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量子コンピュータ入門書2007年02月13日 00時26分26秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 いつか量子コンピュータの入門書のまとめをしようと思っていたが、先送り
していていいこともあるね。
 おれは、量子という字面をみると、脳が自動的に頭に佐野をつけて、競馬の
天才騎手武豊の妻となった佐野量子を必ず思い出すのだが、これは、アイドル
として活躍していた当時の佐野量子と西村知美の区別がつかず、みんなにバカ
にされたトラウマのなせる業に違いない。\(^O^)/

 今回紹介するのは、ようこそ、佐野量子ではなく、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4621053752/showshotcorne-22/ref=nosim
根本香絵, 池谷瑠絵著「ようこそ量子 量子コンピュータはなぜ注目されてい
るのか」
である。
 なんとか量子の不可思議な世界と量子コンピュータを一般読者に理解しても
らおうと、山手線の比喩を使ったり、いろいろと説明に工夫があって好感がも
てる。
 著者の根本香絵氏は、この分野の最先端を走る研究者で、Qubus(キューバス)
量子コンピュータの提唱者。美人だから、テレビ屋はほっとかないでしょう。
日テレの「世界一受けたい授業」に登場するのもまもなくかもね。\(^O^)/
 超ひも理論のリサ・ランドール氏も、美人でNHKがBSで放送してから一部で
大ブレイク中(少なくともおれの中では(笑))だが、彼女が超ひも理論を一般向
けに解説した本の翻訳が今年あたり出るはずだったと思うけれど、まだ?
 「世界一受けたい授業」といえば、先日は、渋滞学の西成活裕氏が出ていま
したね。渋滞学は、日経サイエンスの茂木健一郎氏の対談コーナーで知ったん
ですが、面白い学問なんですよね。それが民放地上波で世に知られるのは、非
常にいいことですね。マチャアキ、この番組、がんばれ。マチャアキファンと
しては、「あるある」はなくなってよかったと思ってるよ。

 さて、このチャンスに、他の量子コンピュータ入門書も紹介しておこう。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152086076/showshotcorne-22/ref=nosim
ジョージ・ジョンソン著、水谷淳訳「量子コンピュータとは何か」
は、よく名前が出てくる本だが、おれはぴんと来なかった。悪い本ではないと
思うが、当たった感じがなかったんですよ。

 いまはなき日経バイトが量子コンピュータの特集をしたことがあった。どの
号だったかは、その号が物置の中なので調べる元気がなくて失礼するが、この
特集を書いていたのが、著者の石井茂氏。その石井氏が、日経バイトの特集程
度じゃ不満だったんだろう。一冊の本としてまとめたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282112/showshotcorne-22/ref=nosim
石井茂著「量子コンピュータへの誘(いざな)い きまぐれな量子でなぜ計算で
きるのか」

 これ、前半は量子力学の歴史で、量子コンピュータの話がなかなか出てこな
いの。そこが、あえて不満といえば不満。
 とはいえ、前半の量子力学の歴史にしても、おれはそれなりに知っていたつ
もりだったが知らないエピソードがいっぱいあって、おお、なるほどと思うこ
と多し。もう、全部忘れたけどね。\(^O^)/

 前述の日経バイトの量子コンピュータ特集で、おれが一番注目したのが、囲
み記事にあった「小澤の不等式」の話。これ、量子力学の根本原理と考えられ
ているハイゼンベルグの不確定性原理に修正を迫るものだというんですね。俄
然興味が湧いたが、囲み記事だけに分量がなくて何のことかわからない。^^;
 で、石井さんの前述の本が出たときにすぐ買って読んだが、たしか最後のほ
うにちょろっと出たくらいだったと思う。それでずっと不満が溜まっていたが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282333/showshotcorne-22/ref=nosim
石井茂著「ハイゼンベルクの顕微鏡 不確定性原理は超えられるか」
は、その小澤の不等式に焦点を当てた本。
 でも、これも前半は、不確定性原理に至る歴史や争点の解説なので、おれ的
には不満が残った。一般向けだとどうしても必要な記述だとは思うが、そんな
のはいいから、小澤の不等式のことだけ書いてほしかったという思いもある。
 Amazonの書評にも同じような意見がありますね。
 でもでも、この2冊は読んで蒙を啓かれる思いがして、実に面白かった。
 例によって、もう、全部忘れたんだろ?
 はい。^^;

