ヤノピ様(山下洋輔)、春の恒例のソロピアノ 2018。セシル・テイラー師匠、富樫雅彦ご夫妻に捧ぐ。 ― 2018年04月17日 08時38分00秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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もう1週間以上経ってしまったが、毎年恒例、春の山下洋輔ソロコンサート。
2018年4月7日土曜日に、晴海トリトンスクエアの第一生命ホールに行ってきました。
時期的に、桜が咲き始めた、満開、散り始めたというのが例年なのですが、今年は、あまりに早く桜が咲いて、とっくに散ってしまってからの演奏。これ、初めてでしょう。
前日夜か、当時朝早くか忘れましたが、フリージャズの世界では山下さんの師匠にあたる、巨星セシル・テイラーが逝去。
冒頭、山下さんは、セシル・テイラー先生がお亡くなりになったので、追悼のため、第2部の構成は急遽変えるという話をされました。
第2部冒頭は、セシル・テイラー先生との思い出を色々とお話ししてくださいました。
そもそもの出会いは若い頃、渡辺貞夫グループで活躍を始め、ジャズ界のエリート街道をまっしぐらだった時。
セシル・テイラー先生は、いけない人たち、ヤバい人たち。その音楽は、あっちの方に行ったらだめと思ったそうです(笑)。
しかし、だんだん音楽的に行き詰まって、もっと自由にやりたくなる。ついには、ドラムの森山威男、テナーサックスの中村誠一と、初代山下洋輔トリオを結成して、ヨーロッパツアーを敢行。各地で大好評。
そのころのことは、「ピアニストを笑え」など、山下さんの初期のエッセイを読むとわかります。大変な日々なのに、文章に書かれたものは、爆笑の連続。
エッセイ集のリストなどは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/11/05/5470860
山下洋輔「ピアノ弾き即興人生」
を参照。
ちなみに、ぼくの高校の同級生に中村誠一君がいました。後に、山下洋輔トリオを聴くようになったとき、中村誠一さんの名前をみてびっくり。なお、中村誠一さんは、初めて日本語を聞いた外国人に聞こえる日本語の物真似という革命的なアイデアを出し、ハナモゲラ語を作った人。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/10/21/1863129
タモリ、坂田明、中村誠一、山下洋輔、ハナモゲラ語
そして、2007年に初台のオペラシティで、セシル・テイラー先生と念願の共演に至るまでの話。
オペラシティでの共演は、セシル・テイラー先生の来日がずれて、元の日程なら行けたのに、ずれたら、ぼくは、何かと重なって、行けなくなったんです。
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )の筒井康隆会議室の常連、MINちゃんも、来日がずれたので行けなくなった。
元のコンサート予定日に、MINちゃんが東京に来るので、手ぶらで帰す訳にはいかんということで、みんなで集まって飲みましょうという話になりました。その飲み会には、なんと、笑犬楼様(筒井康隆さん)もヤノピ様(山下洋輔さん)も、ご参加くださいました。
MINちゃんの人徳ですね。
九大(九州大学)の学生時代、ぼくを筒井康隆・山下洋輔文化圏にどっぷり引っ張り込んだ恩師であり、大の筒井・山下ファンである九大の荒木先生、東大の高木先生。
両先生もご一緒にと、お誘い申し上げたが、高木先生はおいでくださったが、荒木先生はだめ。
たしか、中国か韓国か、学会か国際シンポジウムがあって、日本にいなくて、だめだったんです。チェアマンかプログラム委員長か、何か重職を任されていたので、筒井さん、山下さんとの飲み会を優先させることができなかったと記憶しています。
荒木先生は、後に福岡でお会いしたら、悔しさのあまり、がおーなどと、ぼくの頭をかじりました。\(^O^)/
さて、ソロコンサートに戻って。
第2部の山下洋輔トリオ メドレーは、いろんな思い出が詰まったメドレー。セシル・テイラー先生に感謝の意味を込めてのものだと思います。山下さんに確認したわけではないけれど、たぶん、これ、急遽、これに変更したのだと思います。
アンコールは、「星に願いを」。
ヤノピ様の大親友、大盟友だった、故富樫雅彦さんの奥様が亡くなったそうで、富樫ご夫妻が好きだった曲を捧げるとのこと。
弾き終わった後、立ち上がったヤノピ様は、ピアノに頭を垂れて、黙祷なさったようにみえました。
あまりに素晴らしい「星に願いを」。ぼくは、涙ぐんでいました。
素晴らしいですよね。うらやましいですよね。
自ら演奏して、故人に敬愛と追悼の意を届けることができるのは。
思わず、涙がこぼれました。心が洗われました。
当日のセットリスト。
第1部
1 SAKURA
2 早春賦
3 Blue Cats
4 Only Look at You
5 DOBARADA 2018
第2部
1 山下洋輔トリオ メドレー
2 鳥の歌
3 仙波山
4 Bolero
アンコール
星に願いを
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2014/04/08/7269900
山下洋輔、ソロピアノ・コンサート
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/04/09/7607671
春の山下洋輔ソロピアノコンサート 2015
毎年行ってるから、毎年書いているかと思ったら、たった2回しか書いてない?
