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柏原正三著「プログラミング言語Erlang入門」その22007年12月03日 23時52分17秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/30/2465520
柏原正三著「プログラミング言語Erlang入門」
で書名だけ出した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756150705/showshotcorne-22/
柏原正三著「プログラミング言語Erlang入門」
を買ってきました。
 これはよい。お薦め。
 200ページ足らずで、1時間程度で読めましたが、感心した。Erlangのポイ
ントを的確に解説してある。日本語で読める唯一のErlang本である以上に、こ
れは現在日本語で読めるベストのErlang本。
 プログラミング例も丁寧に説明してあるし、最後の並列プログラミングのと
ころは、本の説明以上に、複数のマシンで実際に動かすと、ちょっと感激する
かもね。
 すぐ試したい人は、
http://www.erlang.org/
に行って、ダウンロードしてください。

 本書で感覚をつかんだら、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/193435600X/showshotcorne-22/
Joe Armstrong著「Programming Erlang: Software for a Concurrent World」

に進むといいでしょうね。
 ちなみに、「Programming Erlang」はどこかが翻訳やってるらしいです。い
つ出るか知らないけれど。

 それにしても、ヨーロピアンテイストの趣味のよさよ。前回の繰り返しにな
るが、Erlangもそうだし、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798113468/showshotcorne-22/
セイフ・ハリディ, ピーター・ヴァン・ロイ, 羽永洋訳「コンピュータプログ
ラミングの概念・技法・モデル」
のOzもそうだし、Prolog的ユニフィケーションのパターンマッチやらが、自然
だもんね、
 手続き型言語の世界では、Cを高水準アセンブラとみなせますが、Ozや
Erlangなどの世界から見ると、Lispは関数型言語の高水準アセンブラですね。
\(^O^)/

http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/06/01/389616#c693756
にある「かすた」さんの
--- ここから ---
> スレッドやネットはライブラリレベルで言語レベルではない
ほとんどの言語はあえてライブラリとして提供されています。
なぜか?
利用者が容易に変更可能な形で提供するためです。
例えばRubyで分散処理するための、dRubyというライブラリがあります。利用
者が自分なりに変更するには、dRubyライブラリをRubyを使っていじればそれ
で終わりです(もちろん差分プログラミングで)。もし言語レベルで提供され
ていたらどうでしょう?Ruby本体をいじらなければなりません。面倒なCプロ
グラムです。

ほとんどの言語がCで実装されていることを考えれば、ライブラリで提供する
のが適していると思います。
--- ここまで ---
には前からコメントしようと思っていたのを思い出したのでついでに。
 結局、ライブラリってだめなんです。言語そのものにならないと真には使い
やすくはならない。
 OzやErlangのスレッドや分散の自然さは、言語がサポートしているからです。
 Ruby本体をいじくらないといけないなんて、そんなの大した話じゃないんで
す。プロレベルだと。それで苦労してもあとがみんなが書きやすく見通しがよ
くなるならやるべきことと認識されていることです。
 ぼくはいいアイデアは、言語が直接サポートすべきという考え。いいアイデ
アで枯れたアイデアならハードウェアでもサポートすべしという考え。結局、
そういうレベルになると、ソフトはハードに勝てないんです。
 だから、汎用チップに比べ、市場規模、経済性が劣って廃れましたが、昔、
盛んに研究されてSmalltalkマシンやLispマシンもあった、いわゆる高水準言
語マシンは、チャンスがあったらまたやるべきだと思っている派なんです。

 蛇足ながら、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/30/2465520
柏原正三著「プログラミング言語Erlang入門」
で、書名を出した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0976694018/showshotcorne-22/
Chad Fowler著「My Job Went to India: And All I Got Was This Lousy Book
(Pragmatic Programmers)」
については、dogatanaさんから、jouwa/salonでコメントがついていました。
--- ここから ---
これもオーム社から訳本が出てますね。

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイ

(単行本(ソフトカバー))
Chad Fowler (著), でびあんぐる (翻訳)

ご参考まで。
--- ここまで ---

 ちなみに、「ちなみに」さんからも、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/29/2464148#c2467015
にコメントがついていました。
 お二人、ありがとうございました。
 オーム社、がんばってくれてるなあ。

 つばめどんから、jouwa/salonでコメント。
--- ここから ---
標題: Re: 柏原正三著「プログラミング言語Erlang入門」
---
この「アスキー」は、あの「アスキー」なの?
分社化されたり社名変更したりで、なにがなんだかもう
よくわからない。取締役に遠藤諭さんがいるから、たま
たま同じ名前の別会社ではなさそうだけど。

プログラマ35歳定年制という言葉が産まれたのはずっと
昔のことだけれども、いざその年齢を超えてみると、
一理あるかなあとも思う。いまから新しい言語を覚える
なんてのはもう無理だ。ひとりでシステムを作る時代で
もないし。

いまもアスキーって岩波書店と一緒で書店が買い取りし
なくちゃいけないのかな?委託じゃなしに。

--
つばめどん
--- ここまで ---

 あのまま変わってなければ、岩波と一緒で買取でしょうね。強気だけど、委
託ってほんとはよくないと、おれは思う。
 本を買い取らずに、タダで本を仕入れて店先に置いて、売れた分だけ金を払
うのが委託の基本だけど、書店側にリスクがなさ過ぎる。本気で売れる本、い
い本を目利きして売ってやろうという危機感やインセンティブがないもん。だ
から、町の小さな本屋がじいちゃん、ばあちゃん本屋で、ぼーっと本を並べて
あるだけという状態が続いて、コンビニにやられて衰退した原因になったと思
う。

>いまから新しい言語を覚えるなんてのはもう無理だ。

 覚えるというのが、実地で使えるという意味なら、それは年齢に関係なく、
仕事でプログラムを現役で書いてないと、まず無理。おれも、ほとんどの言語
はテイストを味わうだけで、仕事では使ってないよ。だからあんまり覚えてな
いし。でも、それで別にいいの。
 どの言語もそれぞれに計算モデルがあって設計思想があって、それがわかる
だけで実際に使えなくても、考え方、ものの見方がすごく広がるのよ。それが
楽しい。
 そうそう。Java, C++以外で仕事でRubyをたまーに使うんだけど、この前、
半年ぶりくらいでRubyを書いたら、いつまで経ってもエラーになって、1時間
くらい悩んだ。
 Rubyは、elseif じゃなくて、elsif なのね。そこでエラーの原因だとわか
るまで1時間くらいかかったよ。\(^O^)/
 elifだとか、言語でいろいろだからね。ま、おれの新言語習得レベルはそん
なもんですよ。
 でも、そこが通ったら、ほぼ一発で動いたから、自分で偉いなあと思った。
たしか、デジタル署名をはがしてまた別の署名で全体を署名しなおすようなこ
とを何十個か何百個ものファイルに対してするプログラムだったと思う。