 もうちょっと理系っぽい入門書としては、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574691/showshotcorne-22/ref=nosim
竹内繁樹著「量子コンピュータ」
がいいと思う。
 量子や量子コンピュータの世界は、日常生活や我々の直感とあまりにかけ離
れているので、なんとか比喩で説明しようとみなさん苦労しているが、そうい
うものばかり読んでいると、「比喩はいいからほんとのところはどうなんだ。
数学的な記述が少々あってもいいから知りたい」という欲求もたまってくる。
 そこにはまるのが、本書だろうと思う。
 それと、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574705/showshotcorne-22/ref=nosim
竹内淳著「高校数学でわかるシュレディンガー方程式」
もお勧め。
 これ、量子力学の基本方程式であるシュレディンガー方程式をExcelで解い
ちゃう本。非常に楽しかった。
 なんだ、おれでもシュレディンガー方程式、解けるじゃん。\(^O^)/
 ま、Excelじゃなくて、OpenOfficeのCalcでもなんでもいいだろうし、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/19/1123372
Maxima、すげえじゃん
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/26/1138367
Maxima, KNOPPIX/Math, R, Octaveその他
で紹介したソフトでもいけるでしょう。
 いま初めて白状するけど、おれ、この本を参考に、Excelで、自分の存在確
率を解いてみたのよ。そしたら、ゼロだったもんね。\(^O^)/
 出たな、能力ゼロの零能力者ゼロ。\(^O^)/
http://www.cyrilmagic.com/
マジシャンのセロ
は、量子力学的現象が日常的なマクロな世界でも起こったらこうなるかと思わ
せる驚愕のマジックをやるのに、お前、能力ゼロだもんね。
 はい、すみません。^^; セロのマジックを知らない人は、DVDが出ているの
で、それでも観てうなってください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002RNA30/showshotcorne-22/ref=nosim
スーパーストリートマジック セロマガジン-season1-
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002YD7TK/showshotcorne-22/ref=nosim
スーパーストリートマジック セロマガジン-season2-
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000666RAU/showshotcorne-22/ref=nosim
スーパーストリートマジック セロマガジン-season3-
 セロはテレビ東京が見出して、ほかに獲られちゃった感じですよね。テレ東、
かわいそー。

 それから、日経サイエンスの量子力学関係の論文を集めた
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532511410/showshotcorne-22/ref=nosim
別冊日経サイエンス「量子が見せる超常識の世界 テレポーテーションから量
子コンピューターまで」
も、量子の不可思議な世界や、研究者はどういうアプローチをしているのか知
るにはいいです。
 おれなんか、ボース=アインシュタイン凝縮なんて聞いた途端、アインシュ
タインの講演を聴きに坊主が集まって、その剃りあげた頭がいっぱい集まると
凝縮して統計的な動きをするんだなくらいしか思い浮かばんもんね。\(^O^)/
 真面目な話は、
http://ja.wikipedia.org/wiki/ボース=アインシュタイン凝縮
をどうぞ。

 専門的なもので、読んだ、というより買ったのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901683233/showshotcorne-22/ref=nosim
古澤明著「量子光学と量子情報科学」
(なお、Amazonの表記では、古沢になっているが本書は古澤となっているので、
それで表記)。
 これを買った理由は、日経サイエンスの瀬名秀明氏の対談コーナーで、古澤
さんが「量子コンピュータは量子テレポーテーションの塊」などといっていて、
興味を持ったからだ。古澤さんは、量子光学の世界的な研究者でその世界では
大変な人。
 量子テレポーテーションという現象は、量子の不可解な世界を象徴する現象
のひとつではあっても、直接、量子コンピュータと関係があるとは思っていな
かったので、これにびっくりしたわけ。
 なお、この対談は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532164680/showshotcorne-22/ref=nosim
瀬名秀明著「科学の最前線で研究者は何を見ているのか」
としてまとまっている。古澤さん以外にも面白い研究をしている人がぞろぞろ
出てきているので、興味がある人はご一読を。
 古澤さんの本は、もちろん、数学がだめなおれには理解不能。がんばれば理
解できる程度には書かれていると思うが、ご祝儀的に買っているので、そこま
で努力する気がない。^^;
 でもね、ぱらぱらめくっただけでも、これ、いい本だろうと直感したのが、
「はじめに」あたりにある一文。いま片付けちゃって物置から出してくるのが
面倒なので、正確には書けないけど、理論の展開だか、式の展開だかで、ちょ
っと乱暴じゃないかと思うところがあると思うが、そんなのは気にするな、み
たいなことが書いてあるのね。豪放磊落というか、大陸的というか、好きだわ、
こういうの。

http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/01/21/220708
ちくま学芸文庫 Math & Science
で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480089500/showshotcorne-22/ref=nosim
P.A.M. ディラック著, 江沢洋訳「一般相対性理論」
くらい、ちゃんと読めれば、古澤さんの本は十分理解可能と予想はしているん
だけどね。これもまた、老後の楽しみにとっておこう。
 って、お前、老後の楽しみにとっておくこと、多すぎ。お前の老後にそんな
時間が残っているはずがないだろう。それに脳みそどんどん腐ってるんだし。
いま、数学やり直さないとこの先無理と思うけどね。
 はい、すみません。^^;

http://www.s-graphics.co.jp/nanoelectronics/
ナノテクノロジーの入門サイト
には、量子コンピュータ、量子テレポーテーションやDNAコンピュータなどの
解説があって楽しいです。
 ここ、前とは違う場所になっちゃったんですが、このまま維持されていると
いいんですけど。できれば最新の研究成果を元に改訂されていくことを希望。
 スピントロニクスは現在のハードディスクをはるかに超える世界を実現でき
るだろうと期待されていますし、メゾスコピックサイエンスの話も興味津々で
すよね。
 走査プローブ顕微鏡の項には、近接場光学顕微鏡の話もちゃんとありますね。

 近接場光(エバネッセント光)の解説は、ニコンの
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/profile/about/technology/nikon_technology/evanescent/index.htm
伝播しない光に潜む大きな、そして未知の可能性
エバネッセント光(近接場光)
がわかりやすいですね。