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共立出版「アルゴリズム・サイエンスシリーズ」2007年05月23日 09時58分55秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 ゴールデンウィークの少し前に渋谷の大型書店ブックファーストに行く機会
があったので、コンピュータ関係の棚をぼっーと眺めていた。
 この、「棚をみるでもなくぼーっとみる」のが、オンライン書店だとまだで
きないリアル書店の楽しみ。
 そのとき、見つけたのが、休刊したbit誌など我々コンピュータ業界ではお
なじみの共立出版が新たに刊行を開始した「アルゴリズム・サイエンスシリー
ズ」。
 詳しくは、
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/series/algo.html
アルゴリズム・サイエンス シリーズ(全16巻)
をどうぞ。ここには、各巻の目次もすでに出ています。

 実際に、ブックファーストでタイトルを目にした途端に買ったのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320121783/showshotcorne-22/
阿久津達也著「バイオインフォマティクスの数理とアルゴリズム」
 これは非常によいです。コンパクトながら説明も簡潔明瞭。ソースコードで
はなく擬似コードと数式ですけど、おれでもわかる。\(^O^)/
 目次やまえがきなど詳しい内容説明は、
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0702_04.html
をどうぞ。
 バイオインフォマティクスのアルゴリズムを詳しく紹介したものとして、す
でに
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320056159/showshotcorne-22/
Peter Clote, Rolf Backofen著, 高木利久, 高井大哉, 小野尚孝, 高井貴子訳
「統計物理化学から学ぶバイオインフォマティクス」
がありますが、記述のわかりやすさと値段を考えると「バイオインフォマティ
クスの数理とアルゴリズム」をまずお勧めする。高木先生、高井先生すみませ
ん。^^;
 で、紹介しようと思って、改めてぺらぺらめくっていたら、間違いを発見。
 27ページに、アラインメントを求めるトレースバックのアルゴリズムが載っ
ていますが、これが間違っていたので、阿久津先生のほうにメールしました。
http://www.bic.kyoto-u.ac.jp/takutsu/members/takutsu/errata1.html
に訂正が出ています。
 お笑いなのは、おれ、このif文の条件式が間違ってますよとエラソーにメー
ルしたのに、おれの条件式が間違っていた。\(^O^)/
 阿久津先生はさすがに気づいて、正しい条件式を上記の訂正に載せています。
一目で逆算しないとまずいじゃんと思ったのが運のつき。逆算じゃなくて、そ
のまま計算しないといけないのでした。条件式でいえば、+d じゃなくて、-d
が正しいわけです。
 こういうバカ読者からのメールも相手しないといけないので、大変ですね。
阿久津先生、すみません。
 なんか、将棋で自玉が詰めろになってる(守らないと詰まされてしまう状態)
のに気づかず、攻撃に行って、即詰みにされたみたいなもんですね。

 もう1つ、書名に惹かれて買ったのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320121686/showshotcorne-22/
岩間一雄著「アルゴリズム・サイエンス:出口からの超入門」
 目次やまえがきなど詳しい内容説明は、
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0610_02.html
をどうぞ。
 アルゴリズムがどういう応用分野で力を発揮しているかを紹介するので、
「出口からの超入門」なんですが、これが、すごかった。鮮やかなマジックを
連続して見せられたようなもの。
 たとえば、フツーにやると5000日かかる処理がアルゴリズムを工夫すると44
日で処理できるようになる。100倍速くなるから、これだけでも驚きだけど、
もっと巧妙なアルゴリズムがあって、それだと、たったの2日でできちゃう。\(^O^)/
 その他、Googleのページランキングの基本アルゴリズムの紹介もあるし、中
でも驚いたのが、部分的に腐ったメモリ(一部のデータが壊れるメモリ)でどう
やってソートするかなんてアルゴリズムもあること。宇宙の過酷な環境でなん
とか地球に帰還しようとしている「はやぶさ」などでは、こういうアルゴリズ
ムを使っているんでしょうかね。
 それにつけても、プロのアルゴリズム屋、応用数学者って、年がら年中朝か
ら晩までこんなことばかり考えているのかと感嘆した。アホや、こいつら。\(^O^)/
 バカー。それをいうなら、尊敬の念を込めて「算法馬鹿」と言え。\(^O^)/

