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吉田武著「はじめまして物理」東海大学出版部。本物、本筋を子供たち、若い人に伝えたい、学んでほしいという吉田武の情熱、執念が、またまたやってくれました!\(^O^)/2017年04月01日 11時33分51秒

ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
---
 東海大学出版部の田志口克己さま、いつも、献本ありがとうございます。
 ぐずぐずしているうちに、公私ともにあれこれあって、年度末でどたばたしたりで、すでに2ヵ月近く経ってしまって、誠に申し訳ございません。

 その本は、これ。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4486020618/showshotcorne-22/
はじめまして物理 単行本 – 2017/2/9
吉田 武 (著)

 すでに紹介している
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448602060X/showshotcorne-22/
はじめまして数学 リメイク 単行本 2014/12/18
吉田 武 (著)
に続き、「はじめまして」シリーズ第2弾です。

 この本は、600ページくらいあって、「はじめまして数学リメイク」と同じく、大きめのお弁当のような大きさです。
 その分厚さでビビって紹介が困難になるとまずいと考えたのでしょう。サンプルブックというものも、一緒に送られてきていました。おそらく書店にも並べてあって、手にとって見ることができるようになっていると思います。
 これは、本書の3部仕立ての第1部、第2部、第3部から少しずつ抜粋した30ページほどの小冊子ですが、これだけでも、本書が「こりゃ、すごいわ」と言えるレベルであることがわかります。
 「はじめまして数学リメイク」同様、小学生でも読めるように総ルビであること。体験、体感することで体で覚えることができるように、角の等分器や重量の音を聴く実験装置を作っていることがわかります。「はじめまして物理」本体では、もっとたくさんいろいろ作っているんだろうなと想像できますが、実際に、そうです。

 本を書いたことがある人は、手に取っただけでわかるでしょうが、吉田さんのこれまでの著作は、その執筆に注ぐエネルギーの巨大さ、情熱、苦労を思って、呆然としますが、本書もまたしても、すごいんです。
 そして、東海大学出版部も、ほんとよく付き合って出してくれています。ありがたいことです。

 サンプルブックにも「前書」の一部が載っていて、最初は効率的に学ぶより、しっかり自分で考えて体験して、一歩一歩基礎を学ぶことの重要さが強調されています。
 ゲーム攻略本をみてゴールに素早く辿り着いても、それが何の意味があるのかということです。受験勉強は、結局、そういう勉強法ですが、合格の方便としてやるのは仕方がないとしても、そんな勉強ばかりやっていると、本当の力が身につかず、あとで伸びないし、苦労するわけです。

 ぼくの場合、かつて小中学校、高校や大学で習ったこと、いわば、文部省的、文部科学省的に体系化されて学んできたものを、何十年も経った今、その多くを忘れてしまっています。
 そんなぼくが吉田武さんの本を読むと、吉田さんが導いてくれる世界によって、断片化してバラバラになっていた知識、理解が、あちこちで沸騰してつながり始めるんです。
 いつもそうなるんですが、ちょっとページをめくっただけで、ああ、そうか、ああ、あれも思い出した、なるほど、これとあれが関連していたんだ、なるほど、そう理解すればすっきりするのかといったことが多く、感想を書こうと思っても、頭の中があちこち発散して、まとまらないんです。
 しかし、このすごい本を紹介しないわけにはいかないし、けっこう気にかかっていて悶々とした2ヵ月でしたが、もう断片的で適当でいいから、とりあえず、何か書くことにしました。

 東海大学出版、アマゾン、紀伊國屋、hontoを調べましたが、商品説明と目次は、hontoが一番詳しいので、そこから引用。
https://honto.jp/netstore/pd-contents_0628276543.html
--- ここから ---
商品説明

全ての科学は物理に通ず−。数学と物理学の関係から、物理学の基礎としての力学、力の持つ性質と働きまでを、法則や定理、公式を暗記するのではなく、身近な具体例を通してわかりやすく解説する。【「TRC MARC」の商品解説】

総ルビによる小学生のための物理入門、大人のための再入門の書。初等幾何学から始め、重力加速度の測定から天体の軌道計算、ロボット工学の最新の成果まで独自の装置を用いて解説。物理の基本である力について多角的に論じた。【商品解説】
--- ここまで ---

