筒井康隆「聖痕」、祝200回突破。ところで、あの話者は誰? ― 2013年02月03日 02時06分01秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のtti/salon(筒井康隆会議室)からホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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朝日新聞連載中、筒井康隆「聖痕」。無事、200回を突破。\(^O^)/
つくづく思うのは、息子の伸輔さん。絵をこんなにいっぱい描くのは、大変
だろうなということ。絵も、小説のようにストーリーがあって、次々とアイデ
アが浮かぶんだろうか。
私は、「聖痕」を、毎回、3回読みます。
まず、朝日新聞デジタルで1回目を読む。
枕詞や、すでに使われなくなった言葉など、私には難しい言葉がいっぱい出
るので、注を読みながら、本文を読みます。
そして、大体、難しい言葉が頭に入ったら、もう一度、デジタルで読みます。
1回目より、だいぶ、スムーズに読めます。
そして、紙の新聞で、3回目を読みます。
デジタルは、難しい言葉の読みを括弧書きにしてありますが、紙の場合は、
ルビで組んであるからです。すでに、大体、難しい言葉の意味が頭に入ってい
るので、ルビのほうが目の邪魔にならず、読み進めるのが、さらにスムーズに
なるからです。
せっかく覚えた難しい言葉は、3歩歩くと、忘れます。\(^O^)/
ところで、第190回を読んで、あれ?と思ったことがあります。
これまで何度か登場している、あの古めかしい文体での独白。
第1回の冒頭を読んで、私は、この作品全体は、貴夫の回想なんだろうと思
いました。
第1回の冒頭。
--- ここから ---
悩ましきかな、未だわが聖痕なき頃の記憶はさだかならず。
--- ここまで ---
その後、ときどき出てくる、この独白の話者は、ずっと、貴夫だったと思い
ます。ところが、第190回の最後を読んで、あれ?と思ったのです。
この話者は、貴夫の父、満夫です。
第190回の最後。
--- ここから ---
この先は我が子貴夫の世話になって廻らわざるを得ぬ情けなさは言う術もなし。
--- ここまで ---
これで、私は、自分の読みがはずされてしまって、将棋でいえば、長考に入
ってしまいました。
話者が変わることに、何か、深いサインが秘められているのか。作品内のメ
タレベルが変わるとか、そういうサインなのか。でも、その後は、メタレベル
が変わったとは思えない。文章のリズム、テンポの変化は? 特にないなあ。
などなど。
翌日、自分で自分の封じ手を開封して得た結論は、この文体の独白は、この
先、いろんな人物が話者になるのだろうと。それもまたよしということでした。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/09/23/6581880
筒井康隆「聖痕」、葉月貴夫レシピ集
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/26/6522575
筒井伸輔氏の挿絵を、毎日、カラーにする秘策
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/16/6512554
筒井康隆「聖痕」、筒井伸輔さんの挿絵のこと
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/02/6498147
筒井康隆、朝日新聞で長篇「聖痕」の連載開始\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/04/6500196
明日の朝日新聞朝刊は、社告と「作者の言葉」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/07/31/5997753
「国文学 解釈と鑑賞」2011年9月号」の筒井康隆大特集について
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/04/11/5797636
小説 TRIPPER (トリッパー) 2011春季号 大江健三郎×筒井康隆×丸谷才一
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/08/20/6548058
筒井康隆、ビアンカ・オーバースタディ、売れ行き絶好調\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/07/26/5249118
筒井康隆「現代語裏辞典」、ツイッターデビュー
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/02/20/4892913
筒井康隆朗読会初日
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/05/18/3522067
「筒井康隆、筒井康隆を読む」2日目
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/02/22/4898150
筒井康隆朗読会最終日
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朝日新聞連載中、筒井康隆「聖痕」。無事、200回を突破。\(^O^)/
つくづく思うのは、息子の伸輔さん。絵をこんなにいっぱい描くのは、大変
だろうなということ。絵も、小説のようにストーリーがあって、次々とアイデ
アが浮かぶんだろうか。
私は、「聖痕」を、毎回、3回読みます。
まず、朝日新聞デジタルで1回目を読む。
枕詞や、すでに使われなくなった言葉など、私には難しい言葉がいっぱい出
るので、注を読みながら、本文を読みます。
そして、大体、難しい言葉が頭に入ったら、もう一度、デジタルで読みます。
1回目より、だいぶ、スムーズに読めます。
そして、紙の新聞で、3回目を読みます。
デジタルは、難しい言葉の読みを括弧書きにしてありますが、紙の場合は、
ルビで組んであるからです。すでに、大体、難しい言葉の意味が頭に入ってい
るので、ルビのほうが目の邪魔にならず、読み進めるのが、さらにスムーズに
なるからです。
せっかく覚えた難しい言葉は、3歩歩くと、忘れます。\(^O^)/
ところで、第190回を読んで、あれ?と思ったことがあります。
これまで何度か登場している、あの古めかしい文体での独白。
第1回の冒頭を読んで、私は、この作品全体は、貴夫の回想なんだろうと思
