クラウドコンピューティングの幻想 ― 2009年05月22日 04時56分31秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/05/14/4302841
クーリエ・ジャポン2009年6月号、クラウド・コンピューティング
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/12/3815127
野口悠紀雄のトンデモIT論その5
の関連。
アマゾンで
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774138045/showshotcorne-22/
クラウドコンピューティングの幻想 (単行本(ソフトカバー))
エリック・松永 (著)
を買ってくださった人がいた。
未読だが、
http://gihyo.jp/book/2009/978-4-7741-3804-6
技術評論社のクラウドコンピューティングの幻想
で目次をみると、おれがここで言ってきたようなことがずいぶん書いてあるね。
「A級戦犯の手口とは?──6つのチェック項目」は爆笑ですね。
--- ここから ---
クラウドコンピューティングの押し売りにだまされないように
[その1]プレゼンする人の肩書きがコンサルタント
[その2]プレゼンの資料がキレイすぎ
[その3]Google,Amazonの成功要因を技術的な優位性でしかとらえていない
[その4]自社製品が既存製品の組み合わせ(再利用)
[その5]こちらの課題や今抱えている問題を聞かない
[その6]自社一社でサービスが完結するような話をする(事例などは特に注
意)
--- ここまで ---
本書の売り文句は、「また、Web2.0のときのように踊らされるのですか?
あなたは!」
Web2.0ブームの当時、ほんと、梅田望夫みたいなのに、よく引っかかるなあ
と思ったよねえ。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/06/17/409892
いま読むべきGoogle(グーグル)本
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/08/24/496985
朝日のWeb 2.0記事と西垣通の著作
参照。
もう3年前なんだね。おれと梅田望夫、どっちが正しかったかな。勝間和代
も賞味期限は今年いっぱいかな。
梅田望夫は、将棋の話をしているのが一番いい。何度も書くが、歴史や文化
や思想を語るには、頭が悪すぎる。未読だが、将棋の新刊を出している。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120040283/showshotcorne-22/
シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代 (単行本)
梅田望夫 (著)
「現代将棋の世界は「社会現象を先取りした実験場」」「来るべき時代を生
き抜く「知のすがた」を探る」なんて言わなきゃいいのに。墓穴、掘ってる予
感がする。
おれが現代の将棋を観戦していて思うのは、おれが知っている理系の研究の
世界と似ているということ。その世界では、「社会現象を先取りした実験場」」
「来るべき時代を生き抜く「知のすがた」」は、大昔からある。
だから、前記「朝日のWeb 2.0記事と西垣通の著作」で紹介した、梅田望夫
の「100年後に現在の動きを見たら、ウェブ2.0に象徴される変化は、歴史上の
大きな転換点だったと評価されるのではないかと思っている」というバカで大
げさな表現をまた使ってるなあと。食いつかせる餌ですね。
ま、「知」というと、コンプレックスがあるのか、サラリーマン、ビジネス
パーソンの食いつきがいいからね。野口悠紀雄や勝間和代が知的生産術の大家
のように思われているのは、真の知的生産をやってる人たちからみると、ふざ
けるなだと思うよ。
脱線が長くなるので、この辺で。
エリック・松永氏は、
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0903/13/news012.html
クラウドコンピューティングの幻想から目覚めよ
も書いてますね。
本書の目次に戻ると、第2章は、上記「クーリエ・ジャポン2009年6月号、ク
ラウド・コンピューティング」で書いた集中と分散のせめぎ合いの歴史の話で
すね。
目次をつらつら眺めると、一般消費者向けのクラウドはGoogle, Amazonがリ
ードしているが、企業向けクラウドはまだまだであり、企業向けクラウドでは、
一般消費者向けクラウドであるGoogle, Amazonが通用するとは限らない、それ
なのにそれを追いかけようとする企業はバカと要約できそうですね。
第4章に「企業向けクラウドコンピューティングを作る企業は?」「コンピ
ュータシステムの老舗,業界をリードしてきた巨人はすでに老兵なのか」とあ
りますね。
エリック・松永氏がどう思っているか知らないが、おれ、企業向けのクラウ
ドでやっぱり強かったのはIBMだったとなるんじゃないかなと密かに思ってい
る。
企業は、GoogleやAmazonは無論のこと、MS(Microsoft)にも重要なデータを
渡すことには抵抗があるんじゃないかなと。その点で一番いい位置にいるのは
IBMじゃないかなと。クラウドのソフトだけじゃなくて、ハードも作れる総合
力もあるし、コンサルティング会社も買収してきたし。
やっぱり、企業が、外部にたとえば会計データを出すには、先進の技術を使
っている、ネットやサーバがダウンしないなどということ以上に、法的担保、
社会的信用があるところじゃないと難しいと思うんだよね。
父が経営していた小さな会社でも、会計は昵懇にしていた公認会計士の事務
所とその会計センターに任せていた。昵懇にしていて信用できる公認会計士と
その会計センターというところが重要だと思うのね。
会計センターは、昔からあるビジネスで、当時はデータは手渡しだった。そ
の現代版で、データをネットで渡すようになるのが、企業向けクラウドのひと
つの成功パターンになるのではないかと。
それくらい技術以外の部分で法的担保、社会的信用がないと、重要なデータ
