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サンクコスト効果2007年12月27日 07時52分38秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 もう先週号か先々週号だが、週刊東洋経済2007/12/15号は、「経済学ってこ
んなにおもしろい!」と題した、最新学説を超カンタンに応用という特集があ
った。
 この中で、Q10にあるサンクコスト効果の説明は、あれで正しいんですか?

 ヨーロッパでの携帯電話の3Gサービス。周波数の獲得合戦で莫大な費用を払
ってしまって、3Gサービスを始めても回収できないことがわかったと。この場
合、3Gのための設備投資を進めるべきか、やめるべきか。答は、周波数の費用
はサンクコストだとして、設備投資を進めるのが合理的という解説。
 フツー、サンクコスト効果の話だと、すでにこんなに投資したんだからいま
止めたら無駄になる、止めたら責任を追及されるのでいや、といった心理から
ずるずる先延ばしになりがちだが、そこはもう終わったことだと割り切って判
断すべきで、多くの場合、損切りするのが合理的という話だと思っていたんだ
けど。そうしないとどんどん損失が膨らむことが多いしね。
 実際、この解説に出てくる携帯3G以外の例は、いずれも損切りしなかったこ
とが非合理的だという話になってます。たとえば、開発費の高騰で採算が取れ
ないことがわかっていたのに続けた超音速旅客機コンコルドの開発とか、公共
事業とかね。
 でも、携帯3Gの話だけ、さらに設備投資してサービスをするのが合理的だと
書いてあるので、ほかと整合性が取れない気がするんですが。
 大体、判断時点でこの先どうなるかわからないのに、合理的、非合理的とい
う基準を持ち出すことがすでに間違っていると思うんだけど。
 携帯3Gの例でいえば、周波数の費用はサンクコストだとしても、設備投資を
進めるのが合理的か否かは、サービスを開始して儲かりそうかどうかわからな
いとだめですよね?
 儲かりそうなら設備投資をするのは合理的だし、儲かりそうにないなら非合
理的だし。
 そういうのがなくて、携帯3Gの例だけ、とにかく設備投資を進めるのが合理
的ってのが納得いかない。
 周波数の費用を無視して判断すべきというのなら納得できるし、サンクコス
トの説明としても合ってると思うんですが、なぜ無条件に設備投資にゴーサイ
ンを出すのが合理的なんでしょうか。
 誰か、経済学に詳しい人、教えてください。

 ちなみに、Q10の回答を書いたのは、明治大学情報コミュニケーション学部
教授友野典男です。
 この人は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/07/23/1674171
「投信バブルは崩壊する!」「行動経済学」「実験経済学入門」
で、著書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033547/showshotcorne-22/
友野典男著「行動経済学 経済は「感情」で動いている」
を紹介した人。そこでは、
--- ここから ---
 友野典男は、 以前指摘した「スティグリッツ経済学」でいい加減な仕事を
した早稲田の藪下史郎の弟子みたいなのでヤバいかと思ったら、杞憂だった。^^;
--- ここまで ---
と書いたが、やっぱ、ヤバい?

コメント

_ hamanako ― 2007年12月27日 18時13分42秒

あれは暗黙に「3Gサービスの設備投資はペイする」という判断があったことを示しているんでしょうね。黒字事業になるという予想がないと成り立たない説明でした。儲かりそうだと。

サンクコスト効果は「使ってしまった戻らないお金が人に与える影響」という話ですね。確かにサンクコストに引っ張られて判断が鈍る多くの例は「損切り」になります。「すごくたくさんのお金をかけたのだから、不採算事業になると分かっていても開始しよう」という時は損切りが必要なわけです。公共事業に多い。もともと公共事業は赤字で続けるのが普通だし!
しかし、もうどうあがいてもサンクコストは回収できないが、事業を続けることで利益が出る(損害が減る)のであれば当然事業は続行されるべきでしょう。至ってフツーの話で、なぜあの例が記事の目立つところにあったのかはよくわかりませんけど。

あっ、僕あんまり経済学に詳しくないです。ごめんなさい!

_ なめ猫 ― 2008年01月04日 19時07分38秒

この問題は簡単です。「総赤字が最小になるように、投資額を決める」というふうにすればいいのです。投資が今後、利益を生むかどうかは、関係ありません。

ケース1:投資をしないと、既存の投資額千億円が無駄。
ケース2:投資をすると、事業自体は赤字(30億円)になるが、減価償却ができるので、既存の損失が100億円減る。(900億円になる。)差し引きして、総赤字は930億円になる。

ケース2の場合、事業自体は赤字ですが、総赤字は930億円に減るので、この投資はするべきです。総赤字だけが問題です。

結論。
未来の事業が赤字になるとしても、そのことで過去の赤字が減るのであれば、その赤字の事業をやった方がいい場合もある。個別に考えず、全体としての総赤字を見るべし。

要するに、「コンコルドの誤謬」というのは、嘘八百です。全体としての総赤字を見るのが正しい。
なお、これは、経済学の問題ではなく、経営や会計の問題です。

なお、コンコルドの誤謬を採用すると、ほとんどのベンチャーは成立しません。たいていは創立後の数年間は赤字ですから。ビル・ゲイツがコンコルドの誤謬を採用していたら、たぶん、創業後すぐにマイクロソフトを閉鎖していたでしょう。

_ 中村(show) ― 2008年01月07日 21時27分18秒

なめ猫さん、コメントありがとうございます。
ますますわからなくなりました。\(^O^)/
おっしゃる通りだとすると、電場の周波数の使用権のような無形のものも、減価償却できるということですか?

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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年01月04日 19時07分23秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/12/27/2531909
サンクコスト効果
の続き。
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