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ロボット未来世紀、脳、身体性、知能ロボット、インテリジェンス・ダイナミクス2008年12月16日 01時15分09秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 さっき、たまたま、NHK教育にチャンネルを合わせたら、赤ちゃんのもぞも
ぞした動きをCGでやってて、赤ちゃんにセンサー付けてモーションキャプチャ
ーをやったのかと思ったら、さにあらず。
 人間の身体的な特性(肘や膝は逆に曲がらない、筋肉の長さは決まっている、
腕は振り子のように動くなど)と、あるアルゴリズムを使うと、自然と赤ちゃ
んの動きが出てくるという。
 つまり、脳は非常に身体性に縛られている。逆に身体性を加味していくこと
で、脳の発達や心の発達といった人間の知に迫れるのではないかという研究。
 1980年代にブームを迎えたAIが結局だめだったのは、マシンパワー、センサ
ーやアクチュエータといったハードウェアの問題もあるけれど、身体性を加味
してなかった、というか、脳と体は一体なのに、(とりあえず)体は置いといて、
心というか脳の機能を模倣するにはどうするかという研究にとどまったからで
はないかと思うので、ロボット研究にはけっこう期待するところがあるんだけ
ど、恥ずかしながら、こういうレベルに行っているとは知らなかった。
 そのNHK教育の番組とは、
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200812/monday.html
知るを楽しむ この人この世界 ロボット未来世紀 浅田稔
 おれが観たのは、「第3回身体が脳をつくる ―ロボットと赤ちゃん(1)」
のほんとに最後の5分間くらい。
 12月に始まったNHKオンデマンドだと、こういう見逃した番組もどんどん観
られるのかな。この番組はどうなんだろう。まだ契約してないんだけど。
 テキストは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4141895083/showshotcorne-22/
この人この世界 2008年12月-2009年1月 (2008) (NHK知るを楽しむ/月) (単行
本)

 でね、浅田先生の著書を調べたら、共著の
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574616/showshotcorne-22/
知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦 (新書)
けいはんな社会的知能発生学研究会 (著), 瀬名 秀明 (著), 浅田 稔 (著),
銅谷 賢治 (著), 谷 淳 (著), 茂木 健一郎 (著), 開 一夫 (著), 中島 秀之
(著), 石黒 浩 (著), 國吉 康夫 (著), 柴田 智広 (著)
は、以前、読んだ。
 ロボットと知能の話だし、関西のけいはんな地区は、奈良先端大には講義で
行ったこともあるし、ATRもあるし、それもあって買って読んだんだよね。
2004年12月発行だから、4年前だもんね。もう、内容、ほとんど覚えてないけ
ど。
 でも、人間の知を探るためにロボットを研究しているという視点が、我が意
を得たりというか、やっぱり身体性がないとねなどと思ったのと、けっこう赤
裸々に研究者が語っていた記憶はある。

 以下、関連書籍や関連記事など。書籍は未読。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320120507/showshotcorne-22/
ロボットの行動学習・発達・進化―RoboCupSoccer (単行本)
浅田 稔 (著), NPOロボカップ日本委員会
 目次は、
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0206_05.html
RoboCupSoccer ロボットの行動学習・発達・進化

 岩波ロボット学は全7巻。第3巻はまだ出てない。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000112414/showshotcorne-22/
ロボット学創成 (岩波講座 ロボット学 1) (単行本)
安西祐一郎 (著), 瀬名秀明 (著), 井上 博允 (著), 金出武雄 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000112422/showshotcorne-22/
ロボットモーション (岩波講座 ロボット学 2) (単行本)
内山 勝 (著), 中村 仁彦 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000112449/showshotcorne-22/
ロボットインテリジェンス (岩波講座 ロボット学 4) (単行本)
浅田 稔 (著), 國吉 康夫 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000112457/showshotcorne-22/
ロボットインフォマティクス (岩波講座 ロボット学 5) (単行本)
安西 祐一郎 (著), 山崎 信行 (著), 徳田 英幸 (著), 西田 豊明 (著), 萩田
紀博 (著), 廣瀬 通孝 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000112465/showshotcorne-22/
ロボットフロンティア (岩波講座 ロボット学 6) (単行本)
下山 勲 (著), 柴田 智広 (著), 波多 伸彦 (著), 谷 淳 (著), 生田 幸士
(著), 松井 俊浩 (著), 比留川 博久 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000112473/showshotcorne-22/
ロボットアナトミー (岩波講座 ロボット学 7) (単行本)
稲葉 雅幸 (著), 加賀美 聡 (著), 西脇 光一 (著)

 目次は、
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/011241+/
岩波講座ロボット学
をどうぞ。

 岩波が研究的、アカデミック的なら、もっと現場的、実践的なシリーズがオ
ーム社から出ていた。「図解ロボット技術入門シリーズ」がそれ。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274204464/showshotcorne-22/
ロボットコントロール―C言語による制御プログラミング (図解ロボット技術
入門シリーズ) (単行本)
水川 真 (著), 安藤 吉伸 (著), 小川 靖夫 (著), 青木 政武 (著), 春日 智
惠 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274204316/showshotcorne-22/
ロボットモデリング―MATLABによるシミュレーションと開発 (図解ロボット技
術入門シリーズ) (単行本)
小林 一行 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274204162/showshotcorne-22/
ロボットセンシング―センサと画像・信号処理 (図解ロボット技術入門シリー
ズ) (単行本)
大山 恭弘 (著), 橋本 洋志 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4274203980/showshotcorne-22/
ロボットインテリジェンス―進化計算と強化学習 (図解ロボット技術入門シリ
ーズ) (単行本)
伊藤 一之 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427420345X/showshotcorne-22/
ロボット入門 (図解ロボット技術入門シリーズ) (単行本)
渡辺 嘉二郎 (著), 小俣 善史 (著)