いました。
第1回の冒頭。
--- ここから ---
悩ましきかな、未だわが聖痕なき頃の記憶はさだかならず。
--- ここまで ---
その後、ときどき出てくる、この独白の話者は、ずっと、貴夫だったと思い
ます。ところが、第190回の最後を読んで、あれ?と思ったのです。
この話者は、貴夫の父、満夫です。
第190回の最後。
--- ここから ---
この先は我が子貴夫の世話になって廻らわざるを得ぬ情けなさは言う術もなし。
--- ここまで ---
これで、私は、自分の読みがはずされてしまって、将棋でいえば、長考に入
ってしまいました。
話者が変わることに、何か、深いサインが秘められているのか。作品内のメ
タレベルが変わるとか、そういうサインなのか。でも、その後は、メタレベル
が変わったとは思えない。文章のリズム、テンポの変化は? 特にないなあ。
などなど。
翌日、自分で自分の封じ手を開封して得た結論は、この文体の独白は、この
先、いろんな人物が話者になるのだろうと。それもまたよしということでした。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/09/23/6581880
筒井康隆「聖痕」、葉月貴夫レシピ集
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/26/6522575
筒井伸輔氏の挿絵を、毎日、カラーにする秘策
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/16/6512554
筒井康隆「聖痕」、筒井伸輔さんの挿絵のこと
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/02/6498147
筒井康隆、朝日新聞で長篇「聖痕」の連載開始\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/07/04/6500196
明日の朝日新聞朝刊は、社告と「作者の言葉」
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「国文学 解釈と鑑賞」2011年9月号」の筒井康隆大特集について
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小説 TRIPPER (トリッパー) 2011春季号 大江健三郎×筒井康隆×丸谷才一
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筒井康隆、ビアンカ・オーバースタディ、売れ行き絶好調\(^O^)/
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筒井康隆「現代語裏辞典」、ツイッターデビュー
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筒井康隆朗読会初日
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「筒井康隆、筒井康隆を読む」2日目
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筒井康隆朗読会最終日
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年02月14日 05時51分04秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のtti/salon(筒井康隆会議室)からホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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>琵琶法師が平家物語を語るように、この聖痕を物語
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>琵琶法師が平家物語を語るように、この聖痕を物語
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年02月14日 05時51分36秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のtti/salon(筒井康隆会議室)からホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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さっき、琵琶法師のことで、NHK「100分 de 名著」のこ
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さっき、琵琶法師のことで、NHK「100分 de 名著」のこ
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年03月18日 08時56分49秒
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朝日新聞に連載されていた、筒井康隆「聖痕」が、
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朝日新聞に連載されていた、筒井康隆「聖痕」が、
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年05月23日 07時54分20秒
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1つ前のメッセージで、笑犬楼様が、「聖痕」が5/31
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1つ前のメッセージで、笑犬楼様が、「聖痕」が5/31
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年07月05日 09時24分39秒
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会社で、以前話題になったのを思い出しました。
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会社で、以前話題になったのを思い出しました。
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