は、府中市在住の中座真七段との戦い。瀬川さんと中座さ
んは因縁めいたものがあるそうです。
 昔、瀬川さんがプロになれず、奨励会を去らなければならなくなったときに、
奨励会を抜けてプロ四段になれたのが中座さんです。月日は流れ、今回、その
二人の対局に瀬川さんが勝って、プロ四段になれたと。
 CodeZineといえば、プログラマなどソフトウェア技術者向けのサイト。なぜ
か、そこに瀬川さんのインタビューがありました。瀬川さんは、プロの夢が破
れて、再びプロに挑戦するまでのアマ時代、NEC系の会社にいたせいかな。
http://codezine.jp/article/detail/2127
プロ棋士 瀬川晶司-その1-夢を追い求めた男の天国と地獄
http://codezine.jp/article/detail/2128
瀬川晶司-その2-自ら命を絶とうとまで思った 後悔と絶望と怨嗟の日々
http://codezine.jp/article/detail/2129
プロ棋士 瀬川晶司-その3-再び将棋の楽しさに目覚め アマ最強からプロ棋

キラーに
http://codezine.jp/article/detail/2130
プロ棋士 瀬川晶司-その4-失われていく最後の希望を つなぎとめたのは
「恩師」だった
http://codezine.jp/article/detail/2131
プロ棋士 瀬川晶司-その5-将棋は宇宙、その謎に迫りたい

 特に、その1とその4に登場する小学校時代の恩師、小学校5年生のときの
担任だった苅間澤先生は、すばらしいね。
 読んで、涙うるうるでした。
 朝日新聞本社であった名人戦第6局の大盤解説会にちょろっと顔を出したん
ですが、瀬川さんが解説でした。
 瀬川さんは、奨励会時代にタイトル戦の記録係をやったことが何度かあるけ
れど、いい思い出がないそうです。すごいドジを踏んだりして、思い出したく
ないそうです。そのエピソードの1つを恥を忍んで話してくれましたが、産ま
れて初めて飛行機に乗って北海道まで行くんだから、そういうドジもあるなあ
と思いました。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/03/21/4195271
「どうぶつしょうぎ」とLSPA第2回武蔵の国けやきカップ
で紹介した「どうぶつしょうぎ」。
 TBSのはなまるマーケットで紹介されたこともあって、注文殺到で生産が追
いつかないほどの大人気。とうとう、「どうぶつしょうぎ」の公式サイトまで
できています。
http://doubutsushogi.jp/
どうぶつしょうぎ
https://www.joshi-shogi.com/ec/bankoma/animal.html
LPSA オンラインショップ どうぶつしょうぎ
 なお、どうぶつしょうぎは、コンピュータによる解析で後手勝ちと判明しま
した。
http://www.computer-shogi.org/blog/animal-shogi_solution/
どうぶつしょうぎ読み切り?
http://slashdot.jp/science/article.pl?sid=09/06/18/007259&threshold=-1
をどうぞ。
 プロも交えたどうぶつしょうぎのイベントでは、中田功七段が優勝していま
す。
http://www.joshi-shogi.com/1day/23_animal/
第23回1DAYトーナメント・どうぶつしょうぎカップ
 中田功七段は、福岡出身の棋士で、コーヤン流と呼ばれる三間飛車が有名。
なぜかWindows XPにちなんだXPと呼ばれる戦法もある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/中田功XP

 今年5月に行なわれた第19回世界コンピュータ将棋選手権の模様を、囲碁・
将棋チャンネルの特別番組でやっていました。解説は、もちろんコンピュータ
将棋に詳しい勝又清和六段。
 北朝鮮から参加のKCC将棋は、ひょっとしたら全勝優勝したかもしれないの
ね。
 KCC将棋は、諸般の事情というか、日本と北朝鮮の緊張関係などで、2007年、
2008年と不参加で、今年は3年ぶりの参加。過去にベスト3以内に何度か入っ
たことがある競合ソフトだけれど、3年ぶりということで、1次予選からの参
加。
 以前も強かったけど、今回、ボナンザ(Bonanza)流の機械学習も取り入れる
などして進化していて、1次予選リーグは9戦全勝、2次予選リーグも7戦全
勝と圧倒的。
 ところが好事魔多しとはこのこと。なんか、バグがあったらしいんです。そ
れで、決勝リーグの前日にバグを修正したバージョンに入れ替えて、決勝リー
グに臨んだら、なんと3連敗。あわてて、連勝したバージョンに戻したら、残
りは全部勝ち、トータルで4位になりました。
 もし、バグ修正バージョンにしなければ、前代未聞の全勝優勝だったかもし
れません。
 北朝鮮のアン・ギョンナムさんが作っているそうですが、天才ですね。
 早く日本に拉致したほうがいいよね。\(^O^)/
 優勝したのはGPS将棋ですが、これは決勝リーグの前日に、バグ修正バージ
ョンにして決勝リーグに臨んだら予選より強くなって優勝。KCC将棋と明暗が
分かれました。