 ゴールデンウィークには、「バイオインフォマティクスの数理とアルゴリズ
ム」と「アルゴリズム・サイエンス:出口からの超入門」を読んだけど、例に
よって、多摩川をチャリンコで走ったり、途中で土手で寝転がってこれらの本
をしばらく読んだら、また走ってなど、大変、有意義でしたね。
 性交雨読。\(^O^)/
 お前、ここで、そのネタを出すか。せっかく、ここまで真面目だったのに。
こういう一言があるから、いい記事だ、多くの人に読ませようと思っても、人
に紹介できないと読者から苦情が来るんだよ。\(^O^)/
 えーっ、そうなの? これがあるからおれの文章だし、知り合いの奥さんと
か、大人の女性には好評なんだけど。
 それ、まんまと女の手管に転がされていると思う。\(^O^)/

 このシリーズの入門的位置づけは、前述の「出口からの超入門」と
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320121678/showshotcorne-22/
浅野哲夫著「アルゴリズム・サイエンス:入口からの超入門」
です。
 目次やまえがきなど詳しい内容説明は、
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0610_01.html
をどうぞ。
 「出口から」は、実際の応用分野から紹介する形での入門でしたが、「入り
口から」は、目次をみると、オーソドックスな入口からの入門というのにふさ
わしい内容のようです。しかし、アルゴリズムの入門書で、計算幾何が入って
いるのが今風というか、ちょっと他では見ない気がします。
 シリーズの他の本には、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320121767/showshotcorne-22/
浅野哲夫著「計算幾何―理論の基礎から実装まで」
があって、著者は同じ浅野先生ですね。
 なるほど、より専門的な解説への導入になっているんですね。
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0701_02.html
の目次をみると、なんか、すごそう。
 あ、ボロノイ図があるじゃん。「出口から」でも出てきたし、これ、この前、
エッシャーの不可能図形の話のときに出てきたんじゃなかったかな。
 あ、おれ、偉いなあ。ちゃんと
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/24/1340919
エッシャーの数理、不可能図形、不可能立体、錯視
で紹介している。
http://www1.odn.ne.jp/sugihara/
杉原厚吉 の 自由広場
の先に
http://www1.odn.ne.jp/sugihara/voronoi/voronoi.html
ボロノイ図形
があります。

 以下、余談。
 先日
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/06/1488584
Lispにやさしい新宿ジュンク堂書店\(^O^)/
で紹介した新宿ジュンク堂書店では、前述「バイオインフォマティクスのアル
ゴリズム」などは、コンピュータ関係のアルゴリズム関連本の棚にはなかった
んです。
 この点は、ちゃんとコンピュータ関係の棚にあった渋谷のブックファースト
のほうがいいなと思っていたんですが、理工系の棚をぼーっと眺めて歩き回っ
て思わぬところで見つけました。
 なんと、経済数学の棚にあった。\(^O^)/
 えーっ、バイオが経済?と思ったけど、これ、周辺は応用数学の棚で、経済
数学と名札がある棚には経済数学の本は半分くらいで、残りは他の応用数学の
本がありました。つまり、応用数学関係の棚じゃ足りなくて経済数学の棚にあ
ふれていたわけですね。
 さらに余談。
 応用数学の棚には、グラフ理論の本がいくつかありました。この場合のグラ
フは、ノードがあってエッジ(もしくはアーク)があってというネットワーク
(コンピュータネットワークもネットワークの一種)のこと。中にグラフ活用術
なんて題名の本があったので、めくってみたら、Excelのグラフ機能を使って
プレゼンする本でした。\(^O^)/
 タイトルだけで判断して、どこの棚に置くか、たしかに難しいよなあ。
 これに似た昔の笑い話が、ゼミで最初に読んだ往年の名著(考え方など、い
までも通用する部分は多い)「Software Tools」の翻訳、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320021428/showshotcorne-22/
Brian W.Kernighan, P.J.Plauger著, 木村泉訳「ソフトウェア作法」
が、コンピュータのソフトウェアの棚じゃなくて、冠婚葬祭の棚にあったとい
う話。
 これ、作法と書いて「さくほう」と読ませるんですが、字面マッチじゃ、
「さほう」だから、冠婚葬祭になったんでしょうね。^^;
 ソフトウェアを主と思えば、間違えなかったんだろうけど。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/04/09/1382684
ライスカレー対カレーライス大論争とエド幕府
で書いた、ライスカレーかカレーライスかの大論争が、ここにも顔を出してい
ますね。\(^O^)/

 もう1つ似たネタとして、量子コンピュータを漁師コンピュータと書店のお
姉さんが聞き間違えた話は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/02/24/1206867
入門量子コンピュータ
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/wabijo60.html
乳の詫び状(2002/10/08)の「もう1つの量子コンピュータ」
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/wabijo61.html
乳の詫び状(2002/11/12)の「九州日記」
などにあります。