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高木さん、もっと文学、勉強しましょう2007年07月27日 09時06分33秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 コンピュータセキュリティ関連で精力的に活動している、高木浩光さん。頭
が下がる思いで尊敬していますが、
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20070601.html
キンタマウイルス頒布にマスコミ関係者が関与している可能性
は、だめ。完全に誤爆。
 武田徹が、「ウィニーこそ史上最強の「ジャーナリスト」?」でいっている
のは、ウィニー礼賛ではなく、ジャーナリズムの衰退への皮肉、叱咤激励。
 ひねった文章じゃないんだから、これくらいは読めないと、これで犯罪者と
やり合えるのかと、セキュリティ専門家として能力に疑問符がつきかねない。
 高木さん、もっと文学、勉強しましょう

 以下、一般向け。
 もの書きは、いろいろなレトリックを使うし、文章にいろんなものを埋め込
んでいる。書いた本人すら気づかないものもあるし、そういうのを掘り出すの
が「読む」ということ。字面を追って表面的に意味がわかっただけじゃ、ほん
とは「読む」とはいわないんだよね。本来、「読む」とはもっと深い行為だか
ら。
 悪巧みもいろいろやるし、高木さんは、作家の悪意というものにもっと敏感
であったほうがいいと思う。
 今回は、武田さんがやったのは悪意というほどのものではなく、かなりスト
レートな書き方なので引っかかる人は少ないだろうが、読者がどの程度読み込
めるか、文章にいろいろ仕掛けてあることも多いのよ。それで読者のレベルを
測定し、はっきりいえば、こいつはバカかどうかも判定できるような要素も仕
掛けてあったりするわけ。
 こういうのに気づいたのは20歳前後から。何度も書くけど、筒井康隆が仕掛
けを施すほうだし、それを山下洋輔、平岡正明らが読み解いているのを知って、
自分の思い上がりを叩き潰されたから。

 「読む」ことに興味がある人は、この前、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/07/16/1658941
高校生のための文章読本
で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480917047/showshotcorne-22/
梅田卓夫, 清水良典, 服部左右一, 松川由博編「高校生のための文章読本」
から始めたらどうかな。

 趣味が合うなら、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894360101/showshotcorne-22/
平岡正明著「筒井康隆はこう読め」
を薦めます。
 これは元々は別になっていた(おれが読んだのはバラバラのころ)のをビレッ
ジセンターが合本に出したもの。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/11/07/690490
伸びない典型
でも触れています。
 別に筒井さんじゃなくて、自分の好きな作家をみつけて、読み込んでいくの
が一番いい。おれはたまたま高校生くらいで筒井康隆作品に出会ったというこ
と。
 もちろん、小説だけが「読む」対象ではない。絵画や彫刻だって好きな作家
の作品を読み込んでいくのもいいし、書道の書だって、音楽だってある。

福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」2007年07月29日 22時03分05秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575043/showshotcorne-22/
福岡伸一著「プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステ
リー」
で、2006年度第37回講談社出版文化賞科学出版賞受賞を受賞した福岡伸一のい
ま話題の書が、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498916/showshotcorne-22/
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
 これは、1ヵ月ほど前に読んだけど、すごく売れていますね。そこであわて
て感想。

 福岡伸一は、文才があってほんとうに文章がうまい。それは、本書のエピロ
ーグにある、少年の日を綴った部分を読むだけでわかる。鮮やかな短編小説と
いってもいい。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/27/1537622
買ってきた本
で書いたように、以前から、人間性(ヒューマニティ)、生命とは、意識、知性
などには興味があったが、最近、自分の中でますます訳がわかんなくなってい
る。^^;
 それで本書を読んでみたが、この生命観、生物観は、おれの中では、もうど
うでもいいのね。
 福岡さんの考えは、簡単にいえば、常に変化している中で、動的な平衡状態
にあるのが生物だというものだけど、おれには、これは常識的日常的な時間・
空間スケールで考えるからそう思うだけだろうと思える。
 こういうフツーの感覚は、おれはもう飽きたということ。\(^O^)/
 いや、こういうフツーに考える生命は、それだけでもものすごいものなんで
す。これは、ほんと。
 よく地球に生命なんかできたなと思うし、なぜ、おれなんか生まれて来たん
だろう。生まれてきてすみません、太宰治\(^O^)/みたいな感覚と、銀河系
ができて太陽系ができて地球ができて生命ができて、人類まで進化し、おれが
生まれたなんて、どう考えても奇跡ととしか思えないから、生きてるだけでこ
んな大儲けのことはない、自殺なんか考えちゃ、お天道様、宇宙様に申し訳な
いというのは、しっかりある。
 しっかり、あるんだけど、もっと拡張された生命観がほしいのね。\(^O^)/

