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Re: 毒ギョーザ問題2008年02月06日 10時10分54秒

http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/02/03/2599027
Re: 毒ギョーザ問題
の、さらに続き(続きその2かな)。

ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。

標題: Re: 毒ギョーザ問題
---
Nakamura Shouzaburou さんは書きました:
>  たびたび名を出す経済学者野口悠紀雄さんですが、食糧自給に関しては全然
> 反対の考え方ですね。
>  簡単にいえば、自給率が低くてもかまわない。買える金があればいい。むし
> ろ、世界中から分散して食料を輸入できれば、効率的に食料を調達できるし、
> リスク分散になる。というもの。
>  ぼくはエネルギー自給率が低いのに食糧自給はあり得ないと思っているから、
> 基本的にその考えに賛成ですね。

 本当に協調できる国境無きグローバリズムが浸透していれば、それは可能なん
ですが、方便としてのグローバリズムは存在するけど、理念としてのグローバリ
ズムが存在していない点が問題なんです。

 だから、戦略的に国家が食料を統制する可能性だって出てくる。ある程度の技
術移転が済んだら、日本の立場って存在が薄くなる。特に政治的な決断が遅く、
その責任の所在もハッキリしない。こうした状態では金融立国などは夢のまた夢
で、カタールなどの国際金融センターを目指すようなオイルマネーをつかった国
家的規模の投資も行われていない。つまり、国際的な観点から言えば、立場はど
んどん後退していって、注視するに値しない状態にまで落ち込むと、金すら無く
なるという可能性もあるわけです。

 エネルギーに関して言えば、今のところ日本には「ゴミ」という膨大な資源が
あります。これをエネルギーに変換するために、くだらない分別などは「燃やせ
る」か「燃やせない」かに単純分別して燃やす、というのは駄目なのかなぁ。

 落ち葉のたき火で焼き芋を焼いてもダイオキシンは生じるわけですからねぇ。
---
たま@無精庵

===
標題: Re: 毒ギョーザ問題
---
 やっと採点が終わったので、いっぱい、あれこれたまっちゃってるけど、徐
々に復帰します。
 まず、訂正。前回、
--- ここから ---
 この前、
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/01/19/2567707
サブプライムローン問題、モノ作り脱却論、金融立国論その3
で、冒頭だけ読んでいた状態でちょっと書いた
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478000840/showshotcorne-22/
ジョセフ・E・スティグリッツ著, 藪下史郎監修, 藤井清美訳「スティグリッ
ツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く」
ですが、全部、読みました。
--- ここまで ---
と書いたけど、これ、大嘘(すでに修正済みですが)。読んだのは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/419862254X/showshotcorne-22/
ジョセフ・E. スティグリッツ著, 楡井浩一訳「世界に格差をバラ撒いたグロ
ーバリズムを正す」
のほうです。
 元の
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/01/19/2567707
サブプライムローン問題、モノ作り脱却論、金融立国論その3
で、2つ目と書いてあるから(これは正しい)、そこまで読んでいれば間違えな
いかもしれないけど、間違って、買われた方、申し訳ございません。
 でも、「スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読
み解く」も、週刊ダイヤモンドの連載を読んでいた限り、いいこと書いてある
ので、読んで損はないと思います。

> 本当に協調できる国境無きグローバリズムが浸透していれば、それは可能
なんですが、方便としてのグローバリズムは存在するけど、理念としてのグロ
ーバリズムが存在していない点が問題なんです。

