将棋の最新戦法 ― 2008年03月23日 01時48分21秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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早く紹介しないと来月号になっちゃうので。^^;
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00143XRKM/showshotcorne-22/
将棋世界2008年4月号
の特集は、「勝又教授のこれならわかる!最新戦法講義スペシャル」です。
将棋の戦法の革命といわれた藤井九段が編み出した藤井システムも以前ほど
勝てなくなってますし、最近、角道を止めない振り飛車という、振り飛車の常
識を覆す戦法もプロが熱心に指してますね。
近藤正和六段のゴキゲン中飛車はブームで、対策もいろいろ出て研究が発展
しているし、超急戦は新手がいろいろ出てますよね。佐藤二冠の佐藤新手(後
手5四歩)、さらに羽生二冠の羽生新手(先手9六角)。
この戦形で最近注目は、久保八段が羽生二冠に負け続けても意地を張って、
ゴキゲン中飛車超急戦を挑み続け、羽生二冠も喜んで応じていることですね。
その中で羽生新手も出たんですが。
いま、囲碁将棋チャンネルでは、村山慈明五段の「最新定跡は村山に聞け!」
というのを断続的にやっていて、これは大流行の後手一手損角換わりという戦
法の解説ですが、研究が進むにつれ、どんどん定跡が変化してきたのがよくわ
かります。
それはわかるんだけど、変化そのものはおれには難しすぎる。\(^O^)/
特集では、阪口悟四段のワンパク中飛車も出ているし、何がなんだかわから
ないまだ未踏の領域に思える相振り飛車の話も出ています。
囲いも銀冠が流行してきたり、次々と対策、対策、対策でいろいろ戦法が変
化していることがわかります。
そういえば、特集ではありませんが、2手目3二飛というものすごい手があ
るんですが、これを公式戦で初めて指した長岡裕也四段の解説もあります。こ
の前の銀河戦では、長岡四段はこれを採用して強豪阿久津六段を破りました。
人気連載企画(少なくともおれにとっては大人気)の「イメージと読みの将棋
観」でも、この2手目3二飛を採り上げています。この企画、トッププロ6人
に同じ局面をみせて、どう思うか聞いているんですが、いろいろ考え方があっ
て面白い。人によって評価が正反対のときも珍しくない。
羽生さんは、2手目3二飛について、序盤にはいろんな可能性がありますよ
ねってな短いコメントだけでそっけない。まだ本書の解説執筆時の公式戦で3
局、先の銀河戦を入れても4局しかないうちの1局を羽生さんは公式戦で指し
ているんですけど。^^;
このそっけなさは、実は、この戦法を深く研究してまたやってみようと思っ
ているからなのでは。\(^O^)/
森内名人は、これは重大な発見になるかもしれないという意見です。
解説によると、この作戦、関西奨励会の今泉健司三段の発案が久保八段経由
で関東の長岡四段に伝わったものだそうです。
囲碁と将棋のコラボといえば、囲碁将棋チャンネルの週刊囲碁パラダイスに、
なんと、米長将棋連盟会長が出演して、囲碁と将棋を語ってました。
米長流というか、囲碁の局面評価には独特の尺度をもっているんですね。な
るほど、そういう考え方なのかと思いました。棋力は、プロが本気を出すと四
子でも勝てないが、三子でも勝つ秘術をもっていると。それで趙治勲さんに勝
った。その秘術がすごかった。\(^O^)/
特集を読みながら、あれこれ考えると、たしか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480063927/showshotcorne-22/
頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書 688) (新書)
渡辺 明 (著)
の中で書いていたと思うが、渡辺竜王がいうように、コンピュータ将棋が人間
の名人に、一度や二度は勝っても、常に勝つのは非常に難しいんじゃないか。
ハードウェアの進化があっても、よほどのブレークスルーがないとあと10年
で人間の名人に常に勝つようになるとは、あまり、考えられない。
プロが指した棋譜から統計的な学習や強化学習をする手法だと、どうしても
プロの後追いにしかならない。人間は、コンピュータの棋風がわかれば、徹底
的に研究し、対策を編み出してしまうだろうし、コンピュータそのものには創
造性や創発性はないから、対策を思いつくことがない。コンピュータ囲碁に革
命を起こしたモンテカルロ法による手法も人間の名人級に常に勝つには難しい。
この辺は、1980年代までのAI(人工知能)をかじった人なら、その限界が容易
にみえると思うので、なんか、ブレークスルーがないとね。目からウロコ、コ
ロンブスの卵みたいな発見かもしれないけれど。
いっそ、量子コンピュータを完成させて囲碁や将棋の全局面を計算してしま
わないとだめなのかも。^^;
量子コンピュータは、実用化されて普及するには、少なくともあと50年はか
