吉野次郎著「テレビはなぜインターネットが嫌いなのか」 ― 2006年12月15日 09時55分40秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
ライブドア事件から、通信と放送の融合が一般人の注目を浴びているが、な
ぜテレビはネットをあんなに毛嫌いするのか。
簡単にいえば、政官業ががっちりスクラムを組んだ電波利権でぼろ儲けをし
ているから、それをよそ者に取られたくないのが理由。
週刊ダイヤモンド、週刊東洋経済のビジネス誌で、フジテレビなどの東京キ
ー局が、日本全国給料の高い会社ランキングでナンバーワンになったり、ベス
トテンに何局も入り、それに対して「楽して不当に儲けている」という意見が
掲載されるなど、利権でおいしい思いをしてきたことを今まで必死で隠してき
たのに、それが世間に暴露されつつある。そのきっかけが、ライブドア事件だ
っただろう。
テレビが決して報道しないテレビ局のぼろ儲けの構図、それがネットで崩さ
れる可能性が高まってきていることを、詳しい取材で明らかにしたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245543/showshotcorne-22/ref=nosim
吉野次郎著「テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか」
である。
テレビが利権を手放すのを嫌がっても、通信業界、ネット業界、家電業界、
芸能界、下請けでこき使われてきた番組製作会社、いろんな勢力がそれを突き
崩そうと虎視眈々と狙っているさまもよくわかるし、NHKがなぜネットに出た
がっているのに出られないかもわかる。
キー局におんぶにだっこでのんきな経営をしている民放の地方局、系列の問
題も出てくる。
そうそう、ここで、ソニーのロケフリ(ロケーションフリー)と類似技術の話
を書いてほしかった。
http://www.sony.jp/products/Consumer/locationfree/index.html
ロケーションフリー
ロケフリのことは、1年以上前から書こうと思って書いてないから、ちょっ
とだけ。
こういう技術で、いまや地方で東京のテレビを観られる時代になっている。
このままでは、強いコンテンツをもたない地方局は淘汰されるし、逆に強いコ
ンテンツをもっている地方局は、世界に出るチャンスが出てきた。
おれなんか、福岡ソフトバンクホークスの試合を東京で観たいので、姉のと
ころにロケフリ置いてもらうつもりで、逆にこっちにもロケフリを置いて、九
州に東京の番組を流すつもりだったが、姉のところがブロードバンドじゃない
んだ、これが。\(^O^)/ それでいまは断念中。^^;
下請けをこき使って楽して儲けてきたがために、テレビ局は、実はコンテン
ツの制作能力が低くなってるのはよくいわれること。毎月、ミーティングでお
台場に行くが、フジテレビはでっかいビルを建設中で、スタジオになるらしい
が、たぶん、コンテンツ制作能力を上げるという目標に沿った展開なのだろう。
最終的には、日本のテレビ局がハリウッドに勝てるかどうかだろうね。ハリ
ウッドといえば、アメリカのテレビ局の凋落の話も本書にはあって、その原因
は本書を読んでください。
ハリウッドの連中は、直接、映画やドラマを家庭にネットで流すことを考え
ているし、ネットだからそれは日本からも視聴可能になるだろうし、重要市場
だと思えば、日本向けの番組をハリウッドが制作して日本向けにネットで流す
ことだって考えられる。深読みすれば、渡辺謙の最近のハリウッドでの活躍は、
そういう文脈でとらえることだってできるだろう。
NHKに関しては、受信料問題にからめなぜネットに出たがるのか詳しく書い
てあり、面白いのが、民放はNHKがへたったら、困るからNHKのスキャンダルを
あまり追求できないこと。NHKが質の高い番組を作っているから、自らは低俗
番組で視聴率を稼いでCM料を荒稼ぎできるからくりが出てくる。逆に民放の
番組の質が低いから、NHKに期待している視聴者が多くNHKも得という呉越同舟
の構図。こりゃ、ナッシュ均衡だな。\(^O^)/
有料放送の話もあるが、JCOMのケーブルテレビが普及している町に住んでい
るおれのような人間は、民放地上波といえどもお金を払って観ているわけで、
有料放送にはあまり抵抗がない。むしろ、いい番組は金を払ってでも観たいし、
NHKの受信料を払っているのは、かつてのNHK特集、いまのNHKスペシャルだけ
でも払う価値があると思うから。
それにしても、NHKは莫大なコストをかけて受信料の徴収をやってるんだね。
そんなに金をかけるなら、おれに頼めば、「民放ばかり観てるとバカになって、
