グレッグ・イーガン「万物理論」 ― 2005年06月03日 00時32分57秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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やっとグレッグ・イーガン「万物理論」(創元SF文庫)を読み終わりました。
衝撃の冒頭シーンから、いろんなアイデアがぶち込まれていて面白いです。
死後再生か。夢枕獏さんなら、陰陽師のなんとか法ですよね。もう忘れた。
こっちは、最新ナノバイオで、死後短時間だけ復活させて殺された最後の状況
を被害者自らに語らせます。
ビル・ゲイツみたいな大金持ち(非生物型の(ドライな)コンピュータで大儲
けしたそうです)が、自分の体をバージョンアップしているのもいいねえ。人
工共生生物を体内に飼っているので、タイヤでも食べて生きていける。\(^O^)/
もっとすごいのは、ATGC以外の塩基で自分のDNAを作って、置き換えていこ
うとしていること。HIVだって何だって地球上の生命はみんなATGCの
塩基で遺伝暗号を書いているので、それが原因で感染するリスクをなくすため
だそうです。金持ちは、やることが違うね。\(^O^)/
万物理論は、ネタバレになるから書きませんが、これまた、ものすごいこと
いってますね。
イーガンって、文章や論理展開がねちねちのたくりまくっているので、頭が
くらくらしてきますね。でもくらくらしてくると、もうランナーズハイという
か、快感というか、イーガンの思う壺、なすがまま、きゅうりがパパ。
いや、こういう小説って、ほんと、よく書けるなと思いますね。こういう作
家は、書いてないと発狂しますよ、きっと。書いて外に出してるから発狂せず
に済んでいるんだと思いますね。
イーガンもホーガンも、科学にかなり楽観的で、というか、人間が生み出し
た変な制度やら宗教やら政治体制やらに批判的、というか、そんな変なものに
うだうだせずにまっすぐ科学をベースに人類が進化していれば、もうとっくに
太陽系の外に出ているだろうという感じ、科学精神がないバカがのさばってき
たおかげで、どれだけ人類が損してきたかという感じですよね。
人間は感情の動物というが、感情をコントロールできないために、人類はど
れだけバカな目に遭ってきたか、またこれからも遭い続けるか。いろんな形で
提起してますね。
本書で一番感銘を受け、感動し、考え込んでしまったのは、前半に出てくる
自発的自閉症者協会の話。自発的自閉症者という設定もものすごいけど、その
主張がまたものすごい。脳のラマント野という部位と人間性(ヒューマニティ)
の話を自発的自閉症の人が話すんですが、この話が異常にすごい。鬼気迫る説
得力がありますね。
我々人類が、人間性と呼んでいるものは、本物なのか。
いやあ、これ、人間存在そのものへの問いかけですね。
いやいや、死後再生も、体の人工的バージョンアップも、そして本書の主軸
である万物理論も人間存在そのものへの問いかけなんですが、ぼくには、この
自発的自閉症者協会の話が、一番すごい衝撃でした。
そこらの思想家、哲学者なんか、要らんわと思いましたね。
これもSFの醍醐味ですね。
イーガン、ホーガンとくれば、おれはコーガンという名前で、SF小説を書け
ばいいのかな。\(^O^)/
そうそう、以前、「あなたの知らないSF」というタイトルメールが来たのね。
ちょっと反応しちゃって、中身を読んだら、SFって、Sex Friendのことだっ
たのね。\(^O^)/
つーことは、お前が書くSF小説って。
まあ、名前がコーガンだからなあ。\(^O^)/
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やっとグレッグ・イーガン「万物理論」(創元SF文庫)を読み終わりました。
衝撃の冒頭シーンから、いろんなアイデアがぶち込まれていて面白いです。
死後再生か。夢枕獏さんなら、陰陽師のなんとか法ですよね。もう忘れた。
こっちは、最新ナノバイオで、死後短時間だけ復活させて殺された最後の状況
を被害者自らに語らせます。
ビル・ゲイツみたいな大金持ち(非生物型の(ドライな)コンピュータで大儲
けしたそうです)が、自分の体をバージョンアップしているのもいいねえ。人
工共生生物を体内に飼っているので、タイヤでも食べて生きていける。\(^O^)/
もっとすごいのは、ATGC以外の塩基で自分のDNAを作って、置き換えていこ
うとしていること。HIVだって何だって地球上の生命はみんなATGCの
塩基で遺伝暗号を書いているので、それが原因で感染するリスクをなくすため
だそうです。金持ちは、やることが違うね。\(^O^)/
万物理論は、ネタバレになるから書きませんが、これまた、ものすごいこと
いってますね。
イーガンって、文章や論理展開がねちねちのたくりまくっているので、頭が
くらくらしてきますね。でもくらくらしてくると、もうランナーズハイという
か、快感というか、イーガンの思う壺、なすがまま、きゅうりがパパ。
