カラー図解でわかるブラックホール宇宙 ― 2009年10月29日 06時11分04秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/10/02/4609427
ブラックホール戦争、なぜか、福岡ソフトバンクホークスも
で名前を出した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797351179/showshotcorne-22/
カラー図解でわかるブラックホール宇宙 なんでも底なしに吸い込むのは本当
か? 死んだ天体というのは事実か? (サイエンス・アイ新書) (新書)
福江 純 (著)
先々週かな。飛行機や新幹線や福岡の地下鉄の中で読みました。
これ、面白かった。
言葉だけでも知らないものがあれこれ。たとえば、
限界束縛軌道、ソーン・チトカウ天体、テレル回転、ドップラーブースト、
破砕半径、ブラックホールウィンド、ブラックホールシャドー、
ブラックホールシルエット、ブランドフォード=ナエック機構、
ホイル=リットルトン降着、マゴリアン関係、
ライスナー=ノルドシュトルム・ブラックホール、ロバチョフスキー空間
などなど。もちろん、ホーキング放射などもある。
お前、いま、索引から拾ってるだろ。
そう、本書は、新書だけど、索引がちゃんと付いているから偉い。
ほんとは、本なら目次と索引が付いているのが当たり前。それを偉いとほめ
ないといけないのが、日本の水準の低さ。日本の本、特に新書は、付いてない
ことが多い。とりわけカモリーマン本には。昔と違って、コンピュータで簡単
に索引が作れるのにね。索引を付けないのは、著者と編集者の怠慢。
カモリーマンは、索引が本を速く深く読むのにどれほど役立つか知らないか
ら、文句をいわない。そのくせ、フォトリーディングというインチキ臭いのに
は、引っかかる。バカがバカの蟻地獄から抜け出せない実例。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/07/27/4459505
カール・セーガン「悪霊にさいなまれる世界」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/07/28/4460822
超能力で億万長者の脳をコピペ\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/11/4572556
命名 カモリーマン。カモリーマンビジネスの呪縛からこうやって抜け出せ!
本書の最初のほうは、相対性理論や量子力学の中で、ブラックホールに関係
する部分の解説。ま、相対性理論は全部関係あるけど。だから、双子のパラド
ックスの話もある。
それを踏まえて、ブラックホールのさまざまな性質の解説。
アインシュタインの方程式を解いて得られる解から導かれるブラックホール
のうち、一番素直なのが、シュバルツシルト・ブラックホール。そして、自転
をするカー・ブラックホール、電荷を持ち、自転しているカー=ニューマン・
ブラックホール。これらの解説が写真や図表を交えて進んでいく。
全体を通じて、カラーの写真や図表が豊富。記述は大体、この手の本で多い、
見開き2ページで1項目を解説するパターン。
おれがとりわけ興味深かったのは、ブラックホールがどうみえるかという話
や、ブラックホールに近づいていくと、自分の周囲の宇宙の見え方がどういう
風に変化するかの話。そしてその図や写真。
ブラックホール自体はみえなくても周辺の時空が歪んでいるため、いろいろ
不思議な現象や光景が出現するのです。
赤方変位、青方変位などいろいろな効果があり、周囲の色は変わるし、光速
に近いスピードで近づくと、光行差で、宇宙が前方にどんどん集中してくる。
そうなんです。光速に近くなると、自分の後ろにある宇宙も前のほうに見え
るようになって、後ろには何もなくなる。すごいね。
なるほど。それで、おれは過去を振り返らないのか。\(^O^)/
お前は、亜光速で移動しているのか。
松本零士、光速エスパー。\(^O^)/
色が変化する模様の写真などは、福江さんが、Visual Basic 2008でプログ
ラムを書いて視覚化したものを使っているとのこと。
そんなこんなで、非常に楽しめました。
もっと、本格的にブラックホールについて知りたい人は、日本天文学会が
100周年記念事業として刊行した「シリーズ 現代の天文学」にある