負け組になって、将来、野垂れ死にします。その実例はこれ。といって、路上
で野垂れ死んだ男の死体の映像。成功者になりたいならNHKを観るべし。成功
した人は、例外なく、NHKを観て育ったのが、大規模な調査研究から明らかに
なっています。成功者の実例はこれといって、プール付きメイド付き運転手付
きの豪邸生活の映像」などと、いくらでも捏造するのに。\(^O^)/ これで
おれに10億円ね。\(^O^)/
結局、それか、お前の狙いは。
家電業界がテレビをネット対応にしている話もあり、そこにマイクロソフト
も出てくるし、それにどう対抗しているかも出てくる。
昔からいわれているのが、松下やソニーがテレビ局をもてばいいという話。
東京ローカルの東京MXテレビあたりを買ってパナソニーテレビになればいいの
にね。\(^O^)/
松下やソニーはテレビ局に放送機器を売ってるから、三菱電機と違ってCMス
キップテレビやビデオを出せないといわれたけど、一千億くらいのビジネスだ
ったら捨てればいいのにね。\(^O^)/
NHKはNHK技術研究所など水準の高い技術をもっていて別格だが、民放には技
術はないから、結局、松下やソニーから買わざるを得ないんだから交渉上の立
場は電機メーカーのほうが強いと思うんだけど。
で、パナソニーテレビは、電波は東京近辺だけだけど、ネットで全世界配信。
対抗上、民放はマイクロソフトと手を組んで、松下とソニーをけん制と。^^;
その東京MXテレビは、いまやYuoTubeに番組を流していますよね。そっちの
ほうが視聴者が増えるから。
ま、テレビ局買収はできなくても、それに似たことを家電業界がスクラムを
組んでやっている話も本書に出てくる。
そんなこんなのいろいろな話題をうまくまとめてあるので、通信と放送のこ
れからを知りたい人は、本書は必読でしょう。本書が
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/03/03/275717
電波利権、局所的ベストセラー?
に書いたように、局所的ベストセラーに終わらず、多くの人に読まれることを
期待したいものです。
本書を読んだら、以下の参考文献もどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106101505/showshotcorne-22/ref=nosim
池田信夫著「電波利権」(新潮新書)
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/05/17/369350
Re: 通信と放送の融合。テレビ局の利権構造
に、本書の吉野氏による本書の土台になったコラムへのリンクがあるので、そ
れも参照のこと。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tv_to_do/060113_1st/index.html
坂本衛「民放の根幹を揺るがす、ある“深刻”な事態」
もどうぞ。トヨタが北米で一番売った車、実はテレビコマーシャルしなかった
という話が出てくる。これに日本のテレビ界は震撼したという話。
トヨタのみならず、テレビからネットへコマーシャルの比重を移す大企業も
増えてきている。ペプシもそうだというのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798111147/showshotcorne-22/ref=nosim
Joseph Jaffe著, 織田浩一訳「テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマ
ーケティング2.0」
アマゾンにある本の画像はオビなしだが、店頭だとオビがあり、オビには、
「なぜ、ペプシはテレビCMから撤退するのか?」とある。渋谷のブックファ
ーストでは大々的に売られていたから、売れているんだろう。
雑誌サイゾーはちょくちょくテレビの問題を特集するが、最近では、
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0605/index.html
2006年5月号【第1特集】テレビがツマらなくなった10の理由
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0608/index.html
2006年8月号【第1特集】ゴーマンテレビの罪と罰
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0610/index.html
2006年10月号【第2特集】テレビのニュースは見なくていいよ!