 簡単な目次は、以下。

はじめまして物理
本文読了後に読むとよく分かる前書

第一部:図形の科学

第二部:重力の理論

第三部:力の理論と応用

先に読みたかった後書
引用に関する謝辞
索引

 なぜ、簡単な目次を出したかというと、詳しい目次はとっても長いんです。
 詳しい目次があるのは、hontoだけでした。しかし、あまりに長いので、本稿の一番最後に置くことにしました。
 その詳しい目次を見るだけで、小中学生でも、高校レベルやその先の物理がわかるように、少なくとも理解するための基礎固めができるように、吉田さんが、どれほどきめ細かく書いているか想像できるでしょう。さらには、理系の研究者や技術者が育ってほしいと思って、本書を書いているかも想像できるでしょう。

 小学生でも読めるように、総ルビだし、道具や実験装置をいくつも作って、実際にやってみると、どういうことが起きるか、実験してみせて、記録して、それを分析、解説しています。
 しかも、読者が自分で手を動かして、体で理解できるように、読者が自分で作れるレベルの道具や実験装置も作っています。道具、実験装置作りは、親が手伝って一緒に作ったりするのもありだし、小中学校の先生、高校の物理の先生が作って、実演してみせるのも大いにありだと思います。

■初等幾何学の重要性
 本書の第1部は、「図形の科学」といって、初等頭幾何学をやります。第3部の最後に初等幾何学の復権を訴えた小平邦彦先生の話も出てきます。
 小平先生は、数学界のノーベル賞ともいわれるフィールズ賞の受賞者です。
 小平先生が、晩年初等幾何学の復権を訴えていたことは、ぼくも以前紹介しています。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006000073/showshotcorne-22/
幾何への誘い (岩波現代文庫―学術) (文庫)
小平 邦彦 (著)

 「幾何への誘い」について、詳しい感想は、7年前に書いた関連をどうぞ。

関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/02/15/4880032
数学の広場、手を動かす幾何学、小平邦彦「幾何への誘い」

■物理学と幾何学
 物理学にとって幾何学は、非常に重要なんだと、ぼくが知ったのは高校時代かな。
 アインシュタインの一般相対性理論が、「時空の幾何学」だと言われていると知ったときです。
 はあ? 当時は、「時空の幾何学」???? 以下、?が無限個続くの状態。
 今は無き、福岡県立門司高校の地学部天文班(かつソフトボール班かつピンポン玉野球班)だったぼくは、ブラックホールというものすごい天体が府中にはある、もとい、宇宙にはあるというのを知ってびっくりしました。今から40年前の1970年代半ばだから、当時は、はくちょう座X-1がブラックホール候補天体と言われていたと思います。ほかには、ブラックホールはまだ見つかってないなかったと思います。

 特殊相対性理論は、観ている人によっては、時間が遅れたり、物の長さが縮んだりなど、ほんとにそんなことが起きるのかと不思議でしたが、ローレンツ変換の数式は、四則演算と平方根だけだったから、高校生のぼくでも数学的には理解可能でした。
 しかし、一般相対性理論は、数学が訳がわからんのは当然としても、質量があると時空が曲がるとか、光は自分がまっすぐ進んでいるつもりでも、時空が曲がっていると、第三者から見ると光の進路が曲がって見えるとか、「なんじゃ、それは」の世界。
 とにかく、アインシュタインの世界、もっというと物理学は、幾何学ととても関係しているんだなあと、ぼんやり思うくらいでした。
 このあたりの知識は、この前、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2017/03/01/8381048
講談社ブルーバックス「通巻2000番突破&電子配信500点突破記念」で、電子書籍3割引は、明日2017/03/02(木)まで。ポイントも増額されているものがあるよ。
で紹介した、都筑さんのブルーバックスからの知識だったと思います。