 「買ってきた本」で書いたように、宇宙規模の時間・空間スケールで考える
と銀河や宇宙も生物としか思えないし、素粒子レベルの時間・空間スケールで
考えれば、無生物のようにみえる岩石だって、生物にしかみえないんだよね。^^;
 こいつらも常に変化し、動的平衡状態を保ちつつ、局所的エントロピーを減
少させて秩序を作り、なんか、進化しているみたいだもん。これ、生命でしょ
う?
 自己複製はやってるかといえば、きっと銀河も岩石もやってるはず。\(^O^)/
 だから、生命以外の何者でもない。\(^O^)/
 結局、地球上の生命、生物の自己複製はゲノムという情報の複製なんだから、
銀河も岩石もウィニー使って自分の情報を複製しまくってると思うね。\(^O^)/

 そういう意味では、おれにとって拡張された生命観を得たかといえば得てな
い。
 本書で得たところは、何より福岡さんの文才。そして、野口英世ってそんな
悪い奴だったのかということ。結婚詐欺みたいこともやってたのか。渡辺淳一
がその辺を小説にしたこともあったのか。業績も実はアメリカの学会を牛耳っ
ていたボスの後ろ盾がなくなると見向きもされないようなものだったのか。な
どなど。
 DNAの二重螺旋について先駆的研究をしていたオズワルド・エイブリーに非
常に光をあてているところも印象的でしたね。

 ところで、「プリオン説はほんとうか?」の、amazonの素人評の中に、
「あまり話題にもなりませんが、まだBSEが今ほど注目されていなかった頃、
日本人学者が牛肉食とアルツハイマーの関係についてアメリカの学会で発表し
ようとした当日の朝、家族と共に拳銃で撃たれて死んでしまったことがありま
す。強盗によるものということになったのですが、怪しいです」
とあったが、ほんとなのかな。

ワトソン「DNA」、遺伝子診断、遺伝医療、分子人類学2007年07月29日 22時04分23秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 まとめてバイオインフォマティクスの入門書を紹介するのは、発散して終わ
らないので(爆)、ちょこちょこと。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498916/showshotcorne-22/
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
で、DNAの二重螺旋発見に重要な貢献をし、しかし、ノーベル賞をとれなかっ
たオズワルド・エイブリーのことが詳しく書いてあると紹介したが、DNAの二
重螺旋発見に至るスリリングな展開は、クリックと共に発見者の一人であり、
ノーベル賞をとったワトソンその人による、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574721/showshotcorne-22/
ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著, 青木薫訳「DNA (上)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406257473X/showshotcorne-22/
ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著, 青木薫訳「DNA (下)」
がいいです。
 臨場感が非常にあります。ワトソン、クリックと同時にノーベル賞を受賞す
べきだったエイブリーがなぜ受賞できなかったかの内幕もありました。
 ナチスドイツがらみの遺伝学の悲劇から説き起こして、DNAの二重螺旋発見
から、さらにPCRの発明から遺伝子操作やバイオ技術の発展から遺伝子診断と
堕胎の話やら、当事者がみてきた分子生物学の歴史と遺伝学の社会的な評価な
どが複合していて読み応えがあります。
 ワトソンの科学への楽観的、自信に満ちた書きっぷり(ワトソンではなくア
ンドリュー・ベリーの書きっぷりかもしれないし、青木薫の訳しっぷりかもし
れないが)には、特に文系の人はツッコミ入れたくなったり、鼻につく嫌な感
じをもつ人もいるかもしれないが、生命科学、バイオインフォマティクス方面
に行くなら、読んでおくべき本。
 ブルーバックスだから中学生、高校生でも読めるしね。上下2巻みっちりで
700ページくらいになるから、分量的には大変かもしれません。