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535607281/showshotcorne-22/
ブラックホールと高エネルギー現象 (シリーズ現代の天文学) (単行本)
小山 勝二 (編集), 嶺重 慎 (編集)
をどうぞ。
目次は、
http://www.nippyo.co.jp/book/3083.html
ブラックホールと高エネルギー現象
をどうぞ。
改めて、日本天文学会の天文学全集「シリーズ 現代の天文学」の日本評論
社にある一覧を。そのうち、また、リンク切れになるといやだなあ。
というのも、以前に書いたこのシリーズの紹介。日本評論社のリンクは、リ
ンク切れがあちこちあったから。関連に出したエントリで、いくつかリンクを
探して直しました。
http://www.nippyo.co.jp/book/index.php?series=165
シリーズ 現代の天文学
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/03/18/1309680
日本天文学会の天文学全集「現代の天文学」刊行開始
http://iiyu.asablo.jp/blog/2007/05/16/1510350
シリーズ現代の天文学 岡村定矩編「人類の住む宇宙」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/02/21/2648157
富阪幸治, 花輪知幸, 牧野淳一郎編「シミュレーション天文学 (シリーズ現代
の天文学 第14巻)と「シリーズ 現代の天文学」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/06/2990620
佐藤勝彦、二間瀬敏史(編)「宇宙論(1) (シリーズ現代の天文学 第2巻)」
---
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/10/02/4609427
ブラックホール戦争、なぜか、福岡ソフトバンクホークスも
で名前を出した
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797351179/showshotcorne-22/
カラー図解でわかるブラックホール宇宙 なんでも底なしに吸い込むのは本当
か? 死んだ天体というのは事実か? (サイエンス・アイ新書) (新書)
福江 純 (著)
先々週かな。飛行機や新幹線や福岡の地下鉄の中で読みました。
これ、面白かった。
言葉だけでも知らないものがあれこれ。たとえば、
限界束縛軌道、ソーン・チトカウ天体、テレル回転、ドップラーブースト、
破砕半径、ブラックホールウィンド、ブラックホールシャドー、
ブラックホールシルエット、ブランドフォード=ナエック機構、
ホイル=リットルトン降着、マゴリアン関係、
ライスナー=ノルドシュトルム・ブラックホール、ロバチョフスキー空間
などなど。もちろん、ホーキング放射などもある。
お前、いま、索引から拾ってるだろ。
そう、本書は、新書だけど、索引がちゃんと付いているから偉い。
ほんとは、本なら目次と索引が付いているのが当たり前。それを偉いとほめ
ないといけないのが、日本の水準の低さ。日本の本、特に新書は、付いてない
ことが多い。とりわけカモリーマン本には。昔と違って、コンピュータで簡単
に索引が作れるのにね。索引を付けないのは、著者と編集者の怠慢。
カモリーマンは、索引が本を速く深く読むのにどれほど役立つか知らないか
ら、文句をいわない。そのくせ、フォトリーディングというインチキ臭いのに
は、引っかかる。バカがバカの蟻地獄から抜け出せない実例。
関連:
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/07/27/4459505
カール・セーガン「悪霊にさいなまれる世界」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/07/28/4460822
超能力で億万長者の脳をコピペ\(^O^)/
http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/09/11/4572556
命名 カモリーマン。カモリーマンビジネスの呪縛からこうやって抜け出せ!