■対称性
 三角形と対称性の話も出てきます。
 物理学にとって、対称性が非常に重要なことであることは、超対称性理論の名前から、なんとなく想像していましたが、はっきり、そんなに重要なんだと知ったのは、ノーベル物理学賞のレーダーマンによる本、
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901445/showshotcorne-22/
対称性―レーダーマンが語る量子から宇宙まで 単行本 – 2008/4
レオン・M. レーダーマン (著), クリストファー・T. ヒル (著), Leon M. Lederman (原著), Christopher T. Hill (原著), 小林 茂樹 (翻訳)
を読んだとき、
 恥ずかしながら、この本で、初めて、エミー・ネーターの「ネーターの定理」を知りました。
 物理学と数学の間に、いやさ、我々が住むこの宇宙と数学の間に、そんな深い関係があるんだと思って、感動しました。
 エミー・ネーターは、優れた女性数学者で、数学の巨人ヒルベルトやアインシュタインも賞賛していたそうですが、「女が数学なんて。ましてや、女が大学の数学教授なんて」という時代で、ヒルベルトもずいぶん尽力したけれど、彼女は大学の数学の教授になることはできなかったそうです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/エミー・ネーター

 女性と数学については、放送大学の「数学の歴史」の講義で、面白い話が出ていましたが、股の機械に。
 こんなふうに、あっちこっち飛んじゃって、まとまらないのよ。吉田さんの本を読むと。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4595314434/showshotcorne-22/
数学の歴史 (放送大学教材) [単行本]
三浦 伸夫 (著)

関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2013/12/25/7153147
放送大学、面白すぎて、寝る時間がありません。\(^O^)/

 対称性と物理学の歴史、最先端の素粒子物理学、標準模型(標準モデル)、量子力学、相対性理論、宇宙論、超対称性標準模型(超対称性標準モデル)、超弦理論(超ひも理論)などなど、これらの理論と実験の両方が、わかりやすく読めて、値段もお手頃なのは、次。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406257960X/showshotcorne-22/
超対称性理論とは何か 宇宙をつかさどる究極の対称性 (ブルーバックス) 新書 – 2016/3/18
小林 富雄 (著)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01D06QJGY/showshotcorne-22/
超対称性理論とは何か 宇宙をつかさどる究極の対称性 (ブルーバックス) Kindle版
小林富雄 (著)

■折り紙工学
 折り紙の話も出てきます。本稿を書けなくてぐずぐずしていたら、折り紙工学のバイブルのお買い上げがあったり、サイエンスZEROでもアンコール放送があったりと、情報省がプレッシャーをかけてきました。\(^O^)/
 詳しくは、関連を読んでください。

関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2017/03/30/8425781
折り紙工学のバイブル、Origami Design SecretsのKindle版, サイエンスZEROのアンコール放送でわかる情報省支配

■双対性
 「はじめまして物理」には、双対性の話も出てくる。すごいでしょ。
 双対性といえば思い出した。こんな風に話が発散するから、まとまらないし、なかなか書けないんだよね。でも、思い出したので書く。
 これを言うと、みんな笑うが、イスラム原理主義の過激派集団、イスラム国(IS)と海底火山が噴火して突如出現した西之島の間には、双対性がある。\(^O^)/
 なぜなら、ぼくの記憶では、西之島が活発な活動をしていてどんどん大きくなっていたときは、イスラム国もどんどん精力を拡大していました。イスラム国の勢いに、かげりが見え始めると、西之島の活動も沈静化しました。
 どう考えても、双対性がある。\(^O^)/
 このことは、もっと深い意味があるので、それを書くのは、股の機械に。

https://ja.wikipedia.org/wiki/西之島

■重力質量と慣性質量
 重力質量と慣性質量の話も出てきます。
 これ、どうして、同じなんだろうと、昔から不思議なんですよね。
 ひょっとして理由が書いてあるのかと思いましたが、書いてなかった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/質量
の「二つの質量」の「等価原理」には、
--- ここから ---
「なぜ慣性質量と重力質量が同じ値をとるのかという理由は、現在でも判っていない」
--- ここまで ---
とありますね。

 やっぱり、わからんのか。
 では、ここで、マスコミ大衆の期待に応える捏造メディア「珍相報道茶番記者」が、情報省のトップ、中村正三郎にインタビュー。
「地球人じゃ無理でも、あなたの故郷、おとめ座銀河団の超科学では、解明されてるんじゃないですか?」
「それがね。おれ、おとめ座銀河団の小学校で、ブラックホール工学の単位を落とすくらい、重力がわかっとらんのよ。ひょっとしたら、解明されているかもしれんけど、おれには説明できん」
「使えん奴やのx」

