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弾さん、うぇー。2005年12月17日 08時56分55秒

コメントしてみたけど、久々にトラックバックも練習してみます。

弾さん、脳みそあるんだ。空だから何でも吸収できるのかとおもってた。\(^O^)/
動画にすると、生き物ですね。ダリがこういう技術使ったら、何を創るかなあ。
Ring忘年会しましたよ。ちょー狭いところで。でも、面白かった。
来年は、コンテンツ同期命でやることになりました。
ぼくももっとリーダーシップ取ろうと思います。
じゃあ、風邪引かないように。

マイクル・クライトン「恐怖の存在」2005年12月17日 10時30分12秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
 ブログで、マイクル・クライトンの
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152086688/showshotcorne-22/ref=nosim
恐怖の存在 (上)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152086696/showshotcorne-22/ref=nosim
恐怖の存在 (下)
のところに、たまさんからコメントが付いていたので、補足。
--- ここから ---
_ たま@無精庵 ― 2005-12-08T22:36:12+09:00
クライトンの新作ですけど、環境問題に踏み込んだのは拙かったんじゃないか
と思います。つまりクライトンが言っていることって、実はアメリカ政府が環
境問題封じ込めのために国内で流布している意見なんじゃないか、それにクラ
イトンがまんまと乗っかったんじゃないか、ということなんですけどね。
社会派とは言っても、クライトンの掲げる社会は、アメリカ万歳社会ですし。

--- ここまで ---

 これ、下巻にある訳者の酒井昭伸さんの訳者あとがきによると、アメリカで
もあれこれ議論になったんだそうです。なにせ、「いまの世界の良識派がいう
環境問題の常識なんて、嘘が多いんじゃないか」というのが、表面的に読める
主張ですから。
 もちろん、クライトンの狙いは別のところにあって、環境問題は読者に与え
た食いつきのいい餌なんです。
 その辺の事情は、酒井昭伸さんのあとがきに詳しく書いてあるのでそちらを
読んでください。
 一部だけ書くと、かつての軍産複合体に代わって、PLMがアメリカ社会を支
配している。PLMは、政治、法曹、メディアの略です。そして、PLMが環境問題
をネタに恐怖を煽って、科学的に不確かなものまで断定的事実として報道して
いる現実。これはまずいだろうと。
 環境をネタにすると、研究者も研究費を取れるし、政治家もハリウッドのス
ター連中もいいイメージができるし(トヨタのプリウスに乗るのが一番ウケが
いいらしい)、マスコミも視聴率も取れるし、広告も取れて儲けられる。
 そのイメージ、情報操作の中で、トータルにものを考えられない、ほんとの
ことが言えなくなってくる一種の催眠状態、集団ヒステリー状態じゃないか。
これはまずいんじゃないかというのが、本書が語っていることです。
 日本だと健康をネタに、フジテレビ系のあるあるやら、TBSのスパスパ人間
学やら、テレ朝系のたけしの知らないと怖い家庭の医学みたいな、あの手の番
組で、科学的にはけっこういい加減なことまで極大化して恐怖や効用を煽って
ますよね。
 それで、化粧品、薬品、食品のメーカーやらマスコミやらが、みんな儲けら
れる状態になってるわけで、タバコは百歩譲って百害があっても一利はあるな
どといったら袋叩きですもんね。

 ぼくも日経サイエンスなども読んでますけど、環境問題は科学的には仮説、
留保つきで断定的な話にはなってないと思います。
 だから、左右どちらか知らないけど、片方に行き過ぎたのを中立に戻そうと
いう感じですね。アメリカの主張そのものより、もう少し真ん中に思いますね。

 本書にも、地球温暖化を裏付けない、二酸化炭素犯人説を裏付けない、いろ
んなデータが出てきます。
 それらから演繹される主張は、とても説得力があります。ハリウッド俳優も
登場人物として出てくるけど、そいつらの環境問題の知識が科学的にでたらめ
なマスコミによってどれほど歪められているかを象徴的に描いていて、なかな
か笑えます。もちろん、他の登場人物も最初は主人公の主張に懐疑的なんです
が、だんだん常識を疑ってもっと冷静にものをみるようになっていきます。い
わゆる科学精神の芽生えですね。
 クライトンの主張の1つは、人類はあまりに地球や自然について知らなさ過
ぎる。本書にも、自然を保護しようとして、環境のバランスを壊して、かえっ
て自然を破壊した例も出てきます。それくらい、人類はまだ無知。
 また、科学的探究でしか真実は追究できないという主張も色濃いです。
 一般人の科学知識の乏しさ、とりわけ問題なのがマスコミの科学知識の乏し
さ。バカだから無意識に乗ってるだけなのか、あるいは意図的なのかは別にし
て、マスコミ(メディア)による情報操作の危険を、本書はよく表現できている
と思います。
 データは実際の一次資料のようですが、ぼくは、本書のためにクライトンが
作ったデータでもあっても、別にかまわない。だって、フィクションですから
ね。よくできてるなあと思います。