>ひとりでシステムを作る時代でもないし。

 いや、だからこそ、逆に時代に合った、新しい時代の言語が必要なんです。

府中市立中央図書館、リニューアルオープン2007年12月04日 09時53分56秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 2007/12/01(土)に府中市の中央図書館が移転してリニューアルオープンしま
した。行ってきたけど、とってもきれいで感じがいい。障碍者のための部屋も
あるんだよね。

http://library.city.fuchu.tokyo.jp/about/chuo.html
中央図書館施設紹介

 館長は女性館長。
 キャスリン・ジェインウェイ艦長か。
 それは「スタートレック・ヴォイジャー」。新中央図書館の館長は、栢木
(かやぎ)あさ子さん。12/1の14時のオープンのときには、にこやかにみなさん
もお迎えされてました。
 そうそう、この前、駅前で配っていた「START!」という無料情報誌に、イン
タビューが出てました。ほかにバレーボールのNECブルーロケッツの鈴木健太
選手のインタビューもあったけどね。
 新中央図書館の書庫は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/10/14/560972
で書いた九大理系図書館もそうだったけど、やはり、自動書庫。
 自動書庫で効率化できるようになったからなのか。借りていい本の冊数が増
えましたね。以前は5冊だったと思うけど、10冊になってた。
 それから、夜10時まで開いているのが、うれしい。
 喫茶店も入ってて、いい感じ。食事もできるけど、とりあえず、コーヒー飲
んできた。
 それと、貸し出しや返却カウンターにいる人がみな、TRC図書流通センター
の名札をつけていたけど、業務をアウトソーシングしているということでしょ
うかね。

http://www.trc.co.jp/
TRC図書流通センター

 最近だと、千代田区の図書館?だったかな。なんか新しくなってすごかった
よね。
 インターネットが流行って、対抗上、図書館ルネッサンスなんですかね。

NHKスペシャル「地球大進化」2007年12月04日 09時54分32秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449903
平朝彦, 徐垣, 末廣潔, 木下肇著「地球の内部で何が起こっているのか?」
で名前を出したNHKスペシャル「地球大進化」。
 1つ前で書いたように、府中市中央図書館が移転リニューアルオープンした
ので、DVDを借りに行ったらあったので第1集、第2集を借りてきました。

 もうとんでもないね。めちゃくちゃだよ、地球のやることは。「おしん」な
んかかわいいもんだよ。生命がやられた地球のいじめに比べたら。
 よくもまあ、地球生命は生き延びたよ。そのおかげであなたもおれも、こう
やって生まれているわけ。感動するね。これ、子供、犯罪者、ブッシュとかに
しこたま見せる必要があるね。これ観たら、あなた、自殺したり、人を殺した
りする気にならないよ。生きてるだけで奇跡だもん。

 第1集は、太陽系ができて地球や月ができるところから始まるが、このコン
ピュータグラフィックス(CG)がすごい(ま、このCGに限らず、どれも素晴らし
いが)。三鷹天文台の小久保英一郎さんたちのシミュレーション結果を使った
ようだが、あれって、たしか、GRAPEでやった計算ですよね。
 あ、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/09/14/1796559
「BANG!」「宇宙はどこまで明らかになったのか」
で書いてた。でも、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479734007X/showshotcorne-22/
伊藤智義著「スーパーコンピューターを20万円で創る」
の感想、書いてないね。^^;
 でね、歴史上、なんと直径400kmもある巨大隕石が最高8回も地球に激突し
たらしい。直径400kmの隕石、これは日本の本州の幅より大きいけれど、これ
が太平洋上に激突したらどうなるか、シミュレーション結果をCGにしていたが、
すさまじい。
 地殻津波といって、厚さ10kmもある地殻が、つまり、地面が底のほうからめ
くれ上がって津波のように襲ってくる。\(^O^)/
 日本列島なんて瞬間でめくれ上がって、はい、それまーでーよ。\(^O^)/
 しかし、これはほんの序の口。真の恐怖はその後にやってくる。
 岩石が蒸発した岩石蒸気。この温度が、恐るべし、摂氏4000度。ほとんど太
陽表面じゃないか。\(^O^)/
 で、この4000度の蒸気がたった1日で地球全体を覆いつくす。ヒマラヤなん
て、隕石激突からわずか3時間で蒸気がやってきて、雪が瞬間蒸発。\(^O^)/
 海も毎分5センチの海面低下といったかな。猛烈な勢いで海水が蒸発して海
が干上がってしまう。これ、「全海洋蒸発」というそうです。
 さらに海底に残った塩も熱で溶けてしまう。
 それでも生命は熱が来なかった地球奥深くで生き延びたと。

 そうそう。アメリカの2億5千万年前だったと思うが、そんな古い岩塩に閉じ
込められた海水の中に微生物がいたんです。それに数ヵ月栄養を与えたら、2
億5000万年ぶりに目覚めて活動を開始。
 すごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい。
 ほかにも
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/06/02/1551137
エネルギー問題のひとつの解決策、メタルカラー、極限環境生物、チーム★ア
メリカ
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449903
平朝彦, 徐垣, 末廣潔, 木下肇著「地球の内部で何が起こっているのか?」
で書いたような、極限環境微生物がいろいろ出てきてすごーい。

 第2集のほうは、全地球凍結、スノーボールアースね。NHKスペシャルでは、
全球凍結といってます。
 放送では6億年前の全球凍結だけだったが、特典映像には、20数億年前にも
全球凍結があったことをやっていました。
 6億年前の全球凍結のあと、光合成生物によって酸素が爆発的に増え、コラ
ーゲンが作れるようになって、骨や皮膚が作れるようになって、微生物から体
長数10センチくらいに大型化できるきっかけになったという。このときが進化
の大爆発のひとつで、エディアカラ生物群と呼ばれる多種多様な生物が生まれ
ているんですね。そして、20数億年前も、やはり、酸素が爆発的に増えたおか
げで、大型化ができて原核生物から細胞核をもつ真核生物に進化できたという。

 細胞核といえば、福岡県立門司高校のときの生物の時間を思い出すなあ。
 大野君と松尾君は、仲がいい二人だった。大野君は番長タイプで喧嘩は強い
し男気があるタイプ。松尾君は、おとなしいタイプで勉強ができるタイプ。い
いコンビなのよ。
 それでね、生物の時間に、前回の復習だといって、先生(たしかお名前は田
村先生だった。男の先生です)が、「細胞の中にある核は、なんという名前だ
ったかな」と質問して、「じゃ、大野、答えてみろ」といって当てたわけ。
 大野君、困って「うーん」とかいってたら、いつも横に座っている松尾君が
大野君にひそひそと答を教えたわけ。
 大野君は、それを聞いて、自信満々ででっかい声で答えたわけ。


               陰核!


  \(^O^)/\(^O^)/\(^O^)/\(^O^)/\(^O^)/\(^O^)/\(^O^)/

 もう教室中、大爆笑で、先生もげらげら笑って、大変よ。大野君は陰核が何
か知らないから大声で答えたんだけど、そんなの全細胞に1個ずつ入ってたら、
どうなるんだろうね。全身で60兆個のクリトリス! まさに全身性艦隊? あ、
この誤変換おもしろいね。もとい、全身性感帯。いや、もはや、全身性感体で
すね。帯じゃなくて体じゃないとおかしいよね。
 おれは、松尾、恐るべしと思ったもんね。
 ここしかないというタイミングで、ここしかないというネタをぶつけてこれ
だけの笑いを取る。しかも、自分じゃなくて、大野君に道化をやらせるんだも
んね。
 天才だよ。松尾の度胸はすごい!