 遺伝子診断は、いま、出生前診断などいろいろ問題が出ている。概略は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062572222/showshotcorne-22/
奈良信雄著「遺伝子診断で何ができるか―出生前診断から犯罪捜査まで」
をどうぞ。
 遺伝医療も非常にセンシティブで難しい問題をはらんでいる。現場で苦悩し
つつ、真摯に遺伝医療と向き合っている臨床心理士である玉井真理子氏の
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140910623/showshotcorne-22/
遺伝医療とこころのケア―臨床心理士として (単行本)
玉井 真理子 (著)
も紹介しておこう。

 余談ながら、おれは、代理母を使って子供を産ませてどうのこうのとやって
る向井亜紀と高田延彦は、大バカだと思っている。特に向井亜紀が記者会見で
言った「この人の遺伝子を残したい」という、ナチスドイツの優生学そのもの
の発言は決して許されないし、謝ったけどその後の行動は相変わらずで、そん
な彼らを支援している連中も大バカ。障碍児の親としてはなおさらそう思う。

 向井亜紀もそうだが、大体ね、ある特定の人物の遺伝子がずっと伝わってい
くと思ってるようでは、分子生物学がここまで発展した時代に生きている人間
としては無知をなじられても文句をいえないよ。
 どうも、遺伝情報は子々孫々までずっと伝わっていくというイメージが強す
ぎるせいか、特定の人物の遺伝情報も同様にずっと伝わっていくという誤解が
大きいのね。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/item.php?did=55706
日経サイエンス2007年6月号
の茂木健一郎の連載対談「DNAで探る日本人の起源/ゲスト:篠田謙一(国立
科学博物館人類研究部研究主幹)」で知ったが、分子人類学という学問があっ
て、分子生物学の技術や知見を使って、母親由来のものだけが伝わるミトコン
ドリアDNAや、男性だけに伝わるY染色体の変化を調べ、人類がどういう歩み
を歩んできたのかを調べる学問です。
 分子人類学恐るべし(笑)。自分の遺伝子が一子相伝のように、子々孫々受け
継がれていくだろうなんてのは、よくいえばロマンティックな思い、悪くいえ
ばバカな妄想であることを明らかにしてしまっています。\(^O^)/
 篠田さんが、10世代も経てばもうあなたの遺伝情報の痕跡はほとんど残って
ない、20世代経てば何もないといった話をすると、夢がないという話になっち
ゃうそうです。がっかりしちゃうんでしょうね。
 しかしこれ、分子人類学などといわなくても、ちょっと考えてみれば当たり
前で、自分の遺伝情報は、親から半分ずつもらうので、N世代前に遡れば、2の
N乗の候補からかき集めたもの。それがいまの自分であって、子孫に向かってN
世代経てば、これがまた2のN乗に拡散しちゃうんですよね。10世代で2の10乗
だから1024分の1、20世代なら2の20乗でざっと100万分の1だもんね。
 茂木さんもいってるけど、だからこそ、「私」という存在は、人類の歴史上、
おそらく1回しか起こらない遺伝子の組み合わせだという重み、生命の尊さが
あるんですよね。それがイメージできないと、分子生物学がここまで発展した
時代に生きているまともな現代人とはいえないでしょう。

 こういう話、天皇制にも都合が悪いなあと思っています。情報省としては、
国民がこういう科学知識をもたないようにしないとな。\(^O^)/
 上野の国立科学博物館の日本館では、篠田さんたちの研究も反映した展示も
あるようです。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/
をみると、「日本人と自然」がそれなのかな。国民には見せないようにしない
とな。\(^O^)/

 本も出てますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478538638X/showshotcorne-22/
尾本恵市著「分子人類学と日本人の起源」

 また脱線。
 ミトコンドリアDNAを調べた結果、現世人類の最初の女性は20万年前にアフ
リカにいたというが、ミトコンドリア・イブ。これ、昔、フジテレビの科学バ
ラエティがあって、その本のタイトルにもなって、おれ、持っているの。
amazonで調べたら、マーケトプレイスには、まだ、あるね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575281581/showshotcorne-22/
フジテレビ編「ミトコンドリア・イブの贈り物」
 それにしても、200円台があるかと思えば、5000円くらいつけているのもあ
るな。^^;

