マッシュアップ小説 ― 2006年11月19日 22時48分46秒
ASAHIネット(http://www.asahi-net.or.jp)のjouwa/salonからホットコーナー(http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/ )に転載したものから。
---
以下、前半は、以前、tti/salonにアップしたものです。反応は特になかっ
たけど。^^;
後半は、いま書いた、この件に関するおれなりの感想で、tti/salonにアッ
プしたものにはありません。
読者のknoxさんからのメールを紹介します。
音楽では、マッシュアップやリミックスといって、他人の曲や音源を混ぜ合
わせて別のものを作ることがよく行われていますし、ネットの世界でも最近増
えてきました。
一番有名例は、いろんな新聞から記事をもってきて勝手に再構成しているグ
ーグルニュースでしょうか。
http://news.google.co.jp/
で、このメールは、矢作俊彦氏がマッシュアップで小説を書いたという話で
す。
--- ここから ---
今日は。
普通のお便り(何やそれ、ラジオかいっ>自分)なんですが。
スラドを 10 日遅れで追いかけていて、面白い記事に当たりました。
で、こんな事を筒井さんとかなら、どう評するかなぁ、と考えてしまいました。
中村さんは、どう感じるでしょう。
日本初のワープロを手がけた森健一氏が文化功労者に選ばれる
http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/10/29/0240244
の最後に紹介されている、
矢作俊彦インタビュー
http://hotwired.goo.ne.jp/speakout/interview/980227/text.html
です。
新作の小説を書く為に、
「それをやるにあたって、チャンドラーの全部の文章をスキャナーで読み込ん
で、Macに取り込んだわけ。デジタル化したわけ。それを、"マーロウがこうし
ている"というような条件検索にかけて、全部バラして、それから全部ブッこ
んで、それで文章の頭の部分を自分の文章に書き換えていったわけ。」
と、言うような作業をした、との事です。
つまり、音楽で言うところのサンプリングに当たるのでしょう。
筒井さんの作品とか、SF 一般というか、作品をバラして、再構築したら、ま
た、面白いものができそうなものがたくさんありそうな気がします。
いや、筒井さんを思い出したのは、
「それに気づいた人も何人か文芸評論家にはいるんだけれども、面白がってい
るだけで、何にもいわないんだ。そこを挑発して、誰かに考えて欲しい。ぼく
は、あれは盗作ではないという自信があるし、面白いでしょ、ぼくの作品だ、
という自信もある。だけど、チャンドラーの小説も使いました。翻訳も平気で
使いました。なかには、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の有
名なシーンが延々と4頁もまるまる使ってあります。でも、誰も気づかないほ
ど、ひとつの小説になっているでしょ、と。脱構築とはこういうことを言うじ
ゃないですか、と言いたいわけ」
の様に問題提起が有るから。
手法の新奇性、脱構築、問題提起。何か、新しいオモチャを前にしたようにワ
クワクします。
ワードプロセッシングという道具の可能性は、まだまだありそう、
と言う所ですね。
ではでは。
長文、しかも、殆ど引用、失礼しました。
--- ここまで ---
おれの場合、これ、コンピュータでできるんじゃないかなどということを考
えてしまうんですよ。
そのジャンルの学問をどう呼ぶのか忘れてしまったが、テキストを解析して
作家の文体の特徴を調べる学問があります。
そうすると、この文章はシェイクスピアの文章である確率は80%などとい
えるわけです。逆に応用すれば、いかにもシェクスピアが書いた文章を生成す
ることもできるわけ。
日本の作家の場合、テキストの電子化が遅れたこともあって、そういう解析
をしている研究者がどれくらいいるかわかりませんが、あおぞら文庫のように
往年の名作を電子テキスト化しているところもあるので、これから研究が進む
かもしれません。
でも、筒井康隆さんみたいに、文体を特定できないように変えてしまうよう
な人もいるので、筒井さんの場合はどうかな。エッセイは文体はかなり固定的
だと思うんだけど、初期のドタバタのあとは、わざと読み飛ばされないように
読みにくく句読点の少ない一文が長い文体にしてみたり、非常に実験的なので、
なかなかむずかしいかも。
前期、後期などと期間を区切ればその時期の特徴は抽出できそうな気もする
けど、単に文字面の解析だけじゃなくて、作品全体の構成とか、テーマとかそ
ういうので特徴抽出するアプローチじゃないと、むずかしいかも。
http://www.aozora.gr.jp/
あおぞら文庫
で、コンピュータによる自然言語処理のもっと俗な金儲けへの応用というこ
とでいえば、ブログを1000くらいもって、自分じゃ書かずに、ネット上の
あちこちからそのブログのテーマに合うような文章をかき集めて、文体を変え、
構成を変え、あたかも人間が、それも別々の人間が書いたかのようにしてしま
うというのもアイデアとしてはありますね。コンピュータにやらせるわけ。
でもって、Googleのアドセンスなりで広告を配信させて、金儲けに使うわけ。
そんなことを妄想していたら、つい、この前、聞いた話だと、アルバイトを
何人も雇ってブログを書かせて、アドセンスなりの広告や商品販売で大儲け人
も実際にいるらしいですね。そいつは、元締めをやっていて表には出ないけれ
ど、実際は何百もブログをもっているそうです。表に出ているのはバイトね。
いろいろ考えますねぇ。
おれも1000くらいブログをもつかな。