を扱う企業向けクラウドは成功しないんじゃないかなと。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/05/14/4302841
クーリエ・ジャポン2009年6月号、クラウド・コンピューティング
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/10/12/3815127
野口悠紀雄のトンデモIT論その5
の関連。
アマゾンで
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774138045/showshotcorne-22/
クラウドコンピューティングの幻想 (単行本(ソフトカバー))
エリック・松永 (著)
を買ってくださった人がいた。
未読だが、
http://gihyo.jp/book/2009/978-4-7741-3804-6
技術評論社のクラウドコンピューティングの幻想
で目次をみると、おれがここで言ってきたようなことがずいぶん書いてあるね。
「A級戦犯の手口とは?──6つのチェック項目」は爆笑ですね。
--- ここから ---
クラウドコンピューティングの押し売りにだまされないように
[その1]プレゼンする人の肩書きがコンサルタント
[その2]プレゼンの資料がキレイすぎ
[その3]Google,Amazonの成功要因を技術的な優位性でしかとらえていない
[その4]自社製品が既存製品の組み合わせ(再利用)
[その5]こちらの課題や今抱えている問題を聞かない
[その6]自社一社でサービスが完結するような話をする(事例などは特に注
意)
--- ここまで ---
本書の売り文句は、「また、Web2.0のときのように踊らされるのですか?
あなたは!」
Web2.0ブームの当時、ほんと、梅田望夫みたいなのに、よく引っかかるなあ
と思ったよねえ。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/06/17/409892
いま読むべきGoogle(グーグル)本
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/08/24/496985
朝日のWeb 2.0記事と西垣通の著作
参照。
もう3年前なんだね。おれと梅田望夫、どっちが正しかったかな。勝間和代
も賞味期限は今年いっぱいかな。
梅田望夫は、将棋の話をしているのが一番いい。何度も書くが、歴史や文化
や思想を語るには、頭が悪すぎる。未読だが、将棋の新刊を出している。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120040283/showshotcorne-22/
シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代 (単行本)
梅田望夫 (著)
「現代将棋の世界は「社会現象を先取りした実験場」」「来るべき時代を生
き抜く「知のすがた」を探る」なんて言わなきゃいいのに。墓穴、掘ってる予
感がする。
おれが現代の将棋を観戦していて思うのは、おれが知っている理系の研究の
世界と似ているということ。その世界では、「社会現象を先取りした実験場」」
「来るべき時代を生き抜く「知のすがた」」は、大昔からある。
だから、前記「朝日のWeb 2.0記事と西垣通の著作」で紹介した、梅田望夫
の「100年後に現在の動きを見たら、ウェブ2.0に象徴される変化は、歴史上の
大きな転換点だったと評価されるのではないかと思っている」というバカで大
げさな表現をまた使ってるなあと。食いつかせる餌ですね。
ま、「知」というと、コンプレックスがあるのか、サラリーマン、ビジネス
パーソンの食いつきがいいからね。野口悠紀雄や勝間和代が知的生産術の大家
のように思われているのは、真の知的生産をやってる人たちからみると、ふざ
けるなだと思うよ。
脱線が長くなるので、この辺で。
エリック・松永氏は、
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0903/13/news012.html
クラウドコンピューティングの幻想から目覚めよ
も書いてますね。
本書の目次に戻ると、第2章は、上記「クーリエ・ジャポン2009年6月号、ク
ラウド・コンピューティング」で書いた集中と分散のせめぎ合いの歴史の話で
すね。
目次をつらつら眺めると、一般消費者向けのクラウドはGoogle, Amazonがリ
ードしているが、企業向けクラウドはまだまだであり、企業向けクラウドでは、
一般消費者向けクラウドであるGoogle, Amazonが通用するとは限らない、それ
なのにそれを追いかけようとする企業はバカと要約できそうですね。
第4章に「企業向けクラウドコンピューティングを作る企業は?」「コンピ
ュータシステムの老舗,業界をリードしてきた巨人はすでに老兵なのか」とあ
りますね。
エリック・松永氏がどう思っているか知らないが、おれ、企業向けのクラウ
ドでやっぱり強かったのはIBMだったとなるんじゃないかなと密かに思ってい
る。
企業は、GoogleやAmazonは無論のこと、MS(Microsoft)にも重要なデータを
渡すことには抵抗があるんじゃないかなと。その点で一番いい位置にいるのは
IBMじゃないかなと。クラウドのソフトだけじゃなくて、ハードも作れる総合
力もあるし、コンサルティング会社も買収してきたし。
やっぱり、企業が、外部にたとえば会計データを出すには、先進の技術を使
っている、ネットやサーバがダウンしないなどということ以上に、法的担保、
社会的信用があるところじゃないと難しいと思うんだよね。
父が経営していた小さな会社でも、会計は昵懇にしていた公認会計士の事務
所とその会計センターに任せていた。昵懇にしていて信用できる公認会計士と
その会計センターというところが重要だと思うのね。
会計センターは、昔からあるビジネスで、当時はデータは手渡しだった。そ
の現代版で、データをネットで渡すようになるのが、企業向けクラウドのひと
つの成功パターンになるのではないかと。
それくらい技術以外の部分で法的担保、社会的信用がないと、重要なデータ
を扱う企業向けクラウドは成功しないんじゃないかなと。