 いま、こっちに持ってきていた気がして、本棚ひっくり返したら、あった。
なぜか、第3巻と第4巻。
 番組名は、アインシュタインTV。ウゴウゴルーガ的な絵の作りの番組だっ
た。これを本にしたシリーズがあって、「ミトコンドリア・イブの贈り物」は、
第3巻。第4巻は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/457528159X/showshotcorne-22/
フジテレビ編「そして人間は神になれるか」
 なぜ、第1巻と第2巻を買ってないんだろう。大体コレクター癖があるから、
揃えるんだけど、つまらないと思ったのか、買い忘れか。
 「アインシュタインTV」で検索したら、全4巻、ちゃんと出るじゃん。\(^O^)/
 どっちが第1巻、第2巻かわからないけど、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575281247/showshotcorne-22/
フジテレビ編「宇宙の根源はヒモである」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575281255/showshotcorne-22/
フジテレビ編「遺伝子は46憶年の夢を見る」

 超ひも理論(超弦理論)と遺伝子(分子生物学)をテーマにした、このタイトル
でおれが買ってないわけがない。どこにやったんだろう。
 誰かに貸したままなのかな。おれから借りた記憶がある人、連絡ください。\(^O^)/

 そうそう、この番組と本には、橋元淳一郎さんがからんでますね。それも今
回発見。
 あ、「そして人間は神になれるか」のいま開いたページ、ギャバ神経やA10
神経の話だ。「電脳騒乱節」で「もっと前頭葉を刺戟してくれ」というのを書
いたことがあって、そのとき、A10神経からアイデアを得て、パソコンのCPUの
アドレス線とからめて、なんか書いた記憶があるなあ。この本から、得たんだ
ろうか。

 今日は、ワトソンの「DNA」のほかにももう1冊簡単に紹介しようと思って
いたけど、無理。こんな具合だから、発散して終わらないんだよね。^^;

榊佳之著「ゲノムサイエンス」、岸宣仁著「ゲノム敗北」2007年07月29日 22時05分09秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 さっき、「今日は、ワトソンの「DNA」のほかにももう1冊簡単に紹介しよ
うと思っていたけど、無理」と書いたけど、参院選、自民大惨敗だけど、安倍
ちゃん、まだ辞任するかどうかわからないから、いまのうちに簡単に。^^;

 さっきは、ワトソンの「DNA」を紹介したが、もっと最近の話題やバイオイ
ンフォマティクス、ゲノム科学のほうに興味がある人は、出て間もない
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406257554X/showshotcorne-22/
榊佳之著「ゲノムサイエンス」
がいい。
 なんか、榊先生の退官記念で出たみたいな気がするな。\(^O^)/
 榊先生の一般向け入門書は、岩波から以前、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004307287/showshotcorne-22/
榊佳之著「ヒトゲノム―解読から応用・人間理解へ」
が出ている。これもいいけど、いまはやっぱり、「ゲノムサイエンス」を薦め
る。
 この分野、5年は100昔くらいの気がするから。\(^O^)/
 簡単すぎて、榊先生、すみません。^^;

 「ゲノムサイエンス」の中で、和田昭允先生が、世界に先駆けてDNAの塩基
配列の自動解析を提案して、でも、当時の文部省、科学技術庁がバカで(もち
ろん、榊先生はこんな乱暴な言葉は使わない^^;)、プロジェクトが頓挫する話
があります。
 こんなインタビューもありますね。
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2004/058a.html
物理から見た生命現象 ~生命と工学の接点~

 この政策の失敗が、のちにヒトゲノム計画で日本が惨敗する原因になったと
されているわけですが(榊先生は政策の失敗だけではなく、日本社会にも原因
を求めている)、その内幕を追ったのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478240973/showshotcorne-22/
岸宣仁著「ゲノム敗北―知財立国日本が危ない!」
です。
 東大理学部に今年やっと生命情報科学科ができました。
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/guidance/H19_html/html/11/bioinfo/bioinfo.htm
http://www.bi.s.u-tokyo.ac.jp/
をどうぞ。
 ここに至る大変さも、「ゲノム敗北」の中で出てきます。この学科新設に苦
労なさった高木利久先生も登場します。高木先生から、学科が新設されるのは、
情報科学科ができて以来のことだと聞いていたから、いま、調べたら、情報科
学科ができたのは、1975年。ざっと30年ぶりの学科新設なのね。

