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福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」2007年07月29日 22時03分05秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575043/showshotcorne-22/
福岡伸一著「プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステ
リー」
で、2006年度第37回講談社出版文化賞科学出版賞受賞を受賞した福岡伸一のい
ま話題の書が、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498916/showshotcorne-22/
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
 これは、1ヵ月ほど前に読んだけど、すごく売れていますね。そこであわて
て感想。

 福岡伸一は、文才があってほんとうに文章がうまい。それは、本書のエピロ
ーグにある、少年の日を綴った部分を読むだけでわかる。鮮やかな短編小説と
いってもいい。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/27/1537622
買ってきた本
で書いたように、以前から、人間性(ヒューマニティ)、生命とは、意識、知性
などには興味があったが、最近、自分の中でますます訳がわかんなくなってい
る。^^;
 それで本書を読んでみたが、この生命観、生物観は、おれの中では、もうど
うでもいいのね。
 福岡さんの考えは、簡単にいえば、常に変化している中で、動的な平衡状態
にあるのが生物だというものだけど、おれには、これは常識的日常的な時間・
空間スケールで考えるからそう思うだけだろうと思える。
 こういうフツーの感覚は、おれはもう飽きたということ。\(^O^)/
 いや、こういうフツーに考える生命は、それだけでもものすごいものなんで
す。これは、ほんと。
 よく地球に生命なんかできたなと思うし、なぜ、おれなんか生まれて来たん
だろう。生まれてきてすみません、太宰治\(^O^)/みたいな感覚と、銀河系
ができて太陽系ができて地球ができて生命ができて、人類まで進化し、おれが
生まれたなんて、どう考えても奇跡ととしか思えないから、生きてるだけでこ
んな大儲けのことはない、自殺なんか考えちゃ、お天道様、宇宙様に申し訳な
いというのは、しっかりある。
 しっかり、あるんだけど、もっと拡張された生命観がほしいのね。\(^O^)/

 「買ってきた本」で書いたように、宇宙規模の時間・空間スケールで考える
と銀河や宇宙も生物としか思えないし、素粒子レベルの時間・空間スケールで
考えれば、無生物のようにみえる岩石だって、生物にしかみえないんだよね。^^;
 こいつらも常に変化し、動的平衡状態を保ちつつ、局所的エントロピーを減
少させて秩序を作り、なんか、進化しているみたいだもん。これ、生命でしょ
う?
 自己複製はやってるかといえば、きっと銀河も岩石もやってるはず。\(^O^)/
 だから、生命以外の何者でもない。\(^O^)/
 結局、地球上の生命、生物の自己複製はゲノムという情報の複製なんだから、
銀河も岩石もウィニー使って自分の情報を複製しまくってると思うね。\(^O^)/

 そういう意味では、おれにとって拡張された生命観を得たかといえば得てな
い。
 本書で得たところは、何より福岡さんの文才。そして、野口英世ってそんな
悪い奴だったのかということ。結婚詐欺みたいこともやってたのか。渡辺淳一
がその辺を小説にしたこともあったのか。業績も実はアメリカの学会を牛耳っ
ていたボスの後ろ盾がなくなると見向きもされないようなものだったのか。な
どなど。
 DNAの二重螺旋について先駆的研究をしていたオズワルド・エイブリーに非
常に光をあてているところも印象的でしたね。

 ところで、「プリオン説はほんとうか?」の、amazonの素人評の中に、
「あまり話題にもなりませんが、まだBSEが今ほど注目されていなかった頃、
日本人学者が牛肉食とアルツハイマーの関係についてアメリカの学会で発表し
ようとした当日の朝、家族と共に拳銃で撃たれて死んでしまったことがありま
す。強盗によるものということになったのですが、怪しいです」
とあったが、ほんとなのかな。

ワトソン「DNA」、遺伝子診断、遺伝医療、分子人類学2007年07月29日 22時04分23秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 まとめてバイオインフォマティクスの入門書を紹介するのは、発散して終わ
らないので(爆)、ちょこちょこと。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498916/showshotcorne-22/
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
で、DNAの二重螺旋発見に重要な貢献をし、しかし、ノーベル賞をとれなかっ
たオズワルド・エイブリーのことが詳しく書いてあると紹介したが、DNAの二
重螺旋発見に至るスリリングな展開は、クリックと共に発見者の一人であり、
ノーベル賞をとったワトソンその人による、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574721/showshotcorne-22/
ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著, 青木薫訳「DNA (上)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406257473X/showshotcorne-22/
ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著, 青木薫訳「DNA (下)」
がいいです。
 臨場感が非常にあります。ワトソン、クリックと同時にノーベル賞を受賞す
べきだったエイブリーがなぜ受賞できなかったかの内幕もありました。
 ナチスドイツがらみの遺伝学の悲劇から説き起こして、DNAの二重螺旋発見
から、さらにPCRの発明から遺伝子操作やバイオ技術の発展から遺伝子診断と
堕胎の話やら、当事者がみてきた分子生物学の歴史と遺伝学の社会的な評価な
どが複合していて読み応えがあります。
 ワトソンの科学への楽観的、自信に満ちた書きっぷり(ワトソンではなくア
ンドリュー・ベリーの書きっぷりかもしれないし、青木薫の訳しっぷりかもし
れないが)には、特に文系の人はツッコミ入れたくなったり、鼻につく嫌な感
じをもつ人もいるかもしれないが、生命科学、バイオインフォマティクス方面
に行くなら、読んでおくべき本。
 ブルーバックスだから中学生、高校生でも読めるしね。上下2巻みっちりで
700ページくらいになるから、分量的には大変かもしれません。