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0610/index.html
2006年11月号【第1特集】テレビが隠した7つの罪
がある。
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0611/tv7crime/index.html
2006年11月号の「テレビが隠した7つの罪」で一部が立ち読みできるが、日テ
レの看板番組の1つ「24時間テレビ」。裏はやっぱすごいね。善意の世界だと
思っているととんでもない。
おれはあれ、あの日だけ善意というのがあまりに偽善的なのが好きではない
し、好きな作家である故景山民夫がエッセイや小説などでテレビ業界のあれこ
れ書いていたので、クサいなと思っていたが、ビートたけしが出ないというの
もなるほど。
2006年10月号【第2特集】「テレビのニュースは見なくていいよ!」では、
ワイドショーのコメンテータについて、自ら10年間コメンテータをしたジャー
ナリスト有田芳生氏が「コメンテーターを信じるな!」と吼えている。そこで
は、テレビではだめなコメンテータのみが生き延びられる仕組みが出てくる。
有田氏自身はオウム真理教の事件で名を上げて、テレビに出るようになって、
以後、日テレのザ・ワイドでレギュラーになったので、「噂の眞相」などでは、
ジャーナリスト有田は堕落したなどといろいろ批判されていたが、今年、コメ
ンテータを辞めたので、鬱憤を晴らすかのようにしゃべっている。
要は、番組、テレビ局、スポンサーに都合の悪い発言、問題発言をするコメ
ンテータはすぐ消えるということ。
「本当に視聴者にとって有意義なことを語れる辺見庸さんのような骨太の人た
ちは、テレビに出ようとは思いません。デーブ・スペクターなどは、本業がテ
レビディレクターですから、視聴者受けするコメントがうまい。だから、重宝
される。クレームも来ず、視聴者受けもいいコメントばかりが跋扈する。そん
なレベルですから、適当な知識人でも生き残っていられるのです」
コメント芸者(芸者さんには悪いが、あえてこの表現)のレベルの低さはあき
れるよね。
3週間くらい前かな。たまたまチャンネル変えたら、TBSのサンデージャポ
ンで、ファンキーな教師が関西弁でべらべらしゃべっていて、それに高橋ジョ
ージが、「人が死んでいるのに、にやにやしてしゃべるな」ってこと言ってす
ごんで、番組が凍りついていたが、そんなこというんだったら、いじめを扱う
には、サンジャポをはじめとするワイドショーの番組のフォーマット自体が間
違っている。
いわゆる報道のワイドー化によって、番組の劣化(逆に芸能ばかりだった朝
のワイドショーは報道に力を入れることで質が向上したともいえるが、全体と
して平均すれば劣化している)が進んでいる。サンジャポもその一例でしかな
い。
ああいう作りだから、テリー伊藤やデーブ・スペクターといったコメント芸
者たちは何をやっているか。あちこちの番組をかけもちして、本質には迫らな
い、毒にも薬にもならない、その場限りの使い捨てコメントを垂れ流してるだ
け。それで1回何十万円かもっと多額の金をかすめとっているわけで、スポン
サーをなめてるよね。
連中、今回のいじめの件だって、テキトーなコメントを垂れ流すだけ。それ
じゃ、ガード下の飲み屋で人の死を酒のつまみにしているのと変わらない。い
や、電波で広く流しているだけ悪質。
おれが遺族で、ああいう扱いをされたら、出演者からディレクターからプロ
デューサーから社長から全員に賛美歌13番を聴かせてやるぞ。\(^O^)/
で、そんなデーブ・スペクターが2006年11月号の「テレビが隠した7つの罪」
では、他のコメンテータを斬っているのが、サイゾーも作りがお嗤い。いや、
デーブのコメントの内容がよければいいよ。昔のデーブはもっと鋭かったから。
でも、今回のコメントは、もうテキトーなんだよね。初期のデーブファンとし
ては、デーブの激しい劣化は哀しい。
この11月号で、タイアップコマーシャルとタイアップドラマの話が出てくる
が、キムタクが主演したフジテレビの「エンジン」。F1レーサーの話なのに、
番組スポンサーのトヨタが運営する富士スピードウェイの宣伝番組だったとい
う話。まともなレーシングシーンはなし。だって、他社の車が映るとスポンサ
ータブーだから。\(^O^)/
いい話ですね。^^;
TBSの「グッドラック」もANAのコマーシャル(CM)目当てだったというね。も
うタイアップ、タイアップですよね。おれほとんど観てなかったから知らなか
ったが、「トリビアの泉」でも最後のほうは、ネタにタイアップが増えたらし
いしね。スポンサーの日清食品やコカ・コーラのトリビア。
こういうの宣伝のやり方、視聴者、なかなか気づかないだろうから、巧妙と
いうか悪質というか。
テレビ屋もCM枠が売れなくなって、大変なんだね。
他の参考としては、
http://www.google.com/custom?domains=iiyu.asablo.jp%3Bwww.asahi-net.or.