 あ、また連鎖的に思い出した。
 化学の実験設備のある教室(たしか生物の授業もそこだった気がする。それ
で連想したんだと思う)の掃除当番だった阿南君たちが、バカなことを思いつ
いてやったんだよね。
 それが、水道ロシアンルーレット。\(^O^)/
 水道の蛇口のバルブ、普段、水道の水を出したり止めたりするためにひねる
部分じゃなくて、もっと根っこというか、蛇口そのものをはずれる方向にひね
っていくわけ。
 順番にちょこっとひねっては、次。ちょこっとひねっては次。と順にやって
いくと、当然ながら、あるところで水圧に負けて、蛇口が吹っ飛んで水が噴き
出して止まらなくなる。
 これをほんとにやって、大変よ。たしか熊谷君の番で悲劇が起きて、蛇口が
吹き飛んだ。\(^O^)/
 手で押さえたって水が止まるわけじゃないし、元栓から止めないと止まらな
い。みんな水浸しで、大騒ぎ。\(^O^)/
 そうか、熊谷君、早くに亡くなっちゃったことも思い出したよ。残念だった
ねえ。

 あ、また連鎖的に思い出した。
 おれらの1年上の先輩が、化学実験で配られたナトリウムをこっそり持ち出
して、男便所の小便の便器に置いていたんだよ。
 誰かが知らずに小便したら、爆発して、大騒ぎ。\(^O^)/
 いわゆるナトリウム爆発という奴ね。だから、おれらのときは、ナトリウム
の扱い、非常に厳しかったもんね。^^;

 やっと脱線から戻ると、メタン菌が出すメタンの温室効果(二酸化炭素の20
倍)で地球は暖かく保たれていたのが、光合成生物が増えて酸素を出すように
なってメタンが消えていって、それで全球凍結につながったそうです。マイナ
ス50度の世界が数百万年続くんだって。
 それが終わるのは、火山活動による二酸化炭素の温室効果のせい。
 この終わるときがまためちゃくちゃなんですよ。
 マイナス50度の世界から今度は50度の世界。これで温められた海から水分が
蒸発して、猛烈なハリケーンを発生させる。これ、ハイパーハリケーンという
そうですが、こいつが暴れまくる。
 こいつは、中心気圧300ヘクトパスカル!
 高校のときだったかな、当時はミリバールといったけど、900ミリバールを
切る台風があったんです。「男、台風なんとか号」といって学校で話題になっ
たくらい。それがあなた、たったの300ヘクトパスカル!\(^O^)/
 最大瞬間風速300メートル以上! 風速300メートル!\(^O^)/
 襲ってくる高波の高さが100メートル!\(^O^)/
 そんなもん、どうやって生きていけっちゅうんでしょうね。
 でも、ハイパーハリケーンが海底奥深くにたまりにたまっていた栄養分まで
かき混ぜてくれたおかげで、海の浅いところまで栄養がきて、このチャンスを
逃さなかった光合成生物と我々の祖先が、爆発的進化を遂げたんですって。こ
れが、さっき書いたエディアカラ生物群。

 光合成生物から、また脱線すると、今月の日経サイエンス2008年1月号に、
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0801/200801_088.html
堀口健雄「葉緑体進化のダイナミズム 小さな藻類の数奇な物語」
がある。葉緑体の起源は、細胞内に取り込まれたバクテリアなんですね。記事
の冒頭に「よく知られている」とあるが、おれは知らなかった。\(^O^)/
 葉緑体を「食う」ことで獲得するプロセスはその後も何度も起きたそうだが、
葉緑体の進化のプロセスは摩訶不思議、複雑怪奇というのがこの論文。
 渦鞭毛藻(うずべんもうそう)という生物の顕微鏡写真が出ているが、とって
もきれい。今月は新年号だからカレンダーもついているが、そこにも渦鞭毛藻
の写真が使われていてとてもきれい。なんか太古の都市を上空から撮影したよ
うにも見えるし、ナスカの地上絵のようにも見える。
 あ、さらに脱線。ナスカの展覧会がまたあるんです。おれ、見逃したから、
行きたいと思ってる。忘れないように、ここにメモ。:-)

http://www.tbs.co.jp/nascaten/
http://www.tbs.co.jp/nascaten/encore.html
をどうぞ。
 アンコールやってくれて、TBS、偉いなあ。亀田のボクシングやら持ち上げ
て、番組はろくなもの作らないけど。^^;

 ということで、このシリーズ。地球に対して多くの人が抱いている、「母な
る地球」というイメージ。帰るべき心の故郷。慈愛に満ちた母のような存在。
そんなイメージを叩き壊してくれますね。
 母というより、荒ぶる父。大暴れの父。大暴れといっても、「巨人の星」の
星一徹が、ちゃぶ台ひっくり返す程度じゃないよ。なんてったって、あーた。
日本列島をめくり上げてひっくり返しちゃうんだもの。
 恐ろしいよ、地球は。恐ろしいよ、自然は。
 よくもまあ、生き延びたよね。よくもまあ、あなたやおれが生まれたもんだ
よね。

 プロの研究者ってすごいね。よく、そんなちょっとしたことからいろいろ謎
を解いていくもんだと感動しますね。何10年もそんなあるかないかわからない
ようなヒントの細い糸を丹念にたどり続けるんですよね。
 それとこれを作った取材班、関係者に感謝、敬礼。
 研究者について回って世界中で取材しているし、いろんなシミューションや
実験もやってもらってる。たぶん、放送できた分の100倍くらいの映像は撮っ
てるだろうから、ご苦労様と思いますね。
 民放じゃ、もう絶対無理だね。目先の視聴率と金だけだもん。いまじゃ、お
笑い芸人とジャニーズの連中を並べて、安く時間を埋めるだけしかやってない
もんね。

 微生物の生命力は驚異的ですね。
 人類が滅びる前に、なんとか人類まで何億年もかからずに微生物が進化でき
るように、微生物を遺伝子操作して、さらには、人類文明文化を再興できるよ
うに、文明と文化のすべてをなんとか情報化して微生物に詰め込んで、地下奥
深くに非難させないといけませんね。\(^O^)/
 それと生命の「宇宙起源説(パンスペルミア)」があるくらいだから、糖かな
んか知らんけど何らかの形で、微生物から人類まで速やかに進化できるように、
前述の進化情報、文明文化情報を暗号化して別の銀河や太陽系に送り出してお
くとかね。

参考:
 DVDはバラでもありますけど、3巻ずつのボックスもありますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002K7BIC/showshotcorne-22/
NHKスペシャル 地球大進化 46億年・人類への旅 DVD-BOX 1
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006UU7H0/showshotcorne-22/
NHKスペシャル 地球大進化 46億年・人類への旅 DVD-BOX 2
 本は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140808616/showshotcorne-22/
地球大進化 46億年・人類への旅 2巻 生命の星 大衝突からの始まり (NHKスペ
シャル)
から全6巻のようです。

http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0602/panspermia.html
日経サイエンス2006年2月号「地球外生命飛来説を検証する」
D. ウォームフラッシュ/B. ワイス
 まとまったものは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532511429/showshotcorne-22/
日経サイエンス編集部編「異説・定説生命の起源と進化 別冊日経サイエンス
142」
 目次は、
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/sci_book/bessatsu/51142/51142-mokuji.html

プログラミング言語の人気ランキング2007年12月05日 07時47分54秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 プログラミング言語の人気ランキングのこと、書こうとして、ずっと忘れて
た。野口悠紀雄のトンデモIT論を書こうとして思い出した。\(^O^)/
 一番有名でアクティブなのは、
http://www.tiobe.com/index.htm?tiobe_index
TIOBE Programming Community Index
 あと、
http://www.complang.tuwien.ac.at/anton/comp.lang-statistics/
How popular are various programming languages?
もあるけど、2007年2月から更新されてないみたいですね。

http://web.yl.is.s.u-tokyo.ac.jp/enquate/vote.html
もThe ranking listのリンクをたどってもCGIが動いてない。^^;

http://www.awaretek.com/atesterea.html
Which Programming Language is right for you?
は、自分に合ってるプログラミング言語は何かを教えてくれるサイト。
 そこにある項目に1から100で数字を入れる。100に近いほど、その項目を重
視することになってる。
 popularity of the languageだけに100を入れてやってみると、Javaになり
ますね。
 一番不思議だったのは、どの項目にも何も入れずにやると、Lispになること。\(^O^)/
 やってる人、Lisperなのか。\(^O^)/