そういえば、去年の6月かな。調布国際音楽祭のバッハナイトで山下さんが演奏した話も書いてないね。
怠慢や。すみません。
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もう1週間以上経ってしまったが、毎年恒例、春の山下洋輔ソロコンサート。
2018年4月7日土曜日に、晴海トリトンスクエアの第一生命ホールに行ってきました。
時期的に、桜が咲き始めた、満開、散り始めたというのが例年なのですが、今年は、あまりに早く桜が咲いて、とっくに散ってしまってからの演奏。これ、初めてでしょう。
前日夜か、当時朝早くか忘れましたが、フリージャズの世界では山下さんの師匠にあたる、巨星セシル・テイラーが逝去。
冒頭、山下さんは、セシル・テイラー先生がお亡くなりになったので、追悼のため、第2部の構成は急遽変えるという話をされました。
第2部冒頭は、セシル・テイラー先生との思い出を色々とお話ししてくださいました。
そもそもの出会いは若い頃、渡辺貞夫グループで活躍を始め、ジャズ界のエリート街道をまっしぐらだった時。
セシル・テイラー先生は、いけない人たち、ヤバい人たち。その音楽は、あっちの方に行ったらだめと思ったそうです(笑)。
しかし、だんだん音楽的に行き詰まって、もっと自由にやりたくなる。ついには、ドラムの森山威男、テナーサックスの中村誠一と、初代山下洋輔トリオを結成して、ヨーロッパツアーを敢行。各地で大好評。
そのころのことは、「ピアニストを笑え」など、山下さんの初期のエッセイを読むとわかります。大変な日々なのに、文章に書かれたものは、爆笑の連続。
エッセイ集のリストなどは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/11/05/5470860
山下洋輔「ピアノ弾き即興人生」
を参照。
ちなみに、ぼくの高校の同級生に中村誠一君がいました。後に、山下洋輔トリオを聴くようになったとき、中村誠一さんの名前をみてびっくり。なお、中村誠一さんは、初めて日本語を聞いた外国人に聞こえる日本語の物真似という革命的なアイデアを出し、ハナモゲラ語を作った人。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/10/21/1863129
タモリ、坂田明、中村誠一、山下洋輔、ハナモゲラ語
そして、2007年に初台のオペラシティで、セシル・テイラー先生と念願の共演に至るまでの話。
オペラシティでの共演は、セシル・テイラー先生の来日がずれて、元の日程なら行けたのに、ずれたら、ぼくは、何かと重なって、行けなくなったんです。
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )の筒井康隆会議室の常連、MINちゃんも、来日がずれたので行けなくなった。
元のコンサート予定日に、MINちゃんが東京に来るので、手ぶらで帰す訳にはいかんということで、みんなで集まって飲みましょうという話になりました。その飲み会には、なんと、笑犬楼様(筒井康隆さん)もヤノピ様(山下洋輔さん)も、ご参加くださいました。
MINちゃんの人徳ですね。
九大(九州大学)の学生時代、ぼくを筒井康隆・山下洋輔文化圏にどっぷり引っ張り込んだ恩師であり、大の筒井・山下ファンである九大の荒木先生、東大の高木先生。
両先生もご一緒にと、お誘い申し上げたが、高木先生はおいでくださったが、荒木先生はだめ。
たしか、中国か韓国か、学会か国際シンポジウムがあって、日本にいなくて、だめだったんです。チェアマンかプログラム委員長か、何か重職を任されていたので、筒井さん、山下さんとの飲み会を優先させることができなかったと記憶しています。
荒木先生は、後に福岡でお会いしたら、悔しさのあまり、がおーなどと、ぼくの頭をかじりました。\(^O^)/
さて、ソロコンサートに戻って。
第2部の山下洋輔トリオ メドレーは、いろんな思い出が詰まったメドレー。セシル・テイラー先生に感謝の意味を込めてのものだと思います。山下さんに確認したわけではないけれど、たぶん、これ、急遽、これに変更したのだと思います。
アンコールは、「星に願いを」。
ヤノピ様の大親友、大盟友だった、故富樫雅彦さんの奥様が亡くなったそうで、富樫ご夫妻が好きだった曲を捧げるとのこと。
弾き終わった後、立ち上がったヤノピ様は、ピアノに頭を垂れて、黙祷なさったようにみえました。
あまりに素晴らしい「星に願いを」。ぼくは、涙ぐんでいました。
素晴らしいですよね。うらやましいですよね。
自ら演奏して、故人に敬愛と追悼の意を届けることができるのは。
思わず、涙がこぼれました。心が洗われました。
当日のセットリスト。
第1部
1 SAKURA
2 早春賦
3 Blue Cats
4 Only Look at You
5 DOBARADA 2018
第2部
1 山下洋輔トリオ メドレー
2 鳥の歌
3 仙波山
4 Bolero
アンコール
星に願いを
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2014/04/08/7269900
山下洋輔、ソロピアノ・コンサート
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/04/09/7607671
春の山下洋輔ソロピアノコンサート 2015
毎年行ってるから、毎年書いているかと思ったら、たった2回しか書いてない?
そういえば、去年の6月かな。調布国際音楽祭のバッハナイトで山下さんが演奏した話も書いてないね。
怠慢や。すみません。
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