コメント
_ はてブウォッチャー ― 2009年05月22日 10時12分54秒
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年06月09日 07時35分47秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/05/22/4318138
クラウドコンピューティングの
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/05/22/4318138
クラウドコンピューティングの
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年12月09日 07時06分43秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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まず、リンク。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0910/13/news079.h
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まず、リンク。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0910/13/news079.h
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年01月07日 04時42分30秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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リストだけで失礼。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575981/show
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リストだけで失礼。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575981/show
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年02月11日 07時07分30秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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日本のインターネットの父である村井純さんのインターネット
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日本のインターネットの父である村井純さんのインターネット
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年04月09日 06時22分24秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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もうすぐ先月号になっちゃうけど、クーリエ・ジャポン2010年4
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もうすぐ先月号になっちゃうけど、クーリエ・ジャポン2010年4
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年07月26日 10時03分17秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/07/23/5239815
初めてのコンピュータサイエンス
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/07/23/5239815
初めてのコンピュータサイエンス
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年12月09日 05時14分29秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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Evernoteの本、いろいろ出るね。人気があるのね。でも、カモリーマン
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Evernoteの本、いろいろ出るね。人気があるのね。でも、カモリーマン
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2013年09月18日 10時55分47秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
後述、
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Active/20120702/406706/
アマゾンから
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後述、
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Active/20120702/406706/
アマゾンから
>や思想を語るには、頭が悪すぎる。
ちょうど今、彼はその将棋の本がらみで安易にオープンソースを語りだして(前科もあるので)顰蹙を買ってるところでございます。参考までに。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://kazuhiko.tdiary.net/20090519.html%23p01