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Lisp特別イベントその22005年11月22日 22時37分54秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2005/11/17/145926
Lisp特別イベント
の続き。
 数理システムとフランツ社によるLisp特別イベントの第2日の模様を簡単に。

http://www.msi.co.jp/
数理システム
http://jp.franz.com/
フランツ社

 イベントの内容については、
http://jp.franz.com/base/seminar-2005-11-18.html
をどうぞ。
 六本木ヒルズの49階にあるアカデミーヒルズであったんだけど、いいね、こ
こ。49階から外をみると絶景ね。夜は夜景がきれいだし。
 会員制ライブラリもあるけど、年会費何十万円かするみたいだから、高いね。
ボンビー中村は入れません。\(^O^)/

 他のトラックの予稿集をみると、S-PLUSって、けっこうすごいね、リスク管
理の数理ってすごいななどというのもあって、やっぱ数理システムだけあって、
数理の世界ですね。でも、今回は、Lispの話。

 竹内郁雄先生の特別講演「どう転んでもLisp?」は、やっぱ面白い。
 聴衆は、昨年のLight Languageのイベントとは違って、年齢層が高いのでノ
リはイマイチだったけど、ウケはちゃんととってましたし、内容も深いんです
よね。予稿集にある竹内先生の文章は、内容は講演と通じるものがあるけれど、
ライブ感は全然違う。話芸と間がいいから。
 いまを去ること40年くらい前?の大昔、竹内さんが最初に奥野さんと作っ
たLispは、4次元セルのLispだったんですね。すごいこと考えるなあ。
 Lispの生みの親、マッカーシー先生が来日したときにこの話をしたら、実は
最初期のLispには、car, cdr以外にIBM704のアーキテクチャを反映して、cir,
csr, ctrとかいろいろあったという話があったそうです。知らなかった。
 マッカーシー先生との話といえば、Lispのベンチマークに使われて世界的に
有名な、竹内関数。たらい回しのtarai関数ともいいますし、tak関数ともいい
ますが、実はtak関数はオリジナルの竹内関数とは、ちょっと違っていて、マ
ッカーシーがyとzを間違えてアメリカで広めちゃったtarai関数のバリエーシ
ョンだそうです。マッカーシーが広めた関数でも大変計算に時間がかかるんで
すが、オリジナル竹内関数のほうがもっと時間がかかるんだそうです。で、い
まではオリジナルの関数はtakeuchi関数というんだそうです。

http://www.nue.org/nue/#tak-function

をみると、yを返すかzを返すか、たしかに違いますね。

 この関数、あれ、手元にメモがない。正確な日時がわかりませんが、ある日
の午前中、ふと思いついてできちゃったんだそうです。人生、会心の一撃だっ
たでしょうね。
 筒井康隆さんは、あるホテルだったかな、昼寝から目覚めたら?、「熊の木
本線」が下りてきて、数分か15分か忘れたけど、あっという間に「熊の木本線」
全体が頭の中では書きあがっていたそうですけど、あれと同じなんでしょうね。
 あと、面白い話、いっぱいあったけど、全部、忘れた。\(^O^)/
 そのときだけ、えらい面白くて、スカッと忘れる。いい落語を聴いたときと
同じ。
 あ、ちょっと思い出した。ライフゲームの新バージョンみたいなものを紹介
してくださいました。なんか、数字の入った箱がいくつもエッジでつながって
いて、それがうねうね動きながら、箱が分裂したり合体したり、でもって箱の
中の数字が変わっていくんです。すごい生き物感があるデモでした。しかし、
この新ゲーム生物の名前もURLもメモってない。\(^O^)/
 すみません。いずれ、竹内さんの講演資料が公開されれば載ってるんじゃな
いかと思いますが。

 萩谷昌己と阿部正佳さんによる「Lisp によるリターゲッタブルコードジェ
ネレータの実装」は、萩谷先生担当分は、Kyoto Common Lisp(KCl)を作ったと
きの話。
 1985年のソフトウェア科学会での発表OHP(の写真?)を使ったもの。これ、
当然、手書きで、萩谷さんは丸っこい字書くんですね。すごい頭が切れるから、
直角系の字かと思ったら、大はずれ。
 当時京大の萩谷先生、湯浅先生、日本データゼネラルの矢部さん、原田さん
の4人で作ったそうです。昔のことだけど、なるほどなあと思う面白い話がい
ろいろあったけど、省略。
 ともかく、Common Lispの世界最初の実装、それもインタープリタ、コンパ
イラ、ライブラリまで作ったんだもんね。全ライブラリがロードされたときに
システムの大きさは2MBだったそうです。いまからすれば、ゴミみたいなメモ
リ量ですよね。昔の人は偉いねえ。萩谷さんも、「私も昔は優秀だったんです」
などといって、笑いをとってました。
 なお、KClは後にFSFに寄贈されてGCLとなりました。
 阿部さんの話もすごく面白かった。任天堂のファミコンやスーファミなど、
ゲーム業界で実はLispを使いまくりだったという話。AGLというゲーム記述言
語のコンパイラやCコンパイラやリンカ、デバッガなど全部KClで書いていた
と。
 ぼくは知らないんですが、ゲーマーの中ではいまでも評価が高い、ファミコ
ン用のグローリーというゲームは、Lispで実装したAGLで書いたそうです。そ
のほかLispで実装したCコンパイラで、マザー2、シムシティなどいろいろ書
いたそうです。
 そのときに、リターゲッタブル、つまり、ターゲットCPUが変わってもすぐ
コンパイラが作れるようなコードジェネレータをもつコンパイラを作ったそう
です。
 この前まで、COINSという、日本のコンパイラ研究の第一人者である中田育
男先生のプロジェクトに参加されていたそうです。そこでも、Lispを使った中
間表現を作ったりしたそうです。COINSのサイト

