筒井康隆「モナドの領域」: ポアンカレ予想、グリゴリー・ペレルマンは佯狂者だ ― 2015年11月23日 09時21分02秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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アマゾンで、予約が始まってますね。
出版日までには、感想を書き終えたい。時間ができたので、少しでも。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103145323/showshotcorne-22/
モナドの領域 単行本 2015/12/3
筒井 康隆 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01419QIM4/showshotcorne-22/
新潮 2015年 10 月号 [雑誌] 雑誌 2015/9/7
の83ページ下段。神子田ゆみの質問。
「ではGOD。宇宙はどんな形をしていますか。ひと言でお答えください」
に対するGODの解答。
しゃれた解答をしていますが、ここはストレートに、
「アンリ・ポアンカレ君の予想した通りだ。グリゴリー・ペレルマン君が証明
したから、もう予想とは呼ばないが」
と答えてほしかった。GODは、ポアンカレ予想とその証明を知らなかったのか。
ポアンカレ予想は、宇宙の形がどうなっているのと直結している予想です。
そして、なぜペレルマンを出すことが重要かと言えば、彼は、まさに
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/10/19/7854904
筒井康隆「モナドの領域」:「大法廷」の章をやっと読了
で書いた、佯狂者(ようきょうしゃ)そのものだから。
100年解けなかった大難問であるポアンカレ予想を解いたペレルマンは、数学
のノーベル賞といわえるフィールズ賞を辞退、クレイ研究所はポアンカレ予想に
100万ドルの賞金をかけていたが、これも受け取りを拒否。
行方もよくわからない状態で、年老いたお母さんとわずかな年金で質素な
隠遁生活を送っているらしいのです。
ペレルマンが実際にロシア正教の信者かどうかはわかりませんが、数学が発
展すれば、ほかはどうでもいいという態度は、まさに正教のいう佯狂者でしょう。
「モナドの領域」のキーワードの1つが、佯狂なので、ポアンカレとペレルマン
を出せば、うわあ、こんな罠、仕掛けがあったのかと、作品のすごみが一層増した
でしょう。
GODは人文系、西洋哲学系には強いが、理数系に弱いのではないか。
という疑問が、この辺を読みながら、出てきます。
ポアンカレ予想、ペレルマンについては、以下をどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポアンカレ予想
https://ja.wikipedia.org/wiki/グリゴリー・ペレルマン
ポアンカレ予想は、数学の一大分野であるトポロジー(位相幾何学)の問題だ
と思われていて、当然、トポロジーの技術で解かれると思われていたが、最後
の壁がどうしても突破できない。レルマンは、古い技術と思われていた
微分幾何学や物理学の手法で解いてしまった。
主流ではない周縁の技術、ジャンル横断的な思考によって解決したというの
は、示唆的です。
ペレルマンは、子供の頃から数学と物理学が得意、国際数学オリンピックで
金メダルを取っているし、国際物理オリンピックに出ても金メダルだっただろ
うといわれる天才少年でした。両方の天才が融合合体したゆえの証明完成だっ
たんですね。
有名な逸話があって、それは、上記、Wikipediaのポアンカレ予想にもありま
すが、ポアンカレ予想が証明されたとき、トポロジストたちは、この難問が
トポロジーの技術で解かれると思っていたのに、(上記Wikipediayより)
--- ここから ---
ほとんどの数学者がトポロジーを使ってポアンカレ予想を解こうとしたのに対
し、ペレルマンは微分幾何学と物理学の手法を使って解いてみせた。そのため、
解法の説明を求められてアメリカの壇上に立ったペレルマンの解説を聞いた数
学者たちは、「まず、ポアンカレ予想を解かれたことに落胆し、それがトポロ
ジーではなく(トポロジーの研究者にとっては古い数学と思われていた)微分幾
何学を使って解かれたことに落胆し、そして、その解説がまったく理解できな
いことに落胆した」という[12]。なお、証明には熱量・エントロピーなどの物
理的な用語が登場する。
--- ここまで ---
ポアンカレ予想は、NHKがスペシャル番組を作って放送し、それがDVDになっ
ています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003AM2U6M/showshotcorne-22/
ポアンカレ予想・100年の格闘 ~数学者はキノコ狩りの夢を見る~ [DVD]
形式: DVD
本もいろいろ出ています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167651815/showshotcorne-22/
完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫) 文庫 2012/4/10
マーシャ ガッセン (著), Masha Gessen (原著), 青木 薫 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410135166X/showshotcorne-22/
100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫) 文庫 2011/5
/28
春日 真人 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150503737/showshotcorne-22/
ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者
(ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉しむ〉シリーズ) 文庫 2011/4/30
ジョージ G.スピーロ (著), 鍛原 多惠子 (翻訳), 坂井 星之 (翻訳),
塩原 通緒 (翻訳), 松井 信彦 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102185917/showshotcorne-22/
ポアンカレ予想 (新潮文庫) 文庫 2014/9/27
ドナル オシア (著), Donal O’Shea (原著), 糸川 洋 (翻訳)
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/11/05/7885522
筒井康隆「モナドの領域」:12月に単行本が出版決定。\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/11/05/7885483
筒井康隆「モナドの領域」:登場する論理式、論理計算式、ブーロスの公理、
ブーロスの反復的集合観
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/10/26/7869290
筒井康隆「モナドの領域」: 自発的対称性の破れ、対称性の自発的破れ
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/10/26/7869249