jp&q=%83e%83%8C%83r&sa=%8C%9F%8D%F5&sitesearch=iiyu.asablo.jp&client=
pub-8265382438304350&forid=1&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS
や
http://www.google.com/custom?domains=iiyu.asablo.jp%3Bwww.asahi-net.or.
jp&q=%93d%94g%97%98%8C%A0&sa=%8C%9F%8D%F5&sitesearch=iiyu.asablo.jp&
client=pub-8265382438304350&forid=1&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS
で探してみてください。
あ、最後に、これ、以前書いたかもしれないが。
案外知らない人が多いけれど、基本的なこととして、民放の商売は、番組を
作ってるんじゃなくて、CM枠を売っているんです。いかに高くCM枠を売るか。
そのために視聴率を競ってるんです。したがって、まず、絶対的に大事なのは
CMを出してくれるスポンサー。視聴者のことなど、2の次、3の次。
おれ、去年かな。フジテレビとニッポン放送の株主だったので、株主総会前
に営業報告資料が送られてきたんだけど、ものの見事に、いい番組を作るとか、
いい報道をするとか、視聴者のことなど一言もない。あるのは、このCM枠はい
くらでどれくらい売れましたなど、金のことだけ。
所詮、そういうビジネスなので、当たり前だけどね。
---
ライブドア事件から、通信と放送の融合が一般人の注目を浴びているが、な
ぜテレビはネットをあんなに毛嫌いするのか。
簡単にいえば、政官業ががっちりスクラムを組んだ電波利権でぼろ儲けをし
ているから、それをよそ者に取られたくないのが理由。
週刊ダイヤモンド、週刊東洋経済のビジネス誌で、フジテレビなどの東京キ
ー局が、日本全国給料の高い会社ランキングでナンバーワンになったり、ベス
トテンに何局も入り、それに対して「楽して不当に儲けている」という意見が
掲載されるなど、利権でおいしい思いをしてきたことを今まで必死で隠してき
たのに、それが世間に暴露されつつある。そのきっかけが、ライブドア事件だ
っただろう。
テレビが決して報道しないテレビ局のぼろ儲けの構図、それがネットで崩さ
れる可能性が高まってきていることを、詳しい取材で明らかにしたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245543/showshotcorne-22/ref=nosim
吉野次郎著「テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか」
である。
テレビが利権を手放すのを嫌がっても、通信業界、ネット業界、家電業界、
芸能界、下請けでこき使われてきた番組製作会社、いろんな勢力がそれを突き
崩そうと虎視眈々と狙っているさまもよくわかるし、NHKがなぜネットに出た
がっているのに出られないかもわかる。
キー局におんぶにだっこでのんきな経営をしている民放の地方局、系列の問
題も出てくる。
そうそう、ここで、ソニーのロケフリ(ロケーションフリー)と類似技術の話
を書いてほしかった。
http://www.sony.jp/products/Consumer/locationfree/index.html
ロケーションフリー
ロケフリのことは、1年以上前から書こうと思って書いてないから、ちょっ
とだけ。
こういう技術で、いまや地方で東京のテレビを観られる時代になっている。
このままでは、強いコンテンツをもたない地方局は淘汰されるし、逆に強いコ
ンテンツをもっている地方局は、世界に出るチャンスが出てきた。
おれなんか、福岡ソフトバンクホークスの試合を東京で観たいので、姉のと
ころにロケフリ置いてもらうつもりで、逆にこっちにもロケフリを置いて、九