 面白い趣向で注目されたソフトがありました。
 3人寄れば文殊の知恵から名前を付けた文殊。デュアルコア・マシン3台、
都合、6つのCPUコアでボナンザ流の局面評価をして、多数決で指し手を決め
るというアイデアを実装。最終的には3位になりました。
 ただ、文殊は、多数決というやり方でどの程度強いかを試す研究だったので、
今回限りで来年は参加しません。
 まだ、あまりできてないのに新聞で紹介されて注目を浴びたのが、京都大学
の稲垣耕作先生が作っている途中の漫遇将棋(まんぐうしょうぎ)。
 普通の機械学習じゃなくて、複雑系や進化を使ってどうのこうのと言ってま
した。いまのコンピュータ将棋の機械学習は、お手本以上には強くなれない、
だから、進化手法でお手本以上に強くなれる可能性を探求しているそうです。
 AI(人工知能)やニューラルコンピューティングをやった人は体験してますが、
どういう手法でもいいけど、あの手の学習って、だんだんバランスが難しくな
るんです。どういうデータをどう食わせるかで、出来のよさがずいぶん違って
くる。ある場合には調子いいけど、他の場合にはからっきしだめだったり。教
えるのに、手間暇が半端じゃなくなってくるんです。
 もうね、ほんと、人間の子供を育てるのと同じような感じになってくるんで
す。
 ただ、コンピュータがいいのは、人間の子供と違って、疲れないから、24時
間365日でもずっとやり続けることができる点は圧倒的に有利ですけどね。
 で、爆笑したのは、なんで、漫遇将棋という名前なのかという話。
 稲垣先生のインタビューによると、たくさんのコンピュータを使って超並列
で処理することを狙っていて、そうなると、コンピュータが複数あって、それ
ぞれで漫遇将棋が動いているから、漫遇が複数になるので、複数形になって漫
遇s、すなわちマングース。そうなれば、現在将棋界の頂点に立つ、羽生(はぶ)
名人も倒せると。
 なぜなら、マングースはハブキラーだからと。\(^O^)/
 恐るべし、漫遇将棋。
 ほとんど、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/03/14/2741992
恐るべし、新言語、織田信長\(^O^)/
の世界。新聞記事は、産経新聞の関西の
http://www.sankei-kansai.com/2009/04/09/20090409-008484.php
王手 羽生とり!? 将棋ソフトの"マングース" 来月デビュー
をどうぞ。

 今回、多くの上位入賞ソフトが、ボナンザチルドレンといわれるほど、ボナ
ンザの手法を使っていました。コンピュータならではの全幅探索と機械学習で、
将棋ソフトに革命をもたらしたのが、ボナンザ(Bonaza)ですが、開発者の保木
邦仁さんは、よりより将棋ソフトの開発が促進されるようにと、ソースコード
を公開し、ライブラリ化もしたので、それを使ったソフトがいくつも登場して、
上位に来たわけです。
 中には、ponanzaというソフトもありました。保木さんに、こんな名前で出
場していいか訊いたら、いいよと許可をもらったので出場したそうです。
 保木さんは、自分より、いいソフトを作れる人がいるだろうから、土台にし
てほしいと思ってソースを公開したといってましたが、その通りになり、本家
ボナンザは5位に終わりました。
 でも、保木さんは、にこにこ笑ってて屈託がない。いかにも真理探究に喜び
を見いだす研究者ですね。ほんと素晴らしいね。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/08/29/1757656
保木邦仁, 渡辺明著「ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047101079/showshotcorne-22/
保木邦仁, 渡辺明著「ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか」
は、もう2年前ですね。この2年で、コンピュータ将棋は、一段とレベルアッ
プしましたから、勝又さんによれば、もうシャレにならないそうです。
 そうそう。去年の大会をたまたま見に来ていた中川大輔七段が、あるコンピ
ュータ将棋が指した手をみて、後日、同一局面が出たので、コンピュータが指
した手と同じ手を指して勝った話をしていました。これ、将棋世界のどの号か
忘れたけど、勝又さんが棋譜解説付きで紹介していました。

 長年にわたってコンピュータ将棋界を牽引してきたYSS。
 対戦前は、どのソフトもボナンザメソッドと呼ばれる機械学習でやってるけ
れど、YSSは長年にわたって自分が作り込んできた強さがあると自負を語って
いましたが、結果は、7位に沈みました。さすがにショックだったようです。
 大会終了後のインタビューでは、中盤の非常にごちゃごちゃした局面でも、
ボナンザチルドレンはパニックにならず、しぶとい手を指す。自分も頭を切り
換えて、YSSに機械学習を入れるといってました。

