ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のkick/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
　早く書かないから、1ヵ月以上経って、もう去年のことになってしまった。
　トップリーグの第５節、第６節。
　我が府中が誇る東芝ブレイブルーパスの試合。
　JSportsで中継があったので、録画を観た。
　第５節。
　この試合は、なんといっても、東芝の中居智昭選手が、史上初トップリーグ
100キャップ達成。つまり、100試合出場。
　これは史上初。なにがすごいかって、2003年から始まったトップリーグは、
この試合までに103試合。そのうちの100試合に出ていること。これは、ラグビ
ーのように体力の消耗が激しく、ケガも多いスポーツでは、驚異的なこと。
　中継では、中居選手の表彰があった。
　奥さんと３歳と１歳だったかな、幼い娘さん２人も、一緒に報道陣のカメラ
に写っていた。
　中居選手は、家族、ファン、チームメイト、メディカルスタッフのおかげと
感謝していた。
http://www.sanspo.com/rugby/news/111204/rga1112040504000-n1.htm
東芝・中居、１００試合出場／ＴＬ
2011.12.4 05:00

　放送では、次に100キャップに到達するのは、サントリーサンゴリアスのト
ライゲッター、日本代表、うなぎステップで有名な小野澤選手と言っていた。
　おれが大好きな、東芝の大野均選手も、あと数試合だと言っていた。
　あ、ちゃんと出ていた。
http://www.top-league.jp/news/news12012.html
中居選手（東芝）、「リーグ戦100試合出場」達成
http://www.top-league.jp/news/news12033.html
小野澤選手（サントリー）、「リーグ戦100試合出場」達成
http://www.top-league.jp/news/news12261.html
大野選手（東芝）、「リーグ戦100試合出場」達成

　小野澤選手もすごいけど、中居、大野の東芝の二人は、試合中にガシガシ体
で当たりまくるフォワードだからね。生まれながら体が頑丈なだけじゃなくて、
鍛え方、休み方、ケアの仕方など、トータルに優れているんだろうね。
　中居選手も、メディカルスタッフに感謝していたから、東芝には、すごくノ
ウハウがあるのかも。
　だったら、東芝は、ノウハウをスポーツ専門メディカルクラウドとして事業
化したらどうだ。
　図に乗って、ラグビーだけではなく、世界中のサッカーチーム、野球チーム
などプロスポーツのチームと契約島倉千代子。
　さらに図に乗って、他の球技、陸上競技、水泳にも幅を広げる。
　メディカルスタッフの派遣紹介とか、周辺ビジネスもばんばん。
　おいおい、ラグビーの話はどうなったんだ。
　すみません。

　大野選手は、トライにつながる突破もあったし、自身のトライもあった。
　相手ゴール手前で、東芝のモールが崩れて相手ボールになったと誰もが思っ
た瞬間、大野選手が突っ込んでいった。カメラ位置の関係でどうなってるかわ
からない時間が５秒くらいあったかな。密集の向こう側の地面から、大野選手
が這い出してきて、みんな、えっ？と驚いている隙を突いて、トライしてしま
った。
　テレビ画面だと、大野選手が密集に飛び込む、数秒後、ワープして向こうの
地面から生えてきたという感じ。
　でね。このトライのとき、大野選手、足がつったの。だから、うれしいやら
痛いやらで、笑いながら痛がっていて、チームメイトが足を伸ばしてやってい
た。
　そうそう。解説は砂村さんだったが、試合開始前に、注目選手は誰ですかと
いう質問に、「大野さん」と、つい、さんづけしたので、アナウンサーが、
「ああ、砂村さんは、大野選手のことは「さんづけ」なんですね」といった会
話があった。それだけ大野選手は、尊敬されているということなのね。
　出場すればトップリーグ最年長出場記録を更新する松田努選手は、この試合
に出場して、記録更新。

　第６節。
　NECと東芝は、同じ業界ということもあるんだろうが、激戦、名勝負が多い。
　しかし、この数年、NECが力を落としていて、この試合でも前半から東芝が
トライを重ねたので楽勝と思ったが、さすがは、NEC。ここからすごい展開の
試合になった。
　東芝のスクラムハーフの藤井選手がケガ。交代で入った三井選手もケガ。な
んと、本職のスクラムハーフがいなくなった。フルバックの吉田選手がスクラ
ムハーフをやることに。
　でも、本職じゃないから、フォワードを、羊飼いが羊を操るように操れない。
パス出しのタイミング、パススピードが合わない。
　東芝は、インターセプトから逆襲されたことがあった。たしか、この試合も
解説は砂村さんだと思ったが、パスカットされたのも、スクラムハーフが本職
ではないのが、原因だといっていた。パス出しのタイミング、パススピードが
ほんの少し遅い。０コンマ何秒か遅いわけ。すると、後ろから走ってくる選手
が普段より10センチから数10センチ前に出てしまう。守備側との間合いがそれ
だけ詰まる。この差でパスカットされやすくなる。という理屈だった。
　東芝みたいに精度の高いラグビーをやっているチームほど、こういうときに
歯車が狂いやすいのね。スクラムハーフの重要性を再認識した次第。