州に東京の番組を流すつもりだったが、姉のところがブロードバンドじゃない
んだ、これが。\(^O^)/ それでいまは断念中。^^;
下請けをこき使って楽して儲けてきたがために、テレビ局は、実はコンテン
ツの制作能力が低くなってるのはよくいわれること。毎月、ミーティングでお
台場に行くが、フジテレビはでっかいビルを建設中で、スタジオになるらしい
が、たぶん、コンテンツ制作能力を上げるという目標に沿った展開なのだろう。
最終的には、日本のテレビ局がハリウッドに勝てるかどうかだろうね。ハリ
ウッドといえば、アメリカのテレビ局の凋落の話も本書にはあって、その原因
は本書を読んでください。
ハリウッドの連中は、直接、映画やドラマを家庭にネットで流すことを考え
ているし、ネットだからそれは日本からも視聴可能になるだろうし、重要市場
だと思えば、日本向けの番組をハリウッドが制作して日本向けにネットで流す
ことだって考えられる。深読みすれば、渡辺謙の最近のハリウッドでの活躍は、
そういう文脈でとらえることだってできるだろう。
NHKに関しては、受信料問題にからめなぜネットに出たがるのか詳しく書い
てあり、面白いのが、民放はNHKがへたったら、困るからNHKのスキャンダルを
あまり追求できないこと。NHKが質の高い番組を作っているから、自らは低俗
番組で視聴率を稼いでCM料を荒稼ぎできるからくりが出てくる。逆に民放の
番組の質が低いから、NHKに期待している視聴者が多くNHKも得という呉越同舟
の構図。こりゃ、ナッシュ均衡だな。\(^O^)/
有料放送の話もあるが、JCOMのケーブルテレビが普及している町に住んでい
るおれのような人間は、民放地上波といえどもお金を払って観ているわけで、
有料放送にはあまり抵抗がない。むしろ、いい番組は金を払ってでも観たいし、
NHKの受信料を払っているのは、かつてのNHK特集、いまのNHKスペシャルだけ
でも払う価値があると思うから。
それにしても、NHKは莫大なコストをかけて受信料の徴収をやってるんだね。
そんなに金をかけるなら、おれに頼めば、「民放ばかり観てるとバカになって、
負け組になって、将来、野垂れ死にします。その実例はこれ。といって、路上
で野垂れ死んだ男の死体の映像。成功者になりたいならNHKを観るべし。成功
した人は、例外なく、NHKを観て育ったのが、大規模な調査研究から明らかに
なっています。成功者の実例はこれといって、プール付きメイド付き運転手付
きの豪邸生活の映像」などと、いくらでも捏造するのに。\(^O^)/ これで
おれに10億円ね。\(^O^)/
結局、それか、お前の狙いは。
家電業界がテレビをネット対応にしている話もあり、そこにマイクロソフト
も出てくるし、それにどう対抗しているかも出てくる。
昔からいわれているのが、松下やソニーがテレビ局をもてばいいという話。
東京ローカルの東京MXテレビあたりを買ってパナソニーテレビになればいいの
にね。\(^O^)/
松下やソニーはテレビ局に放送機器を売ってるから、三菱電機と違ってCMス
キップテレビやビデオを出せないといわれたけど、一千億くらいのビジネスだ
ったら捨てればいいのにね。\(^O^)/
NHKはNHK技術研究所など水準の高い技術をもっていて別格だが、民放には技
術はないから、結局、松下やソニーから買わざるを得ないんだから交渉上の立
場は電機メーカーのほうが強いと思うんだけど。
で、パナソニーテレビは、電波は東京近辺だけだけど、ネットで全世界配信。
対抗上、民放はマイクロソフトと手を組んで、松下とソニーをけん制と。^^;
その東京MXテレビは、いまやYuoTubeに番組を流していますよね。そっちの
ほうが視聴者が増えるから。
ま、テレビ局買収はできなくても、それに似たことを家電業界がスクラムを
組んでやっている話も本書に出てくる。
そんなこんなのいろいろな話題をうまくまとめてあるので、通信と放送のこ
れからを知りたい人は、本書は必読でしょう。本書が
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/03/03/275717
電波利権、局所的ベストセラー?