 TIOBE Programming Community Indexのほうは、いま2007年12月版になって
いますが、半年ぶりくらいで11月版をみたときは、Rubyが9位になってて、お
お、ついに一桁入りだと思いました。これ以前に9位になってたことありまし
た?
 今月も9位キープですね。
 11月にみたとき、とても驚いたのが、Luaがいきなり上位に来たこと。12月
版では、46位から20位になっていますが、11月版では、16位ぐらいじゃなかっ
たかなあ。
 ともかく、こんな大躍進はすごいと思いました。Luaは組み込みができるス
クリプト言語ですが、なぜ、こんなに突然人気沸騰なんでしょうか。どこかで
えらい話題になったのでしょうか。それとも、非常にポピュラーな環境で動く
ようになってみんな使い始めたのでしょうか。誰かご存知?
 ひょっとしてひょっとこ。任天堂DSやDS Liteで使えるようになって、小学生
がばりばりプログラムするようになったとか。\(^O^)/ ないない。^^;

http://www.lua.org/
Luaの公式サイト

 日本語の情報源もいくつかありますね。中でも
http://staff.aist.go.jp/yutaka.ueno/lua/docsjp.html
は、本まで出すんですね。もうすぐ発売だそうです。ソフトバンクが出してく
れるのか。よしよし。買おう。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797342722/showshotcorne-22/
上野豊著「入門Luaプログラミング」

 Luaのような組み込みできるスクリプト言語として、日本で開発されている
ものに、xtalがあります。

http://code.google.com/p/xtal-language/
The xtal language project
http://d.hatena.ne.jp/xtalco/
新言語 Xtalを作る日記
をどうぞ。

 Lispは12月は17位ですけど、雰囲気、11位から20位の間を行ったり来たりの
ような気がする。まあ、よい。^^;
 人気的には、1980年代のAIブームの時期を除いて、何10年もずっとこんな
もんなんですよ、きっと。
 Prologは27位ですね。もう少し上でもいいと思うけど。
 でも、Prolog的な計算モデルやプログラミングスタイルは他の言語にも取り
入れられているし、ErlangなどもPrologのホーン節(Horn clause)的な書き方
するし、影響はあっても本家自身の人気は、こんなものなのか。
 この辺もLispと似ている。Lispから出たいろんなアイデアがその後の言語に
取り入れられたけれど、Lisp自身の人気はさほどでもないというね。
 でも、Haskellが34位で、Erlangが40位で、Prologの27位より下というのは、
最近の両言語の人気からすると不思議な気もする。
 所詮、言語オタクだけの人気なのか。^^;
 それとも、Prologの蓄積が大きいということなのか。アメリカはLispだけど、
ヨーロッパではやはり地元だから人気が高いしね。
 ちなみに、日本では、PrologとPrologプログラマは絶滅危惧種です。\(^O^)/
 ぼくが知っている、実際にまだPrologで仕事で書いているのは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2005/11/17/145926
Lisp特別イベント
で紹介した九州工業大学(九工大)の梅田先生くらいです。\(^O^)/

 あ、そこで、梅田、早く博士論文書けとかエラソーにいってるけど、梅田先
生は無事に書いて博士号を取得しました。
 おれも書けといわれたけど、何を書けというのか。
 キャバクラのお姉ちゃんのスカートの中身に関する表示的意味論\(^O^)/

サブプライムローン問題、モノ作り脱却論、金融立国論その22007年12月05日 08時48分04秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/28/2462153
サブプライムローン問題、モノ作り脱却論、金融立国論
の続き。
 桑原さんからのメール。
--- ここから ---
中村さま。以前メール差し上げた桑原と申します。

金融工学について面白いブログがありますので、ご存じかも知れませんがご紹
介します。

http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/

です。Googleリーダーのお勧めに入っていたのですが……(^^;)CDOあたりの解
説が秀逸です。結局金融工学って、

・レバレッジを効かせて原資を膨らませ、借金を大量に投入して利ざやを稼ぐ。
・親亀こければ皆こける(原資)ので、糞もミソもいっしょこたにブレンドし

 こけないように思わせる。
・あくまでリスク管理なので、カタストロフィ時にこける。
・どんなにパフォーマンスをあげても利ざやは30%程度。ものづくりのほうが
 よほど付加価値が高い。

なのだとネット情報から理解できました(^^)

ご参考になれば幸いです。
--- ここまで ---

 現場の修羅場を知らない学者風情だと、ほんとの経済に対抗できないという
ことでしょうかね。
 かつて評論家の佐高信が、「経済学者は本物の生きている魚を見てない。見
ているのは魚の干物だ」などということをいってました。
 でも、それもなんかいやなんだよね。理論も理論の強さがあるんだから。
 どの理論にしろ、経験や勘にしろ、継続的に平均よりいいリターンを取り続
けるというのは、ほぼ不可能ということでしょう。
 だから、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/08/31/1760835
日本の金融立国はあり得るのか
で書いたように、日本の眠っているといわれている金、500兆円や1500兆円を
うまく運用すれば、GDPの何%に匹敵する経済効果などという議論は、バカな話
なんだと思います。
 最近、経済週刊誌には、中東やら中国やら政府系ファンドの話がよく出てい
て、でも、空前の巨額のようにいわれている中国の政府系ファンドも、たしか
日本円で20兆円だったような。まあ、とんでもない金額であることは間違いな
いけれど、日本の金融立国論で出てくる煽り文句の500兆円や1500兆円からす
れば、カスみたいなもんでしょ。
 そんな中国のファンドでも、インパクトがどうなるかと侃々諤々になってる
ようだから、500兆円や1500兆円なんて、どこまでいってもホラ話、マーケ屋
(マーケティング屋)のでっち上げストーリーと同じに思えます。

 全然関係ないけど、おれ、CDOから、パターンマッチで、大コケちゃったマ
ルチメデャアマシン3DOを思い出しました。\(^O^)/
 所詮、おれの脳みその中はその程度。Prologで置き換え可能なのかも。^^;
http://maker.usoko.net/nounai/
脳内メーカー
で、おれの脳の中にPrologばかりあったら、信じただろうね。\(^O^)/
 というか、ぞっとしたかもね。^^;

 金融工学の話に戻ると、以前も書いたけれど、ブラック・ショールズの理論
は、北も南もわからない世界で北極星を見つけた意味は大きいと思うんです。
そういう感想は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/11/26/970676
データや統計の罠と監視社会
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/07/985911
ブラック・ショールズの公式
に書いてましたね。

 そうそう、最近、amazonで以下の本、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4811563115/showshotcorne-22/
熊谷善彰著「金融時系列データのフラクタル分析」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4254295510/showshotcorne-22/
宮原孝夫著「株価モデルとレヴィ過程 (シリーズ・金融工学の基礎)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/491610613X/showshotcorne-22/
倉都康行著「リスク再考―カオス、フラクタルを視座として (金融職人技シリ
ーズ)」
を買ってらっしゃる人がいて、すごーいと思いました。
 関連した本だと、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4254295367/showshotcorne-22/
J.P.ブショー, M.ポッター著, 森平爽一郎, 森谷博之, 熊谷善彰訳「金融リス
クの理論―経済物理からのアプローチ (ファイナンス・ライブラリー (6))」
などもあって、どれも難しいそう。中身は知りませんが、おれの数学力じゃ、
ついていけないような気がします(泣)。

