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NHK「50年後の未来」、レイ・カーツワイル「加速するテクノロジー」2007年07月31日 09時47分57秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 今度、NHK BS1「世界のドキュメンタリー」で、ドイツZDF制作のドキュメン
タリー「50年後の未来」が放送されますね。

http://www.nhk.or.jp/mirai50/
50年後の未来

 案内役は、物理学者のミチオ・カクですね。彼の本は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140810866/showshotcorne-22/
ミチオ・カク著, 斉藤隆央訳「パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ」
は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/11/1501518
サイエンスZERO。すごーい\(^O^)/
で紹介しましたね。

 「50年後の未来」のウェブをみると、ほとんどSFの世界としか思えないでし
ょうが、要素技術はすでにあるので、案外、これよりすごい世界になるんじゃ
ないかとも思えます。

 そして、実際、これよりもっと過激に進んだ未来を予測するのが、カリスマ
発明家レイ・カーツワイルです。
 NHK BS特集「未来への提言」で、徳田先生と対談しています。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/27/1537622
買ってきた本
で書いたように、CMUで徳田先生はMach(マーク)のリアルタイム化をやってま
した。
 おれは番組は観てないんですが、それをまとめたのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140812176/showshotcorne-22/
レイ・カーツワイル, 徳田英幸著「レイ・カーツワイル加速するテクノロジー」
です。
 カーツワイルさんの科学技術の未来への楽観は、突き抜けてます。技術は
「収穫加速の法則」になっているので、どんどん進化して、今後50年でいまは
想像できないくらい発展すると。一見、とんでもない予測にしか思えないけど、
生物の進化と技術の進化を一体化して解釈して、なかなか面白いし、困ったこ
とにおれには説得力があるんですよね。^^;

 徳田さんは、技術の可能性はそうでも、社会的、政治的、文化的、宗教的な
制約が野放図な発展を許さないだろうという意見なんだけど、カーツワイルさ
んは、「いーえ、そんなことないもんね。みんなが求めるものはどんどん発展
するもんね。何の問題もないもんね」という意見。\(^O^)/((以上、中村の
テキトー要約))
 で、みんなが求めるテクノロジーのひとつが、不老不死のテクロノジー。人
間の根源的な欲望に結びついているから、たしかにこれにはみんな飛びつきそ
うですよね。
 でもね、体の中に無数のナノボット(ナノサイズのロボット)を入れて日々修
復する気になる?
 たぶん、なるんだよ。ナノボットを入れた奴が年を取らず、健康ばりばりな
のがはっきりしてくれば。欲望を刺激するテクノロジーであることが肝ね。

 これまで人間は人間外部を技術で拡張してきましたよね。各種機械も自動車
も飛行機もコンピュータもインターネットもそうだし、でも、これからは、人
間の内部をテクノロジーで拡張していく時代になると。まあ、サイボーグ化で
すね。補助脳を入れたり、ナノボットを入れたり、そういうのどんどんやって
拡張された人間が、果たして人間なのかとかね。これがまたヒューマニティと
は何かという近年のおれの興味につながっています。

 以上のような革命を進めるのが、GNR革命。Gは遺伝学(Genetics)、まあ、分
子生物学やバイオ技術。Nは、ナノテクロノジー(Nano technology)、Rはロボ
ット工学(Robotics)。

 もうすごいんだ。
 GNR革命で、人間の脳は完全解析されて2020年にはコンピュータが人間の脳
を模倣できて、人間を超えはじめ、2045年には人間の10億倍の知能を持った人
工知能が出現する。\(^O^)/
 そして、人間の知能とテクノロジーが融合することで、宇宙の隅々まで人間
の知性が行き渡るようになる。\(^O^)/

 こうなると、おれが以前から感じている、人間は地球の文明や文化を他の宇
宙や星に伝えられるように、そして地球や人間が滅びても、他の宇宙や星で再
興できるような、高度な知性をもった無機生命体を生み出すために存在してい
る中間的な知性体じゃないかなという思いとつながるね。\(^O^)/
 人間の体は宇宙にはひ弱すぎますからね。それでおれは無機生命体じゃない
とだめだろうなと思ってるんだけど。
 日経サイエンスで火星にほんとに人間が行けるか研究している記事がありま
したが、すぐ隣の火星程度でも、なまはんかの防護策では長時間被爆する宇宙
線に人間は耐えられないそうです。
 人間の知性を機械の体に移せれば、肉体的には宇宙の過酷な環境にも耐えら
れるだろうと思うのね。

 本書を読んで、おれが思ったのは、さっき書いたように人間の定義も変わる
し、人間のような有機生命体とコンピュータのような無機生命体の融合が始ま
って、新しい生命の定義になるということ。
 ってなことを何年も思っていたから、柳澤大臣の「女性は子供を産む機械」
発言には、割と同情的だったの。女性蔑視の差別の歴史はあっても、機械と共
生できない、この強烈な機械アレルギーがずっと残っているままだと、人類は
この先やっていけるのかと。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498916/showshotcorne-22/
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
の生命観は、それは貴重で重要なことなんだけど、おれはもういいと書いたの
も、そういう流れなんです。

 「加速するテクノロジー」のきっかけになったのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140811676/showshotcorne-22/
レイ・カーツワイル著, 井上健, 小野木明恵, 野中香方子, 福田実訳「ポスト・
ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき」
です。
 おれは未読ですが、これ、ベストセラーになり、そして賛否両論だったよう
です。というか、非難轟々だったんじゃないかな。まだ機械と共生できる意識
レベルじゃないんだから。
 原題は、「The Singularity is Near」。
 Singularityは、特異点。数学的には微分ができない点ですが、ここでは、
いままでの世界観やらがまるっきり通用しない点。この特異点の先には、人間
が依然として人間的ではあっても、生物的な基盤をもたない世界がやってくる。\(^O^)/
 人間と機械、現実と仮想現実には区別がない世界。\(^O^)/
 いいなあ。^^;

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798100226/showshotcorne-22/
レイ・カーツワイル著, 田中三彦, 田中茂彦訳「スピリチュアル・マシーン―
コンピュータに魂が宿るとき」
も読んでないなあ。大体は想像できるし、もし「ポスト・ヒューマン誕生」を
読んだなら、こっちは読まないと思うけど。