かると思うのね。おれが生きているうちは無理でしょう。くやしいなあ。残念
なことです。^^;
そうそう、銀河戦では、まだ高校生の最年少棋士である豊島将之四段が、飯
島栄治五段に勝ちましたね。解説の橋本崇載七段によれば、途中、飯島五段が
勝勢といっていいくらいだったのに、豊島四段が丁寧に粘りに粘って、9五角
一発で一気に差を詰めて逆転までもっていきました。これで、豊島四段は6連
勝。プロになって初めての年で、勝率が8割ですって。
関西では、谷川永世名人以来の超大型有望棋士と期待沸騰です。
銀河戦の決勝トーナメントでは、トッププロとも戦うので、楽しみですね。
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早く紹介しないと来月号になっちゃうので。^^;
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00143XRKM/showshotcorne-22/
将棋世界2008年4月号
の特集は、「勝又教授のこれならわかる!最新戦法講義スペシャル」です。
将棋の戦法の革命といわれた藤井九段が編み出した藤井システムも以前ほど
勝てなくなってますし、最近、角道を止めない振り飛車という、振り飛車の常
識を覆す戦法もプロが熱心に指してますね。
近藤正和六段のゴキゲン中飛車はブームで、対策もいろいろ出て研究が発展
しているし、超急戦は新手がいろいろ出てますよね。佐藤二冠の佐藤新手(後
手5四歩)、さらに羽生二冠の羽生新手(先手9六角)。
この戦形で最近注目は、久保八段が羽生二冠に負け続けても意地を張って、
ゴキゲン中飛車超急戦を挑み続け、羽生二冠も喜んで応じていることですね。
その中で羽生新手も出たんですが。
いま、囲碁将棋チャンネルでは、村山慈明五段の「最新定跡は村山に聞け!」
というのを断続的にやっていて、これは大流行の後手一手損角換わりという戦
法の解説ですが、研究が進むにつれ、どんどん定跡が変化してきたのがよくわ
かります。
それはわかるんだけど、変化そのものはおれには難しすぎる。\(^O^)/
特集では、阪口悟四段のワンパク中飛車も出ているし、何がなんだかわから
ないまだ未踏の領域に思える相振り飛車の話も出ています。
囲いも銀冠が流行してきたり、次々と対策、対策、対策でいろいろ戦法が変
化していることがわかります。
そういえば、特集ではありませんが、2手目3二飛というものすごい手があ
るんですが、これを公式戦で初めて指した長岡裕也四段の解説もあります。こ
の前の銀河戦では、長岡四段はこれを採用して強豪阿久津六段を破りました。
人気連載企画(少なくともおれにとっては大人気)の「イメージと読みの将棋
観」でも、この2手目3二飛を採り上げています。この企画、トッププロ6人
に同じ局面をみせて、どう思うか聞いているんですが、いろいろ考え方があっ
て面白い。人によって評価が正反対のときも珍しくない。
羽生さんは、2手目3二飛について、序盤にはいろんな可能性がありますよ
ねってな短いコメントだけでそっけない。まだ本書の解説執筆時の公式戦で3
局、先の銀河戦を入れても4局しかないうちの1局を羽生さんは公式戦で指し
ているんですけど。^^;
このそっけなさは、実は、この戦法を深く研究してまたやってみようと思っ
ているからなのでは。\(^O^)/
森内名人は、これは重大な発見になるかもしれないという意見です。
解説によると、この作戦、関西奨励会の今泉健司三段の発案が久保八段経由
で関東の長岡四段に伝わったものだそうです。
囲碁と将棋のコラボといえば、囲碁将棋チャンネルの週刊囲碁パラダイスに、
なんと、米長将棋連盟会長が出演して、囲碁と将棋を語ってました。
米長流というか、囲碁の局面評価には独特の尺度をもっているんですね。な
るほど、そういう考え方なのかと思いました。棋力は、プロが本気を出すと四
子でも勝てないが、三子でも勝つ秘術をもっていると。それで趙治勲さんに勝
った。その秘術がすごかった。\(^O^)/
特集を読みながら、あれこれ考えると、たしか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480063927/showshotcorne-22/
頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書 688) (新書)
渡辺 明 (著)
の中で書いていたと思うが、渡辺竜王がいうように、コンピュータ将棋が人間
の名人に、一度や二度は勝っても、常に勝つのは非常に難しいんじゃないか。
ハードウェアの進化があっても、よほどのブレークスルーがないとあと10年
で人間の名人に常に勝つようになるとは、あまり、考えられない。
プロが指した棋譜から統計的な学習や強化学習をする手法だと、どうしても
プロの後追いにしかならない。人間は、コンピュータの棋風がわかれば、徹底
的に研究し、対策を編み出してしまうだろうし、コンピュータそのものには創
造性や創発性はないから、対策を思いつくことがない。コンピュータ囲碁に革