 番組ではもちろん注目カードの棋譜解説を、勝又さんがやってくれたわけで
すが、強さが半端じゃないね。ペーパーアマ2段のおれなんか、到底、歯が立
たない。

 番組で一番興味深かったのは、会場に姿をみせた米長邦雄将棋連盟会長のイ
ンタビュー。
 なんと、ファンの皆さんに楽しんでもらえるように、また人間のプロとコン
ピュータ将棋の対決を実現するためにいろいろ動いていると語っていました。
 会長自身が指したらどうかという質問には、自分はその気なんだけど、それ
だけは止めてくれと止める人がいるんだよね。どうして?などと答えていまし
た。\(^O^)/
 米長対コンピュータ、観てみたい気もするなあ。
 泥沼流で、負けそうになったら、うっかり電源コードにけつまずいて、コン
ピュータの電源落として、戦闘不能にしたりしてね。^^;

週刊誌ジャーナリズム関連2009年06月23日 09時18分49秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 衰退しているといわれる週刊誌ジャーナリズム。元々、新聞やテレビ、特に
テレビにジャーナリズムはないといわれて久しいが、名誉毀損裁判の賠償金の
高騰など、週刊誌もどんどん追い込まれているという話の続き。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/16/news003.html
週刊誌ジャーナリズムの役割とは? 裁判員制度との関係(前編)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0906/17/news004.html
週刊誌は“本丸”を突いているのか? タブーに挑戦しない体質(後編)

関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/06/4350884
5月15日に開かれた“週刊誌サミット”の内容
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/22/4384906
ノンフィクションの逆襲。佐藤優責任編集「現代プレミア」

日経サイエンス2009年6月号、7月号2009年06月23日 09時43分56秒

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http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/10/
消えたミツバチの謎。蜂の大量死 蜂群崩壊症候群(CCD)
を書いたときに、ついでに書こうと思っていて忘れていたが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00261MYEG/showshotcorne-22/
日経サイエンス 2009年 06月号
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00287ZBO8/showshotcorne-22/
日経サイエンス 2009年 07月号
から。

 7月号は、暗黒エネルギーはないかもしれないという記事が注目。ものすご
くトリッキーな話なんだけど、そういう条件のところに地球があれば、観測す
ると暗黒エネルギーがなくてもあるように観測されてしまうってな話でした。
 関連して、6月号の
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0906/200906_024.html
量子もつれが相対論を脅かす
D. Z. アルバート/R. ガルチェン(ともにコロンビア大学)
も、面白かった。監修者はこの記事に、これは業界のコンセンサスではないだ
ろうと批判的でしたが。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0906/200906_088.html
サイエンス・イン・ピクチャー
すばるが見た渦巻銀河M33
銀河考古学の扉を開く
中島林彦(編集部)/協力:有本信雄(国立天文台)
もよかった。
 つばめどんもびっくりなのが、
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0906/200906_044.html
ナノチューブ1本でラジオ!
E. レジス(サイエンスライター)
 ナノチューブだけでラジオになるんだって!\(^O^)/

 あと、この2つの号の茂木健一郎の対談、
2009年6月号 人間に近づく音声認識/峯松信明(東京大学)
2009年7月号 日本語で考える科学は亡びるか/水村美苗(作家)
は、おれには非常に示唆的で、深い話でした。
 「人間に近づく音声認識」は、いろいろ示唆的な話はあったが、声は音楽と
して捉えるべきだということや身体性につながる話。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/05/4343420
西アフリカのモシ族の太鼓言葉。言語と音楽。サブリミナル・インパクト
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/08/4352912
Re: 西アフリカのモシ族の太鼓言葉。言語と音楽。サブリミナル・インパクト
と関係する話ですね。
 メタ知識がいかに重要かという話の部分も面白かった。

 「日本語で考える科学は亡びるか」では、英語以外の言語で高度なことを考
えている民族がいることの重要性、日本だと日本語で考えることの重要性、そ
してそれを可能にした先人達の努力の話。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/06/15/4367996
サヨナラ 新聞、押し紙、サヨナラ 電通
で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002AO59UA/showshotcorne-22/
COURRiER Japon (クーリエ・ジャポン) 2009年 07月号
の「日本のHOPE」でも、日本のロボット研究は、一神教世界の欧米とは発想や
感覚が違うという話が出ていましたね。
 お母さんたちが幼児を英語教室に通わせたりしているけど、その内実の貧し
さを茂木さんも嘆いていますね。母国語でしっかり考え、表現できる力がつか
ないと、英語ができてもだめという当たり前の話ではあるけど、それじゃ、単
に出来の悪い通訳や翻訳家でしかなく、そのうち、コンピュータの翻訳や通訳
に負けるよね。
 茂木さん、あちこちで何でも脳、脳といって吹きまくってるから、批判も多
いけど、日経サイエンスの対談はレベルが維持されていて面白いです。