大企業病MSから人材流出続々 ― 2005年11月28日 00時27分59秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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これはもう数ヵ月前の古い記事ではあるんですが、日経コンピュータの2005
年10月17日号、特集3は、「マイクロソフトを襲う大企業病」でした。
http://bpstore.nikkeibp.co.jp/mokuji/nc637.html
日経コンピュータの2005年10月17日号の目次
副題は「夢の職場から「歩み去る人々」は何が不満なのか」というものでし
たが、早い話、MSは大企業病。技術者にとっては面白いことがなにもない。他
の社員にとっても、かつてのようにストックオプションで大金持ちという夢も
もうない。でも、幹部だけは巨額のサラリーをとっていると。それで、社とし
て士気が落ちているわけですね。
Windows Vista(かつてのLonghorn)は、NTを出すときみたいなデスマーチ(死
の行進)になってるみたいだしね。Vistaは2006年中に出ないんじゃないか。出
すなら、どんどん約束した機能を削って出すしかないね。みかけをめくらまし
で変えるだけになったりしてね。
NTを出すときも、その前は、Cairoというコードネームの野心的な構想があ
って、Cairoが開発が順調に行けばNTになるはずだったけど、頓挫して、削り
まくってNTにして出したもんね。古川さんなんか、Cairoの一部はNTに入って
いるなんていってたけど、苦しい言い訳でしかなかった。
で、最初のNTはどうしようもないんだけど、宣伝とMSとグルになったパソコ
ン雑誌に日本人はバカだからコロりだまされて、世界中で一番異常に売れたん
だよね。NT系列がまともになってきたのはWindows 2000からだもんね。
Vistaも同じ運命じゃないか。
いま、優秀な人材はどこに行っているかといえば、Googleです。
MSからも大量に人がGoogleに移っていると。
それでMSがGoogleに対して訴訟を起こしてますよね。そんな話もいろいろ出
てます。詳しく知りたい人は、日経コンピュータ、読んでください。
IBMやSunと違って、MSやDellはビジネスはやってもサイエンスはやらない会
社。IBMからノーベル賞の受賞者は出ても、MSからはあり得ない。チューリン
グ賞(コンピュータ界のノーベル賞)もあり得ない。京都賞だってあり得ない。
昔、もうMSを辞めた古川さんに、「MSは世界一のソフト会社になるというけ
ど、サイエンスへの貢献ゼロだね」といったら、「ビル(ゲイツ)もそれ気にし
てて、研究所を作るといってる。MITの学生もやっと来てくれるくらいになっ
てきた」などといってて、それで作ったのが、Microsft Researchだけど、ぱ
っとした成果ないよね。あります?
前、記事になったMicrosoft Researchの研究発表なんて、TRONの坂村健が20
年前にやったようなこと、ショウでみせるくらいだもんね。未来はどこにもな
い。
Appleもかつては未来があったし、コンピュータサイエンス的にも面白かっ
たけど、Macが売れて安心したのか、90年代、社内の権力争いばかりやってる
うちに凋落してWindowsにやられましたね。
Googleが実験的にやってるサービス(Google Earthとかも)未来への期待を抱
かせるし、非常にサイエンスに前向き。NASAとも共同でプロジェクトやったり、
ほぉ、あの人がと思うコンピュータサイエンスの研究者や名前だけは知ってい
るLisperというかかつてのAIの研究者もいる。
前もちょろっと書いたけど、いま、検索といっても、やりたいことは、単に
字面の検索じゃなくて、知識の検索なんですよね。すると、かつて1980年代に
流行ったAI+Lispブームで培った技法って温故知新で役に立ちそうなんです。
それで、ぼくも遅ればせながら少し勉強しています。
Ruby on Railでウェブアプリがすぐできるといって感心している人には、ぴ
んと来ないと思うけど、ぼくにとっては、そこはもういいんです。どうせ、簡
単にできるのはわかってるんだし、みんな簡単にできるようになると競争力に
ならないわけだから。
