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「クラシックなジャズナイト」2008年04月26日 10時22分46秒

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のtti/salon(筒井康隆会議室)からホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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横浜・神奈川県立音楽堂
「クラシックなジャズナイト」
山下洋輔(p)、佐渡 裕(cond)、東京フィルハーモニー交響楽団
に行って来ました。
 もう人間じゃありませんね。ピアノの鬼神ですわ。\(^O^)/
 神様、仏様、稲尾様ならぬ、神様、仏様、ヤノピ様ですわ。
 大入り満員1000人の聴衆、完全KOです。KO=空気、音楽でいっぱい。\(^O^)/

バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード《ピアノ版》(ピアノ・ソロ:
山下洋輔)
は、ヨハン・セバスチャン・バッハではなく、ヨースケ・セバスチャン・バッ
ハでしたわ。JSBじゃなくてYSB。どうせなら、YBと名乗れば、横浜ベイスター
ズと一緒になっていいかな。\(^O^)/
ガーシュイン:ピアノ協奏曲ヘ調《山下洋輔ヴァージョン》
は、第2楽章が個人的には好みでした。アダージョ、アンダンテ・コン・モー
トというのは、ゆっくり感情を込めてということ?
 スローな世界で、自由にピアノが歌える、じっくりとした聴かせ所が多いな
あと思って、一番聴き惚れました。
 第1楽章の後半や第3楽章は、阿蘇、桜島、富士山大噴火状態ですわ。聴衆
は音の溶岩流の中で熔けました。\(^O^)/
 第1楽章の最後の大迫力。終わった瞬間、観衆、大拍手で、「もう腹いっぱ
い。今日はこれで、もうええわ」という状態だったので、ヤノピ様、佐渡さん
共に、これで終わりじゃないですサインを出して、やっと観衆の拍手が鳴り止
んだというね。

 佐渡さんとの話も面白かった。
 自作曲を引っさげて、かつ、自分でピアノを弾いてイタリアの名門オーケス
トラと共演したのは、人類史上、モーツァルトに次いで、山下洋輔が二人目と
いう話だったのに、実はラフマニノフがいたというオチが面白かったですね。
 あのコンサートで、「アンコールは洋輔さんにソロでボレロを弾いてもらい
ました。それがしびれるほどかっこよかった」という佐渡さんの発言があった
と思うのですが、まあ、なくても、あったことにして無問題なので、そのまま
進めるが、\(^O^)/

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000WZO5XG/showshotcorne-22/
山下洋輔/ピアノ協奏曲(エンカウンター)+山下洋輔のボレロ
を聴いても、ほんとにかっちょいい。アンコールのボレロでは、観衆、完全に
神の世界を観て、聴いてしまってますね。
 あり得んよね、フツー。ボレロをピアノ1台で弾く? バカ言っちゃいけな
いよ、ですもんね。
 でも、そんな常識、ほんとにピアノ1台でひっくり返しちゃったんだもんね。

 ガーシュインの難曲を一柳先生から「ヨースケ、やれ」といわれて逃げ回っ
ていたのに、公演タイトルにジャズと入れてもらい、ガーシュインの曲にも
「山下洋輔バージョン」と入れてもらったので、「そうなったらもうこっちの
もんだ。\(^O^)/」
 ああいうドンバのノリがいいですね。

 野球のピッチャーでいえばストレートが速い、バッターでいえば遠くに飛ば
せる、これはもうそれだけで得がたい才能ですが、それと同じで、どの楽器も
太いでかい音が出せるというだけで、これはもう得がたい才能です。
 しかし、ヤノピ様の場合、桁違いですね。音楽性やら曲の解釈うんぬん以前
の単純かつ根本的な問題として、ピアノであれだけでかい音が出せるのは、音
楽、ピアノ演奏の基礎体力が違いすぎ。
 その上、今年66歳のゾロ目ですという発言に、会場呆然でした。\(^O^)/
 ヤノピ様の場合、非常に効率よく全身のエネルギーを音楽にしていますね。
 変換効率1000%は軽くあります。すなわち、投入したエネルギーの10倍の
音楽エネルギーを出しています。すなわち、熱力学の第2法則を破っています。
すなわち、永久機関です。\(^O^)/

 それにしても、いつ、練習するんだろ。あれだけ、海外、国内の演奏旅行の
連続かつ、雑誌連載も抱えているのに。
 ばかー。時空の操り方がすごいんだよ。つまり、逆浦島現象というか、我々
の1日を1年として使う超能力者なんだよ。これは笑犬楼様もそう。そうじゃ
ないと、あれくらい水準の高いものを書き続けられるわけがない。
 結論。天才とは時空の操り方を知っていて、創作のときは我々の住む時空と
は別の時空に行って存分に時間をかけていいものを作って帰って来る人ですね。\(^O^)/

 ところで、☆Lunaさん、ご注目の挾間美帆さん。
 今度の5/5, 5/6の新宿ピットインのうち5/6は、山下洋輔オリジナル曲を挾
間美帆さんがアレンジしたものを演奏するそうですよ。

 余談。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480917055/showshotcorne-22/
梅田卓夫, 清水良典, 服部左右一, 松川由博編「高校生のための批評入門」
という本に、ヤノピ様の「ジャズは行為である」というエッセイが収録されて
います。
 森山威男さん、中村誠一さんと山下洋輔トリオを結成したころのエッセイで
す。
 文中、3人で確認しあったのは、ただ、「思いっきり勝手にドシャメシャに
やろう。」ということだけだったなど、「ドシャメシャ」という言葉が何度も
出てきます。
 この本、採録した文章について、高校生に考えさせるために、最後に問いが
あるんですが、「ジャズは行為である」の場合、問いは、
「ドシャメシャ」と「デタラメ」の違いは何だろうか。
です。参りました。\(^O^)/
 昨夜のコンサート、本当に「ドシャメシャ」のパワーを浴びるほど浴びた、
至福のひと時でした。

 ヤノピ様、今年、ガーシュインを演奏する機会が多いですね。
 今回と、7月のBunkamuraオーチャードホールの「山下洋輔スペシャル・ビ
ッグバンド」だけかと思ったら、9月にもオーチャードホールで、「シンフォ
ニック・ニューヨーク」というコンサートで「ラプソディ・イン・ブルー」の
演奏がありますね。