 とまあ、こんな具合に、吉田さんの本を読んでいると、いろいろひらめいて、あちこち飛んじゃって、いくらでも出てくるので、まとまらないんですよ。ここに挙げた以外でも、読んでいて、ひらいめいたけどメモを取ってないものなどは、いくつもあって、もう思い出せない。もう一度読めば思い出すかもしれないが。
 こんなにインスパイアされるというのは、やはり、吉田さんの本が、本質的なところをぐいぐい進んで行くからだと思うんです。

 ということで、この辺で。
 以下、吉田武の関連書。

 日本中を熱狂と感動の渦に巻き込んだ小惑星探査機「はやぶさ」について書かれた、吉田武の著作の中では、一番、簡単に読める一般向けの本。
 これ、ほんと、泣いたわ、
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344980158/showshotcorne-22/
吉田武著「はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語」(幻冬舎新書)

 「はじめして」シリーズ、第1弾
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448602060X/showshotcorne-22/
はじめまして数学 リメイク 単行本 2014/12/18
吉田 武 (著)

 そして、今回の第2弾。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4486020618/showshotcorne-22/
はじめまして物理 単行本 – 2017/2/9
吉田 武 (著)

 LISPネタで、個人的にインパクトが大きかったのが、これ。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4486019245/showshotcorne-22/
素数夜曲: 女王陛下のLISP [単行本]
吉田 武 (著)

 一番インパクトがすごかったのが、これ。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4486014855/showshotcorne-22/
虚数の情緒―中学生からの全方位独学法 [単行本]
吉田 武 (著)

 同じくらいすごかったのが、これ。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448601863X/showshotcorne-22/
オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ (単行本)
吉田 武 (著)

 これらの詳しい感想などは、関連を読んでください。
 その後に、お待ちかね。「はじめまして物理」の詳しい目次があります。

関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/06/22/7677922
What Modern Mathematics Means to You, はじめまして数学、基礎からわかる数学入門、掟破りの数学、その数式、プログラムできますか?
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/04/19/7614904
またもやってくれたぞ、吉田武「はじめまして数学 リメイク」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/01/19/7541960
はじめまして数学、基礎からわかる数学入門、暗号事典、直感を裏切る数学、群論の味わいほか、数学本あれこれ
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/06/20/6486231
吉田武「素数夜曲: 女王陛下のLISP」は、整数論とScheme入門として最高\(^O^)/ 「虚数の情緒」の感想も
http://iiyu.asablo.jp/blog/2012/06/21/6487216
Re: 吉田武「素数夜曲: 女王陛下のLISP」は、整数論とScheme入門として最高\(^O^)/ 「虚数の情緒」の感想も
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/06/09/5903336
東海大学出版会、「オイラーの贈物」の吉田武さんが復興支援キャンペーン
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/03/21/4961570
吉田武著「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/03/26/4972555
吉田武「はじめまして数学」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/07/15/5954150
数とは何か、数学をいかに使うか、パワーズ オブ テン、虚数の情緒
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/22/1042009
吉田武「はやぶさ 不死身の探査機と宇宙研の物語」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/19/1123371
吉田武著「はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語」その2
http://iiyu.asablo.jp/blog/2010/02/15/4880032
数学の広場、手を動かす幾何学、小平邦彦「幾何への誘い」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/06/02/5893179
リーバー夫妻「数学は世界を変える あなたにとっての現代数学」ほか

■「はじめまして物理」の詳しい目次
https://honto.jp/netstore/pd-contents_0628276543.html
--- ここから ---
本文読了後に読むとよく分かる前書
第一部:図形の科学