 遺伝子診断は、いま、出生前診断などいろいろ問題が出ている。概略は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062572222/showshotcorne-22/
奈良信雄著「遺伝子診断で何ができるか―出生前診断から犯罪捜査まで」
をどうぞ。
 遺伝医療も非常にセンシティブで難しい問題をはらんでいる。現場で苦悩し
つつ、真摯に遺伝医療と向き合っている臨床心理士である玉井真理子氏の
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140910623/showshotcorne-22/
遺伝医療とこころのケア―臨床心理士として (単行本)
玉井 真理子 (著)
も紹介しておこう。

 余談ながら、おれは、代理母を使って子供を産ませてどうのこうのとやって
る向井亜紀と高田延彦は、大バカだと思っている。特に向井亜紀が記者会見で
言った「この人の遺伝子を残したい」という、ナチスドイツの優生学そのもの
の発言は決して許されないし、謝ったけどその後の行動は相変わらずで、そん
な彼らを支援している連中も大バカ。障碍児の親としてはなおさらそう思う。

 向井亜紀もそうだが、大体ね、ある特定の人物の遺伝子がずっと伝わってい
くと思ってるようでは、分子生物学がここまで発展した時代に生きている人間
としては無知をなじられても文句をいえないよ。
 どうも、遺伝情報は子々孫々までずっと伝わっていくというイメージが強す
ぎるせいか、特定の人物の遺伝情報も同様にずっと伝わっていくという誤解が
大きいのね。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/item.php?did=55706
日経サイエンス2007年6月号
の茂木健一郎の連載対談「DNAで探る日本人の起源/ゲスト:篠田謙一(国立
科学博物館人類研究部研究主幹)」で知ったが、分子人類学という学問があっ
て、分子生物学の技術や知見を使って、母親由来のものだけが伝わるミトコン
ドリアDNAや、男性だけに伝わるY染色体の変化を調べ、人類がどういう歩み
を歩んできたのかを調べる学問です。
 分子人類学恐るべし(笑)。自分の遺伝子が一子相伝のように、子々孫々受け
継がれていくだろうなんてのは、よくいえばロマンティックな思い、悪くいえ
ばバカな妄想であることを明らかにしてしまっています。\(^O^)/
 篠田さんが、10世代も経てばもうあなたの遺伝情報の痕跡はほとんど残って
ない、20世代経てば何もないといった話をすると、夢がないという話になっち
ゃうそうです。がっかりしちゃうんでしょうね。
 しかしこれ、分子人類学などといわなくても、ちょっと考えてみれば当たり
前で、自分の遺伝情報は、親から半分ずつもらうので、N世代前に遡れば、2の
N乗の候補からかき集めたもの。それがいまの自分であって、子孫に向かってN
世代経てば、これがまた2のN乗に拡散しちゃうんですよね。10世代で2の10乗
だから1024分の1、20世代なら2の20乗でざっと100万分の1だもんね。
 茂木さんもいってるけど、だからこそ、「私」という存在は、人類の歴史上、
おそらく1回しか起こらない遺伝子の組み合わせだという重み、生命の尊さが
あるんですよね。それがイメージできないと、分子生物学がここまで発展した
時代に生きているまともな現代人とはいえないでしょう。

 こういう話、天皇制にも都合が悪いなあと思っています。情報省としては、
国民がこういう科学知識をもたないようにしないとな。\(^O^)/
 上野の国立科学博物館の日本館では、篠田さんたちの研究も反映した展示も
あるようです。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/
をみると、「日本人と自然」がそれなのかな。国民には見せないようにしない
とな。\(^O^)/

 本も出てますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478538638X/showshotcorne-22/
尾本恵市著「分子人類学と日本人の起源」

 また脱線。
 ミトコンドリアDNAを調べた結果、現世人類の最初の女性は20万年前にアフ
リカにいたというが、ミトコンドリア・イブ。これ、昔、フジテレビの科学バ
ラエティがあって、その本のタイトルにもなって、おれ、持っているの。
amazonで調べたら、マーケトプレイスには、まだ、あるね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575281581/showshotcorne-22/
フジテレビ編「ミトコンドリア・イブの贈り物」
 それにしても、200円台があるかと思えば、5000円くらいつけているのもあ
るな。^^;