命を起こしたモンテカルロ法による手法も人間の名人級に常に勝つには難しい。
この辺は、1980年代までのAI(人工知能)をかじった人なら、その限界が容易
にみえると思うので、なんか、ブレークスルーがないとね。目からウロコ、コ
ロンブスの卵みたいな発見かもしれないけれど。
いっそ、量子コンピュータを完成させて囲碁や将棋の全局面を計算してしま
わないとだめなのかも。^^;
量子コンピュータは、実用化されて普及するには、少なくともあと50年はか
かると思うのね。おれが生きているうちは無理でしょう。くやしいなあ。残念
なことです。^^;
そうそう、銀河戦では、まだ高校生の最年少棋士である豊島将之四段が、飯
島栄治五段に勝ちましたね。解説の橋本崇載七段によれば、途中、飯島五段が
勝勢といっていいくらいだったのに、豊島四段が丁寧に粘りに粘って、9五角
一発で一気に差を詰めて逆転までもっていきました。これで、豊島四段は6連
勝。プロになって初めての年で、勝率が8割ですって。
関西では、谷川永世名人以来の超大型有望棋士と期待沸騰です。
銀河戦の決勝トーナメントでは、トッププロとも戦うので、楽しみですね。
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_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年04月30日 06時16分28秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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コメントの流れは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/11/3058782
宮本衛
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コメントの流れは、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/04/11/3058782
宮本衛
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年06月18日 05時21分35秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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とうとう、羽生2冠が4勝2敗で森内名人を破り、永世名人になり
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とうとう、羽生2冠が4勝2敗で森内名人を破り、永世名人になり
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2008年07月24日 00時02分14秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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深浦王位に羽生4冠が挑戦している王位戦。
第1局は羽生さ
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深浦王位に羽生4冠が挑戦している王位戦。
第1局は羽生さ
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2009年04月22日 09時33分34秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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ぼーっとしてたら、いろいろタイトル戦がありましたね。
ま
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ぼーっとしてたら、いろいろタイトル戦がありましたね。
ま
_ ホットコーナーの舞台裏 - 2014年10月21日 06時17分47秒
ASAHIネット(http://asahi-net.jp )のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
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森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第1局
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森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第1局
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