筒井康隆「モナドの領域」:GODの超常現象に遭遇。MINちゃんGODDESが大活躍か\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/10/20/7857851
筒井康隆「モナドの領域」:「大法廷」で大発見\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/10/20/7857849
MINちゃん、かるかん饅頭、ありがとうございました
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/10/19/7854904
筒井康隆「モナドの領域」:「大法廷」の章をやっと読了
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/30/7819016
筒井康隆「モナドの肖像」の「大法廷」の章。ちら見したんです。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/29/7818223
筒井康隆「モナドの領域」の「公園」の章をやっと読了
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/25/7812120
ASAHIネットが将棋のネット中継開始でわかる情報省支配。鍵は筒井康隆だった\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/24/7807582
筒井康隆「モナドの領域」の「ベーカリー」の章で大発見\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/18/7797776
筒井康隆「モナドの領域」の影響か。共立出版が「Category Theory」の日本語版「圏論」を出版! Haskell本、独習 Scalaz, 世界数学者事典のことも
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/09/7784648
筒井康隆「モナドの領域」掲載の新潮、アマゾンで発売前から売り切れ
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/07/7781633
筒井康隆:最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」が新潮ウェブで試し読み!
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/09/02/7770497
筒井康隆:最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」が一挙に掲載される新潮 2015年10月号の表紙画像公開!
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/08/27/7752113
筒井康隆:最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」が一挙に掲載される新潮 2015年10月号の予約
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/07/21/7713175
筒井康隆、わが最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」、「新潮」2015年10月号に一挙330枚掲載!!
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/08/12/7731782
筒井康隆 特別寄稿「不良老人のすすめ」が週刊ポストに。自ら、「わが最高傑作にして、おそらく最後の長編」という「モナドの領域」のキーワードが
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/01/30/7559216
文學界、対談 筒井康隆×佐々木敦
http://iiyu.asablo.jp/blog/2015/08/17/7735827
ピース又吉へのインタビューでわかる、筒井康隆の「インタヴューアー十ヶ条」
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筒井 康隆 (著)
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したから、もう予想とは呼ばないが」
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そして、なぜペレルマンを出すことが重要かと言えば、彼は、まさに
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筒井康隆「モナドの領域」:「大法廷」の章をやっと読了
で書いた、佯狂者(ようきょうしゃ)そのものだから。
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のノーベル賞といわえるフィールズ賞を辞退、クレイ研究所はポアンカレ予想に
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行方もよくわからない状態で、年老いたお母さんとわずかな年金で質素な
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でしょう。
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ポアンカレ予想、ペレルマンについては、以下をどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポアンカレ予想
https://ja.wikipedia.org/wiki/グリゴリー・ペレルマン
ポアンカレ予想は、数学の一大分野であるトポロジー(位相幾何学)の問題だ
と思われていて、当然、トポロジーの技術で解かれると思われていたが、最後
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微分幾何学や物理学の手法で解いてしまった。
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筒井康隆「モナドの領域」:12月に単行本が出版決定。\(^O^)/
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筒井康隆:最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」が新潮ウェブで試し読み!
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筒井康隆:最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」が一挙に掲載される新潮 2015年10月号の表紙画像公開!
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筒井康隆:最高傑作にして、おそらく最後の長編「モナドの領域」が一挙に掲載される新潮 2015年10月号の予約
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