 最後に情報省として重大情報を明かしておこう。
 情報省のスパイからの報告によれば、大変な政策の失敗だったので、この
「ゲノム敗北」、出版当時から、文部科学省では必読書になっていたという。\(^O^)/
 いまもそうかは、スパイと連絡が取れないからわかりません。\(^O^)/

社保庁叩かれても、年金利権隠しか2007年07月30日 08時35分36秒

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http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/07/19/1665500
社保庁が買い占めた厚生年金保険制度回顧録
で紹介した、年金問題をずっと追及してきた岩瀬さんが愛川欣也のパックイン
ジャーナルに出ていて、すごいこといってました。
 岩瀬さん、年金業務・社会保険庁監視等委員会に入ったんですって。この委
員会、厚労省ではなく、総務省に置かれています。厚労省に置いたら、泥棒と
同居ですからね。^^;

http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/kanshi/index.html
年金業務・社会保険庁監視等委員会

 委員の名簿をみて、ちょっとびっくりなのが、早稲田の村岡洋一先生が入っ
てるのね。いま、村岡さん、早稲田の副総長なのか。番長じゃないのが、ちょ
っと。\(^O^)/
 住田弁護士は、日テレ、行列ができる法律相談所の住田さんですよね?

 岩瀬さんがいったすごいこととは、社保庁に5000万件について中身がどうな
っているのか委員が質問したら、社保庁青柳運営部長が「何もやってない」と
答えたとのこと。それで委員みんな絶句したそうです。\(^O^)/
 相談に重点を置いたので、中身の精査まで手が回らないという説明だったそ
うですが、番組では、だったら、第三者委員会で判定する材料がないじゃない
かと話になっていました。^^;
 それで、第三者委員会は人柄で判断するといったのかな。つまり、中身がわ
からないから、人柄で判断するしかないんじゃないか。\(^O^)/
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/kanshi/pdf/070725_1-yousi.pdf
年金業務・社会保険庁監視等委員会(第1回)議事要旨
にその辺のこと、ちょろっと出てますね。

 民主党長妻議員が、出せ出せといっても、厚労省、社保庁は資料を出さない
といって怒ってましたが、岩瀬さんが委員会に入ってわかったことは、厚労省、
社保庁は、野党どころか与党にも資料は出さないそうです。
 委員会で請求するとどうなるかというと、総務省から厚労省に勧告するんだ
そうです。菅総務大臣から、柳澤厚労大臣にいうんでしょうね。長妻議員も、
柳澤大臣が出せと命令すれば出さざるを得ないはずなのに、柳澤さん、出さな
いといってたけど、今度はどうなるのか。
 とにかく、数字が出てこない以上、政治家で全貌がわかっている人がいない
ということですね。

 番組では、なぜ、こんなに厚労省、社保庁が資料を出さないかという話にな
って、きっといま話題になっているのは氷山の一角であって、もっとどでかい
スキャンダルが眠っているので、それを必死で隠しているのではないか。厚労
省キャリア、社保庁幹部が握っている年金利権、さらにはもっとでかくて根深
い利権があって、それがバレるのを必死で隠しているのではないかと。庶民は
退職して年金が支給されるまでの5年間は貯金を取り崩して生活する。一方、
厚労省キャリアは、退職して5年間で天下りで2億円稼ぐ。こういう利権もあ
る。
 どうせ、社保庁は叩かれまくっているので、100回叩かれるのも101回
叩かれるのも同じ。だったら、利権を守ったほうがいいということだろうと。
 こういう話でしたね。

 自公連立参院選の惨敗の結果を受けて、「政治家と金」の問題を追及とかいっ
てるけど、「官僚と金」の問題の追及のほうがでかいでしょう。そっちを真剣
にやってほしいね。
 特別会計の闇は深いから、そこにざくざくメスを入れてほしいものです。そ
れがなくて、増税やら負担増をいわれてもねえ。