 目次は、それぞれ、
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-20446-3
図解ロボット技術入門シリーズ ロボットコントロール
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-20431-9
図解ロボット技術入門シリーズ ロボットモデリング
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-20416-6
図解ロボット技術入門シリーズ ロボットセンシング
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-20398-5
図解ロボット技術入門シリーズ ロボットインテリジェンス
http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=4-274-20345-X
図解ロボット技術入門シリーズ ロボット入門

 「ロボット・インテリジェンス」で検索したら、日経サイエンスで読書日記
を連載している森山和道さんが、かつて書いた記事に出会った。
 ソニーがやってたインテリジェンス・ダイナミクスの記事。
 「インテリジェンス・ダイナミクス(動的知能学)」とは「身体性を通してイ
ンテリジェンスを創発させる新しい人工知能の方法論と、ロボットを使った実
世界とのインタラクションを通じて計算モデルを検証する構成論的脳科学を統
合すべく提案中の名称」で、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所
の造語だそうです。
 ああ、ソニーがAIBOの先のことをやるといってたのは、これだったのかとい
うのを、今ごろやっと知った(バカ)。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0414/kyokai24.htm
■森山和道の「ヒトと機械の境界面」■
ソニー・インテリジェント・ダイナミクス2004
~ロボットは脳の秘密に近づけるか?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0422/kyokai35.htm
■森山和道の「ヒトと機械の境界面」■
人を飽きさせないロボットをつくる
~ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス2005レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0427/kyokai47.htm
■森山和道の「ヒトと機械の境界面」■
ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス2006レポート

 動画は、面白いね。赤ちゃんや子供がやりそうなことを、人型ロボットにや
らせているが、ああいう動きをプログラムで逐一作り込んだわけではなく、も
っと一般的なルール、アルゴリズムだけを作っておいて、ロボット自身が段々
とああいう動きが自発的にできるようになっていくというのが、この手の研究
のミソ。
 人間の知能が、すごく不思議なところもそこ。あらかじめ教わってなくても、
次々変化する新たな状況になんとか対応するし、変化するところと安定的なと
ころが絶妙。そのバランスが崩れると精神的な病や知能の発達障碍ということ
になるんだろうけれどね。
 森山さんは、さすがによくわかってるから(つまり文学的読解力がちゃんと
あるから)、人型ロボットでデモンストレーションすることの危険性も指摘し
ていますね。

 この辺の話は、勝間和代批判や、書くといって書いてない
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/08/28/3714428
勝間和代・小飼弾対談
の批判にもつながる話だし、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/09/15/3763998
将棋、森下卓九段の深い話
にもつながる話。
 もっと科学的、技術的、直接的には、これも書くといって書いてない
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/07/18/3633510
ICT業界とアスペルガー障害
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/09/01/3727996
考える脳 考えるコンピューター
で書名を出した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270000600/showshotcorne-22/
考える脳 考えるコンピューター (単行本)
ジェフ・ホーキンス (著), サンドラ・ブレイクスリー (著), 伊藤 文英 (翻
訳)
ともつながる話。
 はあ、いま読むと、「ICT業界とアスペルガー障害」は力作ですね。勝間和
代・小飼弾対談批判は、これで済んでない? だめ?
 だめ!!
 やっぱり。世の中、甘くないね。^^;

 ソニーは数年前リストラで、ロボットを売るのをやめたり、いくつか研究所
を閉鎖したが、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所も閉鎖した。
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/06/09/36.html
ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス、7月に活動終了

 しかし、成果は、本にはまとまっている。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4431711597/showshotcorne-22/
脳・身体性・ロボット (インテリジェンス・ダイナミクス) (単行本)
土井 利忠 (編集), 藤田 雅博 (編集), 下村 秀樹 (編集)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4431711996/showshotcorne-22/
身体を持つ知能 (インテリジェンス・ダイナミクス) (単行本)
土井 利忠 (編集), 藤田 雅博 (編集), 下村 秀樹 (編集)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4431100180/showshotcorne-22/
発達する知能―知能を形作る相互作用 (インテリジェンス・ダイナミクス)
(単行本)
藤田 雅博 (編集), 下村 秀樹 (編集)

 ちょっと脇にそれるけど、関連して
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0929/kyokai15.htm
■森山和道の「ヒトと機械の境界面」■
人間に手を差し伸べる机、部屋、計算機
~東大COE 情報科学技術コア
実世界情報システムプロジェクト・シンポジウム&オープンハウス
も面白いね。もう5年前のことだけどね。

 それにしても、NHK教育はすごいね。怖いね。こんなすごい話を、なにげに
ぽろっと出しているんだもんね。この前も教育のことで、ほほぉと思う番組を
やってたんですよね。
 地球人をスパイして、支配をもくろむ情報省としては、もっと真面目にNHK
教育テレビの番組を監視しないとまずいです。\(^O^)/