　この試合で初めて観たが、フィジー代表のナドロ選手は、めちゃくちゃすご
いわ。絶対、観た方がいい。
　ウイングという、一番外にいて、最後にボールをもらって走りきってトライ
を決めることが多いポジションなんだけど、なんと、195センチ、125キロ。
　一番外でボールをもらって、トライを狙うウイングの選手は、フツー、小柄
(190センチ以上ある日本の選手はフォワードになる)。小柄だから、ウイング
は、俊敏性とスピードで勝負する。
　逆に、フォワードは、体は大きくても、俊敏性に欠け、足も速くない。
　しかし、ナドロ選手は、でかい、速い、強い、うまい。
　東芝の大野選手クラスが、世界ではフォワードではなく、ウイングをやって
いるというのは、ずいぶん前に聞いたが、ワールドカップを観てもそうだし、
このナドロ選手を見て、改めて、これが世界レベルかと思った。
　そういえば、東芝のバックスが、ナドロ選手がいるから、外で１対１で勝負
できず、自重したシーンがあったよ。存在感があるということね。
　ナドロ選手が、ボールをもって走り出したら、会場がそれだけで大騒ぎにな
る。ステップも鮮やか。相手ディフェンス、２，３人は、触らせずに転がして
しまう。
　ところがですね。出場すれば、それでトップリーグ最年長出場記録を更新す
る東芝の松田選手が、すごかった。
　なんと、松田選手が、ナドロを止めたんだよ。
　解説の砂村さんは、「意地ですね」といっていた。
　ベテランは１対１の駆け引きの経験もあるから、スピードに乗って突っ込ん
でくる195センチ、125キロの巨体を、タックル一発で仕留められるんだね。そ
れにしても、怖いぜ。そんな奴の足に頭から突っ込んでいて、止めるのは。

　なお、ナオド選手は、のちのホンダとの試合で、１試合の最多トライ数で、
トップリーグの新記録を達成。
　なんと、１試合で６トライ。＼(^O^)／
http://www.sanspo.com/rugby/news/111218/rga1112182033005-n1.htm
ＮＥＣ・ナドロ、６トライの最多記録／ＴＬ

　中継では、もし、東芝が優勝できなかったとき、振り返ればこのNEC戦がポ
イントになった試合といわれるかもしれないという話が出ていた。
　それくらい印象的な試合。NECにとっても久々に東芝に勝って、上位に進出
することができた試合。

http://www.top-league.jp/news/news12141.html
6節 マッチサマリー(東芝 19-24 NEC)

http://www.sanspo.com/rugby/news/111210/rga1112101834003-n1.htm
けが人続出の東芝、逆転され初黒星／ＴＬ
2011.12.10 18:32
http://www.sanspo.com/rugby/news/111211/rga1112110502002-n1.htm
東芝監督「ＮＥＣの激しさに完敗」／ＴＬ
2011.12.11 05:01
http://www.sanspo.com/rugby/news/111211/rga1112110505004-n1.htm
ＮＥＣ、逆転金星！東芝に土つけた／ＴＬ
2011.12.11 05:04
http://www.daily.co.jp/general/2011/12/11/0004675513.shtml
ＮＥＣ、東芝止めた！１９点差大逆転

　おお、府中が誇る名門神社、大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)にお参りし
てたんだ。
http://www.sanspo.com/rugby/news/111012/rga1110120501001-n1.htm
東芝、ＴＬ＆日本選手権の２冠へ神が味方

http://www.top-league.jp/news/news12372.html
8節 マッチサマリー(神戸製鋼 22-19 東芝)
http://www.top-league.jp/news/news12272.html
7節 マッチサマリー(ヤマハ発動機 8-21 東芝)

　東芝は、神戸製鋼にも、この数年ずっと勝ってたのに、負けた。
　ちょっとリーグでの優勝は難しいかもね。サントリーが全勝だし、パナソニ
ック(去年までの三洋電機)も強いからね。
　元早稲田の監督、元サントリーの監督の清宮監督が今年から率いるヤマハ発
動機は、思わぬ大差で東芝が勝ち。ヤマハはセットプレーがぼろぼろだった記
憶がある。

　これまた我が府中が誇るサントリーは、持ち前の攻撃力で、どの試合も、危
なげなく勝っている。逆にいうと、はらはらのドラマがないからあんまりいう
こともない。それくらい安定している。
　今年になって第9節のNEC戦を観たが、元オーストラリア代表のジョージ・ス
ミスの働きは驚異的。読み、運動量、技術、体力、どれをとっても世界レベル。
　この試合は、NECはもったいなかったね。自分らのミスで落としたね。
　後半は、ナドロ選手の鮮やかなトライがあったり、見せ場が多かったし、勝
てた試合。
　逆にいうと、ベストメンバーが組めなくても勝ってしまうサントリーの試合
巧者ぶり、強さ、層の厚さがわかった試合。
　エディ・ジョーンズ監督が、日本代表監督になるけど、今シーズンは、この
まま突っ走りそうな気配。

　解説の元東芝監督、今度日本代表のアシスタントコーチになり、2019年に日
本で開催されるラグビーのワールドカップでは、日本代表監督になるとみられ
ている薫田さんがいってたが、ナドロの使い方を変えたほうがいいんじゃない
かと。
　NECは、外で使っているがもっと中で使ったらどうかと。
　実際、ナドロ選手が中に切り込んできて、ぶっちぎったすごいトライがあっ
た。
　そうそう。ステップだけで、サントリーの選手をころころ転がして、トライ
したのもあった。
　トライにはならなかったが、すごいゲインをしたのもあった。さらに、もう
独走トライになったかと思ったとき、サントリーの選手が左手一本で足首を叩
いてナドロ選手のバランスを崩して、そこになんと、やっぱりというか、ジョ
ージ・スミス選手が飛んできていて、ナドロ選手を潰したシーンがあった。
　ああいうマッチアップはド迫力。ラグビーの興奮するシーン。

　トップリーグの試合前の予想と試合結果のリポートは、ここ。
http://www.top-league.jp/reports/2011/
今週の見どころ＆マッチレポート

http://www.top-league.jp/
トップリーグ

　注目の試合、東芝とサントリーの府中ダービーは、１月２２日です。