1章 「矛盾」からはじめよう
 格言の相補性
 理想と現実
 数学と物理学を同時に学ぶ

2章 物理学の本質
 物理学者の立場
 数学者の立場
 自己の表現と自然の理解
 物理学と実験

3章 定木と定規
 ユークリッド幾何学
 図形の科学を目指して
 楽に大きく大量に書くために

4章 長さを測ろう
 定義された数と誤差
 測定値と不確かさ
 定規を使おう
 ノギスを使おう

5章 折紙から導く
 紙のサイズと精度
 積の理由
 同じ形と似た形
 正方形の面積の和

6章 合同と相似Ⅰ:円の場合
 円の定義
 文字と記号の選び方
 円は似たもの同じもの

7章 円周率Ⅰ:パイプと定規
 円周を測る
 分数では表せない数
 変数と定数

8章 次元Ⅰ:物理における意味
 長さの次元
 面積・体積の次元
 足せる量・足せない量

9章 次元Ⅱ:数学における意味
 複数の要素をまとめる
 数学における空間
 物理における空間
 ベクトルの分解と座標系

10章 円周率Ⅱ:注射器とノギス
 体積から面積を求める
 工学では直径を使う
 古代の技術

11章 度数法と弧度法
 暦法と角度
 単位円と角度
 単位円の落とし穴
 度・分・秒

12章 星空の二等辺三角形
 折紙と二等辺三角形
 鏡と二等辺三角形
 天文学と二等辺三角形

13章 円と三角形の関係
 正三角形の対称性
 正三角形と円周角
 急がば回れ
 方位磁石とサイクリング
 外角の和・内角の和
 中心角と円周角

14章 合同と相似Ⅱ:三角形の場合
 同じ形・同じ大きさ
 本質と別表現
 ピタゴラスよりも古い式
 テアイテトスの三角形
 自在三角形

15章 作図から計算へ
 輝く数・黄金数
 黄金比から正五角形へ
 旗を描こう
 アナログ計算機を使おう
 幾何学で無理数計算

16章 数と幾何学
 自由に考える
 自然数の和を求める
 自然数の二乗の和を求める
 正三角形をひねって重ねる

17章 三角形の心
 前口上
 その1:外心
 その2:垂心
 その3:内心
 その4:傍心
 その5:図心
 五心の求め方

18章 正多角形と微分・積分
 正多角形を連続的に描く
 接線から円に迫る
 弦から円に迫る
 輪ゴムの長さ

19章 円周率Ⅲ:方眼紙と正方形
 相似の効用
 大きな円の効用

20章 分数Ⅰ:二階建ての数
 分数の仕組
 比と分数
 約分と情報

21章 分数Ⅱ:式変形とグラフ
 舞台を作る
 線の傾きと分数
 比例と逆比例
 変化と不変
 分数とグラフ
 式変形の基礎

22章 三角関数Ⅰ:影を追い影を測る
 回転する半径が作る影
 円と三角形
 三角関数

23章 三角関数Ⅱ:近似とグラフ
 相互の関係
 近似の関係
 グラフを描こう
 接線の傾きと微分
 波の性質

24章 地平線の近似計算
 ムサシを探せ
 地平線までの距離を求める
 Bring me the horizon

25章 図形の数学
 記述の作法
 内心の存在
 面積と辺の分割
 内心・傍心と相似比
 ヘロンの式

第二部:重力の理論

26章 「言葉」からはじめよう
 力学の名が付いた分野
 ドーナツの穴を知る

27章 四つの相互作用
 重さは力
 原子の世界
 「相互」の意味

28章 比較する言葉
 身近な重力相互作用
 相反する言葉

29章 力と長さ
 重さを生み出すもの
 重力質量と力の関係
 力を長さで測る

30章 重力相互作用の性質
 対称性と力の性質
 相似と力の性質
 万有引力の法則

31章 地球をはかる
 小文字の定数g
 力に関わる二つの要素
 地球を知るために

32章 時間と時刻
 時間・時刻,そして再び時間
 時を表す記号について

33章 平均の速度
 位置の変化
 様々な表現

34章 瞬間の速度
 凝った割り算
 接線の傾き
 速度と速さ
 速度を“定める”