 「金融職人技」というシリーズ名は大いに気に入りました。
 金融職人、いいなあ。
 「金融職人対ミナミの帝王」という漫画や映画、できませんかね。\(^O^)/
 「ミナミの帝王」を知らない人は、
http://ja.wikipedia.org/wiki/難波金融伝・ミナミの帝王
をどうぞ。

 最近、週刊漫画ゴラクをよく読むんだけど、数ヵ月前の「ミナミの帝王」の
商品先物の話はエグかったなあ。したい放題しゃぶられまくって全財産パーに
なるのね。
 amazonを
http://www.amazon.co.jp/gp/search?index=blended&keywords=%83%7E%83i%83%7E%82%CC%92%E9%89%A4&tag=showshotcorne-22&__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&tag=showshotcorne-22&path=tg%2Fbrowse%2F-%2F466284%3Ftag%3Dshowshotcorne-22&Go.x=0&Go.y=0&linkCode=qs
で探したら、マンガよりも竹内力のDVDのほうが目立ちますね。人気あるんだ
なあ。
 庶民には金融工学より、「ミナミの帝王」や金融漫画の金字塔「ナニワ金融
道」を読むほうが実践的なんでしょうね。

http://www.amazon.co.jp/gp/search?index=blended&keywords=%83i%83j%83%8F%8B%E0%97Z%93%B9&tag=showshotcorne-22&__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&tag=showshotcorne-22&path=tg%2Fbrowse%2F-%2F466284%3Ftag%3Dshowshotcorne-22&Go.x=0&Go.y=0&linkCode=qs

http://ja.wikipedia.org/wiki/ナニワ金融道

 ナニ金が週刊モーニングに登場した衝撃はすごかったもん。
 おれの周り、しばらくは、何かしゃべれば、
「カタカタカタ。つまんどるな」
というギャグばっかりやってたもん。
 「つまんどるな」は、サラ金で金を借りているという意味。カタカタは、そ
の照会をする器械が結果を印刷した紙を出す音です。

「カタカタカタ。つまんどるな」

 もうこれが出たら、何の脈絡もないのに、ゲラゲラ笑い転げて、またしばら
く平静に話をして、誰かが突然また「カタカタカタ。つまんどるな」というと、
またしても笑い転げるという有様だった。
 作者の青木さんは亡くなりましたが、貧乏から「ナニ金」で一発逆転の人生
でしたね。
 いまでも、「ナニ金」の派生といえる漫画がいくつも連載されています。
 上記、Wikipediaには、「カバチタレ!」「極悪がんぼ」「こまねずみ常次郎」
「こまねずみ出世道」の名前がありますね。あ、「ミナミの帝王」と訴訟問題
になったことがあるんだ。知らなかった。
 やはり金融工学を勉強すると、こういう発見がある。\(^O^)/ ないない。^^;

蔵本由紀著「非線形科学 (集英社新書 408G)」2007年12月07日 09時05分43秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449895
非線形科学、失敗学
で言及した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087204081/showshotcorne-22/
蔵本由紀著「非線形科学 (集英社新書 408G)」
を読んだ。やはり、吉村さんが面白いという以上読まねばと思って読んだら、
なるほど面白い。これも蒙を啓かれた。

 第1章は、散逸構造の話をなんとかわかってもらおうと、日常のありふれた
現象を使って苦心して説明している。
 散逸構造。崩壊しつつも、ある状態を保つ、あるいは新たなものを創造する
という動的な均衡。これ、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/07/29/1687840
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
と同じ視点。こういう視点を持つと日常も違って新鮮に見えるだろう。

 第2章からいろいろな現象を採り上げて話が進むが、カルマン渦、レイリー・
ベナール対流は面白い現象。ローレンツ・モデルが出てくるあたりからは、も
うすっかり夢中。
 第3章「パターンの形成」は、個人的には本書の白眉。実に美しい化学反応
が出てくる。3歩歩くと忘れるおれが、何度も何度も復唱してやっと覚えた。

 じゃ、言ってみろ。
 ええと、BZ反応。
 バカー。省略せずにちゃんと言え。
 ええと、何だっけ? なんとかスキー反応。
 バカー。ベルーソフ・ジャボチンスキー反応だ。

 この反応は、発見当時は、当時の化学の常識からしてあり得ない反応だった
ので、ベルーソフは論文掲載拒否ばかりで、以後、失意のままの人生。旧ソ連
だったので西側でもこの反応は知られぬまま。それをジャボチンスキーが再現
して国際会議で西側に紹介したことから、俄然注目を集める。
 名前のインパクトもすごい、掲載されているの写真を見ると、不思議かつ美
しい。

 第4章「リズムと同期」も、ほほぉという話がいくつかあった。例によって
もう忘れたが。というか、もう、ベルーソフ・ジャボチンスキー反応しか覚え
てない。\(^O^)/
 第5章「カオスの世界」、第6章「ゆらぐ自然」あたりになると、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449895
非線形科学、失敗学
で書いたように、すでにあれこれ聞きかじり、読みかじった世界なので、個人
的には前半のほうが面白い本だった。

 最後のエピローグは、非線形科学の位置づけの話になって、思うことがあっ
た。
 このエピローグは、プロローグで自ら書いた非線形科学とは何だという問い
への力強い答になっている。
 たとえば物理学は、素粒子物理学のようにどんどんミクロな世界を追求して
きたが、それだけでは観えてこない世界がある。マクロで複雑なものをそのマ
クロなレベルで丸ごととらえて理解する方法があるのではないか。根っこに素
粒子物理学のようなミクロな根本原理の世界があって、そこから枝分かれして
さまざまな応用の大枝小枝が広がる樹木のイメージを使って、非線形科学は枝
を横に貫くような横断的なものであると、著者は力強く宣言している。
 これ、我々のコンピュータのソフト屋の領域でも、世界のモデル化で同じ話
にぶち当たる。オントロジーのようなある種哲学的な世界認識・記述方法まで
行かなくても、業界のみんなにも馴染み深いオブジェクト指向のレベルでもそ
う。
 たとえば、1つの根源的クラスから派生させていろんなクラスが作り作られ
だが、実際にソフトを作っていると、その派生の木を横に貫くような、派生の
親子関係に縛られないような横断的なものが必要になる。
 それがたとえば、アスペクト志向プログラミングだし、あるいはRubyでいう
とモジュールのインクルードなど。
 世の中、木構造じゃなくてネットワーク構造なのだから、そうなるのは必然
ではあっても、秩序立った強力で成功している世界があると、なかなかその呪
縛から抜け出せないということなのだね。

 最後まで読んでくると、新米研究者だったころの不安、とまどい、右往左往、
ふて腐れの時期。そしてひょんな偶然といっていいきっかけから研究が評価さ
れ、自信を得て、非線形科学に人生を捧げ、世界的な研究者となり、こうして
非線形科学の歩みと自分の歩みを表現豊かに振り返って一般向けの良書として
まとめるまでになった著者、蔵本由紀の人間的な成長と人生を読み取ることが
できて感動した。

 さて、文体上、気づいたことを述べて締めくくろう。文体には、ひとつの癖
がある。
 ある主張なり、説明をした直後に、でも、ほんとは単純な話ではないよとい
う意味で、「~ですが」や「~ではありませんが」といった、やんわりと否定
する一文を添えることが目につくのだ。
 これは細やかな心遣いでもあり、簡単に断言できるほど世の中簡単ではなく、
複雑なのだよ。だから複雑系、非線形科学なのだと、文体そのもので表現して
いるように思える。
 よって、おれをこれを、「蔵本由紀の『ですが』添え」と命名することにす
る。命名したからといって、それで蔵本由紀の全てがわかるわけではないので
すが。←これが「ですが」添え\(^O^)/

