大友克洋、再起動、大友克洋×井上雄彦、井上雄彦「空白」 ― 2012年05月15日 05時54分05秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/05/11/6442549
大友克洋原画展、GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURESほか
の関連。
上記で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007IJPFOW/showshotcorne-22/
芸術新潮 2012年 04月号 [雑誌] [雑誌]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007K9BCWO/showshotcorne-22/
BRUTUS (ブルータス) 2012年 4/15号 [雑誌] [雑誌]
注文したら、もう来た。
BRUTUS (ブルータス)の「大友克洋、再起動」をやっと読んだ。読み始めた
ら面白すぎて、ほとんど徹夜だった。
大友さん、マイルス・デイビスが好きなのね。ウェザー・リポートも。
そうそう。おれ、大友さんの絵。その正確なパースと細密描写、白っぽい画
面から、音楽としては、スティーブ・ガッドのドラムを想像するんだよね。
二人をリアルタイムで体験したのが、同時期だからかな。なんか、シンクロ
している。このシンクロ、おれの個人的なものなのか、時代精神なのか。
若い頃に、乱読してた小説やらの文庫の写真も興味深い。
本文では、半村良、三島由紀夫、柳田國男、夢野久作、カート・ヴォネガッ
トJr、高木彬光、大江健三郎、横溝正史、安部公房、江戸川乱歩の10冊が挙げ
られているが、写真には、筒井康隆、スタインベックなどの名前もある。
大友作品の鑑賞講座は、3つとも面白かった。勉強になるね。
第1講 都市と建築論 五十嵐太郎
第2講 マンガ的表現論 伊藤剛
第3講 美術と表現論 山下裕二
画風に影響を与えた建築設計、映画、アメリカン・ニューシネマの話も面白
かった。
視点の置き方や描線の話、その他もろもろ、なるほどと思う。
腕にAKIRAの文字やキャラクターを刺青しまくってる、AKIRAの超コレクター
がいて、すごいわ、この人。アメリカ人のジョー・ピーコックさん。1万5000
点もあれこれAKIRA関連のものを集めている。AKIRAのセル画も集めまくり。
全米でのAKIRA普及に、大きく貢献したそうな。
白眉は、井上雄彦×大友克洋の対談。初対面だって。
「バガボンド」に観る、井上雄彦の最近の絵は、筆を使って、自由闊達で水
墨画のような世界。かたや、大友克洋は、かっちり細部まで、細い線で正確無
比に描き込んだ世界。対極にあるようでいて、通じてるね。
あれこれ深い話をしてます。
その1つは、絵は、若い頃に、反吐が出るほど描かないとうまくならないと
いう当たり前のことを、二人とも言ってるが、これが、なかなかできない。
スポーツも楽器もプログラムも一緒。若いときに必死でやらないと、いろん
なことは、なかなか身に付かない。
ソフトウェア開発やプログラミングでも、本を読んだだけで手を動かさず、
体を使わず、頭だけでソフトの設計やったり、プログラムを書けた気になって
も、そんなのは身に付いたことにならないし、実際、通用しない。
しかし、現実には、そういうレベルのソフトウェア技術者、SEやプログラマ
と称するバカが掃いて捨てるほどいて、頭が痛いよ。
料理でいえば、なんとか切りなどと材料の切り方の名前は知っているが、実
際は包丁一つ使えない。できるのは、電子レンジでチンするくらい。それで、
コックや調理人と称して金をもらっているようなもん。
本書で知ったが、原画展は、AKIRAの全ページの原画が出てるのね。2300枚
くらいあるって。その他も合わせると3000枚くらいは出てるらしい。日時指定
の完全予約制にせざるを得なかった理由も、本書でわかった。
あとね。福岡に、金田のバイクをそっくりに作っちゃった人たちがいる。
1000万円もかかったって。公道をちゃんと走れるし、大友さんの公認だって。
原画展に展示してあるそうです。
福岡だからなあ。やっぱ、作らせたのは、情報省ですね。\(^O^)/
大友さんは、少年サンデーで連載を始めるそうです。
新作アニメもやっていて、画面がちょろっと出てる。大友作品といえば、正
確無比な遠近法を思うが、今回は、西洋的遠近法じゃないの。日本画の手法を
使っている。
手法といえば、ネオ東京の爆発シーン。都心に真っ黒な球体が出るあのシー
ン。あの黒い球体は、「掛け網(カケアミ)」という手法で、徹夜で描き続けた
んだって。記号的な漫画は描かない執念。
記号的に漫画を描くひとつの極致が、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/12/23/5601549
絵が描けなくてもマンガが描けるソフト「コミPo!」
で紹介した「コミPo!」。
さて、こちらも長い沈黙が続き、バガボンドの連載が、モーニングでやっと
再開した井上雄彦。その沈黙の期間について述べた本が出ました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884183002/showshotcorne-22/
空白 (Switch library) [単行本]
井上雄彦 (著)
--- ここから ---
『バガボンド』休載中の500日のあいだに、全8回にわたって行われた未公開イ
ンタビューを完全収録