35章 加速度と力
 速度の変化を捉える
 慣性系
 物質の慣性

36章 重力質量と慣性質量
 等速度運動と慣性
 慣性力を感じる実験
 落下実験を“考える”
 質量の原理

37章 重力の“音”を聴く
 実験方法の概略
 案験装置の作り方

38章 実験とデータ処理
 音に関する注意事項
 実験開始
 録音データの複写と処理
 表計算によるデータ処理

39章 速度の測定・速度の計算
 設定・測定・計算,そして不明
 運動から微分へ
 位置と速度・加速度の関係

40章 式を操り数値を求める
 定義された重力加速度
 暗算で求める
 式はすべてを知っている

41章 時間の平行移動
 記号を操る
 基準の移動
 結果の確認

42章 位置の平行移動
 ベクトルの数学・ベクトルの物理
 影絵の手法
 力学と幾何学の関係

43章 自由落下の宴
 実験の意味
 実験装置の概略

44章 落下の藝術
 横から縦へ
 儚さを愛でる

45章 落ちるエレベータ
 物は落ちない
 密室の悲劇
 一般相対性理論
 曲がった空間における“自由”の意味
 潮汐力

46章 保存量を探す
 変化と不変
 自由落下の保存量
 エネルギーを定義する
 質量とエネルギーの関係

47章 エネルギーと「仕事」
 便利なエネルギー
 「仕事」の定義
 関取の「仕事」
 機長の仕事

48章 重心と運動量
 打上げの思い出
 運動量の定義
 質点の重心

49章 多質点の重心
 運動から重心へ
 平均値としての重心
 ベクトルとしての重心
 再び打上げ基地へ

50章 ゆりかごと乳母車
 ニュートンのゆりかご
 ニュートンの乳母車
 物理シミュレータ
 第三部:力の理解と応用

51章 「原子」からはじめよう
 物理学者の考え方
 アナロジーを用いる
 問題の発見
 双対性と相補性
 具体的・抽象的
 志を立てる・式を立てる

52章 原子の仕組
 電磁相互作用
 電子は回らない
 強い相互作用
 電荷の保存
 物質の性質
 モデルの変遷

53章 原子の働き
 境界を探る
 摩擦の本質
 自然はシンプルとは限らない
 熱と運動

54章 静中の動・動中の静
 静止状態と力の均衡
 重量を体感する
 重心と“不倒”の条件
 重心とトルク
 数学的事実と物理的現実

55章 振子の周期
 次元解析の威力
 数学と物理を結ぶ等式
 調和振動子の運動
 振子の運動

56章 地震:宿命を手懐ける
 慣性を体感する
 振子の感受性
 マグニチュードの意味
 Nippon2061

57章 様々な振子
 フーコーの振子
 角速度の振舞い
 角速度を操る:差動ギアの仕組
 ねじれ振子
 X字振子

58章 調和振動子のエネルギー
 解の線型性
 バネがする「仕事」

59章 二次元の調和振動子
 一次元から二次元へ
 楕円の性質
 Y字振子

60章 三角形の重心
 三質点の重心
 三角板の重心
 三角枠の重心
 剛性のバランス
 身体の重心・文字の図心

61章 剛性を知る
 力と負号の問題
 成立範囲と応用範囲
 力と位置の双対性
 ベクトルの双対性

62章 剛性を与える
 直列・並列
 ロボット・アームの剛性
 剛性の異方性

63章 剛性を整える
 二関節筋のモデル
 無任所の存在
 腕の長さゼロのアーム
 剛性の自動調節機構

64章 力を創る
 硬い機械
 柔らかい機械
 双方向性・同時性
 位置は位置にして位置にあらず

65章 力を送る
 力の編集
 実世界ハプティクス
 科学・技術と魔法

66章 数値解析Ⅰ:調和振動子の場合
 数値解析の威力
 計算技法の改善
 二次元の問題

67章 二種類の掛け算
 三平方の定理の拡張
 三角形の面積
 面積速度と角運動量
 静の安定・動の安定

68章 数値解析Ⅱ:逆二乗力の場合
 力の分解と計算手法
 結果の検討

69章 バネの自由落下
 重心位置を実測から求める
 重心位置を計算から求める
 自由落下と重心の動き
 仮説をグラフにする
 平面上のバネの運動

70章 科学者になろう
 名を避ける
 名を集める
 物語の縦糸・横糸
 扱った内容
 科学者の喜び

先に読みたかった後書
引用に関する謝辞
索引
--- ここまで ---