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菊池早江子 あやむらさん追悼リサイタル2005年11月08日 02時42分46秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 2005年11月4日(金)、沖縄県那覇市のパレット市民劇場で開催された、ぼく
が代表をやらせてもらっているRing Server Projectで活躍していた故菊池文
村(あやむら)さんの追悼リサイタル、

 菊池早江子 ピアノリサイタル
 ~沖縄の海に眠れる人々へ捧げるレクイエム~」

に行ってきました。ピアニストの菊池早江子さんは、あやむらさんのお母様で
す。
 このコンサート、あやむらさんだけじゃなくて、海難事故などで亡くなられ
た多くの方々を追悼するコンサートだったんですが、よかったー。感動で、涙
ぼろぼろでした。\(^O^)/
 演奏曲目などは、
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ayamura.html
あやむらさん追悼リサイタル
をご覧ください。
 「バロックから印象派までのクラシックのピアノ曲の万華鏡のきらめきのよ
うな音楽を捧げたいと思います」に、嘘偽りはなく、堪能しました。久々の生
ピアノは、いいわあ。
 会場は超満員で、定員300人か350人らしいんですけど、立ち見が出るほどで
した。

 1曲目の冒頭は、かたい感じがしました。ピアノがまだ温まってないのか、
最初のうちは、ピアノが鳴ってない感じがしたんです。でも、それもわずかな
間。そして、2曲目のラフマニノフからは圧倒的でした。
 2曲目は、冒頭から大きな教会の鐘が鳴り響くようなモチーフが提示される
んですが、これが追悼の鐘に聴こえました。
 ラフマニノフは聴いたことがなかったんですが、素晴らしいですね。
 ジャジーな(Jazzっぽい)フレーズがかなりあると思いました。リズムのニュ
アンスさえJazzっぽくなれば、すっかりJazzとして聴けそうなフレーズを感じ
ました。ラストの2曲、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」だったか、リストの
「エステ荘の噴水」だったか、冒頭の低音は、これは山下洋輔だといわれても、
ぼく、たぶん、信じてしまいますね。
 そういえば、ドビュッシーもショパンも、そういうフレーズがありましたね。
即興性を随所に残したメロディの組み立てを感じました。
 まあ、これは、ぼくの耳がどうしてもそう聴いてしまうがゆえの錯覚なのか
もしれませんが、あの時代に、現代の録音技術、コンピュータ技術があれば、
彼らはどういう作曲のやり方をやったか、想像すると楽しいですね。
 即興的に弾いて、何回かテイクをとりながら、だんだん固めていく作曲方法
を採用したんじゃないかなあと。それとも、コンピュータ上の譜面であれこれ
作曲したでしょうか。
 1980年代、最高のジャズ・フュージョングループとして君臨したウェザー・
リポートのキーボード兼作曲者のジョー・ザビヌルが、インタビューで、「ウ
ェザー・リポートの曲は、テーマに即興性が色濃いようだが」と訊かれて、
「ピアノで即興的に弾いた部分を意図的に入れている」ってなことを答えてい
たのを思い出しました。

 ドビュッシーの「月の光」からは、もう完全に音の世界に浸りきっていて、
涙が何度も出ました。
 ステージのライトがブルーなんです。そこに「月の光」のメロディーが流れ
始めたとたん、沖縄のブルーの海の中にまで深く冴え冴えとした月の光が差し
込んで、あやむらさんと菊池早江子お母様が、二人で海の中を戯れながら泳い
でいる光景をイメージしました。
 最初に、「あやむらのためにリサイタルを開きたいので協力をお願いしたい」
とお母様からお聞きしたときは、やはり芸術家の母親はすごいことを考えるな
あと驚いたのですが、その日から1年ほど、お母様が、この日のために費やし
た時間と努力、関係者のみなさんの支援などを思うと、もう、涙が止まりませ
んでした。
 アンコールは、「亜麻色の髪の乙女」で、そのあと、会場全員で、「涙そう
そう」を合唱しました。この歌詞は、大切な人を失った悲しみとそれでも前を
向いて生きていく気持ちが入り混じったものなんですよ。もうね、ぴったりは
まりすぎ。
 大仕事を終えて気力体力を使い果たしたお母様が、何度も涙をぬぐい、歌え
ないのに歌おうとする姿をみると、あのままステージで倒れるんじゃないかと
はらはらしました。
 ぼくも鼻をすすりながら、涙声で歌ってるんだけど、周りもみんな涙声。
 歌い終わって、コンサートが終わって、出口に向かって客席を上っていると
(一番前の席だったんです)、そこかしこで、ハンカチで涙をぬぐっているご婦
人がいらして、みなさん、母親として子供を亡くした気持ちに共感されたり、
身内をなくされたり、いろいろとこれまでの人生であったことなどを思い出し
て、涙されたのかなと思いました。

 打ち上げにお邪魔させていただいたのですが、お母様は、「あがっちゃって、
あがっちゃって、練習のときのほうがよほど出来がよかった。つたない演奏で、
来て下さった大勢のみなさまに申し訳ない」などとおっしゃったのですが、と
んでもない。あそこまで会場を音の海にし、人々を感動させたのですから。
 ラストのほうで、考えていたんです。いま、弾いているのは誰なんだろうと。
何が、これほどの音楽を生み出しているのだろうかと。
 母親としての追悼の思い? ピアニストとしての矜持? それとも音楽の女
神がお母様に乗り移っているのか。いや、もうそんな詮索は無意味。ただひた
すらに音があり、その感動に浸っている人間がいる。それでいいじゃないか。
 協力といっても、ちょっと自分のウェブで紹介した程度だったので、どうす
れば、お母様の気持ちに報いることができるのかと悩んでいたんですが、コン
サートが終わった時点で、気持ちがふっきれました。
 おれにできるのは、たった一夜のこの感動を、つたない文章であっても、記
録してネットに書き込むことだけ。そうすれば、検索エンジン「グーグル」の
キャッシュにも入るだろうし、何百年か経っても検索可能になることだろう。
 2005年11月4日に、地球の片隅の日本の沖縄で、息子を思いやる母の気持ち
を音楽に昇華した感動の一夜があったことを、未来の人々も知るだろうと。

 それにしても、沖縄っていいですね。初めての沖縄を、こういう形で訪問で
きたのは、ほんとに幸運だったと思います。これも縁ですね。沖縄の人たちの
協力、情の深さ、温かさ、それを感じた一夜でした。
 そうそう、Ringのメンバーである畑山さんも、納品が終わったというので、
急遽駆けつけてくれて、一緒に堪能しました。
 ぼくは翌日の土曜日に東京に戻るので行けなかったのですが、畑山さんは、
あやむらさんが行方不明になった辺戸岬まで、お母様たちと一緒に行ってRing
を代表して追悼の祈りを捧げてくれることになりました。まだそのときの話は
聞いていないのですが、きっとあやむらさんも喜んでくれたと思います。
 お母様も、いまだ想い絶ちがたしと思いますが、大仕事を無事に成功させた
わけですから、気持ちの一区切りにはなられたのかなと思います。我々、Ring
のメンバーも、ひとつの気持ちの区切りになったと思います。
 素晴らしい夜をありがとうございました。

http://www.ring.gr.jp/
Ring Server Project

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ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 Ring Server Projectでも活躍してくれた故菊池あやむらさんのお母様

_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年11月05日 06時10分04秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/11/01/5460248
菊池早江子ピアノグループ演奏会

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