本書の最初のほうは、相対性理論や量子力学の中で、ブラックホールに関係
する部分の解説。ま、相対性理論は全部関係あるけど。だから、双子のパラド
ックスの話もある。
それを踏まえて、ブラックホールのさまざまな性質の解説。
アインシュタインの方程式を解いて得られる解から導かれるブラックホール
のうち、一番素直なのが、シュバルツシルト・ブラックホール。そして、自転
をするカー・ブラックホール、電荷を持ち、自転しているカー=ニューマン・
ブラックホール。これらの解説が写真や図表を交えて進んでいく。
全体を通じて、カラーの写真や図表が豊富。記述は大体、この手の本で多い、
見開き2ページで1項目を解説するパターン。
おれがとりわけ興味深かったのは、ブラックホールがどうみえるかという話
や、ブラックホールに近づいていくと、自分の周囲の宇宙の見え方がどういう
風に変化するかの話。そしてその図や写真。
ブラックホール自体はみえなくても周辺の時空が歪んでいるため、いろいろ
不思議な現象や光景が出現するのです。
赤方変位、青方変位などいろいろな効果があり、周囲の色は変わるし、光速
に近いスピードで近づくと、光行差で、宇宙が前方にどんどん集中してくる。
そうなんです。光速に近くなると、自分の後ろにある宇宙も前のほうに見え
るようになって、後ろには何もなくなる。すごいね。
なるほど。それで、おれは過去を振り返らないのか。\(^O^)/
お前は、亜光速で移動しているのか。
松本零士、光速エスパー。\(^O^)/
色が変化する模様の写真などは、福江さんが、Visual Basic 2008でプログ
ラムを書いて視覚化したものを使っているとのこと。
そんなこんなで、非常に楽しめました。
もっと、本格的にブラックホールについて知りたい人は、日本天文学会が
100周年記念事業として刊行した「シリーズ 現代の天文学」にある
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535607281/showshotcorne-22/
ブラックホールと高エネルギー現象 (シリーズ現代の天文学) (単行本)
小山 勝二 (編集), 嶺重 慎 (編集)
をどうぞ。
目次は、
http://www.nippyo.co.jp/book/3083.html
ブラックホールと高エネルギー現象
をどうぞ。
改めて、日本天文学会の天文学全集「シリーズ 現代の天文学」の日本評論
社にある一覧を。そのうち、また、リンク切れになるといやだなあ。
というのも、以前に書いたこのシリーズの紹介。日本評論社のリンクは、リ
ンク切れがあちこちあったから。関連に出したエントリで、いくつかリンクを
探して直しました。
http://www.nippyo.co.jp/book/index.php?series=165
シリーズ 現代の天文学
関連:
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日本天文学会の天文学全集「現代の天文学」刊行開始
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シリーズ現代の天文学 岡村定矩編「人類の住む宇宙」
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/02/21/2648157
富阪幸治, 花輪知幸, 牧野淳一郎編「シミュレーション天文学 (シリーズ現代
の天文学 第14巻)と「シリーズ 現代の天文学」
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佐藤勝彦、二間瀬敏史(編)「宇宙論(1) (シリーズ現代の天文学 第2巻)」
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年11月09日 09時30分27秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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もう2ヵ月くらい前になるが、第59回東レ科学講演会に行って
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もう2ヵ月くらい前になるが、第59回東レ科学講演会に行って
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年12月17日 10時10分54秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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カラー図解でわかるブラック
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2009/10/29/4660188
カラー図解でわかるブラック
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年01月05日 09時10分46秒
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新宿ジュンク堂の理工系のフロアに行ったら、ソフトバンクの
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新宿ジュンク堂の理工系のフロアに行ったら、ソフトバンクの
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2010年03月14日 03時53分07秒
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もう10年くらい前のものかな。キヤノンのデジカメが調子が悪
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もう10年くらい前のものかな。キヤノンのデジカメが調子が悪
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年06月25日 09時12分52秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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これ、注文する。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062577283/showshotcorne-
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これ、注文する。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062577283/showshotcorne-
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年07月18日 08時51分50秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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科学雑誌「ニュートン」は、創刊30周年なんですね。
2011年8月号
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科学雑誌「ニュートン」は、創刊30周年なんですね。
2011年8月号
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年09月19日 08時43分09秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/09/09/6093795
はやぶさ:イトカワの微粒子分析結
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/09/09/6093795
はやぶさ:イトカワの微粒子分析結
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2011年12月20日 10時20分36秒
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/09/29/6117268
野崎昭弘「数学で未来を予測する」
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2011/09/29/6117268
野崎昭弘「数学で未来を予測する」
_ ホットコーナー - 2016年07月27日 10時14分35秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2016/07/15/8132071
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践、Pythonで体験する深層学
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http://iiyu.asablo.jp/blog/2016/07/15/8132071
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践、Pythonで体験する深層学
_ ホットコーナー - 2019年06月19日 09時59分32秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonから。
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もう次の号が出ると思うんだけど、なかなか書く時間がなくてすみません。
日経サイエンスもニュートンも、史上初、ブラックホ
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もう次の号が出ると思うんだけど、なかなか書く時間がなくてすみません。
日経サイエンスもニュートンも、史上初、ブラックホ
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