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魔術師本(SICP)、ガウディ本(CTMCP)。どっちを先に読むべきか2006年06月11日 23時09分15秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 ブログに、40の手習いさんから、質問がありました。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/06/01/389616#c394788
をみてください。

「今SICPを40歳を目前にして読み始めてますが(本当に読み始めたところです)
、お勧めのCTMCPとどちらを先に読むのが良いのでしょうか。SICPの内容を理
解しながら進むのが脳体力的に厳しく、でも感心や驚きを感じられるのでこの
まま進みたいとも思い悩んでおります。CTMCPを先にしたほうがSICPを読むの
が楽とかまた、その逆とかがあるのでしょうか」

というもの。
 まず、略号の説明。
 SICPは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0262510871/showshotcorne-22/ref=nosim
Harold Abelson, Gerald Jay Sussman, Julie Sussman著「Structure and
Interpretation of Computer Programs」
のこと。
 SICPの翻訳は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489471163X/showshotcorne-22/ref=nosim
Harold Abelson, Gerald Jay Sussman, Julie Sussman著、和田英一訳「計算
機プログラムの構造と解釈」
CTMCPは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0262220695/showshotcorne-22/ref=nosim
Seif Haridi, Peter Van-Roy著「Concepts, Techniques, and Models of
Computer Programming」(MIT Press)
です。

 ぼくは、SICPは言いやすいけどCTMCPは言いにくいので、CTMCPをその表紙か
らガウディ本と呼ぶことにします。ガウディで有名なサグラダ・ファミリア聖
堂が表紙だからです。
 逆に、SICPはその表紙から魔術資本、お、面白い誤変換。魔術資本。いいな
あこれ。魔術的金融工学で資本を生み出すんでしょうか。ハリー・ポッターも
びっくり。\(^O^)/
 もとい、魔術師本と呼ばれていますが、これ、ぼくには発音しにくいんです
よね。滑舌悪いから。
 あ、ググッたら、YouTubeに「滑舌の悪いニュースキャスター」と題して、
自分の練習?をアップロードしている人がいる。しかもNewYork Timesを読み
上げて、英語版まで作ってる。日本語の紹介では、自分は本物のニュースキャ
スターにはなれないなんて書いてあるのに、英語の紹介では、「I'm famous
newscaster in Japan. My dream is to become a newscaster in the United
States.」なんて書いている。経歴詐称?^^;
 詳しくは、
http://youtube.com/watch?v=9i6CocTiDKM
をどうぞ。
 SICPは、書くときは指がどうしてもSCIPとなっちゃいます。この前も指摘さ
れて全部直しました。だもんで、書くときは魔術師本、話すときはSICPにした
ほうがいいかも。
 今回は、魔術師本(SICP)、ガウディ本(CTMCP)と書きましょう。かえって、
面倒くさくなったけど。

 さてやっと本題。
 魔術師本(SICP)とガウディ本(CTMCP)のどっちが先がいいかといえば、スタ
イルも扱うジャンルもアプローチも違うし、補完関係があるので、どっちも読
んだほうがいいし、どっちが先ともいえません。
 それに両方とも分厚いし、計算の本質とは何かというけっこう難しい概念を
扱っているので、独学だと最後まで読み通すのに時間がかかると思います。だ
から、適当なところで、もう一方の本を読むのもいいのではないでしょうか。
 両方の違いを簡単にまとめると、

・魔術師本(SICP)
 利用する言語は、Scheme。
 プログラミングの対象は、数学や工学から多くの例をとっている。説明は細
かい記述が多い。扱うのは、逐次的(シーケンシャル)な世界。

・ガウディ本(CTMCP)
 利用する言語は、Oz。
 計算の概念やモデルをきれいに腑分けしてある。ある概念やモデルを象徴す
るような特徴的な言語として、Java, Prolog, Erlang, Haskellなどの言語も
扱う。
 シーケンシャルな世界のみならず、並列(パラレル)/並行(コンカレント)な
世界、分散(ディストリビューテッド)な世界も扱う。
 つまり、Ozは並列分散マルチパラダイム言語。

 印象でいうと、魔術師本(SICP)は、深くそこそこ広く、ガウディ本(CTMCP)
は広くそこそこ深くという感じ。
 したがって、魔術師本(SICP)は、数学的な話も苦にならず、細かい話もいと
わない人なら、先に読んでいいし、ある程度読んで計算の本質的な話やプログ
ラミングのアイデアがわかってくると、ガウディ本(CTMCP)はかなりすらすら
読めるし、概念の整理になるはず。そして、並列分散のモデルも身につく。
 逆に、ガウディ本(CTMCP)を先に読むと、広い視野が身につくので、魔術師
本(SICP)で深く探るという感じでしょうか。
 分量と内容からすると、ガウディ本(CTMCP)のほうが読み終えるのは早いか
もしれません。でも、先に書いたように両方いい教科書なので、あっち行った
り、こっち行ったりで勉強してもいいんじゃないでしょうか。
 どっちかというと、ガウディ本(CTMCP)が先のほうがとっつきやすいかも。
ただ、魔術師本(SICP)は日本語がありますが、ガウディ本(CTMCP)はありませ
ん。その辺、英語が苦手だと、日本語訳がある魔術師本(SICP)がとっつきやす
いかも。

 あと、SICPを勉強し始めた人のコメントがもう1つありましたよね。あれも
コメントしてあげたいことがあったんですが、ちょっと、今日はもうすみませ
ん。

 あ、オランダが先制。
 明日はいよいよ日本対オーストラリアですね。今日、スーパーでオージービ
ーフが安売りしていました。これは、オージービーフを食って日本代表を応援
せよという配慮だろうと勝手に解釈して、オージービーフ買って来ました。
 明日の夕食は、オージービーフです。\(^O^)/

コメント

_ 40の手習い ― 2006年06月13日 22時12分55秒

ありがとうございます。とりあえず「日本語から」読むことに・・・(笑)。JAVA、PHPやSQLでサンデープログラマをする身ですが、SICPを読み進むにつれ「ああ他人のソースを利用するだけで、自分で考えてないよなあ」と嘆くばかりです。若かりし頃は、すべて自分で考えて(これが楽しく)Z80アセンブラ(これがしんどい)だったんですがねえ。

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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年12月27日 09時23分08秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 まだ、グーグル本が出てますね。
 しかも、スティーブン・レヴィ

_ ホットコーナーの舞台裏 - 2015年04月07日 10時08分23秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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 これまで何度も紹介してきた、TAOCP, SICP, CTMCPなどコンピュータサイ