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カーム・コンピューティング(calm computing)、静かに穏やかに見守るコンピューティング、さりげないコンピューティング2017年09月24日 20時02分02秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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 IoTの
http://iiyu.asablo.jp/blog/2017/09/20/8680316
坂村健「オープンIoT―考え方と実践」、その他IoT関係本、新里祐教のIoT開発キットで遊ぼう!、IoTウイルスの脅威、IoTで築く九州デジタルイノベーション
を書くのに、
http://diamond.jp/articles/-/130230
「IoT革命」はいま、どんな局面にあるのか?
坂村健・東洋大学情報連携学部長に聞く
ダイヤモンド・オンライン編集部 
2017.6.7
を読んで、思い出したのに、上記で書き忘れたことがあった。
 ユビキタス、IoTの言葉の変遷が出てくるが、もっと前には、カーム・コンピューティング(Calm Computing)という言葉もあった。
 ほかに、Invisible Computing, Pervasive computingなどもあった。
 ちょっと毛色が変わるが、コンピュータが作り出す現実を超えた現実として、拡張現実、Augmented Realityという言葉もあった。

 ぼくは、カーム・コンピューティングという言葉が好きだった。イメージがいい。
1970年代、世界で最も刺激的な研究所だったのが、Xerox PARC(ゼロックスのパロアルト研究所)。ここは、後のAppleのMacintoshなどにつながるAltoを作ったり、Scratchにつながるプログラミング環境Smalltalkを作ったり、偉業を成し遂げた場所。
 そんな研究所で、研究されていたのが、カーム・コンピューティング。
 ネットワークでつながったコンピュータやセンサー、アクチュエータが生活環境にあらゆるところに存在し、その多くは、それとは意識されないように環境に埋め込まれた形で存在する世界。
 それらが、決して自己主張せず、人の邪魔にならないように、静かに穏やかに、人々の生活を便利で安全にするため、支え、見守っている。そういう、さりげないコンピューティングが実現する世界を示す言葉だった。

 いまや、生活のあらゆるところにコンピュータやセンサー、アクチュエータが埋め込まれるようになって、IoTと騒いでいるが、カーム・コンピューティングのプラスイメージより、国家による管理や監視社会の道具としてのイメージが強いのが残念。

 あ、英語のWikipediaに、ちゃんと項目がある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Calm_technology
 そうそう、マーク・ワイザー(Mark Weiser)だ。彼は、いまの世界をみることなく亡くなったけど、そのヴィジョンは、いまだに影響があるね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Mark_Weiser
をみると、
Mark D. Weiser (July 23, 1952 – April 27, 1999)
だから、彼が亡くなってから、もう20年近くも経つんだ。びっくり。
 直接、Calm Computingの項目を載せているサイトもある。
http://cyborganthropology.com/Calm_Computing

 ああ、カーム・コンピューティングの会社もある。さすがアメリカ。
http://calmcomputerconsulting.com
Calm Computing, Inc.

 日本語でも、文中にカーム・コンピューティングが出てくる説明がある。
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0302/28/news005.html
ユビキタス・コンピューティング(ゆびきたす・こんぴゅーてぃんぐ)
Ubiquitous Computing / UbiComp

 ぼくの中で、カーム・コンピューティングと深く結びついているのが、ホーガンの傑作SF「星を継ぐもの」シリーズ、ガニメアンのシリーズに登場するゾラックというコンピュータ。
 当時、九大(九州大学)の荒木先生と、こんなコンピュータが作れるのは、いつごろかな。第7世代コンピュータくらいかななどと話していた。その辺の詳しいことや、「星を継ぐもの」シリーズのリストは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/07/14/5216841
追悼。ハードSFの巨匠ジェイムズ・P・ホーガン
をどうぞ。

 カーム・コンピューティングといえば、大人気SFドラマと映画「スタートレック」で描かれるコンピュータの使われ方が、カーム・コンピューティングの世界だと思う。
 「スタートレック」と大人気SF映画「スター・ウォーズ」とでは、コンピュータの描き方が対照的。
 「スター・ウォーズ」は、R2D2, C-3POに代表されるドロイド(ロボット)が、身の回りにいるコンピュータとして登場して、人間とあれこれとやり取りし、しゃべったり、戦ったりして、活躍する。
 どこかにある「ほんとの」コンピュータとは、音声認識や音声合成でやり取りしているイメージが、ぼくにはない。いまとさほど変わらず、キーボードや計器に付いているスイッチをいじることで行なっているとイメージしかない。

 対照的に、「スタートレック」では、「データ」のように非常に優れたアンドロイドは登場するが例外的で、ロボット、アンドロイドはほとんど登場しないイメージ。基本的に、俳優のように動くのは、機械ではなく、異星人も含めた人間のみ。
 そして、コンピュータは、静かに穏やかにさりげなく見守っている。
 たとえば、コンピュータは、エンタープライズ号のあらゆることを把握しているが、緊急時以外、余計なことは言わないし、コンピュータへは、音声認識て指示する。
 映画化作品のどれかで、1980年代か1990年代あたりに、タイムトラベルしてきた主人公たちが、音声でコンピュータに指示しようとしても反応がないので、目の前にあったMacintosh(マック)のマウスをマイクだと思って、それを持って話しかけるというシーンがあって、秀逸なギャグだと思ったことがある。

関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2017/09/20/8680316
坂村健「オープンIoT―考え方と実践」、その他IoT関係本、新里祐教のIoT開発キットで遊ぼう!、IoTウイルスの脅威、IoTで築く九州デジタルイノベーション
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/07/14/5216841
追悼。ハードSFの巨匠ジェイムズ・P・ホーガン

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 昨夜の日テレ「世界一受けたい授業」で紹介していた本。
 吉野源三郎「君たちはどう生きるか」を原作とした、羽賀翔一の漫画「