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ゴールドマン一人勝ちの秘密兵器が流出。物理学者、ウォール街を往く。2009年07月10日 04時56分21秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 金融工学の粋を極めたソフトが、ゴールドマン・サックスから盗まれたとい
うことなんでしょうね。
http://newsweekjapan.jp/stories/business/2009/07/post-295.php
ゴールドマン一人勝ちの秘密兵器が流出

 スラドJにも出てましたね。
http://slashdot.jp/article.pl?sid=09/07/08/0229232
米ゴールドマンサックスの取引システムのソースコード盗まれる?

 スラドJといえば、アンテナハウスが破綻したクセロから事業譲渡して、無
償PDFソフトの配布を中止したことで、スラドJでおれの名前が出ていたそうだ
ね。
 それについて何か書くというより、ビジネスメディア誠というウェブマガジ
ンのメルマガ「ビジネス通信 誠 Biz.ID」で、鷹木創という人物が、メディア
の側にいる人間とは思えないレベルの低いことを書いていたので、それを批判
しようと思って忘れていた。時間ができたら、書こう。

 金融工学とゴールドマン・サックスといえば、出たときに、当時はまだ大き
なビルに入っていた渋谷のブックファーストでたまたま見かけて、開いたペー
ジに、ブラック・ショールズ方程式のフィッシャー・ブラックのことが出てい
たので、思わず買って、非常に面白かったのが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492653600/showshotcorne-22/
物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進 (単行本)
エマニュエル ダーマン (著), Emanuel Derman (原著), 森谷 博之 (翻訳),
長坂 陽子 (翻訳), 船見 侑生 (翻訳)
 いわゆるクオンツの自伝。
 簡単に感想を書けば、フィッシャー・ブラックのことが書いてあるのは、著
者エマニュエル・ダーマンが、ゴールドマン・サックスで、ブラックと出会う
ところ。分量的には少しだった。^^; でも、いかにもという人物像でしたね。
 ブラックに関する記述が少ないので不満に思って、後に
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482224511X/showshotcorne-22/
金融工学者フィッシャー・ブラック (単行本)
ペリー・メーリング (著), 今野 浩 (翻訳), 村井 章子 (翻訳)
を買ったけれど、これ、積ん読のままですね。^^;

 ダーマンさんは、いろんなところに行ってるから、金融工学の話より、その
話が面白い。だいぶ前に読んだので、ほとんど忘れたけど。
 たとえば、彼はコロンビア大学の物理学にいて、当時のコロンビア大学とい
えば、パリティ対称性の破れを楊振寧と共同で研究して、ノーベル物理学賞を
受賞した李政道がいたわけ。そして、この二人の仲がすごく悪かったというこ
とを書いていて、印象に残っている。
 ほぉ、ノーベル賞を受賞する共同研究者でそんなに仲が悪いのかと思ったが、
これ、漫才のコンビと一緒ね。ステージでは笑わせる芸をちゃんとやるけれど、
ステージを降りたら仲が悪いコンビは、よく聞くものね。
 楊振寧、李政道の理論を実験で検証した女性物理学者、呉健雄がノーベル物
理学賞を、共同受賞できなかったことについても、何か書いていた気がするが、
気のせいかな。あるとすれば、女性差別の話のはず。
 楊振寧、李政道は中国系初のノーベル物理学賞受賞者だけど、呉健雄も受賞
していれば、中国系女性初の受賞だったんだよね。

 それと、いまを基準にすれば、Unixの初期のころ、System III(ローマ数字
の3の代用)か、System V(ローマ数字の5の代用)のころにベル研にもいて、
Writer's Workbench(WWB)でどうのこうのと奮闘していた様を書いていた記憶
がある。

 一番印象的だったのは、ユーザインターフェース(UI)がいかに大事かがわか
るエピソード。
 ゴールドマン・サックスで、ダーマンさん、必死こいて、それまでよりいい
モデルを作って、それを使うプログラムをトレーダーに提供するんだけど、反
応がイマイチなんだって。でも、あるとき、UIを使いやすく変更したときは、
トレーダーから非常に喜ばれたそうな。
 当時は、DECの端末を使っていて、いいUIじゃなかったのを、キャラクター
ベースだけど、フルスクリーン制御して使いやすくしたんだっけな。細部は忘
れたが、当人としては、金融工学の本丸のモデルの改良より、UIの改良が喜ば
れたので、残念な気持ちがあったろうけど、やっぱ、UIは大事ですね。

 以上のように書くと、ダーマンさん、順風満帆に思えるかもしれないが、け
っこう大変な人生を送っている。
 ソ連崩壊、冷戦崩壊で、核兵器開発などの予算がなくなり、それで食ってい
た物理学者もどんどんクビを切られる時代。藁をも掴む思いで転身したのが、
金融の世界。金融工学が隆盛になっていくちょうど時期に職にありつけたのは
ラッキーだったと思いますね。
 でも、それからも、真理探究に励む研究者の世界と、金への欲望でギラギラ
して生き馬の目を抜く金融の世界とのギャップに悩んだり、いろいろですわ。

 あ、日本語のウィキペディアにある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/エマニュエル・ダーマン
を読むと、いまは、コロンビア大学の教授なのか。
 本を書いたときには、もう、そうだったのか。本では、最後、どうなったか、
忘れてるもんね。
 何はともあれ、本来の人生に戻れて、よかったですねえ。

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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年04月30日 06時23分35秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1004/20/news015.html
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ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 お買い上げありがとうございます。
 これは、面白そう。金融工学