1000のブログを持つ男。\(^O^)/
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以下、前半は、以前、tti/salonにアップしたものです。反応は特になかっ
たけど。^^;
後半は、いま書いた、この件に関するおれなりの感想で、tti/salonにアッ
プしたものにはありません。
読者のknoxさんからのメールを紹介します。
音楽では、マッシュアップやリミックスといって、他人の曲や音源を混ぜ合
わせて別のものを作ることがよく行われていますし、ネットの世界でも最近増
えてきました。
一番有名例は、いろんな新聞から記事をもってきて勝手に再構成しているグ
ーグルニュースでしょうか。
http://news.google.co.jp/
で、このメールは、矢作俊彦氏がマッシュアップで小説を書いたという話で
す。
--- ここから ---
今日は。
普通のお便り(何やそれ、ラジオかいっ>自分)なんですが。
スラドを 10 日遅れで追いかけていて、面白い記事に当たりました。
で、こんな事を筒井さんとかなら、どう評するかなぁ、と考えてしまいました。
中村さんは、どう感じるでしょう。
日本初のワープロを手がけた森健一氏が文化功労者に選ばれる
http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/10/29/0240244
の最後に紹介されている、
矢作俊彦インタビュー
http://hotwired.goo.ne.jp/speakout/interview/980227/text.html
です。
新作の小説を書く為に、
「それをやるにあたって、チャンドラーの全部の文章をスキャナーで読み込ん
で、Macに取り込んだわけ。デジタル化したわけ。それを、"マーロウがこうし
ている"というような条件検索にかけて、全部バラして、それから全部ブッこ
んで、それで文章の頭の部分を自分の文章に書き換えていったわけ。」
と、言うような作業をした、との事です。
つまり、音楽で言うところのサンプリングに当たるのでしょう。
筒井さんの作品とか、SF 一般というか、作品をバラして、再構築したら、ま
た、面白いものができそうなものがたくさんありそうな気がします。
いや、筒井さんを思い出したのは、
「それに気づいた人も何人か文芸評論家にはいるんだけれども、面白がってい
るだけで、何にもいわないんだ。そこを挑発して、誰かに考えて欲しい。ぼく
は、あれは盗作ではないという自信があるし、面白いでしょ、ぼくの作品だ、
という自信もある。だけど、チャンドラーの小説も使いました。翻訳も平気で
使いました。なかには、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の有
名なシーンが延々と4頁もまるまる使ってあります。でも、誰も気づかないほ
ど、ひとつの小説になっているでしょ、と。脱構築とはこういうことを言うじ
ゃないですか、と言いたいわけ」
の様に問題提起が有るから。
手法の新奇性、脱構築、問題提起。何か、新しいオモチャを前にしたようにワ
クワクします。
ワードプロセッシングという道具の可能性は、まだまだありそう、
と言う所ですね。
ではでは。
長文、しかも、殆ど引用、失礼しました。
--- ここまで ---
おれの場合、これ、コンピュータでできるんじゃないかなどということを考
えてしまうんですよ。
そのジャンルの学問をどう呼ぶのか忘れてしまったが、テキストを解析して
作家の文体の特徴を調べる学問があります。
そうすると、この文章はシェイクスピアの文章である確率は80%などとい
えるわけです。逆に応用すれば、いかにもシェクスピアが書いた文章を生成す
ることもできるわけ。
日本の作家の場合、テキストの電子化が遅れたこともあって、そういう解析
をしている研究者がどれくらいいるかわかりませんが、あおぞら文庫のように
往年の名作を電子テキスト化しているところもあるので、これから研究が進む
かもしれません。
でも、筒井康隆さんみたいに、文体を特定できないように変えてしまうよう
な人もいるので、筒井さんの場合はどうかな。エッセイは文体はかなり固定的
だと思うんだけど、初期のドタバタのあとは、わざと読み飛ばされないように
読みにくく句読点の少ない一文が長い文体にしてみたり、非常に実験的なので、
なかなかむずかしいかも。
前期、後期などと期間を区切ればその時期の特徴は抽出できそうな気もする
けど、単に文字面の解析だけじゃなくて、作品全体の構成とか、テーマとかそ
ういうので特徴抽出するアプローチじゃないと、むずかしいかも。
http://www.aozora.gr.jp/
あおぞら文庫
で、コンピュータによる自然言語処理のもっと俗な金儲けへの応用というこ
とでいえば、ブログを1000くらいもって、自分じゃ書かずに、ネット上の
あちこちからそのブログのテーマに合うような文章をかき集めて、文体を変え、
構成を変え、あたかも人間が、それも別々の人間が書いたかのようにしてしま
うというのもアイデアとしてはありますね。コンピュータにやらせるわけ。
でもって、Googleのアドセンスなりで広告を配信させて、金儲けに使うわけ。
そんなことを妄想していたら、つい、この前、聞いた話だと、アルバイトを
何人も雇ってブログを書かせて、アドセンスなりの広告や商品販売で大儲け人
も実際にいるらしいですね。そいつは、元締めをやっていて表には出ないけれ
ど、実際は何百もブログをもっているそうです。表に出ているのはバイトね。
いろいろ考えますねぇ。
おれも1000くらいブログをもつかな。
1000のブログを持つ男。\(^O^)/
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