翔泳社のSE Books Review ― 2008年10月23日 04時25分14秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
翔泳社が自社が出しているコンピュータ関係の本を紹介する小冊子を出しま
した。それにぼくが書いています。
表紙には、「気鋭のレビュアーによる書籍紹介!」となっていますが、もち
ろん、ぼくはレビュアーではない。単なる紹介者。
書評やレビューという言葉は、非常に安くなっていますね。安直に用いられ
ています。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/08/28/3714428
勝間和代・小飼弾対談
の続きを書こうとは思っているが、「弾さんが書いているものが書評? 冗談
だろう」ってな話は、そのときに、詳しく書きましょう。
で、本題。訂正があります。
SE Books Review Vol 001の4ページ、左段の真ん中やや下。
誤
おれは英語が読めない。だから、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が出
てほしいと思っていたが、10年経って、昨年ようやく出た。
正
おれは、「英語が読めない、特に若い技術者のために」、ぜひ日本語版が出
てほしいと思っていたが、10年経って、昨年ようやく出た。
渡した原稿の当該部分。
--- ここから ---
おれは、英語が読めない、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が出てほし
いと思っていたが、なかなか出ないのであきらめた。ところが、10年経って、
昨年ようやく出た。
--- ここまで ---
多忙なときにコタさんから頼まれて、時間がなくて書けるだけ書いて原稿を
渡し、校正や分量に収めることなど、あとのことは編集者任せで校了にしてゲ
ラをみなかったのが失敗。
句点と読点を勝手に変え、「だから」を勝手に入れて、文意を全然変えてし
まうとは思わなかった。担当した編集者は、編集者としての最低の常識もない
のかな。
分量を削るため、「なかなか出ないのであきらめた。ところが、」を削って、
「が」にしたのは正しい。
しかし、
「おれは、英語が読めない、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が」
を
「おれは英語が読めない。だから、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が」
に変えてしまうのは、ひどい。
読点を句点に変えちゃったから、おれが英語が読めないことになっている。
しかも、勝手に「だから」でつないでやがる。
「英語が読めない」は、「技術者」にかかる。それを明示するために、句点
ではなく読点にしている。そんな書き手の意図を読めないのね。
驚いたな。この人、編集者なのに、文学的文盲です。勝間和代的な、データ
処理的な読み方しかできないのかな。
文芸の編集者は、句点や読点ひとつを変えるのも、作家にお伺いを立てて確
認を取るのが常識とされていて、それくらい1文字、1つの記号にも気を遣う。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/05/3801045
筒井康隆「文学外への飛翔」、小森収「はじめて話すけど…」
にも書いたように、役者も、言葉にそれくらい気を遣う。
コンピュータ関係が主力の翔泳社だから、そこの編集者には、そこまで求め
ないが、それにしても今回のは、ひどかった。責了にしちゃったおれも悪いん
だけどね。
30年くらい前から、アスキー、ソフトバンク、日経BP、技術評論社、翔泳社、
朝日新聞などなど、パソコン関連出版の編集者は、たとえば、文藝春秋、新潮
社、朝日新聞でも学芸部などの文芸の編集者に比べて、言葉を扱う意識やスキ
ルが低く、仕事が雑だなと思うことがよくあって、電脳争乱節などで批判した
ことがあったが、30年経っても変わらないのかな。
会社の中で、そういう基本的なところを鍛えて、後輩、新人に伝える人がい
ないんでしょうかね。
ってなわけで、上記の訂正したものは、文章を読めない人のために、わざわ
ざ「と」でくくってみました。
ほんとは、そこまでするのは、ダサすぎるんだよね。
中村(show)
===
標題: Re: 翔泳社のSE Books Review
---
> 30年くらい前から、アスキー、ソフトバンク、日経BP、技術評論社、翔泳社、
>朝日新聞などなど、パソコン関連出版の編集者は、たとえば、文藝春秋、新潮
>社、朝日新聞でも学芸部などの文芸の編集者に比べて、言葉を扱う意識やスキ
>ルが低く、仕事が雑だなと思うことがよくあって、電脳争乱節などで批判した
>ことがあったが、30年経っても変わらないのかな。
ここ,激しく同意。「……ことが出来し」と書いた原稿を「……ことができし」
と直され,そればかりか「フジモトさぁん,この『できし』って変ぢゃないです
かね?」と確認されたときは仰天したっけ。
> 会社の中で、そういう基本的なところを鍛えて、後輩、新人に伝える人がい
>ないんでしょうかね。
いないんでしょう。出てるのがそういうヒトがいるような本には見えないもの。
べ@「勝間 vs 弾 対談」批判,期待してるよん。
===
標題: Re: 翔泳社のSE Books Review
---
出版社の話じゃないよね?だって、出版社は未だに「重版出来」って
言うし、書くじゃないの。編集は流通にかかわらないって?そういう
セクショナリズムが大企業病の始まりではないのさ。
--
つばめどん
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翔泳社が自社が出しているコンピュータ関係の本を紹介する小冊子を出しま
した。それにぼくが書いています。
表紙には、「気鋭のレビュアーによる書籍紹介!」となっていますが、もち
ろん、ぼくはレビュアーではない。単なる紹介者。
書評やレビューという言葉は、非常に安くなっていますね。安直に用いられ
ています。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/08/28/3714428
勝間和代・小飼弾対談