に書いたように、局所的ベストセラーに終わらず、多くの人に読まれることを
期待したいものです。
本書を読んだら、以下の参考文献もどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106101505/showshotcorne-22/ref=nosim
池田信夫著「電波利権」(新潮新書)
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/05/17/369350
Re: 通信と放送の融合。テレビ局の利権構造
に、本書の吉野氏による本書の土台になったコラムへのリンクがあるので、そ
れも参照のこと。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tv_to_do/060113_1st/index.html
坂本衛「民放の根幹を揺るがす、ある“深刻”な事態」
もどうぞ。トヨタが北米で一番売った車、実はテレビコマーシャルしなかった
という話が出てくる。これに日本のテレビ界は震撼したという話。
トヨタのみならず、テレビからネットへコマーシャルの比重を移す大企業も
増えてきている。ペプシもそうだというのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798111147/showshotcorne-22/ref=nosim
Joseph Jaffe著, 織田浩一訳「テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマ
ーケティング2.0」
アマゾンにある本の画像はオビなしだが、店頭だとオビがあり、オビには、
「なぜ、ペプシはテレビCMから撤退するのか?」とある。渋谷のブックファ
ーストでは大々的に売られていたから、売れているんだろう。
雑誌サイゾーはちょくちょくテレビの問題を特集するが、最近では、
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0605/index.html
2006年5月号【第1特集】テレビがツマらなくなった10の理由
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0608/index.html
2006年8月号【第1特集】ゴーマンテレビの罪と罰
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0610/index.html
2006年10月号【第2特集】テレビのニュースは見なくていいよ!
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0610/index.html
2006年11月号【第1特集】テレビが隠した7つの罪
がある。
http://www.ultracyzo.com/cyzo/contents/0611/tv7crime/index.html
2006年11月号の「テレビが隠した7つの罪」で一部が立ち読みできるが、日テ
レの看板番組の1つ「24時間テレビ」。裏はやっぱすごいね。善意の世界だと
思っているととんでもない。
おれはあれ、あの日だけ善意というのがあまりに偽善的なのが好きではない
し、好きな作家である故景山民夫がエッセイや小説などでテレビ業界のあれこ
れ書いていたので、クサいなと思っていたが、ビートたけしが出ないというの
もなるほど。
2006年10月号【第2特集】「テレビのニュースは見なくていいよ!」では、
ワイドショーのコメンテータについて、自ら10年間コメンテータをしたジャー
ナリスト有田芳生氏が「コメンテーターを信じるな!」と吼えている。そこで
は、テレビではだめなコメンテータのみが生き延びられる仕組みが出てくる。
有田氏自身はオウム真理教の事件で名を上げて、テレビに出るようになって、
以後、日テレのザ・ワイドでレギュラーになったので、「噂の眞相」などでは、
ジャーナリスト有田は堕落したなどといろいろ批判されていたが、今年、コメ
ンテータを辞めたので、鬱憤を晴らすかのようにしゃべっている。
要は、番組、テレビ局、スポンサーに都合の悪い発言、問題発言をするコメ
ンテータはすぐ消えるということ。
「本当に視聴者にとって有意義なことを語れる辺見庸さんのような骨太の人た
ちは、テレビに出ようとは思いません。デーブ・スペクターなどは、本業がテ
レビディレクターですから、視聴者受けするコメントがうまい。だから、重宝
される。クレームも来ず、視聴者受けもいいコメントばかりが跋扈する。そん
なレベルですから、適当な知識人でも生き残っていられるのです」