 「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」は、まさに理念としての
グローバリズムをどう確立するかということに、真正面から斬り込んでいます。
 欧米、特にアメリカによる横暴、不平等条約的な仕打ちによって、どれほど、
グローバリズム本来のよさが歪められているか、それをどう是正するか、その
ための国際機関の改革はどうなされるべきか、など実に示唆に富んでいます。
 アメリカ、特にブッシュのアメリカに顕著な、金融市場は開放しろというの
に、自国の農業市場は開放しないといったダブルスタンダード。それを自由貿
易だと言いくるめる嘘。これ、自分だけが自由にやり放題やりたいだけの自由
貿易。こういうことが自由貿易、民主主義、グローバリズムの名を騙って行な
われていることには、我慢ならんという強烈な意志表明。
 世界、特に発展途上国が健全に育ち、人類がもっともっと幸福になるには、
どうすればいいか、そのことを豊富な事例から真摯に考えています。

 日本のビジネス書は、単行本も新書も、トンデモかクズか、どうやって人を
出し抜いて自分だけいい思いをするかといったどこまでいっても利己的なもの
か(最近流行のライフハックものもこの系統ですね)、なんにせよ、志が低いも
のが多いですが、クリントン政権の経済の司令塔として、また世界銀行副総裁
として、世界中を飛び回って、中でも発展途上国の病貧争をなくすために尽力
し、ノーベル経済学賞も受賞したスティグリッツ教授は、さすがに違うなと思
いましたね。
 日本のビジネス書を書いてる連中(大学教授、経済学者やエコノミストも含
む)とは、志、目線、立ち位置が違いすぎる。日本のビジネス書を書いてる連
中(大学教授、経済学者やエコノミストも含む)なんか、目くそ、鼻くそにしか
思えなくなるね。\(^O^)/
 経済学の世界にも、こういう人がいるんだと思うだけでも心が洗われるとい
うね、読後、そう思いましたね。
 榊原英資が推薦していても、本書に免じて許してやる。\(^O^)/

 で、そうはいっても、搾取、略奪のための方便としてのグローバリズム全盛
ですからね。
 日本の農業は、エネルギーを多く使うでしょ。農水省と農協が牛耳って、農
民をバカにして自由にさせないから、効率化も難しいでしょ。それで、エネル
ギー自給率が上がらない以上、食料自給率を上げるなんてのも、絵空事にしか
思えないんです。
 土地を使わないバイオ工場による食糧生産は、日本の技術が生きそうな気が
しますが、ミョーな自然信仰、天然モノ信仰がある日本社会では、なかなか大
変ですからね。

 で、さらに、たまさんがいうように、エネルギーや食料を買う金も日本から
どんどんなくなっていく。
 となれば、移民。小松左京さんが本来書きたかった「日本沈没」になるわけ
ですね。日本沈没は、日本がなくなって、離散した元島国の国民である日本人
が世界でどう生きていくかを書くための前半であって、日本を沈没させるとこ
ろまでの話。その後がほんとに書きたかったことだったそうですけど。谷甲州
さんと共著になっている
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093876002/showshotcorne-22/
小松左京, 谷甲州著「日本沈没 第二部」
が、その後を書いたものだそうですが、未読。^^;

 若い人は、どんどん海外に出て行って、老人や障碍者など保護が必要な人が
残る国家となって、それこそ、若い人が海外で稼いで、「ふるさと納税」する
(笑)世界になるのかもね。

 あと、毒ギョーザに関連して、いま、話題になってる本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046211571/showshotcorne-22/
富坂聰著「中国ニセ食品のカラクリ」

 昨年暮れに出た本ですが、この毒ギョーザ問題で、注目を集めているそうで
す。未読ですが、アマゾンの素人評を読むと、相当にエグい世界みたいですね。
 中国の業者も、日本人はガタガタ言い過ぎてコストがかかり過ぎるから、も
う、輸出せんとかいってるようですし。
 ゴルゴ13って、子供のころ、毒を少しずつ飲まされて、毒にある程度強く
なるように育てられたんじゃなかった?
 将軍のお毒見役は、そうやって育てられるんじゃなかった?
 この先、食料を日本が買えなくなると、品質の悪いものも食わないと生きて
いけなくなるから、いまのうちに農薬くらいは少しずつ飲むのがいいのか。\(^O^)/