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これはもう数ヵ月前の古い記事ではあるんですが、日経コンピュータの2005
年10月17日号、特集3は、「マイクロソフトを襲う大企業病」でした。
http://bpstore.nikkeibp.co.jp/mokuji/nc637.html
日経コンピュータの2005年10月17日号の目次
副題は「夢の職場から「歩み去る人々」は何が不満なのか」というものでし
たが、早い話、MSは大企業病。技術者にとっては面白いことがなにもない。他
の社員にとっても、かつてのようにストックオプションで大金持ちという夢も
もうない。でも、幹部だけは巨額のサラリーをとっていると。それで、社とし
て士気が落ちているわけですね。
Windows Vista(かつてのLonghorn)は、NTを出すときみたいなデスマーチ(死
の行進)になってるみたいだしね。Vistaは2006年中に出ないんじゃないか。出
すなら、どんどん約束した機能を削って出すしかないね。みかけをめくらまし
で変えるだけになったりしてね。
NTを出すときも、その前は、Cairoというコードネームの野心的な構想があ
って、Cairoが開発が順調に行けばNTになるはずだったけど、頓挫して、削り
まくってNTにして出したもんね。古川さんなんか、Cairoの一部はNTに入って
いるなんていってたけど、苦しい言い訳でしかなかった。
で、最初のNTはどうしようもないんだけど、宣伝とMSとグルになったパソコ
ン雑誌に日本人はバカだからコロりだまされて、世界中で一番異常に売れたん
だよね。NT系列がまともになってきたのはWindows 2000からだもんね。
Vistaも同じ運命じゃないか。
いま、優秀な人材はどこに行っているかといえば、Googleです。
MSからも大量に人がGoogleに移っていると。
それでMSがGoogleに対して訴訟を起こしてますよね。そんな話もいろいろ出
てます。詳しく知りたい人は、日経コンピュータ、読んでください。
IBMやSunと違って、MSやDellはビジネスはやってもサイエンスはやらない会
社。IBMからノーベル賞の受賞者は出ても、MSからはあり得ない。チューリン
グ賞(コンピュータ界のノーベル賞)もあり得ない。京都賞だってあり得ない。
昔、もうMSを辞めた古川さんに、「MSは世界一のソフト会社になるというけ
ど、サイエンスへの貢献ゼロだね」といったら、「ビル(ゲイツ)もそれ気にし
てて、研究所を作るといってる。MITの学生もやっと来てくれるくらいになっ
てきた」などといってて、それで作ったのが、Microsft Researchだけど、ぱ
っとした成果ないよね。あります?
前、記事になったMicrosoft Researchの研究発表なんて、TRONの坂村健が20
年前にやったようなこと、ショウでみせるくらいだもんね。未来はどこにもな
い。
Appleもかつては未来があったし、コンピュータサイエンス的にも面白かっ
たけど、Macが売れて安心したのか、90年代、社内の権力争いばかりやってる
うちに凋落してWindowsにやられましたね。
Googleが実験的にやってるサービス(Google Earthとかも)未来への期待を抱
かせるし、非常にサイエンスに前向き。NASAとも共同でプロジェクトやったり、
ほぉ、あの人がと思うコンピュータサイエンスの研究者や名前だけは知ってい
るLisperというかかつてのAIの研究者もいる。
前もちょろっと書いたけど、いま、検索といっても、やりたいことは、単に
字面の検索じゃなくて、知識の検索なんですよね。すると、かつて1980年代に
流行ったAI+Lispブームで培った技法って温故知新で役に立ちそうなんです。
それで、ぼくも遅ればせながら少し勉強しています。
Ruby on Railでウェブアプリがすぐできるといって感心している人には、ぴ
んと来ないと思うけど、ぼくにとっては、そこはもういいんです。どうせ、簡
単にできるのはわかってるんだし、みんな簡単にできるようになると競争力に
ならないわけだから。
コメント
_ さむ ― 2005年12月08日 06時24分25秒
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