 なお、蔵本由紀は、「くらもとゆき」ではなく、「くらもとよしき」であり、
男性。
 最初、女性だと思って最後まで読んで、なるほど、「『ですが』添え」は、
女性らしい心配りだと思っていたほどで、裏表紙の著者紹介で、「よしき」と
読むことがわかり、あれえ?などといって、男性だと思って読み直すとまた感
じが違う。けれど、やっぱり、文体からは女性を想像するなあ。

 ぜひ、述べておきたいのが、本書は参考文献とともに、ちゃんと索引がつい
ていること。新書でも、ちゃんと索引をつけるのは必須のこと。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/11/21/2449903
平朝彦, 徐垣, 末廣潔, 木下肇著「地球の内部で何が起こっているのか?」
で、索引がないのが惜しいと書いたが、本書はちゃんとある。編集者もがんば
ったのだろう。まえがき、プロローグ、エピローグのどこにも担当編集者の名
前が出てこないのは残念ですが。←「ですが」添え\(^O^)/

 本書を読んだ後にお薦めなのが、
http://www.ton.scphys.kyoto-u.ac.jp/nonlinear/kuramoto-finallecture.pdf

 これ、「蔵本由紀教授 最終講義録 『非線形科学の形成 - その一断面』
 2004年3月12日 京都大学理学部6号館にて」とあるように、蔵本先
生の京大での最終講義の記録。読むと、とっても面白い。本書を読んだ後なら、
意外にすいすい読める。

 ギャグセンスも素晴らしい。
 いきなり、
「何しろ最終講義というのは私初めてですので(笑)勝手が分からないのです」\(^O^)/
 ツカミはOK。\(^O^)/
 それと、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/02/1087928
で紹介した米沢富美子先生の名前と昔の手紙なんぞも出てくる。
 おれ、目が、というより脳が誤読したがっていると思ったのが、9ページに
ある「70年代というのはプログレスの黄金時代」という部分。これをおれ、
「70年代というのはプロレスの黄金時代」と読んだ。\(^O^)/
 本書では、散逸構造の提唱者であり、その後の研究者人生に決定的な影響を
与えたプリゴジンを無条件礼賛かのように読めたが、講義録を読むと、プリゴ
ジンにやっていたことを批判的に考えて、噛みついたことで非線形科学をやり
始めたことがわかる。
 「非線形科学」という言葉も、便利なので外向きに使っているが、自分とし
ては自己組織化する自然に興味があるのであって、「線形」に対する「非線形」
には別段興味はないとも述べている。
 最後の質疑応答で、非線形科学が1つの科学ジャンルとしてはもう終わって
いるかのように述べた部分も、本書のエピローグあたりと一見矛盾するように
思えて面白い。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/10/21/1863127
NHK教育テレビ「日本のSF50年」
に出てくる、筒井さんがかつていっていた「SFの浸透と拡散」と同じことだ。
 非線形科学的思考法や語法が、浸透して拡散しているということ。それはSF
の浸透と拡散によってSFマインドがなくなったということではないのと同様、
複雑な自然に潜む不変構造を探求する姿勢は変わらないということ。

 本書はベストセラーの1つになっているから、「非線形科学」という言葉。
ますます便利に使われるようになるだろう。本書でも指摘があったが、「カタ
ストロフィー」という言葉が、マスコミによって便利に歪んで使われて誤用が
定着したように。

 所詮、男と女は非線形科学。
 おれ、今夜は、麗子と非線形科学。
 今晩のおかずに役立つ非線形科学。
 すくすく子供が育つ非線形科学。
 非線形科学で、肌に10代のハリと潤いを。
 非線形科学で、老後も安心。
 気をつけよう。暗い夜道と非線形科学。

 なんか、いくらでも出てくるな。\(^O^)/

祝、ステファニー、日本レコード大賞新人賞受賞2007年12月11日 09時30分36秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 忙しくして何も書けませんが、これは、どうしても。
 過去、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/09/27/1824868
ステファニー情報
など、何度か紹介している大学時代からの腐れ縁?の友人野々下君の娘さん、
歌手のステファニーさんが、日本レコード大賞新人賞を獲得。

http://www.tbs.co.jp/program/nihonrecordtaisyo_20071230.html
第49回輝く!日本レコード大賞

 すべて、おれさまのおかげです。\(^O^)/
 最優秀新人賞になれるといいね。
 ま、我が情報省の力をみせるいい機会だな。\(^O^)/

 あと、来年は、アニメ「ガンダム」のエンディングも歌うらしいよ。
 応援してね。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000P28RDK/showshotcorne-22/
ステファニー「君がいる限り」

e を使わない小説2007年12月13日 09時02分36秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のtti/salon(筒井康隆会議室)からホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
2007/11/25に書いたもの。こちらに出すのを忘れていました。
---
 量子力学を使った、絶対に盗聴されない暗号として研究が進んでいる量子暗
号の一般向け解説書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282759/showshotcorne-22/
石井茂著「量子暗号 絶対に盗聴されない暗号をつくる」
を読んでいて、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105393022/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」
文庫は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410215972X/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読 上巻 (新潮文庫 シ 37-2)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102159738/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)」
を思い出し、その中で、e を使わない小説の話があることを思い出しました。
 使えない文字を決めて、作家に制約をかけるということでは、「残像に口紅
を」に似ているかもしれませんね。
 「暗号解読」のハードカバーでは、40ページにこの小説のことが出てきます。
--- ここから ---
 一九六九年、フランスの作家ジョルジュ・ペレックが二百ページの小説『消
失』を発表したが、この作品には e の文字が一つも含まれていなかったのだ。
それだけでもすごいことだが、イギリスの小説家で評論家でもあるギルバート・
アデアは、なんとやはり e を使わずにこれを英語に翻訳してのけたのである。
--- ここまで ---

 日本語の50音を少しずつ使えなくしながら執筆された「残像に口紅を」が
翻訳されるとき、翻訳先言語の文字を少しずつ使えなくしながら、翻訳できる
ものなのでしょうか。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122022878/showshotcorne-22/
筒井康隆著「残像に口紅を (中公文庫)」

石井茂著「量子暗号 絶対に盗聴されない暗号をつくる」2007年12月13日 10時09分24秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 石井茂はとうとうやった。廃刊になった日経バイトの生き残りということだ
けでもシンパシーを感じていたが、今回の
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282759/showshotcorne-22/
石井茂著「量子暗号 絶対に盗聴されない暗号をつくる」
は、かつての2冊より、一皮以上もむけた読後感。素晴らしい。
 石井茂のかつての2冊とは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282112/showshotcorne-22/
石井茂著「量子コンピュータへの誘(いざな)い きまぐれな量子でなぜ計算で
きるのか」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822282333/showshotcorne-22/
石井茂著「ハイゼンベルクの顕微鏡 不確定性原理は超えられるか」
 この2冊についての感想は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/02/13/1179605
量子コンピュータ入門書
を参照。
 その中で紹介した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4621053752/showshotcorne-22/
根本香絵, 池谷瑠絵著「ようこそ量子 量子コンピュータはなぜ注目されてい
るのか」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062574691/showshotcorne-22/
竹内繁樹著「量子コンピュータ」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901683233/showshotcorne-22/
古澤明著「量子光学と量子情報科学」
といった人たちが、研究者としてその名前が今回の「量子暗号」に登場するの
もうれしい。これらの本は最前線にいる人たちによって書かれた一般向け入門
書であることがわかるしね。
 あれ? 竹内さんの名前あったかな? なかったら、ごめんなさい。本はgrep
できないから再調査してません。^^;