の続きを書こうとは思っているが、「弾さんが書いているものが書評? 冗談
だろう」ってな話は、そのときに、詳しく書きましょう。
で、本題。訂正があります。
SE Books Review Vol 001の4ページ、左段の真ん中やや下。
誤
おれは英語が読めない。だから、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が出
てほしいと思っていたが、10年経って、昨年ようやく出た。
正
おれは、「英語が読めない、特に若い技術者のために」、ぜひ日本語版が出
てほしいと思っていたが、10年経って、昨年ようやく出た。
渡した原稿の当該部分。
--- ここから ---
おれは、英語が読めない、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が出てほし
いと思っていたが、なかなか出ないのであきらめた。ところが、10年経って、
昨年ようやく出た。
--- ここまで ---
多忙なときにコタさんから頼まれて、時間がなくて書けるだけ書いて原稿を
渡し、校正や分量に収めることなど、あとのことは編集者任せで校了にしてゲ
ラをみなかったのが失敗。
句点と読点を勝手に変え、「だから」を勝手に入れて、文意を全然変えてし
まうとは思わなかった。担当した編集者は、編集者としての最低の常識もない
のかな。
分量を削るため、「なかなか出ないのであきらめた。ところが、」を削って、
「が」にしたのは正しい。
しかし、
「おれは、英語が読めない、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が」
を
「おれは英語が読めない。だから、特に若い技術者のためにぜひ日本語版が」
に変えてしまうのは、ひどい。
読点を句点に変えちゃったから、おれが英語が読めないことになっている。
しかも、勝手に「だから」でつないでやがる。
「英語が読めない」は、「技術者」にかかる。それを明示するために、句点
ではなく読点にしている。そんな書き手の意図を読めないのね。
驚いたな。この人、編集者なのに、文学的文盲です。勝間和代的な、データ
処理的な読み方しかできないのかな。
文芸の編集者は、句点や読点ひとつを変えるのも、作家にお伺いを立てて確
認を取るのが常識とされていて、それくらい1文字、1つの記号にも気を遣う。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/05/3801045
筒井康隆「文学外への飛翔」、小森収「はじめて話すけど…」
にも書いたように、役者も、言葉にそれくらい気を遣う。
コンピュータ関係が主力の翔泳社だから、そこの編集者には、そこまで求め
ないが、それにしても今回のは、ひどかった。責了にしちゃったおれも悪いん
だけどね。
30年くらい前から、アスキー、ソフトバンク、日経BP、技術評論社、翔泳社、
朝日新聞などなど、パソコン関連出版の編集者は、たとえば、文藝春秋、新潮
社、朝日新聞でも学芸部などの文芸の編集者に比べて、言葉を扱う意識やスキ
ルが低く、仕事が雑だなと思うことがよくあって、電脳争乱節などで批判した
ことがあったが、30年経っても変わらないのかな。
会社の中で、そういう基本的なところを鍛えて、後輩、新人に伝える人がい
ないんでしょうかね。
ってなわけで、上記の訂正したものは、文章を読めない人のために、わざわ
ざ「と」でくくってみました。
ほんとは、そこまでするのは、ダサすぎるんだよね。
中村(show)
===
標題: Re: 翔泳社のSE Books Review
---
> 30年くらい前から、アスキー、ソフトバンク、日経BP、技術評論社、翔泳社、
>朝日新聞などなど、パソコン関連出版の編集者は、たとえば、文藝春秋、新潮
>社、朝日新聞でも学芸部などの文芸の編集者に比べて、言葉を扱う意識やスキ
>ルが低く、仕事が雑だなと思うことがよくあって、電脳争乱節などで批判した
>ことがあったが、30年経っても変わらないのかな。
ここ,激しく同意。「……ことが出来し」と書いた原稿を「……ことができし」
と直され,そればかりか「フジモトさぁん,この『できし』って変ぢゃないです
かね?」と確認されたときは仰天したっけ。
> 会社の中で、そういう基本的なところを鍛えて、後輩、新人に伝える人がい
>ないんでしょうかね。
いないんでしょう。出てるのがそういうヒトがいるような本には見えないもの。
べ@「勝間 vs 弾 対談」批判,期待してるよん。
===
標題: Re: 翔泳社のSE Books Review
---
出版社の話じゃないよね?だって、出版社は未だに「重版出来」って
言うし、書くじゃないの。編集は流通にかかわらないって?そういう
セクショナリズムが大企業病の始まりではないのさ。
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つばめどん
コメント
_ しげっち ― 2008年10月23日 10時29分41秒
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年10月24日 08時31分55秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/23/3839832
翔泳社のSE Books Review
の続き。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/23/3839832
翔泳社のSE Books Review
の続き。
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年10月31日 09時11分16秒
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/23/3839832
翔泳社のSE Books Review
の続き。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/23/3839832
翔泳社のSE Books Review
の続き。
「が」の使い方はムズイので「が」の連発が誤解を生んでいると推察します。
ちなみに冒頭の「翔泳社が自社が出している...」もわかりにくいっす。
出版されたら買いたいと思います。