2010年12月から井上雄彦の体調不良により休載が続いていた『バガボンド』が、
2012年3月より連載を再開する。その約1年半のあいだ、iPadアプリで描かれ、
Twitterで公開された「Smile」シリーズ、3.11東日本大震災、京都・東本願寺
の依頼で制作された屏風「親鸞」公開など、さまざまな事柄が動いていく中で、
しかし『バガボンド』は長い沈黙を保ち続けた。
この間、井上雄彦は、何を考え、どう変化してきたのか。
そして、なぜいま、『バガボンド』を再開したのか。
そのすべてのプロセスを、井上自身がはじめて、そしてあらためて語り下ろし
た。
--- ここまで ---
それから、アメリカのAmazonでAKIRA関係を検索していたら、こんなのがあ
った。
マンガの神様。手塚治虫を紹介した本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0810982498/showshotcorne-22/
The Art of Osamu Tezuka: God of Manga [ハードカバー]
Katsuhiro Otomo (はしがき), Helen McCarthy (著), Osamu Tezuka (イラスト)
アメリカだと、大友作品、やっぱ、高いね。
日本人でよかった。\(^O^)/
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/01/27/6308388
pepita(ペピータ) (井上雄彦 meets ガウディ)
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/04/09/5790159
井上雄彦オリジナルポストカード集、収益は東日本大震災の義援金
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/04/09/5790088
プロフェッショナル 仕事の流儀、井上雄彦、浦沢直樹、宮崎駿、鈴木敏夫
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/11/21/6209116
諸星大二郎 異界と俗世の狭間から
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/02/08/6325741
21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/05/11/6442549
大友克洋原画展、GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURESほか
の関連。
上記で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007IJPFOW/showshotcorne-22/
芸術新潮 2012年 04月号 [雑誌] [雑誌]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007K9BCWO/showshotcorne-22/
BRUTUS (ブルータス) 2012年 4/15号 [雑誌] [雑誌]
注文したら、もう来た。
BRUTUS (ブルータス)の「大友克洋、再起動」をやっと読んだ。読み始めた
ら面白すぎて、ほとんど徹夜だった。
大友さん、マイルス・デイビスが好きなのね。ウェザー・リポートも。
そうそう。おれ、大友さんの絵。その正確なパースと細密描写、白っぽい画
面から、音楽としては、スティーブ・ガッドのドラムを想像するんだよね。
二人をリアルタイムで体験したのが、同時期だからかな。なんか、シンクロ
している。このシンクロ、おれの個人的なものなのか、時代精神なのか。
若い頃に、乱読してた小説やらの文庫の写真も興味深い。
本文では、半村良、三島由紀夫、柳田國男、夢野久作、カート・ヴォネガッ
トJr、高木彬光、大江健三郎、横溝正史、安部公房、江戸川乱歩の10冊が挙げ
られているが、写真には、筒井康隆、スタインベックなどの名前もある。
大友作品の鑑賞講座は、3つとも面白かった。勉強になるね。
第1講 都市と建築論 五十嵐太郎
第2講 マンガ的表現論 伊藤剛
第3講 美術と表現論 山下裕二
画風に影響を与えた建築設計、映画、アメリカン・ニューシネマの話も面白
かった。
視点の置き方や描線の話、その他もろもろ、なるほどと思う。
腕にAKIRAの文字やキャラクターを刺青しまくってる、AKIRAの超コレクター
がいて、すごいわ、この人。アメリカ人のジョー・ピーコックさん。1万5000
点もあれこれAKIRA関連のものを集めている。AKIRAのセル画も集めまくり。
全米でのAKIRA普及に、大きく貢献したそうな。
白眉は、井上雄彦×大友克洋の対談。初対面だって。
「バガボンド」に観る、井上雄彦の最近の絵は、筆を使って、自由闊達で水
墨画のような世界。かたや、大友克洋は、かっちり細部まで、細い線で正確無
比に描き込んだ世界。対極にあるようでいて、通じてるね。
あれこれ深い話をしてます。
その1つは、絵は、若い頃に、反吐が出るほど描かないとうまくならないと
いう当たり前のことを、二人とも言ってるが、これが、なかなかできない。
スポーツも楽器もプログラムも一緒。若いときに必死でやらないと、いろん
なことは、なかなか身に付かない。
ソフトウェア開発やプログラミングでも、本を読んだだけで手を動かさず、
体を使わず、頭だけでソフトの設計やったり、プログラムを書けた気になって