 ともかく、今回の「量子暗号」は、量子暗号にきっちりに正面からぐいぐい
斬り込んでいく。かつての2冊は、わき道の話が多くてそこが不満だった。量
子力学の世界を知らない読者には必要な説明だったと思うが、個人的にはそれ
が多すぎて、本来のテーマからするとバランスを欠いているいう印象だった。
 ただし、そのわき道の話は歴史的な経緯の話が多いが、知らない話も多かっ
たし、それ単独でも十分に面白いし、興味深い。おれは、これ、石井節と命名
した。命名したからといって、意味はないのですが。←この前命名した「蔵本
由紀の『ですが』添え」\(^O^)/
 ただ、おれにとっては過剰な石井節は、本筋からするとペダンティックな感
じがして、石井さんほどの取材力、構想力、筆力をもっていればもったいない。
もっと、どんどんテーマの真ん中に斬り込んでほしいという思いだった。
 その思いが満たされたのが本書である。若干出てくる石井節、日本の物理学
やレーザの歴史的な話も、恥ずかしながら知らないことばかり。ただ、今回、
石井節は抑えてあり、それが全体のバランスのよさ、本筋に斬り込む迫力につ
ながっている。

 それにしても、量子暗号という言葉の意味がずいぶん変わっているのね。元
々、秘密鍵のやり取りをするとき、盗聴されていたらそのことを絶対的に発見
できるということで、秘密鍵のやり取りに使われるものだと思っていたが、量
子公開鍵暗号なんてものも出てきているのね。本書では、こういう最新の研究
まで網羅してある。
 量子暗号の盗聴についていえば、日経サイエンス2007年11月号のUpdate欄に、
「危うし?! 量子暗号」という記事がある。非常に特殊な条件だと、量子暗号
が盗聴できるという話。実際には、その条件の成立はほぼ不可能。

 おれ、BB84のこと、勘違いしていた。量子エンタングルメントを使った方式
だと思っていた。不確定性を使った方式だったのね。それに本書で気づいた。
 量子エンタングルメント(量子的からみあい、もつれあいともいう)は、「蒸
留」することで強化できるというのも、本書で知った。もちろん、普通の意味
の蒸留ではなくて、量子的な蒸留ですが。しかも、エンタングルメント状態に
ある2つの光子が遠く離れていても、また一緒にする必要はなくて、片一方だ
けで強化できるのね。びっくり。そんなことができるのか。
 といっても、100年後に振り返ると、我々が中世の錬金術を振り返るように、
100年前は、こんな原始的な方法でしか量子を操れなかったんだなという話に
なるんだろうね。それまで人類がもてばの話ですが。\(^O^)/
 惜しむらくは、この本も索引がない。これだけは減点項目。参考文献はある
けどね。
 そんなことは、まあいい。
 ともかくいまは、石井茂の量子3部作の完成を、素直に祝福したい。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105393022/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」
文庫は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410215972X/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読 上巻 (新潮文庫 シ 37-2)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102159738/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)」
を読んだ人は、執筆当時はまだ量子暗号はそれほど進んでいなかったせいもあ
って、他の部分のみっちりきっちり感に比べて、量子暗号の部分があっさりし
た印象をもったと思うが、そこが不満だった人には、石井茂の「量子暗号」は、
無条件にお薦めできる。
 「暗号解読」を強力に補完する本である。
 一般人が量子暗号について知りたいと思えば、本書は絶対の必読書でしょう。
お薦めです。

和算本あれこれ2007年12月14日 10時34分49秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 早く書かなかったから(すみません)もう終わっているかもしれませんが、2
週間ほど前に新宿ジュンク堂に行ったとき、和算のコーナーがエスカレータの
前にできていました。
 芭蕉の俳句連句、宗看・看寿の詰将棋、関孝和の和算を江戸文化の3大遺産
といったのはおれだが(笑)、これも江戸ブームの影響なのでしょう。
 おれが、3大遺産といったかどうかは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/01/30/1152747
世界最長手数詰将棋
を参照。

 コーナーをざっと見て、3歩歩いたから忘れたが、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876394091/showshotcorne-22/
佐藤健一訳「『塵劫記』初版本―影印、現代文字、そして現代語訳」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876391203/showshotcorne-22/
佐藤健一著「江戸のミリオンセラー『塵劫記』の魅力―吉田光由の発想」
はあったと思う。
 佐藤健一氏のものでは、おれは、この辺は読んだことはなく、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480687475/showshotcorne-22/
佐藤健一著「和算を楽しむ (新書)」
を読んだだけ。
 和算の歴史やらいろいろ書いてありますが、おれが一番印象に残ったのは、
遊歴算家といって、あの交通の便の悪い江戸時代に、全国を行脚して和算を教
えて回って、普及に貢献した人たちがいたこと。しかもあなた、そういう人を
呼んで勉強したいという向上心を庶民がもっていたことに感心します。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090134/showshotcorne-22/
遠藤寛子著「算法少女 (ちくま学芸文庫)」
もありました。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/07/1238277
NHK教育、高校数学基礎
で書いている凛々しい少女とは、この算法少女のこと。
 ジュブナイル(少年少女向け小説)ですが、「算法少女」は、江戸時代に実在
した算法の本。これの成立経緯を著者遠藤寛子があれこれ作家的想像を膨らま
せて書いた小説で、作中で算法に優れた主人公の少女がお父さんと「算法少女」
を書くんです。つまり、メタ小説的な構造になってるんです。

 だいぶ前にメモしていた
http://www.zatsugaku.com/archives/2002/11/20021118.html
zatsugaku.comの和算の項目。
は、なくなってるなあ。メモの流れからすれば算法少女のことが書いてあった
と思うんだけど。
 以下、メモに残っている本の列挙から。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480090843/showshotcorne-22/
平山諦著「和算の歴史―その本質と発展(ちくま学芸文庫)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404026498/showshotcorne-22/
鳴海風著「円周率を計算した男」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404028822/showshotcorne-22/
鳴海風著「算聖伝―関孝和の生涯」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4404034148/showshotcorne-22/
鳴海風著「ラランデの星」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093873712/showshotcorne-22/
鳴海風著「和算忠臣蔵」

http://www.bk1.co.jp/product/01581489/review/437731
鳴海風著「円周率を計算した男」
にある書評は、ポイントを押さえていてわかりやすいですね。
 ちなみに、この本は、2006年度の日本数学会出版賞を受賞しています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/koho/pubprize2006.html
日本数学会広報委員会2006年度日本数学会賞出版賞
 2007年度は
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/koho/pubprize2007.html
日本数学会広報委員会2007年度日本数学会賞出版賞
をどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105393014/showshotcorne-22/
サイモン・シン著, 青木薫訳「フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、
ワイルズが証明するまで」
が受賞していますね。
 野崎昭弘さんも受賞していますね。おれらソフト屋にとっては、アルゴリズ
ムや論理学の先生ですね。
 なんといっても、柳瀬尚紀さん、はやしはじめさんと共に、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901259/showshotcorne-22/
ダグラス・R. ホフスタッター著, 野崎昭弘, 柳瀬尚紀, はやしはじめ訳「ゲ
ーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」
の訳者です。
 これについては、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/14/1260227
円周率音楽、ゲーデル、エッシャー、バッハ、モーツァルト
で軽く紹介しています。
 あとアルゴリズムや計算論関係では、エイホ、ホップクロフトやウルマンの
教科書の翻訳です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781902790/showshotcorne-22/
A.V.エイホ, J. D. ウルマン, J.E. ホップクロフト著、野崎昭弘訳「アルゴ
リズムの設計と解析 1」とかね。これ全2巻なんですが、もうずいぶん昔の本
なので、いま、買う価値はないでしょう。コレクターなら別ですが。その後、
いろいろなアルゴリズム本が出ていますから。アルゴリズム本はまとめていつ
か紹介しましょうか。いつになるかわからんけど。^^;
 あ、オートマトン言語理論は、第2版の訳が2003年に出てますね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781910262/showshotcorne-22/
J. ホップクロフト, J. ウルマン, R. モトワニ著, 野崎昭弘, 町田元, 高橋
正子, 山崎秀記訳「オートマトン言語理論 計算論〈1〉」