http://www.coins-project.org/
COINS 並列化コンパイラ向け共通インフラストラクチャ

に行って、プロジェクトメンバーをみると、LSI-Cを作った元日経mix仲間の
kmoriさんこと、森公一郎の名前もありますね。angieさんが亡くなったときの
メールで、COINSのこと教えてもらってたんですけど、やっとCOINSのことを紹
介することができましたね。これは、angieさんのお導きでしょうか。^^;
 それと驚いたのは、ぼくが最初に就職した管理工学研究所の人が2人います
ね。福岡岳穂さんは知らない(おれのド忘れ?)。高橋正人さんて、高橋君のこ
とかな、それとも別人かな。高橋君はプログラミング言語処理系大好きだった
から、そうなのかな。うー、わからん。

 そうそう、以前も紹介したかと思うけど、中田先生のコンパイラの本、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4254121393/showshotcorne-22/ref=nosim
中田育男著「コンパイラの構成と最適化」(朝倉書店)
は、コンパイラに興味があるなら必読。1万円以上してそれだけみれば高いけ
れど、内容を考えたら安いもんです。この本が出るまで、いわゆるドラゴンブ
ック
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781905854/showshotcorne-22/ref=nosim
A. V. エイホ、R. セシィ、J. D. ウルマン著、原田賢一訳「コンパイラ―原
理・技法・ツール」
の原書が個人的にはバイブルでしたが、中田先生の本を見てからは、これです
ね。ドラゴンブックも上下買うと1万円以上になりますからね。日立時代を含
めて、中田先生のいろんなアイデアも随所に書いてあります。

2009/11/23 追記:
 中田育男先生の「コンパイラの構成と最適化 第2版」が出ています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4254121776/showshotcorne-22/
コンパイラの構成と最適化 (単行本)
中田 育男 (著)
 詳しくは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/11/23/4714067
中田育男著「コンパイラの構成と最適化 第2版」、タイガーブックも
をどうぞ。

 最後になりましたが、萩谷先生のサインをもらいました。\(^O^)/
 もう古くて、だいぶぼろぼろになっちゃった
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/400007685/showshotcorne-22/ref=nosim
萩谷昌己、湯浅太一著「Common Lisp入門 岩波コンピュータサイエンス」(岩
波書店)
にサインしていただきました。やったー。六本木ヒルズ49階からうれしくて飛
び降りるかと思いましたね。\(^O^)/
 でも、萩谷先生は、この本は湯浅先生との共著なので、湯浅先生のサインも
ちゃんともらってくださいとのこと。おれ、湯浅先生のサイン、昨年、別の本
でもらっているんですが、京都大学までもらいに行かないといけないのか。^^;

 つーか、コレクターとしては、近山隆先生のサインもほしいなどと、いま、
急に思ったが、近山先生、amazonでは著書が見つからないし、近山研究室のウ
ェブもみても書いてないし、困ったなあ。昔、近山先生が作ったUTI-Lispのソ
ースコードをどこかから手に入れてプリントアウトしてそれにサインもらえば
いいんだろうか。
 なんか、Lisperを訪ねて幾千里みたいな話だな。
 司馬遼太郎「街道をゆく」か。
 いや、そんないいもんじゃない。でも、マッカーシー先生はじめLispハッカ
ーを訪ねてアメリカまで行ったりして。
 流れからすると、その途中で、ミョーな話を小耳にはさむね、それは。
 どんな?
 ん? いや、実はマッカーシー先生が発明するずっと以前に、インドから
Lispがボストンに渡ってきていたと。たぶん、ボストン茶会事件のときだな。
 インドLisp。Lisp、インド起源説。\(^O^)/
 でもって、インドに行くんだよ。そしたら、インドが起源じゃないんだ。仏
教がアフリカに渡ったとき、お礼にアフリカから伝わったのがLispだったと。
 出たあ。アフリカ仏教、アフリカLisp! 夢枕獏か、お前は。ついにLisp、
アフリカ起源説になったか(笑)。
 でもって、アフリカまで行ってLispが伝わるという村を訪ねたら、村人が、
実はLispは猿から教わったと。\(^O^)/
 ほぉ、そう来たか(笑)。
 でもって、ずんずん奥地の密林に分け入っていくと、急に開けたところに出
て、そこではLisp猿と呼ばれる猿軍団が、木の枝を接いだり、切り離したりし
てLispを実行していたと。\(^O^)/
 ほんとの木の枝で二進木の演算をやってるんだな(爆笑)。
 読み込みを担当する一群はリーダー猿、出力を担当する一群はプリント猿、
評価するのはエバる猿などと、職能集団に分かれていて、高度な分業化によっ
て猿たち自身がLispマシン化している!\(^O^)/
 そこは、猿たちが空を飛び交うように跳ね回って計算を実行する、高度に発
達した驚異の猿コンピュータ世界だった。\(^O^)/
 それをおれが、見聞録として出版したのが、

「驚異の猿コンピュータワールド 副題:Lispは猿が発明した!」

 トンデモ本大賞、間違いナス。キュウリがパパ、ナスがママ。\(^O^)/
 おれ様は、もう、司馬遼太郎を超えたな。\(^O^)/