 いま、こっちに持ってきていた気がして、本棚ひっくり返したら、あった。
なぜか、第3巻と第4巻。
 番組名は、アインシュタインTV。ウゴウゴルーガ的な絵の作りの番組だっ
た。これを本にしたシリーズがあって、「ミトコンドリア・イブの贈り物」は、
第3巻。第4巻は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/457528159X/showshotcorne-22/
フジテレビ編「そして人間は神になれるか」
 なぜ、第1巻と第2巻を買ってないんだろう。大体コレクター癖があるから、
揃えるんだけど、つまらないと思ったのか、買い忘れか。
 「アインシュタインTV」で検索したら、全4巻、ちゃんと出るじゃん。\(^O^)/
 どっちが第1巻、第2巻かわからないけど、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575281247/showshotcorne-22/
フジテレビ編「宇宙の根源はヒモである」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575281255/showshotcorne-22/
フジテレビ編「遺伝子は46憶年の夢を見る」

 超ひも理論(超弦理論)と遺伝子(分子生物学)をテーマにした、このタイトル
でおれが買ってないわけがない。どこにやったんだろう。
 誰かに貸したままなのかな。おれから借りた記憶がある人、連絡ください。\(^O^)/

 そうそう、この番組と本には、橋元淳一郎さんがからんでますね。それも今
回発見。
 あ、「そして人間は神になれるか」のいま開いたページ、ギャバ神経やA10
神経の話だ。「電脳騒乱節」で「もっと前頭葉を刺戟してくれ」というのを書
いたことがあって、そのとき、A10神経からアイデアを得て、パソコンのCPUの
アドレス線とからめて、なんか書いた記憶があるなあ。この本から、得たんだ
ろうか。

 今日は、ワトソンの「DNA」のほかにももう1冊簡単に紹介しようと思って
いたけど、無理。こんな具合だから、発散して終わらないんだよね。^^;

榊佳之著「ゲノムサイエンス」、岸宣仁著「ゲノム敗北」2007年07月29日 22時05分09秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 さっき、「今日は、ワトソンの「DNA」のほかにももう1冊簡単に紹介しよ
うと思っていたけど、無理」と書いたけど、参院選、自民大惨敗だけど、安倍
ちゃん、まだ辞任するかどうかわからないから、いまのうちに簡単に。^^;

 さっきは、ワトソンの「DNA」を紹介したが、もっと最近の話題やバイオイ
ンフォマティクス、ゲノム科学のほうに興味がある人は、出て間もない
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406257554X/showshotcorne-22/
榊佳之著「ゲノムサイエンス」
がいい。
 なんか、榊先生の退官記念で出たみたいな気がするな。\(^O^)/
 榊先生の一般向け入門書は、岩波から以前、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004307287/showshotcorne-22/
榊佳之著「ヒトゲノム―解読から応用・人間理解へ」
が出ている。これもいいけど、いまはやっぱり、「ゲノムサイエンス」を薦め
る。
 この分野、5年は100昔くらいの気がするから。\(^O^)/
 簡単すぎて、榊先生、すみません。^^;

 「ゲノムサイエンス」の中で、和田昭允先生が、世界に先駆けてDNAの塩基
配列の自動解析を提案して、でも、当時の文部省、科学技術庁がバカで(もち
ろん、榊先生はこんな乱暴な言葉は使わない^^;)、プロジェクトが頓挫する話
があります。
 こんなインタビューもありますね。
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2004/058a.html
物理から見た生命現象 ~生命と工学の接点~

 この政策の失敗が、のちにヒトゲノム計画で日本が惨敗する原因になったと
されているわけですが(榊先生は政策の失敗だけではなく、日本社会にも原因
を求めている)、その内幕を追ったのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478240973/showshotcorne-22/
岸宣仁著「ゲノム敗北―知財立国日本が危ない!」
です。
 東大理学部に今年やっと生命情報科学科ができました。
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/guidance/H19_html/html/11/bioinfo/bioinfo.htm
http://www.bi.s.u-tokyo.ac.jp/
をどうぞ。
 ここに至る大変さも、「ゲノム敗北」の中で出てきます。この学科新設に苦
労なさった高木利久先生も登場します。高木先生から、学科が新設されるのは、
情報科学科ができて以来のことだと聞いていたから、いま、調べたら、情報科
学科ができたのは、1975年。ざっと30年ぶりの学科新設なのね。

 最後に情報省として重大情報を明かしておこう。
 情報省のスパイからの報告によれば、大変な政策の失敗だったので、この
「ゲノム敗北」、出版当時から、文部科学省では必読書になっていたという。\(^O^)/
 いまもそうかは、スパイと連絡が取れないからわかりません。\(^O^)/