も、そんなのは身に付いたことにならないし、実際、通用しない。
しかし、現実には、そういうレベルのソフトウェア技術者、SEやプログラマ
と称するバカが掃いて捨てるほどいて、頭が痛いよ。
料理でいえば、なんとか切りなどと材料の切り方の名前は知っているが、実
際は包丁一つ使えない。できるのは、電子レンジでチンするくらい。それで、
コックや調理人と称して金をもらっているようなもん。
本書で知ったが、原画展は、AKIRAの全ページの原画が出てるのね。2300枚
くらいあるって。その他も合わせると3000枚くらいは出てるらしい。日時指定
の完全予約制にせざるを得なかった理由も、本書でわかった。
あとね。福岡に、金田のバイクをそっくりに作っちゃった人たちがいる。
1000万円もかかったって。公道をちゃんと走れるし、大友さんの公認だって。
原画展に展示してあるそうです。
福岡だからなあ。やっぱ、作らせたのは、情報省ですね。\(^O^)/
大友さんは、少年サンデーで連載を始めるそうです。
新作アニメもやっていて、画面がちょろっと出てる。大友作品といえば、正
確無比な遠近法を思うが、今回は、西洋的遠近法じゃないの。日本画の手法を
使っている。
手法といえば、ネオ東京の爆発シーン。都心に真っ黒な球体が出るあのシー
ン。あの黒い球体は、「掛け網(カケアミ)」という手法で、徹夜で描き続けた
んだって。記号的な漫画は描かない執念。
記号的に漫画を描くひとつの極致が、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/12/23/5601549
絵が描けなくてもマンガが描けるソフト「コミPo!」
で紹介した「コミPo!」。
さて、こちらも長い沈黙が続き、バガボンドの連載が、モーニングでやっと
再開した井上雄彦。その沈黙の期間について述べた本が出ました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4884183002/showshotcorne-22/
空白 (Switch library) [単行本]
井上雄彦 (著)
--- ここから ---
『バガボンド』休載中の500日のあいだに、全8回にわたって行われた未公開イ
ンタビューを完全収録
2010年12月から井上雄彦の体調不良により休載が続いていた『バガボンド』が、
2012年3月より連載を再開する。その約1年半のあいだ、iPadアプリで描かれ、
Twitterで公開された「Smile」シリーズ、3.11東日本大震災、京都・東本願寺
の依頼で制作された屏風「親鸞」公開など、さまざまな事柄が動いていく中で、
しかし『バガボンド』は長い沈黙を保ち続けた。
この間、井上雄彦は、何を考え、どう変化してきたのか。
そして、なぜいま、『バガボンド』を再開したのか。
そのすべてのプロセスを、井上自身がはじめて、そしてあらためて語り下ろし
た。
--- ここまで ---
それから、アメリカのAmazonでAKIRA関係を検索していたら、こんなのがあ
った。
マンガの神様。手塚治虫を紹介した本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0810982498/showshotcorne-22/
The Art of Osamu Tezuka: God of Manga [ハードカバー]
Katsuhiro Otomo (はしがき), Helen McCarthy (著), Osamu Tezuka (イラスト)
アメリカだと、大友作品、やっぱ、高いね。
日本人でよかった。\(^O^)/
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/01/27/6308388
pepita(ペピータ) (井上雄彦 meets ガウディ)
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/04/09/5790159
井上雄彦オリジナルポストカード集、収益は東日本大震災の義援金
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/04/09/5790088
プロフェッショナル 仕事の流儀、井上雄彦、浦沢直樹、宮崎駿、鈴木敏夫
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/11/21/6209116
諸星大二郎 異界と俗世の狭間から
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/02/08/6325741
21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection
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_ ホットコーナー - 2021年09月22日 13時16分21秒
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お買い上げありがとうございます。
2014年の出版だから、だいぶ前にはなりま
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お買い上げありがとうございます。
2014年の出版だから、だいぶ前にはなりま
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