年金、片山さつき「システムは数カ月でできる」\(^O^)/2007年07月30日 09時20分11秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/07/23/1674169
年金、田原総一朗、COBOLが悪い発言
についたdaishiさんのコメント。びっくり。daishiさんありがとうございます。
 田原総一朗の
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070705_18th/
は論外。
 朝生は番組のフォーマットからして間違っていると思っているので、まず、観ないんだけど、新しい年金のシステムが数ヵ月でできるのか。すごいね、片山さつき。
 通産省とIPAは、片山さつきをすぐスーパークリエーターに認定して、未踏プロジェクトをやらせろ。\(^O^)/

http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/index.html
未踏ソフトウェア創造事業

 社保庁にSEがいないからだめというのも、お笑いですよね。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070705/276798/
片山さつき議員の「システムは数カ月でできる」発言に思う
の多田正行氏のSEよりCIOというのは、ほんとにそう。たぶん、片山はCIOなんて言葉も知らないだろうし、田原も知らないだろう。
 田原も社保庁にSEがいないからだめなんていってるそうだが、ネタは片山さつきだったのかな。こうやってどんどん議論の水準、国民の知的水準が下がっていく、負のスパイラルですね。\(^O^)/

 システム開発に限らないけど、問題が何かわかるところが重要で、問題が何かわからないのが一番の問題になるんですよね。分析や設計など上流過程が重要というのは、この辺のことを言ってるんです。
 分析が間違っていて、違う問題として定義しちゃうと、あとの設計、実装も全部間違いだもんね。年金みたいにでかいシステムになると、なかなか、スパイラルで開発できずに、ウォータフォールモデル的にならざるを得ないだろうから、ますます、分析・設計が重要なんですけどね。
 そして、年金のシステムの問題は、まさに、問題が何かわからないところですよね。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/07/30/1688790
社保庁叩かれても、年金利権隠しか
で書いたように、何がどうなってるか、社保庁が出さないなら、システムも作りようがないですもんね。
 COBOLを使ってるとか、メインフレーム使っているということより、NTTデータは、これまで1兆円以上もらって、何をやってたんだって話のほうが大きいでしょうね。

NHK「50年後の未来」、レイ・カーツワイル「加速するテクノロジー」2007年07月31日 09時47分57秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 今度、NHK BS1「世界のドキュメンタリー」で、ドイツZDF制作のドキュメン
タリー「50年後の未来」が放送されますね。

http://www.nhk.or.jp/mirai50/
50年後の未来

 案内役は、物理学者のミチオ・カクですね。彼の本は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140810866/showshotcorne-22/
ミチオ・カク著, 斉藤隆央訳「パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ」
は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/11/1501518
サイエンスZERO。すごーい\(^O^)/
で紹介しましたね。

 「50年後の未来」のウェブをみると、ほとんどSFの世界としか思えないでし
ょうが、要素技術はすでにあるので、案外、これよりすごい世界になるんじゃ
ないかとも思えます。

 そして、実際、これよりもっと過激に進んだ未来を予測するのが、カリスマ
発明家レイ・カーツワイルです。
 NHK BS特集「未来への提言」で、徳田先生と対談しています。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/27/1537622
買ってきた本
で書いたように、CMUで徳田先生はMach(マーク)のリアルタイム化をやってま
した。
 おれは番組は観てないんですが、それをまとめたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140812176/showshotcorne-22/
レイ・カーツワイル, 徳田英幸著「レイ・カーツワイル加速するテクノロジー」
です。
 カーツワイルさんの科学技術の未来への楽観は、突き抜けてます。技術は
「収穫加速の法則」になっているので、どんどん進化して、今後50年でいまは
想像できないくらい発展すると。一見、とんでもない予測にしか思えないけど、
生物の進化と技術の進化を一体化して解釈して、なかなか面白いし、困ったこ
とにおれには説得力があるんですよね。^^;