コメント芸者(芸者さんには悪いが、あえてこの表現)のレベルの低さはあき
れるよね。
3週間くらい前かな。たまたまチャンネル変えたら、TBSのサンデージャポ
ンで、ファンキーな教師が関西弁でべらべらしゃべっていて、それに高橋ジョ
ージが、「人が死んでいるのに、にやにやしてしゃべるな」ってこと言ってす
ごんで、番組が凍りついていたが、そんなこというんだったら、いじめを扱う
には、サンジャポをはじめとするワイドショーの番組のフォーマット自体が間
違っている。
いわゆる報道のワイドー化によって、番組の劣化(逆に芸能ばかりだった朝
のワイドショーは報道に力を入れることで質が向上したともいえるが、全体と
して平均すれば劣化している)が進んでいる。サンジャポもその一例でしかな
い。
ああいう作りだから、テリー伊藤やデーブ・スペクターといったコメント芸
者たちは何をやっているか。あちこちの番組をかけもちして、本質には迫らな
い、毒にも薬にもならない、その場限りの使い捨てコメントを垂れ流してるだ
け。それで1回何十万円かもっと多額の金をかすめとっているわけで、スポン
サーをなめてるよね。
連中、今回のいじめの件だって、テキトーなコメントを垂れ流すだけ。それ
じゃ、ガード下の飲み屋で人の死を酒のつまみにしているのと変わらない。い
や、電波で広く流しているだけ悪質。
おれが遺族で、ああいう扱いをされたら、出演者からディレクターからプロ
デューサーから社長から全員に賛美歌13番を聴かせてやるぞ。\(^O^)/
で、そんなデーブ・スペクターが2006年11月号の「テレビが隠した7つの罪」
では、他のコメンテータを斬っているのが、サイゾーも作りがお嗤い。いや、
デーブのコメントの内容がよければいいよ。昔のデーブはもっと鋭かったから。
でも、今回のコメントは、もうテキトーなんだよね。初期のデーブファンとし
ては、デーブの激しい劣化は哀しい。
この11月号で、タイアップコマーシャルとタイアップドラマの話が出てくる
が、キムタクが主演したフジテレビの「エンジン」。F1レーサーの話なのに、
番組スポンサーのトヨタが運営する富士スピードウェイの宣伝番組だったとい
う話。まともなレーシングシーンはなし。だって、他社の車が映るとスポンサ
ータブーだから。\(^O^)/
いい話ですね。^^;
TBSの「グッドラック」もANAのコマーシャル(CM)目当てだったというね。も
うタイアップ、タイアップですよね。おれほとんど観てなかったから知らなか
ったが、「トリビアの泉」でも最後のほうは、ネタにタイアップが増えたらし
いしね。スポンサーの日清食品やコカ・コーラのトリビア。
こういうの宣伝のやり方、視聴者、なかなか気づかないだろうから、巧妙と
いうか悪質というか。
テレビ屋もCM枠が売れなくなって、大変なんだね。
他の参考としては、
http://www.google.com/custom?domains=iiyu.asablo.jp%3Bwww.asahi-net.or.
jp&q=%83e%83%8C%83r&sa=%8C%9F%8D%F5&sitesearch=iiyu.asablo.jp&client=
pub-8265382438304350&forid=1&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS
や
http://www.google.com/custom?domains=iiyu.asablo.jp%3Bwww.asahi-net.or.
jp&q=%93d%94g%97%98%8C%A0&sa=%8C%9F%8D%F5&sitesearch=iiyu.asablo.jp&
client=pub-8265382438304350&forid=1&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS
で探してみてください。
あ、最後に、これ、以前書いたかもしれないが。
案外知らない人が多いけれど、基本的なこととして、民放の商売は、番組を
作ってるんじゃなくて、CM枠を売っているんです。いかに高くCM枠を売るか。
そのために視聴率を競ってるんです。したがって、まず、絶対的に大事なのは
CMを出してくれるスポンサー。視聴者のことなど、2の次、3の次。
おれ、去年かな。フジテレビとニッポン放送の株主だったので、株主総会前
に営業報告資料が送られてきたんだけど、ものの見事に、いい番組を作るとか、
いい報道をするとか、視聴者のことなど一言もない。あるのは、このCM枠はい
くらでどれくらい売れましたなど、金のことだけ。
所詮、そういうビジネスなので、当たり前だけどね。
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