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ヤバい経済学と相撲の八百長2007年02月09日 09時43分25秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 昨年の経済書のベストセラーで、ビジネス誌のベスト経済書でも多くの人が
上位に挙げていたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313656/showshotcorne-22/
スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー著, 望月衛訳「ヤバい経
済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」
(2010/03/05 追記:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313788/showshotcorne-22/
ヤバい経済学 [増補改訂版] (単行本)
スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー (著), 望月衛 (翻訳)
が出ている)

 これ、昨年、買っておいたんですが、やっと読む機会ができて、読み始めて
びっくり。
 いま、相撲の八百長で大騒ぎになっていますが、本書では、第1章で日本の
相撲における八百長の存在をデータ分析で証明しています。\(^O^)/
 著者は、不正、インチキをデータから見つける研究をしていて、ワシントン・
ポストのベタ記事で、日本の相撲に八百長があると元力士2人が告発したとい
うのをみつけ、自分の手法が使えるのではないかと思って、英語相撲専門誌の
バックナンバーを15年から20年分くらい取り寄せて、過去の星取表を分析した
ところ、勝ち負けの不自然さが顕著で、八百長がないと言い逃れるのは非常に
むずかしいという結論を得て、論文を発表しています。
 なお、告発した2人は、たしか同じ病院で亡くなってるんですよね。外国人
記者クラブで会見する直前じゃなかった? しかも2人、同じ日に死んだ?
 そんなこんなで消されたんじゃないかともいわれましたよね。

 訳者あとがきにある後日談によると、その論文を発表したらアメリカでは話
題になったけれど、相撲の八百長を記事にしていた日本の週刊ポスト編集部に
送ったのに返事がない。ほかにもいくつか問い合わせが日本からあったけど、
結局、この論文のことは話題にならなかったそうです。
 それでこの本が日本で出たら、反応がどうなるか楽しみだったらしいですが、
ぼくが知る限り、昨年、本書と相撲の八百長を結びつけて話題にしたものはな
かったと思います。
 それどころか、いま、相撲の八百長を週刊現代が報じて、法廷で決着をつけ
るとかいって大騒ぎになっていますが、それでも本書ですでに八百長の存在が
証明されているという紹介はないみたいに思うんですが、どうですか?
 そこで、これを書いているわけです。
 いま、フジのとくダネ!で、領収証もないし八百長の存在を証明するのは難
しいんじゃないかという話が出てますが、個別には証明できなくても、相撲界
全体で日常的に行なわれてきたことは、本書の分析で証明できるでしょうね。
 週刊現代編集部は、著者に連絡を取ったらいいと思うけどね。

 インチキ、八百長以外にも、世の中の裏側にある事象を、あれこれ分析して
いて、非常に面白いです。
 以前、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/11/26/970676
データや統計の罠と監視社会で紹介した、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433403375X/showshotcorne-22/
門倉貴史著「統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?」
をもっと、ヤバい裏側に適用した本ですね。
 もっとも、門倉氏は
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047100501/showshotcorne-22/
門倉貴史著「「夜のオンナ」はいくら稼ぐか?」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413041542/showshotcorne-22/
門倉貴史著「マネーロンダリング―汚れたお金がキレイになるカラクリ」
など、ヤバい方面も研究して一般書として出版してますが。すでに去年読んだ
本ですが、これらについては、別の機会に。

 あ、いま、とくダネ!で、北九州市の西門司小学校が出てますね。先生の話
も聞けなかった生徒たちが図工で変わったという話ですね。子供がすごいやる
気出してますね。

フリーズする脳2007年02月09日 21時52分18秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 ある女性から、「中村さん、これ、読んでみたら」といわれて渡されたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140881631/showshotcorne-22/ref=nosim
築山節著「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる」

 オビから、
思い当たる人は要注意。
□話の中に「あれ」「それ」などの指示語が多い
□みんなが笑っているときにダイミングよく笑えない
□アイデアが浮かばない。思考が長く続かない
□人や物の名前を思い出せないことがよくある
□同じ相手に、同じ話や冗談を繰り返し言ってしまう
□全体を考えることが苦手で、細部に固執しがち
□融通がきかない。流行や時事的なことに疎い
□物をよくなくす。紛失物をうまく探せない。

 オビ、見た途端、これ、おれだ。\(^O^)/
 1,4、5、8番はそうだね。^^;

 内容では、次のようなケースが出てきます。一応、患者が特定できないよう
に典型的な症状をいくつか交えて作った例だそうですが。

・商談の最中に不意に言葉が出なくなる、人前で話すのが怖くなった営業マン
・よく知っているはずの名前が思い出せない、思考がちぎれていく大学教授
・PCの前で頻繁に自失する、空回りし、疲弊していくシステムエンジニア
・ネット依存的な生活を送っているうちに、物忘れが激しくなった総務部主任
・会話の相手が複数になると、話が聞き取れなくなる、頭に入らなくなる営業
マン。
・転職先の企業で度々思考停止状態に陥るようになったエリートビジネスマン
・文章が思い浮かばなくなり、偏執狂的に見直しを繰り返すフリーライター
・上司になった途端、考える力が衰え、仕事ができなくなった元「優秀な部下」
・すぐ感情に支配され、頭の中が真っ白になる、元「冷静なキャリアウーマン」
・集中力が続かず、空白の時間が増えていく、「勝ち組」志向の司法浪人生

 こうやって取り出すと、キワモノっぽくみえるけど、決して扇情的な内容で
はなくて、むしろ非常に慎重な書き方です。
 結論的にいえば、環境は非常に脳に影響を与えているということです。
 たとえば、パソコンやネットなどにはまっていると、あまりに偏った脳の使
い方をしているので、五感や身体全体に対しては脳がさぼるようになって、脳
のバランスがおかしくなる。それで脳がフリーズする、早い話がボケが始まる
原因だろうという推測ですね。
 脳神経外科医だった著者は、ボケの臨床経験から、いろいろと対策も提案し
ています。

 自分に当てはまる人も多いと思うけど、一読してみたら?
 特にIT, ソフト屋、コンピュータ関係の人間は。
 こういう1日中、パソコンの前に座っている連中は、散歩がいいってよ。

 おれ、多摩川をサイクリングするようになってから、気分がいいのね。なん
で、多摩川のそばにいながら、20年間も多摩川の楽しさを知らなかったんだろ
うと後悔しつつ、なお、毎日、楽しいばっかり。\(^O^)/
 毎週行っても、飽きないのは、脳が喜んでいるからなんだね。風が違う、空
が違う、人々が違う、景色が違う。これがいいんだね。それと体動かしている
から。
 やっぱ、楽しいから続くしね。