 徳田さんは、技術の可能性はそうでも、社会的、政治的、文化的、宗教的な
制約が野放図な発展を許さないだろうという意見なんだけど、カーツワイルさ
んは、「いーえ、そんなことないもんね。みんなが求めるものはどんどん発展
するもんね。何の問題もないもんね」という意見。\(^O^)/((以上、中村の
テキトー要約))
 で、みんなが求めるテクノロジーのひとつが、不老不死のテクロノジー。人
間の根源的な欲望に結びついているから、たしかにこれにはみんな飛びつきそ
うですよね。
 でもね、体の中に無数のナノボット(ナノサイズのロボット)を入れて日々修
復する気になる?
 たぶん、なるんだよ。ナノボットを入れた奴が年を取らず、健康ばりばりな
のがはっきりしてくれば。欲望を刺激するテクノロジーであることが肝ね。

 これまで人間は人間外部を技術で拡張してきましたよね。各種機械も自動車
も飛行機もコンピュータもインターネットもそうだし、でも、これからは、人
間の内部をテクノロジーで拡張していく時代になると。まあ、サイボーグ化で
すね。補助脳を入れたり、ナノボットを入れたり、そういうのどんどんやって
拡張された人間が、果たして人間なのかとかね。これがまたヒューマニティと
は何かという近年のおれの興味につながっています。

 以上のような革命を進めるのが、GNR革命。Gは遺伝学(Genetics)、まあ、分
子生物学やバイオ技術。Nは、ナノテクロノジー(Nano technology)、Rはロボ
ット工学(Robotics)。

 もうすごいんだ。
 GNR革命で、人間の脳は完全解析されて2020年にはコンピュータが人間の脳
を模倣できて、人間を超えはじめ、2045年には人間の10億倍の知能を持った人
工知能が出現する。\(^O^)/
 そして、人間の知能とテクノロジーが融合することで、宇宙の隅々まで人間
の知性が行き渡るようになる。\(^O^)/

 こうなると、おれが以前から感じている、人間は地球の文明や文化を他の宇
宙や星に伝えられるように、そして地球や人間が滅びても、他の宇宙や星で再
興できるような、高度な知性をもった無機生命体を生み出すために存在してい
る中間的な知性体じゃないかなという思いとつながるね。\(^O^)/
 人間の体は宇宙にはひ弱すぎますからね。それでおれは無機生命体じゃない
とだめだろうなと思ってるんだけど。
 日経サイエンスで火星にほんとに人間が行けるか研究している記事がありま
したが、すぐ隣の火星程度でも、なまはんかの防護策では長時間被爆する宇宙
線に人間は耐えられないそうです。
 人間の知性を機械の体に移せれば、肉体的には宇宙の過酷な環境にも耐えら
れるだろうと思うのね。

 本書を読んで、おれが思ったのは、さっき書いたように人間の定義も変わる
し、人間のような有機生命体とコンピュータのような無機生命体の融合が始ま
って、新しい生命の定義になるということ。
 ってなことを何年も思っていたから、柳澤大臣の「女性は子供を産む機械」
発言には、割と同情的だったの。女性蔑視の差別の歴史はあっても、機械と共
生できない、この強烈な機械アレルギーがずっと残っているままだと、人類は
この先やっていけるのかと。

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福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
の生命観は、それは貴重で重要なことなんだけど、おれはもういいと書いたの
も、そういう流れなんです。

 「加速するテクノロジー」のきっかけになったのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140811676/showshotcorne-22/
レイ・カーツワイル著, 井上健, 小野木明恵, 野中香方子, 福田実訳「ポスト・
ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき」
です。
 おれは未読ですが、これ、ベストセラーになり、そして賛否両論だったよう
です。というか、非難轟々だったんじゃないかな。まだ機械と共生できる意識
レベルじゃないんだから。
 原題は、「The Singularity is Near」。
 Singularityは、特異点。数学的には微分ができない点ですが、ここでは、
いままでの世界観やらがまるっきり通用しない点。この特異点の先には、人間
が依然として人間的ではあっても、生物的な基盤をもたない世界がやってくる。\(^O^)/
 人間と機械、現実と仮想現実には区別がない世界。\(^O^)/
 いいなあ。^^;

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レイ・カーツワイル著, 田中三彦, 田中茂彦訳「スピリチュアル・マシーン―
コンピュータに魂が宿るとき」
も読んでないなあ。大体は想像できるし、もし「ポスト・ヒューマン誕生」を
読んだなら、こっちは読まないと思うけど。