 列挙の続き。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015305/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ペドー著「日本の幾何―何題解けますか?」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015801/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ソコロフスキー著「日本の数学―何題解けますか?〈上〉三
角形・円・楕円などの幾何問題」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627015909/showshotcorne-22/
深川英俊, ダン・ソコロフスキー著「日本の数学―何題解けますか?〈下〉三
角形・円・楕円などの幾何問題」

 「日本の幾何―何題解けますか?」は、海外に和算を紹介するために、カナ
ダで英語版が出版されたそうです。その翻訳という逆輸入なんです。
 「日本の幾何」は海外で大好評。江戸時代の日本に、こんな高度な数学があ
ったのか。それもまったく西洋とは違う表記などを使っている。しかし、水準
は当時の世界最高水準。海外の数学者はクリビツテンギョウ。\(^O^)/
 幕末にイギリスがやってきて、こんな世界最高水準の地図を作っているとは、
日本人侮りがたしと驚嘆した話は、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2005/05/14/4417
伊能忠敬、その感動とおれの第2の人生は\(^O^)/
で書きましたが、やってきたイギリス人は数学に明るい人いなかったのかな。
いれば、和算にだって驚嘆したと思うけどね。
 和算に、いかに海外の数学関係者が驚いたかというエピソードの1つになる
と思いますが、「日本の数学―何題解けますか?」の序文を、プリンストンプ
リンストン高等学術研究所の著名物理学者フリーマン・ダイソンが書いていま
す。ここにある数学は、西洋人にとって地球外の知的生命体からの通信のよう
だけれど、非常に素晴らしく感動したというようなことを書いてあったはず。
あのとき、ちょろっと立ち読みしただけだから、正確な引用はできないけれど。
http://sidokan.hp.infoseek.co.jp/page477.html
http://homepage3.nifty.com/fwnn7163/books/books2007.html
にも、ダイソンと和算の関連が書いてありますね。
 「日本の数学―何題解けますか?」も最初は英語で出す予定だったのが、当
時の日本でも和算に興味が出てきたというので、日本語で最初に出したそうで
す。いままた、江戸ブームで、本屋に和算コーナーができて、そこに置かれる
ようになったんでしょう。
 はぱらぱらめくった記憶でいえば、和算の問題を現代の数学で解くとどうい
う風になるかという解説。テイラー展開とか出てました。
 懐かしいなあ、テイラー展開、マクローリン展開。あ、ルンゲ・クッタ法っ
て何だっけ? 学生時代、数値計算の演習でやった記憶があるけど。FORTRAN
で書いて、それこそ、当時の九大工学部情報工学科にあった富士通のFACOMで
走らせたんじゃなかったかな。もう、忘れた。^^;
 演習結果を提出しに行ったとき、荒木先生からいくつか質問されたんだよね。
 「セックスは週何回?」
 するか、そんな質問! たしか、誤差の扱いとか、解の収束がどうのこうの
とか、そういう類だったような気がする。

 和算の問題は、日経サイエンスが公開してくれています。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9807/sangaku.html
トニー・ロスマン(テキサス大学)/深川英俊(春日井高校)「算額に見る江
戸時代の幾何学」
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/9807/sangaku-Q.html
算額の問題に挑戦して見ませんか? 問題はこちらです
をどうぞ。

 いま、日本数学会のサイト
http://www.soc.nii.ac.jp/msj6/
に行くと、関孝和三百年忌法要と関孝和三百年祭記念事業募金趣意書なんての
がありますね。
 宝永5年10月24日西暦1708年12月5日)に亡くなってるんですね。それで来年
が没後300年だと。すごいなあ。死後、300年もこうやって称えられるというの
は。果たして今から300年後、おれは称えられているんだろうか。\(^O^)/
 そもそも、人類、何人生き残ってるんだろうか。\(^O^)/

 そうそう、「算法少女」っていい感じの言葉ですよね。
 そうね。ちょっとミスマッチな漢字2文字の単語が少女の前にあるのがいい
んだろうね。
 たとえば、ほかには?
 筋肉少女帯の「筋肉少女」。
 おお。
 漫画があった「競艇少女」。
 おお、おお。
 「非行少女」。
 いや、それは、いい感じの言葉じゃないでしょ。
 じゃ、「援交少女」。
 もっと悪いじゃん!\(^O^)/
 ま、ともかく、「算法少女」は、すぐにでも少年少女漫画のタイトルになり
そうな感じ。それで、おれ、これの男の子版の言葉ってないかなと3日3晩ぐ
っすり寝て考えた。
 寝ずに考えろよ!
 えんどうさんたちは、Schemeの処理系Gaucheの愛好者団体として「へそまが
り算法騎士団」を名乗ってるよね。たとえば、
http://www.oreilly.co.jp/editors/archives/000106.html
http://practical-scheme.net/wiliki/wiliki.cgi?GaucheNight
をどうぞ。
 でも、算法騎士団だと、男の子じゃなくて大人の男、しかも少女が一人なの
に、男のほうが複数じゃ、よってたかっていぢめるイメージになるし、といっ
て単数の算法騎士じゃ、座りが悪いし。
 だから、何を思いついたんだよ。
 聞いて驚くなよ。すぐに、少年マガジンあたりで連載が始まるぞ。\(^O^)/
 早く言えよ、もったいぶるなよ。

        「算法番長」\(^O^)/

 おお、すげえ。「算法番長」。うんうん、これならたしかにマンガの中でも
「算法少女」に対抗できるな。
 でしょ、でしょ。すぐ、算法勝負。「算法少女」対「算法番長」。盛り上が
るぞ、これ。第1問は、「季節のサラダ、プロヴァンス風アーベル群添え」
 訳わかんねえよ。なんで、料理の勝負になるんだよ。
 えっ、漫画の勝負って、料理の勝負でしょ。
 それは、大昔、漫画「包丁人味平」が大ヒットしてからの料理漫画の伝統だ
けど、漫画一般の勝負といったら料理だけじゃないでしょ。集合の包含関係が
おかしいぞ、お前。それに、何、アーベル群添えって?
 いや、フレンチ(フランス料理)勝負にしたいと思ったから、プロヴァンス風
を付けて、数学の風味を足すのに、アーベル群を添えてみたんですけど。
 あのさ、アーベルはフランスじゃなくて、ノルウェーの人よ。
 えっ、そうなの? 群論の創始者ガロアがフランス人だから、群論関係の人、
全員フランス人だと思っていた。\(^O^)/
 だめだ、こりゃ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/包丁人味平
http://ja.wikipedia.org/wiki/エヴァリスト・ガロア
http://ja.wikipedia.org/wiki/ニールス・アーベル
http://ja.wikipedia.org/wiki/群論
http://ja.wikipedia.org/wiki/アーベル群

 あ、最後に大発見。
 この記事のタイトルである「和算本」の音は、和菓子に使われる砂糖「和三
盆」と同じだ。\(^O^)/