 本書の別の魅力は、そういう難しく扱いにくい題材を、007ばりに世界各地
を飛び回るアクションにからめて語っていることですね。
 なにせ、敵は、自然保護団体を名乗り、環境にかこつけて儲けている環境ゴ
ロのレベルじゃない環境テロリストですからね。\(^O^)/
 しかも環境テロリストのモデルが、アメリカに実在している団体だそうです。
動物愛護のためマクドナルドを焼き討ちしたりしたそうです。環境ゴロレベル
だと日本にもいろいろいるでしょうが、テロリストレベルは、さすがアメリカ
ですね。\(^O^)/
 本書の環境テロリストは、地球温暖化の主張を裏付け、富豪や企業などから
寄付金はじめ金を引っ張るために、災害を起こしたり、環境破壊を企てるんで
す。環境が悪くなってるから主張するんじゃなくて、主張を裏付けるために環
境破壊をするんだから本末転倒の極致です。\(^O^)/ いい設定ですよね。
 このテロリスト集団と戦うのが、主人公たちなんですけど、この対環境テロ
リストネットワークの日本支部が、なんと慶応大学の三田キャンパスの一部と
いうかそばにあることになってる!
 し、知らんかったー。三田に教えにいってるのに。今度、夜、侵入してみよ
うと思います。\(^O^)/

 ぼくね、昔から、環境保護運動には懐疑的なところがあって、なんだかなあ
と思うのは、「地球を守れ」「自然を守れ」という言い方。
 どこまで思い上がってるんだと思いますね。地球や自然は人間のことなんか
考えてないもん。地球を人間にたとえるなら、人間やいま生存している生物な
んて、フケや鼻くそ程度の存在でしょ。だから、地球や自然にとっては、人類
が絶滅しようが、そんなこと知ったこっちゃない。
 せめて、人類生存環境を守れくらいにしてもらわないと、なんだかなあと思
っちゃいます。

 もう10年以上前かな。ベクターを設立する前の梶並さんと夜だったかな、原
宿あたりを歩いて、こういう話したんですよ。梶並さんと二人でぶらぶら歩い
たんだから、日経MIXの飲み会かなんかあったんだと思う。
 そのとき、「地球を守れなんて、地球をなめてんのか。地球のコアの部分を
破壊して惑星が割れちゃうようなことやるんなら、地球を守れなんだろうけど、
表層のうすっぺらなところにしがみついて棲んでるバイ菌みたいな存在の人類
が、そんな大それたこといっていいのか」みたいなこといったら、梶並さんが、
笑いながら、「うーん。showさん、それ、世間には通用せんよ」といってあき
れてました。おれもそう思う。\(^O^)/

 なんにせよ、メディアの報道などを鵜呑みにせず、検証する科学的精神にし
か救いはないし、自由にものがいえる社会じゃないとまずいというのが、クラ
イトンが言いたいことだし、でも、現実には、それをさせないために、人々に
恐怖を煽っている連中がいるということなんですね。
 
--- ここから ---
_ たま@無精庵 ― 2005-12-09T10:18:30+09:00
ちなみに、クライトンの新作って、カトリーナの前に脱稿されたんでしょうね。
カトリーナの後に脱稿して出版していたのだとしたら・・。
来年もカトリーナ級のハリケーンがカリブ海では発生しそうですし。
--- ここまで ---

 カトリーナの前どころか、アメリカでの原著の出版は、2004年11月末です。
だから、スマトラ沖大地震とその津波被害が12月に起きたとき、欧米の読者は
不気味だったんじゃないかと、酒井さんは書いています。
 おれは、本書を読んだ途端、あれは環境テロリストの仕業だと断定しました
ね。\(^O^)/ 当然、カトリーナも環境テロリストの仕業です。\(^O^)/
 おいおい、お前のどこに科学的精神があるんだよ。\(^O^)/