いや、こういう小説って、ほんと、よく書けるなと思いますね。こういう作
家は、書いてないと発狂しますよ、きっと。書いて外に出してるから発狂せず
に済んでいるんだと思いますね。
イーガンもホーガンも、科学にかなり楽観的で、というか、人間が生み出し
た変な制度やら宗教やら政治体制やらに批判的、というか、そんな変なものに
うだうだせずにまっすぐ科学をベースに人類が進化していれば、もうとっくに
太陽系の外に出ているだろうという感じ、科学精神がないバカがのさばってき
たおかげで、どれだけ人類が損してきたかという感じですよね。
人間は感情の動物というが、感情をコントロールできないために、人類はど
れだけバカな目に遭ってきたか、またこれからも遭い続けるか。いろんな形で
提起してますね。
本書で一番感銘を受け、感動し、考え込んでしまったのは、前半に出てくる
自発的自閉症者協会の話。自発的自閉症者という設定もものすごいけど、その
主張がまたものすごい。脳のラマント野という部位と人間性(ヒューマニティ)
の話を自発的自閉症の人が話すんですが、この話が異常にすごい。鬼気迫る説
得力がありますね。
我々人類が、人間性と呼んでいるものは、本物なのか。
いやあ、これ、人間存在そのものへの問いかけですね。
いやいや、死後再生も、体の人工的バージョンアップも、そして本書の主軸
である万物理論も人間存在そのものへの問いかけなんですが、ぼくには、この
自発的自閉症者協会の話が、一番すごい衝撃でした。
そこらの思想家、哲学者なんか、要らんわと思いましたね。
これもSFの醍醐味ですね。
イーガン、ホーガンとくれば、おれはコーガンという名前で、SF小説を書け
ばいいのかな。\(^O^)/
そうそう、以前、「あなたの知らないSF」というタイトルメールが来たのね。
ちょっと反応しちゃって、中身を読んだら、SFって、Sex Friendのことだっ
たのね。\(^O^)/
つーことは、お前が書くSF小説って。
まあ、名前がコーガンだからなあ。\(^O^)/
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_ 404 Blog Not Found - 2005年10月20日 02時29分29秒
結局無性に濃ゆいSci-Fiを読みたいという誘惑に負けて、邦訳版から読んでしまった。原著主義の私が邦訳から読むなんて何年ぶりだろう。
ディアスポラ
グレッグ・イーガン 著
山岸 真 訳
一回じゃ書評しきれないので、手始めに替え歌を。元歌は紹介するまでもない...
ディアスポラ
グレッグ・イーガン 著
山岸 真 訳
一回じゃ書評しきれないので、手始めに替え歌を。元歌は紹介するまでもない...
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年07月14日 03時34分28秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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「星を継ぐもの」で鮮烈のデビューを果たして以来、ハードSFの巨匠
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「星を継ぐもの」で鮮烈のデビューを果たして以来、ハードSFの巨匠
_ ホットコーナー - 2020年03月26日 05時06分04秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のブログサービス、アサブロ(https://asahi-net.jp/asablo/ )を使っています。
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お買い上げありがとうございます。
というか、まだ、予約。5月にならないと
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お買い上げありがとうございます。
というか、まだ、予約。5月にならないと
_ ホットコーナー - 2021年01月16日 10時37分49秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のブログサービス、アサブロ(https://asahi-net.jp/asablo/ )を使っています。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2020/12/26/9330852
数理科学2021年1月号「時空概念と物理学の発展」
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2020/12/26/9330852
数理科学2021年1月号「時空概念と物理学の発展」
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