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渋滞学、西成活裕著「クルマの渋滞 アリの行列」2007年09月15日 08時24分22秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/02/13/1179605
量子コンピュータ入門書
で、一言だけ言及した渋滞学。
 日経サイエンスで知って気にはなってたんですが、遅ればせながら、やっと
本を買ってきて読みました。
 西成さんの渋滞学の本といえば、まず思い浮かぶのは、ベストセラーになっ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106035707/showshotcorne-22/
西成活裕著「渋滞学 (新潮選書)」
です。目次は、
http://www.shinchosha.co.jp/book/603570/
をどうぞ。
 目次をみたついでに、
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/603570.html
波 2006年10月号より 渋滞でイライラしなくなります 西成活裕『渋滞学』
山根一眞
を読んでびっくり。山根さん、西成さんとは高校から友人なんだ。実は、山根
さんの「メタルカラーの時代」で感動したので、それを書こうと思っていたら、
これだもんね。
 「渋滞学 (新潮選書)」は、さきごろ、第23回講談社科学出版賞を受賞して
います。前回の受賞は、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575043/showshotcorne-22/
福岡伸一著「プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステ
リー (ブルーバックス)」
ですね。過去の受賞は、
http://www.kodansha.co.jp/award/archive/kagaku-syuppan.html
講談社科学出版賞 (過去の受賞者一覧)
をどうぞ。
 さあ、渋滞学を知りたいと思って、この本を買って読んだかというと、実は
読んでない。\(^O^)/
 おれが買って読んだのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774131245/showshotcorne-22/
西成活裕著「クルマの渋滞 アリの行列 -渋滞学が教える「混雑」の真相-」
 目次は、
http://www.gihyo.co.jp/books/syoseki-contents.php/978-4-7741-3124-5
をどうぞ。
 なぜ、こっちかというと、ひねくれ者というほかに、これを出しているのが
パソコン関係の出版社である技評(技術評論社)だから。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/08/26/1753246
アスキー新書ってあるんだ。新書戦争?
でも書いたように、パソコン関係出版社が他の分野にどんどん出ているのを知
って、技評のこの本もそれだなと思って、ご祝儀ご祝儀。\(^O^)/

 「渋滞学 (新潮選書)」は未読だけど、目次を見る限り、本書もよく似た内
容だと思う。「クルマの渋滞 アリの行列」は、図も多く使っている。
 読んで何が面白いかといって、モデル作りの話。
 高速道路の渋滞のモデルは、おれらにソフト屋には馴染みのセルオートマト
ンですよ。それも非常に簡単な規則。それだけで、コンピュータ上に現実の渋
滞データにそっくりの渋滞が作れる。
 ほかにも、超音速状態の流体力学を使ったり、群集が部屋の出口に殺到する
状態をモデル化するフロアフィールドモデル、簡単なルールで鳥や魚が群れを
成すことをシミュレートできるモデルなど、いろんなアイデアでさまざまな渋
滞、混乱を科学的に解明しようとしている様がよく伝わってくる。
 こういう解明が進むと何がいいかというと、高速道路の渋滞を減らしたり、
交通事故を減らしたり、災害時にパニックになって出口に殺到するのを防ぐと
か、いろいろ応用は考えられる。
 中でも、へえと思ったのが、踏切はノンストップにするべしという提言。踏
切が開いているのに、一旦停車して安全確認せよというのが日本の道路交通法
だが、これ、おかしいそうです。\(^O^)/
 このルールがあるのは、世界の中でも日本と韓国くらいで、ほとんどの国は、
止まらない。したがって、外国で車を運転するとき、踏切で一旦停止すると追
突されるから気をつけるようにと。そして、何より、一旦停止を止めることで、
渋滞がかなり解消されるそうだ。

 第一印象では、渋滞なんて学問になるのかと思っていたが、ちゃんといろい
ろ調べていくと学問になりますねえ。
 それと数理とコンピュータシミュレーションはやっぱり役に立つなあと思い
ました。